有価証券報告書-第132期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/18 13:50
【資料】
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【項目】
113項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度のわが国経済は、政府や日銀による経済・金融政策を背景に、企業収益の改善や消費増税を控えた駆け込み需要の影響もあり、個人消費が増加するなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら主力事業のバス業界は、少子高齢化や過疎化の進行、軽油価格の高止まりなどにより、依然として厳しい経営環境下にあります。
このような状況のもと、当社では、創立70周年記念として、昔懐かしいボンネットバスの復活やビューティフルツアー謝恩企画コースの設定、記念イベントの開催など、ご愛顧いただいている皆様へ感謝の気持ちを込めて記念事業を積極的に展開するとともに、スマートフォンなどモバイル端末の普及に伴い、GPS機能を利用してバス停検索などができるアプリ「奈良バスなび」の配信を開始しました。また、業務組織を改編し、経営戦略の実行力強化および管理部門の効率化を図りましたほか、全事業にわたり積極的な営業活動を展開するとともに、極力諸経費の節減に取り組み、経営基盤の強化と業績の改善に努めました。この結果、当連結会計年度の売上高は前年同期に比較して34,182千円(0.1%)増収の25,447,622千円となりましたが、営業利益は前年同期に比較して25,636千円(4.6%)減益の533,237千円、経常利益は前年同期に比較して43,530千円(8.4%)減益の473,826千円となりました。
また、法人税、住民税及び事業税ならびに法人税等調整額を控除した当期純利益は60,299千円(24.4%)減益の186,480千円となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
1.自動車運送事業
バス事業のうち、乗合事業では、引き続き利用実態に応じた運行計画を編成し、利便性の向上と輸送の効率化を図るとともに、自治体との協議のもと、地域の主要施設間を結ぶコミュニティバスを運行し、交通空白地帯の解消に努めました。また、奈良市内循環線において、観光客等へのわかりやすさ向上のため、黄色をベースに主要停留所名を4か国語で表示したラッピングバスを運行するとともに、外国人観光客向けに英語表記の「奈良市内均一フリー乗車券」の発売を開始しました。さらに、奈良県からの受注による「ぐるっとバス」の運行や通勤定期券を企業に一括販売する「企業定期券ECOP」を発売するなど増収に努めたほか、高速バスでは「名古屋線」、リムジンバスでは「奈良関空線」および「学研関空線」を増便しました。一方、輸送ニーズの変化に対応して、自家用バスの運行管理受託を拡充するため、地域との連携を強化し新規受注の獲得に取り組みました。貸切事業では、昨年9月、安全性や安全の確保に向けた取組状況が評価され、日本バス協会が実施する貸切バス事業者安全性評価認定制度の認定を受けました。また、旅行形態の多様化や事業者間の価格競争による厳しい事業環境のなか、地元団体や旅行業者への積極的な営業活動に努めました。タクシー事業では、社内観光資格試験を実施して観光需要の取り込みに注力したほか、ドライブレコーダーの設置を推進して安全輸送の意識高揚を図りました。また、タクシー子会社の資本関係や重複していた営業エリアを整理し、効率的な経営に努めました。旅行事業では、奈良交通旅行友の会を発展させた「奈良交通 旅・たびクラブ」の制度を新設し、割引特典を拡大して新規顧客の獲得を図りました。
これらの結果、当事業の売上高は前年同期に比較して159,183千円(0.9%)増収の17,663,991千円となり、営業損失は前年同期に比較して18,846千円(11.0%)改善し151,779千円となりました。なお、本年4月1日、消費増税に伴い乗合バスの運賃改定を実施しております。
2.不動産事業
賃貸事業では新規テナントを開拓するとともに、駐輪場事業では奈良市中筋自転車駐輪場など4物件の運営を新規受注したほかレンタサイクルの営業拠点の増設や電動アシスト車を導入するなど、営業強化を図りました。また、前期に新規参入した太陽光発電事業では、新たに当社総合センター管理棟屋根に太陽光パネルを設置するとともに、農業関連事業では、野菜工場「まほろば水耕園」で栽培した「大和まな」を全日本空輸株式会社(ANA)国際線ビジネスクラスの機内食に提供したほか、インターネットによる通信販売を開始するなど、販路の拡大に取り組みました。
これらの結果、当事業の売上高は前年同期に比較して33,423千円(1.6%)増収の2,070,343千円となりましたが、営業利益は、開業経費や施設修繕等もあり、45,555千円(6.9%)減益の613,525千円となりました。
3.物品販売事業
飲食事業では、一部店舗において、奈良女子大学と共同で開発したメニューを提供するなど積極的な営業努力を重ねましたが、賃貸期間終了に伴う飲食店舗閉鎖の影響などもあり、当事業の売上高は前年同期に比較して121,827千円(1.5%)減収の8,040,222千円となり、7,581千円の営業損失(前年同期は12,026千円の営業利益)となりました。
4.その他事業
自動車教習所事業では、自宅のパソコンやスマートフォンで学科を学習できるインターネット学習システムを導入するなど積極的な営業努力を重ねました結果、当事業の売上高は、前年同期に比較して9,529千円(2.3%)増収の419,913千円となり、営業利益は、14,064千円(30.8%)増益の59,794千円となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により1,655,646千円の資金を獲得し、投資活動により526,428千円、財務活動により1,080,166千円の資金を使用した結果、資金残高は前年同期に比較して49,050千円増加の1,009,199千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益が428,446千円となったことに加え、主に減価償却費の計上により、営業活動により得られた資金は、前年同期に比較して38,272千円減少の1,655,646千円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
主に固定資産の取得による支出によって、投資活動により使用した資金は、前年同期に比較して97,663千円減少の526,428千円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
主に長短借入金の減少及びファイナンス・リース債務の返済による支出によって、財務活動により使用した資金は、前年同期に比較して205,834千円増加の1,080,166千円となりました。