有価証券報告書-第97期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/27 12:05
【資料】
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【項目】
133項目

業績等の概要

(1)業績
当期の日本経済は、雇用・所得環境が改善する中、消費増税前の駆け込み需要も加わり、個人消費、住宅投資が好調に推移いたしました。企業収益につきましても、個人消費や公共投資を中心とした内需の拡大などを受けて改善いたしました。
物流業界におきましては、好調な個人消費や消費増税前の駆け込み需要を受けた消費関連貨物、建設関連貨物が増加いたしました。また、工業生産の回復による生産関連貨物も伸長いたしました。しかしながら、コスト面におきましては、円安の影響による燃料価格の高止まりや、ドライバー・車両不足の影響による外注費の上昇など、厳しい環境となりました。
このような環境の中、当社グループは平成25年度を初年度とする4年間の中期経営計画を策定し、コーポレートスローガン「Moving Global」に添えた「物流を超える」「世界を動かす」「ビジネスを変える」を目標として、物流事業及び商流事業の業容を拡大すると共に、お客様に一層信頼される高品質でコストパフォーマンスの高いサービスの提供に取り組んでまいりました。
当期の主な取り組みといたしましては、流通ロジスティクス事業におきまして、首都圏にファッション物流に特化した「東京ベイ・ファッションアリーナ(千葉県市川市)」を、関西に医療・医薬業界向けの「北大阪PDセンター(大阪府茨木市)」を新設いたしました。また、北海道と中部地区の事業基盤を強化するため「札幌PDセンター2号倉庫(北海道札幌市)」、「小牧第2PDセンター(愛知県小牧市)」をそれぞれ稼働させました。
住宅物流事業におきましては、中部地区の住宅資材のハブ拠点となる「中部住宅物流センター(愛知県名古屋市)」を開設いたしました。また、スマートフォンとGPSなどを活用した輸送管理システムを開発し、特許取得するなど物流サービスの向上を図りました。さらに、重量物配送の全国ネットワークを完成させ、家庭用蓄電池の配送・据付を開始するなど、新たな事業の開発にも取り組みました。
ケミカル物流事業におきましては、「大門物流センター(滋賀県守山市)」に危険物倉庫を含む2棟の新倉庫を増設したほか、荷主と共同で2隻のアスファルトタンカーを建造し、韓国と日本を結ぶ航路で就航させました。また、当社が独自のノウハウを持つバルク輸送(液体・粉体・粒子状の樹脂原料などの輸送)の販売拡大に力を入れ、新たな業務を受託いたしました。
海外におきましては、タイで日系自動車工場向けの自動車部品の調達輸送を開始したほか、日系化学メーカーの工場内物流なども開始いたしました。中国では、青島で日系小売店向けに物流センターを開設するとともに、蘇州で住宅物流事業を本格稼働させました。また、韓国の釜山新港に、韓国と日本、第三国間の輸出入貨物を取り扱う「KO-SENKO物流センター」を開設いたしました。
商事・貿易事業につきましては、昨年10月、トイレットペーパーやティッシュペーパーなどの家庭用紙の卸売業者として国内最大規模を誇るアスト株式会社を当社グループに迎えました。同社は卸売だけでなく、商品開発から販売、物流まで一貫して行っており、全国に保有する延べ2万坪以上の物流センターを使用した直納入体制を構築しています。今後は当社の持つ流通業界向けの物流ノウハウと、アスト株式会社の持つ商品力・販売力を一体化させ、製造から販売までワンストップの商流・物流一体型ビジネスを展開してまいります。
また、物流業界で大量に発行されている送り状の管理や問合せ対応を効率化する「送り状検索システム」を業界で初めて開発し、販売を開始いたしました。
その他、全国7か所の物流センターの屋根を利用した太陽光発電事業も開始いたしました。
当期の連結業績は以下の通りです。
(百万円)
前期当期増減額増減率
営業収益293,534333,88340,34913.7%
営業利益9,90812,1222,21322.3%
経常利益10,10011,3051,20511.9%
当期純利益5,2026,5031,30025.0%

当期の連結営業収益は、積極的な販売拡大を行ったこと、消費増税前の駆け込み需要の影響があったこと、アスト株式会社をM&Aにより連結子会社としたことなどにより、3,338億83百万円と対前期比13.7%の増収となりました。
利益面におきましては、燃料費の上昇やドライバー・車両不足に起因する外注費の高騰などがありましたが、増収効果やコスト削減効果、生産性向上活動の成果がありました。さらには、会計基準の改正に伴う特別目的会社の連結子会社化の影響もあり、連結営業利益は121億22百万円と対前期比22.3%の増益、連結経常利益は 113億5百万円と対前期比11.9%の増益となりました。
連結当期純利益につきましては、65億3百万円と対前期比25.0%の増益となりました。
当期の業績をセグメント別にご説明いたしますと、次の通りです。
(物流事業)
流通ロジスティクス事業におきましては、総合スーパーやディスカウントストア、アパレル量販店向けの物量増加が売上の拡大に寄与したほか、電機・機械分野において新規顧客開拓による売上の拡大がありました。住宅物流事業におきましては、住宅着工件数の増加に伴い、取扱物量が拡大いたしました。ケミカル物流事業におきましては、積極的な拡販に取り組みました。これらの結果、当期における物流事業の事業収入は2,397億37百万円と対前期比5.0%の増収となりました。
(商事・貿易事業)
商事事業におきましては、石油販売の分野で拡販が進んだこと、アスト株式会社及び、一昨年9月にグループ会社とした日用雑貨卸売りの株式会社オバタのM&A効果がありました。貿易事業におきましては、中国向け電子部品材料の輸出が増加いたしました。これらの結果、当期における商事・貿易事業の事業収入は907億3百万円と対前期比46.0%の増収となりました。
(その他事業)
その他事業におきましては、太陽光発電による売電事業を開始したことなどにより、事業収入は34億42百万円と対前期比8.8%の増収となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ、19億76百万円(12.6%)増加し、176億67百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは106億89百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ3億48百万円(△3.2%)減少しました。これは税金等調整前当期純利益が113億43百万円、減価償却費が76億6百万円、退職給付に係る負債の増加が68億4百万円、仕入債務の増加が19億23百万円となったものの、退職給付引当金の減少が93億円、売上債権の増加が26億61百万円、利息の支払額が12億45百万円、法人税等の支払額が40億14百万円となったこと等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは249億56百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ187億19百万円増加しました。これは有形固定資産の取得による支出が236億8百万円となったこと等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは145億51百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ171億2百万円増加しました。これは長期借入れによる収入が205億20百万円、新株予約権付社債の発行による収入が70億35百万円あったものの、長期借入金の返済による支出が95億49百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出が24億39百万円、配当金の支払額が18億98百万円となったこと等によるものです。