有価証券報告書-第8期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/22 16:13
【資料】
PDFをみる
【項目】
135項目

業績等の概要

(1) 業績
当期の世界経済は、米国において個人消費が増加したものの、中国をはじめとする新興国経済の景気が減速するなど、情勢が大きく変化いたしました。
わが国経済も、雇用・所得環境や非製造業を中心とした企業収益の改善傾向が見られたものの、個人消費や設備投資の回復に遅れがみられました。
損害保険業界におきましては、火災保険や自動車保険を中心に収入保険料が増加いたしました。生命保険業界におきましては、個人保険の保有契約高の減少傾向に落ち着きがみられ、保有件数は増加いたしました。

このような経営環境のもと、当社グループは、平成26年度からスタートいたしました中期経営計画
ネクスト チャレンジ
「Next Challenge 2017」に基づき、ERM(統合的リスク管理)経営を推進し、健全性を基盤に、成長の持続と

収益性・資本効率の向上を図り、企業価値の拡大に努めてまいりました。また、三井住友海上火災保険株式会社及びあいおいニッセイ同和損害保険株式会社は、商品の共同開発や大規模な災害が発生した際の保険金支払を円滑に進めるための共同立会拠点の設置など機能別再編の取組みを進めました。さらに、グローバルな事業展開を支える人財の育成やプロフェッショナルとしてチャレンジする企業文化の浸透に取り組んでまいりました。
当社は、「コーポレートガバナンスに関する基本方針」を定め、独立社外取締役の比率を3分の1に引き上げるなど、コーポレートガバナンス態勢のさらなる拡充に取り組んだほか、グループの事業を統括する持株会社として、グループ全体の経営戦略の策定やリスク管理態勢及びコンプライアンス態勢の強化など、グループ会社に対する経営管理態勢を拡充し、グループガバナンスのさらなる強化を図りました。
このような中、当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。
経常収益は、保険引受収益が4兆6,065億円、資産運用収益が3,895億円、その他経常収益が168億円となった結果、5兆130億円となりました。一方、経常費用は、保険引受費用が3兆9,042億円、資産運用費用が2,107億円、営業費及び一般管理費が5,908億円、その他経常費用が156億円となった結果、4兆7,214億円となりました。
以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ45億円増加し、2,915億円となりました。経常利益に特別損益、法人税及び住民税等などを加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ452億円増加し、1,815億円となりました。
セグメントごとの業績は以下のとおりであります。
① 国内損害保険事業(三井住友海上火災保険株式会社)
経常収益は、保険引受収益が1兆6,296億円、資産運用収益が1,874億円、その他経常収益が56億円となった結果、1兆8,227億円となりました。一方、経常費用は、保険引受費用が1兆4,052億円、資産運用費用が267億円、営業費及び一般管理費が2,151億円、その他経常費用が77億円となった結果、1兆6,548億円となりました。
以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ34億円減少し、1,678億円となりました。経常利益に特別損益、法人税及び住民税などを加減した当期純利益は、前事業年度に比べ248億円増加し、1,139億円となりました。
② 国内損害保険事業(あいおいニッセイ同和損害保険株式会社)
経常収益は、保険引受収益が1兆2,430億円、資産運用収益が607億円、その他経常収益が61億円となった結果、1兆3,099億円となりました。一方、経常費用は、保険引受費用が1兆318億円、資産運用費用が203億円、営業費及び一般管理費が1,936億円、その他経常費用が24億円となった結果、1兆2,482億円となりました。
以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ72億円減少し、617億円となりました。経常利益に特別損益、法人税及び住民税などを加減した当期純利益は、前事業年度に比べ83億円減少し、310億円となりました。
③ 国内損害保険事業(三井ダイレクト損害保険株式会社)
経常収益は、保険引受収益が365億円となったことなどにより、367億円となり、経常費用は、保険引受費用が342億円、営業費及び一般管理費が77億円となったことなどにより、420億円となりました。
これらにより、経常損益は前事業年度に比べ11億円減少し、53億円の損失となり、当期純損益についても前事業年度に比べ10億円減少し、54億円の損失となりました。この結果、出資持分考慮後の当期純損益(セグメント損益)は、前事業年度に比べ11億円減少し、43億円の損失となりました。
④ 国内生命保険事業(三井住友海上あいおい生命保険株式会社)
経常収益は、保険料等収入が4,622億円、資産運用収益が477億円、その他経常収益が25億円となった結果、5,125億円となりました。一方、経常費用は、保険金等支払金が1,752億円、責任準備金等繰入額が2,303億円、資産運用費用が20億円、事業費が750億円、その他経常費用が111億円となった結果、4,939億円となりました。
以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ27億円増加し、186億円となりました。経常利益に特別損益、法人税及び住民税などを加減した当期純利益は、前事業年度に比べ16億円増加し、60億円となりました。
⑤ 国内生命保険事業(三井住友海上プライマリー生命保険株式会社)
経常収益は、保険料等収入が1兆3,001億円、資産運用収益が628億円、その他経常収益が31億円となった結果、1兆3,662億円となりました。一方、経常費用は、保険金等支払金が6,385億円、責任準備金等繰入額が4,249億円、資産運用費用が1,604億円、事業費が900億円、その他経常費用が122億円となった結果、1兆3,262億円となりました。
以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ221億円増加し、399億円となりました。経常利益に特別損益、法人税及び住民税などを加減した当期純利益は、前事業年度に比べ54億円増加し、178億円となりました。
⑥ 海外事業(海外保険子会社)
海外保険子会社セグメントについては、正味収入保険料は前連結会計年度に比べ436億円増加し、3,368億円となりました。
経常利益は前連結会計年度に比べ72億円減少し、376億円となり、出資持分考慮後の当期純利益(セグメント利益)は前連結会計年度に比べ64億円減少し、285億円となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、保険料の収入額が増加したことなどにより前連結会計年度に比べ6,628億円増加し、1兆2,910億円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が増加したことなどにより前連結会計年度に比べ8,073億円減少し、△1兆2,179億円となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、借入れによる収入などにより前連結会計年度に比べ2,580億円増加し、1,990億円となりました。これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より2,509億円増加し、1兆564億円となりました。