有価証券報告書-第97期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

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2015/06/25 13:18
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コーポレート・ガバナンスの状況

(1)【コーポレート・ガバナンスの状況】
① 企業統治の体制
・企業統治の体制の概要
会社の機関の内容については以下のとおりです。
(1) 取締役会
社外取締役4名を含む取締役12名及び社外監査役2名を含む監査役4名の計16名(提出日現在)で構成し、原則として、取締役全員の出席により年9回開催し、業務執行に関する重要事項を審議決定するとともに、取締役の職務の執行を監督し、経営の透明性の向上に努めております。なお、取締役については、常勤取締役に各部門の業務執行を委嘱し、責任所在の明確化を図っております。
(2) 常務会議
原則として、常勤取締役及び常勤監査役全員の出席により週1回開催し、経営に関する重要な執行方針及び経営全般にわたる重要事項を協議もしくは決定し、経営判断の迅速性と適正化の向上に努めております。
(3) 監査役会
監査役制度を採用している当社の監査役会は、常勤監査役2名(社外監査役1名を含む)及び非常勤監査役2名(社外監査役1名を含む)の計4名(提出日現在)で構成され、監査体制の強化を図っております。
(4) 内部統制委員会
常勤取締役等で構成され、代表取締役社長を委員長とする内部統制委員会(原則年3回定期的に開催)により、当社業務が健全且つ効率的に遂行されるよう、当社と当社グループ会社の内部統制システムについて、その有効性の評価をはじめとする内部統制に関する全ての事項の審議や実施結果の報告等を行っております。
また、グループ経営管理体制として、当社および当社グループ会社が、緊密な連携のもと総合的発展を図ることを基本方針として業務を行うとともに、両者がその権限と責任を明確にし、経営効率の向上に資するための基本的事項を定めた関係会社管理規程に基づき、状況に応じて必要かつ適正な管理を行っております。
・当該企業統治の体制を採用する理由
京成グループの一翼を担う当社は、鉄道事業を中心に、賃貸ビルを主体とした不動産事業を営み、これらの事業を通じて地域社会の発展に貢献することを目指すとともに、当社が保有する経営資源を最大限に活用し、経営基盤の一層の強化を図り収益、利益の拡大に取り組んでおります。
「経営基盤の一層の強化」のためには、企業統治体制の充実が不可欠であり、これにより法令及び定款に適合することが確保できると考えております。
当社は、現行の企業統治体制について、合理的かつ迅速な経営判断と適正な監督・チェック機能をバランス良く併せ持つものとして採用しております。
基本的な考え方は以下のとおりです。
イ.法令遵守を含めた行動規準の整備及び周知
ロ.取締役と監査役の役割分担を確保した監査役設置会社形態の充実
ハ.取締役会、常務会議等の取締役の職務執行上重要な意思決定手続きの明確化
ニ.社内規程及び職務権限規則による責任部署及び手続きの明確化
ホ.内部監査室による内部チェック体制の充実
ヘ.監査役による実効的な監査体制の確保
・内部統制システムの整備の状況
当社は取締役会において、内部統制システムを下記の方針に基づき整備することを決議しております。
<経営の基本方針>当社及び当社グループ会社は、お客様に信頼され、安全かつ快適な輸送・サービスを提供し、また企業の社会的な責任を遂行するため、適法かつ適正な事業活動のもとで地域社会の発展に貢献する企業を目指し、継続的に企業価値の向上に努めます。
(1) 取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(ⅰ)内部統制委員会の専門組織である当社及び子会社で構成されるコンプライアンス小委員会において、コンプライアンスの取り組みを統括します。また、法令遵守を含む具体的な事項を定めた行動規準を策定しており、取締役及び使用人への周知を徹底します。
(ⅱ)行動規準に基づき、反社会的勢力には毅然として対応し、いかなる状況下でもそれらと一切関係を持ちません。
(ⅲ)内部通報者制度取扱規則に基づき設置されたコンプライアンス相談窓口を活用し、会社内部の違反行為等を未然に防ぐ体制の強化に努めます。
(ⅳ)資産の保全・業務の運営について、内部監査室による内部監査を行います。
(2) 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
(ⅰ)株主総会、取締役会及び常務会議の議事録をはじめとする職務の執行に関わる文書等の保存は、文書保存規程に基づいて行います。また、情報の管理については、情報セキュリティ及び個人情報保護に関する規則により対応します。
(3) 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(ⅰ)リスク管理の観点から、内部統制委員会に専門組織として当社及び子会社で構成されるリスク管理小委員会を設置しており、事業に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを分析・評価し、リスクの発生防止に係る体制の整備並びに発生したリスクへの対応を図ります。
(ⅱ)必要に応じて各種規則、業務プロセス、手順等の見直しを継続的に行うほか、重大事故や自然災害等の異常事態が発生した際、必要な体制が早期に確立できるよう、異常時対策規則に基づき、定期的に訓練を実施します。また、大規模地震等が発生した場合には、事業継続計画に基づき、事業の継続、早期復旧に取り組みます。
(ⅲ)反社会的勢力との間に問題が発生した場合は、外部の専門機関と連携し、法的な措置も含め組織的に対応します。
(4) 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(ⅰ)取締役会(原則年9回開催)において、重要事項の決定及び取締役の業務執行状況の監督等を行います。また、常務会議(常勤取締役で構成、原則週1回開催)において、業務執行に関する基本的事項及び重要事項に関わる意思決定を行います。
(ⅱ)業務の執行については経営計画を策定し、これに基づいて行います。
(ⅲ)職制及び職務分掌、職務権限規則に基づき、各職務の権限と責任を明確にします。
(5) 当社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
(Ⅰ)子会社の取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(ⅰ)当社及び子会社で構成されるコンプライアンス小委員会において、子会社のコンプライアンス体制の充実を図ります。当社が策定している行動規準は、子会社に周知徹底を図ります。
(ⅱ)当社のコンプライアンス相談窓口を活用し、違反行為等を未然に防ぐ体制の強化に努めます。
(ⅲ)内部監査室が、子会社に内部監査を実施します。
(Ⅱ)子会社の取締役の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
(ⅰ)関係会社管理規程に基づき、子会社が当社に報告すべき事項を明確にし、これに基づき子会社より報告を受け、必要に応じて指導を行います。
(Ⅲ)子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(ⅰ)当社及び子会社で構成されるリスク管理小委員会において、子会社の事業に係るリスク管理を行います。
(Ⅳ)子会社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(ⅰ)子会社を管理する部署において、関係会社管理規程に基づき、子会社の管理を行います。
(ⅱ)グループ社長会を定期的に開催し、経営情報の共有等を図るとともに、必要に応じて指導を行います。
(ⅲ)子会社に経営計画を策定させ、これに基づき職務を執行させます。
(6) 監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項
(ⅰ)監査役を補助すべき組織として監査役室を設置しており、職務の補助に必要な使用人を配置します。
(7) 監査役の職務を補助すべき使用人の取締役からの独立性に関する事項並びに使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
(ⅰ)監査役室の使用人は、取締役の指揮・監督を受けない専任の使用人とします。
(ⅱ)監査役室の使用人の人事及び監査役室の組織変更等には監査役の承認を必要とします。
(8) 監査役への報告に関する体制
(Ⅰ)取締役及び使用人が監査役に報告するための体制
(ⅰ)取締役及び使用人は、当社に著しい損害または重大な事故等を招くおそれがある事実を発見したときは、当該事実を監査役に報告します。
(ⅱ)取締役及び使用人は、監査役から職務執行に関する事項の報告を求められた場合には、速やかに報告します。
(Ⅱ)子会社の取締役、監査役及び使用人またはこれらの者から報告を受けた者が当社の監査役に報告するための体制
(ⅰ)当社または子会社に著しい損害または重大な事故等を招くおそれがある事実を発見した子会社の取締役、監査役及び使用人またはこれらの者から報告を受けた者は、適時、適切な方法により当該事実を当社の監査役に報告します。
(ⅱ)子会社の取締役及び使用人は、当社の監査役から職務執行に関する事項の報告を求められた場合には、速やかに報告します。
(9) 監査役に報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
(ⅰ)内部通報者制度取扱規則に準拠し、監査役への報告を行った者に対し、不利な取扱いを行いません。
(10)監査役の職務の執行について生ずる費用の前払または償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用または債務の処理に係る方針に関する事項
(ⅰ)監査役が、職務の執行について生ずる費用の前払等を請求したときは、速やかに費用または債務を処理します。
(11)その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(ⅰ)監査役は、常務会議等取締役の職務執行上重要な会議に出席し、必要に応じ意見を述べ、重要な意思決定の過程を把握するとともに、職務執行に係る重要な書類の閲覧等を通じ、業務の執行状況を把握します。
(ⅱ)監査役は、当社の会計監査人と監査情報の交換を行うとともに、内部監査室との連携を図ります。
② 内部監査及び監査役監査の状況
当社の内部監査は、内部監査室(6名 提出日現在)にて年度計画を策定し、代表取締役社長の監督のもと、内部監査室が計画的に実施しております。指摘事項があれば速やかに是正させ、結果を代表取締役社長及び内部統制委員会に報告しております。
各監査役は会社の健全な経営と社会的信頼の向上を目指して、取締役会に出席し、また、常勤監査役は常務会議、内部統制委員会などの職務執行上重要な会議に出席し、それぞれ必要に応じ意見を述べているほか、当社及び当社グループ会社の業務執行各面における監査を行っております。
監査役会は内部監査室ならびに会計監査人と密接に連携することにより監査機能を強化し、経営の健全性を確保しております。
③ 社外取締役及び社外監査役
(1)社外取締役及び社外監査役
当社の社外取締役は4名、社外監査役は2名であります。社外取締役、社外監査役個人と当社との間に特別の利害関係はありません。
(2)社外取締役及び社外監査役の選任状況に関する考え方、当社との関係ならびに機能・役割
社外取締役 花田 力 は京成電鉄株式会社代表取締役会長、社外取締役 三枝紀生 は同社代表取締役社長、社外監査役 加藤雅哉 は同社取締役であり、当社は、その専門性を重視するとともに、経験豊かな経営者の観点による経営全般の監督・チェック機能が経営体制の強化に資することから、選任しております。
また、同社は当社株式の38.87%(平成27年3月31日現在)を所有するその他の関係会社であり、当社は同社との間に駅の共同使用、土地の賃借、車両の使用及び設備の使用等の取引を行っております。なお、同社は当社の営業の部類に属する取引を行っております。
社外取締役 一村和男 は、株式会社千葉銀行元常務取締役であり、現在は東方地所株式会社の取締役会長を務めております。同氏は金融機関出身であり、豊かな財務経験や経営者としての経験を有し、経営に対する客観性や中立性の観点から当社の社外取締役として適任であります。当社は複数の金融機関と取引をしており、株式会社千葉銀行は主要な借入先に該当しません。また、当社と株式会社千葉銀行及び東方地所株式会社の間には不動産賃貸等の取引がありますが、その取引額は僅少です。
社外取締役 中戸川健一 は、中戸川公認会計士事務所所長であります。同氏は公認会計士であり、豊富な経験と幅広い見識を有し、経営に対する客観性や中立性の観点から当社の社外取締役として適任であります。また、当社と中戸川公認会計士事務所の間に取引はありません。
社外監査役 武藤 粛 は中央三井信託銀行株式会社(現 三井住友信託銀行株式会社)元常務執行役員であります。同氏は金融機関出身であり、豊かな財務経験を有し経営に対する客観性や中立性の観点から当社の社外監査役として適任であります。また、出身会社を退職し、一定の年数が経過している他、当社は複数の金融機関と取引をしており、三井住友信託銀行は主要な借入先に該当しません。
当社における社外取締役及び社外監査役を選任するための独立性に関する明文の基準又は方針は定めておりませんが、一般株主と利益相反の生じる恐れがないことから、一村和男、中戸川健一、武藤 粛の各氏を独立役員として届け出ております。また、各氏とは社外取締役、社外監査役の会社法第423条第1項の責任につき、善意でかつ重大な過失がないときは法令が定める額を限度とする旨の契約を締結しております。
各社外取締役及び社外監査役は、それぞれの専門知識及び経営者としての経験等を活かした監督又は監査を行っており、合理的な経営判断と適正性を確保する役割を担っております。
(3)社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
社外取締役は、取締役会にて、内部統制に関する事項の報告を定期的に受けるほか、監査役及び会計監査人の監査報告を受け、意見交換を行うことにより、業務の適正を確保しております。
社外監査役は、取締役会への出席に加え、監査役会において内部監査室に内部統制システム体制の運用状況に関する報告を求め、改善を要する点を指摘する等、相互連携を図りつつ監査の実効性を確保しております。また、会計監査人から受けた報告についても監査役会での情報共有を行うことで相互に密接に連携することにより監査機能を強化し、経営の健全性を確保しております。
④ 役員報酬等
・取締役、監査役の報酬等の種類別の総額
役員区分報酬等の総額
(千円)
報酬等の種類別の総額(千円)対象となる
役員の員数
(人)
基本報酬
取締役
(社外取締役を除く。)
150,525150,52511
監査役
(社外監査役を除く。)
20,92820,9283
社外役員29,42429,4245

当社役員の報酬限度額は、株主総会で決議しております。各取締役の報酬額は取締役会により、各監査役の報酬額は監査役の協議により決定しております。
⑤ 株式の保有状況
イ.投資株式のうち保有目的が純投資目的以外の目的であるものの銘柄数及び貸借対照表計上額の合計額
16銘柄 1,041,983千円
ロ.保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式の保有区分、銘柄、株式数、貸借対照表計上額及び保有目的
(前事業年度)
特定投資株式
銘柄株式数(株)貸借対照表計上額
(千円)
保有目的
㈱セブン&アイ・ホールディングス69,357273,544経営上、業務上の関係の維持・強化のため
㈱みずほフィナンシャルグループ861,100175,664同上
㈱千葉銀行138,00087,768同上
㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ48,00027,216同上
㈱京三製作所46,20016,123同上
㈱丸井グループ13,40011,859同上
三井住友トラスト・ホールディングス㈱25,00011,650同上
㈱千葉興業銀行7,5005,370同上
シンフォニアテクノロジー㈱15,0002,430同上

(当事業年度)
特定投資株式
銘柄株式数(株)貸借対照表計上額
(千円)
保有目的
㈱セブン&アイ・ホールディングス69,357350,460経営上、業務上の関係の維持・強化のため
㈱みずほフィナンシャルグループ861,100181,778同上
㈱千葉銀行138,000121,716同上
㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ48,00035,697同上
㈱丸井グループ13,40018,291同上
㈱京三製作所46,20017,556同上
三井住友トラスト・ホールディングス㈱25,00012,387同上
㈱千葉興業銀行7,5006,007同上
シンフォニアテクノロジー㈱15,0003,195同上

ハ.保有目的が純投資目的である投資株式の前事業年度及び当事業年度における貸借対照表計上額の合計額並びに当事業年度における受取配当金、売却損益及び評価損益の合計額
該当事項はありません。
⑥会計監査の状況
監査法人である東陽監査法人(指定社員 海老正義 継続監査年数3年、酒井宏暢 継続監査年数2年、田中章公 継続監査年数4年)と監査契約を結び、当企業集団全体に対し、期末監査に偏ることなく、期中を通じて満遍なく会計監査が実施されております。なお、会計監査業務に係る補助者は公認会計士6名、会計士試験合格者1名であります。
⑦その他
弁護士及び税理士と顧問契約を締結しており、業務執行における適法性確保のため必要に応じて助言を得ております。
⑧取締役の定数
当社の取締役は12名以内とする旨定款に定めております。
⑨取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。また、取締役の選任決議については累積投票によらないものとする旨も定款に定めております。
なお、取締役の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする旨定款に定めております。
⑩株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
⑪自己の株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定に基づき、取締役会の決議をもって、市場取引等により自己株式を取得することができる旨定款に定めております。これは機動的な資本政策の遂行を可能とすることを目的とするものであります。
⑫中間配当
当社は、取締役会の決議によって毎年9月30日の最終の株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者に対して、会社法第454条第5項に定める剰余金の配当をすることができる旨定款に定めております。これは、剰余金の配当を取締役会の権限とすることにより、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
コーポレート・ガバナンス概略図
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