有価証券報告書-第9期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/26 15:52
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139項目

業績等の概要

(1) 業績
当期の世界経済は、米国や欧州において景気回復が続き、アジアにおいて景気の持ち直しの動きがみられるなど、総じて緩やかに回復いたしました。
わが国経済は、マイナス金利政策による長期金利の低下などの影響があったものの、雇用情勢の改善を背景に個人消費に持ち直しの動きがみられ、また設備投資や企業収益にも引き続き改善傾向がみられるなど、緩やかな回復基調をたどりました。
損害保険業界におきましては、火災保険や海上保険を中心に収入保険料が減少し、熊本地震など自然災害の影響により保険金支払が増加いたしました。生命保険業界におきましては、個人保険の保有契約高はおおむね横ばいとなりましたが、医療保険を中心に保有契約件数は増加いたしました。

このような経営環境のもと、当社グループは、平成26年度からスタートいたしました中期経営計画
ネクスト チャレンジ
「Next Challenge 2017」に基づき、「機能別再編の完遂」、「グループガバナンスの強化とERM(統合的リス

ク管理)経営の推進」、「将来の環境変化を見据えた事業構造の変革」、「プロフェッショナルとしてチャレンジする企業文化の浸透と人財の育成」を推進ドライバーとして、成長の持続と収益性の向上、健全性の確保と資本効率の向上を基軸としたグループ全体としての企業価値の拡大に取り組みました。
機能別再編につきましては、三井住友海上火災保険株式会社とあいおいニッセイ同和損害保険株式会社において、損害サービスシステムの共同開発を進めたほか、商品・事務の共通化を一層図るなどグループの一体感を高める取組みを推進いたしました。
当社は、グループ経営戦略の達成に向け、海外におけるグループシナジーを追求するグループ海外事業委員会を新設するなど経営管理態勢のさらなる強化を図ったほか、ICTを活用した商品・サービスの開発機能の強化等を目的とする専門部署を新設するなどグループの新たなビジネスモデルの構築に向けた取組みを推進いたしました。
このような中、当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。
経常収益は、保険引受収益が4兆8,108億円、資産運用収益が5,072億円、その他経常収益が170億円となった結果、5兆3,352億円となりました。一方、経常費用は、保険引受費用が4兆2,563億円、資産運用費用が550億円、営業費及び一般管理費が6,535億円、その他経常費用が175億円となった結果、4兆9,826億円となりました。
以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ610億円増加し、3,526億円となりました。経常利益に特別損益、法人税及び住民税等などを加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ289億円増加し、2,104億円となりました。
セグメントごとの業績は以下のとおりであります。
① 国内損害保険事業(三井住友海上火災保険株式会社)
経常収益は、保険引受収益が1兆6,096億円、資産運用収益が1,590億円、その他経常収益が41億円となった結
果、1兆7,728億円となりました。一方、経常費用は、保険引受費用が1兆3,199億円、資産運用費用が119億
円、営業費及び一般管理費が2,176億円、その他経常費用が78億円となった結果、1兆5,573億円となりました。
以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ476億円増加し、2,155億円となりました。経常利益に特別損益、法
人税及び住民税などを加減した当期純利益は、前事業年度に比べ505億円増加し、1,645億円となりました。
② 国内損害保険事業(あいおいニッセイ同和損害保険株式会社)
経常収益は、保険引受収益が1兆2,466億円、資産運用収益が520億円、その他経常収益が63億円となった結
果、1兆3,049億円となりました。一方、経常費用は、保険引受費用が1兆261億円、資産運用費用が144億円、営業費及び一般管理費が1,868億円、その他経常費用が23億円となった結果、1兆2,297億円となりました。
以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ134億円増加し、751億円となりました。経常利益に特別損益、法人
税及び住民税などを加減した当期純利益は、前事業年度に比べ192億円増加し、503億円となりました。
③ 国内損害保険事業(三井ダイレクト損害保険株式会社)
経常収益は、保険引受収益が376億円となったことなどにより、377億円となり、経常費用は、保険引受費用が
306億円、営業費及び一般管理費が80億円となったことなどにより、387億円となりました。
これらにより、経常損益は前事業年度に比べ44億円増加し、9億円の損失となり、当期純損益についても前事
業年度に比べ44億円増加し、10億円の損失となりました。この結果、出資持分考慮後の当期純損益(セグメント
損益)は、前事業年度に比べ34億円増加し、9億円の損失となりました。
④ 国内生命保険事業(三井住友海上あいおい生命保険株式会社)
経常収益は、保険料等収入が4,802億円、資産運用収益が475億円、その他経常収益が24億円となった結果、
5,301億円となりました。一方、経常費用は、保険金等支払金が1,834億円、責任準備金等繰入額が2,374億円、
資産運用費用が38億円、事業費が769億円、その他経常費用が123億円となった結果、5,140億円となりました。
以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ24億円減少し、161億円となりました。経常利益に特別損益、法人
税及び住民税などを加減した当期純利益は、前事業年度に比べ14億円減少し、45億円となりました。
⑤ 国内生命保険事業(三井住友海上プライマリー生命保険株式会社)
経常収益は、保険料等収入が1兆838億円、資産運用収益が1,856億円、その他経常収益が33億円となった結果、1兆2,728億円となりました。一方、経常費用は、保険金等支払金が4,693億円、責任準備金等繰入額が6,730億円、資産運用費用が15億円、事業費が613億円、その他経常費用が98億円となった結果、1兆2,151億円となりました。
以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ177億円増加し、576億円となりました。経常利益に特別損益、法人
税及び住民税などを加減した当期純利益は、前事業年度に比べ28億円増加し、207億円となりました。
⑥ 海外事業(海外保険子会社)
海外保険子会社セグメントについては、正味収入保険料は前連結会計年度に比べ3,562億円増加し、6,931億円となりました。
経常利益は前連結会計年度に比べ24億円増加し、400億円となり、出資持分考慮後の当期純利益(セグメント利益)は前連結会計年度に比べ45億円減少し、240億円となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、保険金の支払額が増加したことなどにより前連結会計年度に比べ2,040億円減少し、1兆869億円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出があった前連結会計年度に比べ6,030億円増加し、△6,148億円となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、借入れによる収入が減少したことなどにより前連結会計年度に比べ2,992億円減少し、△1,001億円となりました。これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より3,594億円増加し、1兆4,159億円となりました。