有価証券報告書-第8期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/22 16:13
【資料】
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【項目】
135項目

事業等のリスク

当社グループの経営成績及び財政状態に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりであります。
なお、本項に記載した将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 資産運用に関するリスク
当社グループは、有価証券・貸付金・不動産等様々な運用資産(オフバランス資産を含む)を保有しておりますが、経済環境や金融市場の悪化等により資産及び負債の価値が変化することで当社グループの業績に影響が生じるリスクを内包しており、主に以下のようなリスクがあります。
① 株価下落リスク
取引先との中長期的な関係維持の観点等から大量の株式を保有しておりますが、株式相場が下落した場合に、資産価値の減少や評価損、売却損が発生する可能性があります。
② 金利変動リスク
保有している債券、貸付金等の資産について、金利が上昇した場合に、価値が減少する可能性があります。一方、当社グループは積立保険や長期の第三分野商品・生命保険等の契約者に対して将来支払いが発生する保険負債を保有しており、これらは金利が上昇した場合に価値が減少します。また、金利低下の場合はこの逆になります。
③ 為替変動リスク
米ドル等の外貨建て資産及び負債を保有しておりますが、為替変動の影響によりこれらの価値が変化する可能性があります。
④ 信用リスク
保有している株式や社債、貸付金、信用・保証保険契約等の資産については、株式や社債の発行者または貸付先等の信用力の低下や破綻、信用市場の混乱によって、資産価値の減少や元本・利息の回収ができなくなること等の可能性があります。
(2) 自然災害の発生による多額の保険金支払のリスク
台風や地震等の自然災害による損害はときに巨額になることがあり、また、気候変動・地球温暖化等の影響により世界的に自然災害が増加・大型化し、予想を超える巨大な自然災害が発生する可能性があります。当社グループでは、再保険の利用や異常危険準備金の積み立てによってこれらの損害に対する保険金の支出に備えておりますが、これらに係る多額の保険金の支払いにより当社グループの業績に影響が生じるリスクがあります。
(3) 流動性リスク
自然災害の発生による支払保険金の増加等により、当社グループの資金繰りが悪化し、資金の確保に通常よりも著しく不利な条件での取引を余儀なくされることがあります。また、市場の混乱等により、通常より著しく不利な価格での取引を余儀なくされることがあります。これらにより、当社グループの業績に影響が生じるリスクがあります。
(4) 再保険取引に関するリスク
当社グループでは、保険契約によって引き受けた保険責任を分散し、収益を安定させる目的で再保険を利用しておりますが、再保険市場の状況変化により、十分な再保険手配ができずにリスクの分散が図られず保険引受能力が低下するリスクがあります。また、再保険料が高騰したり、再保険会社の破綻等により再保険金の回収ができなくなることにより、当社グループの業績に影響が生じるリスクがあります。
(5) 経済環境・社会環境等の予期せぬ変化により損失が発生するリスク
保険会社は、予め将来発生するであろう損害を予測して保険料の水準を設定しますが、実際に発生する損害額は予測を上回る可能性があります。特に保険期間が長期にわたる場合には、当初想定した環境・条件等が大きく変動し、予期せぬ損害が発生する可能性があり、このため、保険契約準備金の積み増しが必要になる等、当社グループの業績に影響が生じるリスクがあります。
(6) 保険業界の競争に関するリスク
規制緩和の進展に伴う新規事業者の保険業への参入、料率水準の低下等の影響により、当社グループを取り巻く環境は厳しくなっておりますが、更なる規制緩和や新規参入者の増加により競争が一層激化し、当社グループの業績に影響が生じるリスクがあります。
(7) 国内生命保険事業に関するリスク
当社グループでは、成長事業領域の一つとして、国内生命保険事業の拡大に取り組んでおります。しかしながら、国内生命保険事業は、大手生保や外資系生保を中心とする他の生命保険会社との競争が激化しており、安定的な市場基盤を構築できない、あるいは、保険期間が長期にわたることによる死亡率・解約の動向の不確実性により事前の想定と大きく異なる事象が生じる可能性等、生命保険事業固有のリスクを有しており、当社グループの業績に影響が生じるリスクがあります。
(8) 海外事業に関するリスク
当社グループは、アジア・欧州・米州等において支店や子会社等を通じて積極的に海外事業を展開しておりますが、これらの国々における予期せぬ政治・経済・社会環境の変化や諸規制の変更、為替の変動及び自然災害や伝染病の発生等により、当社グループの業績に影響が生じるリスクがあります。
(9) 情報漏洩等に関するリスク
当社グループは、個人情報を含む大量のお客さま情報及び当社を含む当社グループ会社各社の経営情報等機密情報を保有しております。当社グループにおいては、情報管理態勢を整備し、厳重な管理を行っておりますが、万一、重大な漏洩等が発生した場合にはお客さまの信頼や社会的信用の低下、賠償金の支払い等により、当社グループの業績に影響が生じるリスクがあります。
(10)システムリスク
当社グループには、自然災害、事故、サイバー攻撃による不正アクセス、情報システムの不備等により、情報システムの停止・誤作動・不正使用、情報漏洩等が発生するシステムリスクが存在します。当社グループは、システムリスク管理態勢の整備に努めておりますが、大規模な情報システムの停止・誤作動・不正使用、情報漏洩等が発生した場合には、当社グループの業績に影響が生じるリスクがあります。
(11)事業運営に関するリスク
事業運営リスクは、当社グループの事業活動にかかるものであり、事務ミス、法令違反、従業員による不正、外部の者による犯罪行為、災害の発生等によって、お客さまの信頼や社会的信用を失うリスクや業務運営が阻害されるリスクがあります。こうした事業運営リスクに対しては、その発生の防止及び発生時の損害の軽減に向け適切な管理に努めておりますが、これらを原因として監督当局から行政処分を受ける可能性があり、このため当社グループの業績に影響が生じるリスクがあります。
(12)事業中断に関するリスク
当社グループでは、首都直下地震の発生や、新型インフルエンザ等の疾病の大流行等自然災害や不測の事故、事態に備えた事業継続計画の策定や危機管理態勢を整備し、事業中断期間を一定程度に抑え、事業を継続的に運営できる体制を整備しておりますが、こうした危機管理にもかかわらず、当社グループの事業継続が阻害されたり、想定を超える影響を受けた場合、当社グループの業績に影響が生じるリスクがあります。
(13)統合のシナジーが十分に発揮されないリスク
当社グループは、経営統合によるシナジーを踏まえた経営数値目標を策定しており、お客さまへのサービスの品質向上を通じた顧客基盤の拡大、事務、システム等の共有化、標準化等の各種施策を実行してまいります。また、平成25年9月27日、当社、三井住友海上火災保険株式会社、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社及び三井住友海上あいおい生命保険株式会社は、MS&ADインシュアランス グループの持続的な成長と企業価値の向上等を目的として「機能別再編に関する合意書」を締結しました。機能別再編の実行においては、事務・システムトラブルやお客さま対応の不足等が生じないように万全の準備を整えるべくリスク管理態勢を整備しておりますが、このような態勢整備にもかかわらず不測の混乱が生じることにより、期待される統合のシナジーが十分に発揮されない場合には、当社グループの業績に影響が生じるリスクがあります。
(14)法令や諸制度の変更によるリスク
当社グループは、保険業法等法令による規制のもとで営業しており、また、会計・税務に係る関連諸法令、諸基準に従って財務報告を行っております。今後これらの法令等が改定され、保険商品の販売方法や商品内容を変更したり、保険契約準備金や繰延税金資産等の見積方法や会計処理の変更によって、当社グループの業績に影響が生じるリスクがあります。
(15)風評リスク
保険業界及び当社グループに対する風評が、マスコミ報道やインターネット上の書込み等により発生・流布した場合、それが正確な事実に基づいたものであるか否かにかかわらず、当社グループの社会的信用に影響を与える可能性があります。当社グループでは、風評の早期発見に努めるとともに、風評が発生した場合に適時適切に対応する態勢を整備することで、影響の極小化に努めておりますが、悪質な風評が流布した場合には、当社グループの業績に影響が生じるリスクがあります。