訂正有価証券報告書-第15期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/11/06 15:50
【資料】
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【項目】
122項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1) 保険会社の決算と特筆すべき指標等
① 保険会社の収支構造
当連結会計年度における生命保険会社及び損害保険会社の主な収入は契約者から払い込まれた保険料と運用による利息や配当金、有価証券売却益等の運用収益であります。これに対して支出は保険契約に伴う保険金や給付金等の支払いと支払利息、有価証券売却損などの資産運用費用及び保険契約の募集や維持・保全に必要な事業費などがあります。
② 重要な負債科目:責任準備金
将来の保険金等の支払に備えて、保険業法で資金を積み立てることが義務付けられている準備金であります。保険会社の負債の大部分はこの責任準備金で占められております。当連結会計年度は4兆9,125億円、負債に対する占率80.1%となっております。
③ ソルベンシー・マージン比率
支払余力を表す比率であります。保険会社は将来の保険金等の支払いに備えて責任準備金を積み立てておりますので、通常予想される範囲のリスクについては十分対応できます。しかし、環境の変化等によって予想もしない出来事が起こる場合があります。例えば、大災害や株の暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断するための行政監督上の指標の一つがソルベンシー・マージン比率であります。この比率が200%を下回った場合には、監督当局によって早期に経営の健全性の回復を図るための措置がとられます。
保険子会社のソルベンシー・マージン比率は以下のとおりであります。
アクサ生命保険株式会社 713.9%
アクサダイレクト生命保険株式会社 2,667.3%
アクサ損害保険株式会社 842.7%
④ 基礎利益
基礎利益とは、生命保険会社のフロー収益を表す指標の1つであり、経常利益から売却損益等の臨時的損益を除いた、生命保険会社の基礎的な期間収益の状況を表す指標であります。
生命保険子会社の当連結会計年度における基礎利益は以下のとおりであります。
アクサ生命保険株式会社 857億円
アクサダイレクト生命保険株式会社 △35億円
アクサダイレクト生命保険株式会社は、設立後間もないため、当連結会計年度における基礎利益はマイナスとなっております。
(2)財政状態及び経営成績の分析
① 業績の概況
当期純利益は305億円となり、前連結会計年度の241億円から63億円増加いたしました。
生命保険子会社の当期純利益は440億円となり前連結会計年度から122億円増加となりました。これは主に、責任準備金繰入額が2,003億円減少したこと、利息及び配当金等収入が307億円増加したことなどによるものであります。
損害保険子会社であるアクサ損害保険株式会社の当期純利益は25億円となり、前連結会計年度から6億円減少いたしました。これは主に、当期より連結納税を適用することに伴い、前期において繰延税金資産を計上したことにより前期純利益が一時的に増加したためであります。
(a)保険料等収入、保険金等支払金
保険料等収入は前年度比83.5%の5,862億円、保険金等支払金は前年度比116.1%の5,835億円となりました。
(b)責任準備金等繰入額
責任準備金の繰入額は409億円となりました。
(c) 資産運用
総資産は対前年比279億円増の6兆5,540億円となりました。収益面では利息及び配当金等収入が対前年比308億円増の1,370億円となり、「資産運用収益-資産運用費用」の純額では、対前年比126億円増の2,390億円となりました。
資産運用については、「ALM」(アセット・ライアビリティー・マネジメント)に基づいた資産の適正な配分を行い、グループのグローバルな資産運用能力を活用しております。
リスク管理については、リスク管理部門と運用部門を分離し、相互牽制が十分に機能する体制を構築しております。また、リスク管理を徹底するために、市場リスク、信用リスクを計測(VaR管理)し、合理性のあるリスク量の上限(リスクリミット)を設定し、その状況を定期的に経営層へ報告する等の手段を構築しております。
(d)事業費
当連結会計年度の事業費は前年比101.0%の1,277億円となりました。
なお、事業費にはのれんの償却額156億円が含まれており、当連結会計年度末におけるのれんの未償却残高は1,344億円となりました。
(e)その他経常費用
その他経常費用128億円のうちの主なものは、消費税等税金56億円、減価償却費35億円及び退職給付引当金繰入額25億円であります。
(f)特別利益
特記すべき事項はありません。
(g)特別損失
特別損失28億円のうち27億円は価格変動準備金繰入額によるものであります。価格変動準備金は、株式等の価格変動の著しい資産について、その価格が将来下落したときに生じる損失に備えることを目的に、保険業法第115条第1項に基づいて積み立てた金額であります。
(h)契約者配当準備金繰入額
契約者配当準備金繰入額は、前年度比93.4%の87億円となりました。
(i)その他
連結子会社のアクサダイレクト生命保険株式会社において、保険業法第113条繰延資産償却費として14億円を計上しております。同条の規定に基づき事業費の一部を資産計上及びその償却を行っていることにより計上されております。
② キャッシュ・フローの分析
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度1,931億円の収入から44億円の支出となりました。これは主に、保険料等収入の減少に加えて保険金等支払金が増加したこと等であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度1,416億円の支出から251億円の収入となりました。これは主に、有価証券の取得による支出が減少したこと等によるためであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度299億円の支出から449億円の支出となりました。これは主に、配当金支払が増加したことによるためであります。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末から242億円減少し、902億円となりました。