有価証券報告書-第145期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/30 13:31
【資料】
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【項目】
133項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の異常な変動に係るもの
当社グループは、国及び地方公共団体から生活路線維持補助金の交付を受けております。国及び地方公共団体の財政状況の悪化から、今後、生活交通に対する補助制度が変更あるいは補助金額の如何によっては、当社グループの経営成績に大きく影響する恐れがあります。
また、当社グループの運送事業では、事業用車両の燃料として主として軽油を用いていますが、石油製品の価格上昇によっては、大幅な費用増を招く恐れがあります。
(2)特有の法的規制に係るもの
当社グループは、旅客自動車運送事業を主な事業としており、道路運送法に基づく免許、認可等を受ける必要があり、これらが当社グループの事業遂行の前提となっております。
また、大阪府の流入車規制により該当地域へのディーゼル車の乗り入れには、条例の示す排出基準に適合した車両が必要となっております。規制の対象になる事業用車両の代替又は排出基準に適合するための大幅な修繕が必要となります。
(3)特定の取引先等で取引の継続性が不安定であるものへの高い依存度に係るもの
当社の旅客自動車運送収入のうち一般貸切旅客自動車運送事業運送収入の40.9%を大手旅行会社等から引受けておりますが、これらの会社とは、引受数量、価格等に関する長期引受契約を締結しておりません。また、当社の一般貸切旅客自動車運送事業運送収入の96.0%は旅行会社等の斡旋によるものであり、旅行会社からの引受数量、価格等の変更に対し、当社の業績についての影響を大きく受ける恐れがあります。
(4)自然環境及び社会情勢の影響に係るもの
当社グループの営業地域において、大地震、台風、洪水等の自然災害が発生した場合、運休による収入減や被災した固定資産の修繕及び代替等に係る費用増などのリスクが存在しております。また、国内外の観光地における自然災害や疫病の発生、あるいは政治的不安定や治安の悪化によっては旅客数の減少を招き、旅行業収入の減少を及ぼす恐れがあります。特に新型コロナウイルス感染症が運送事業、旅行業事業の減収に大きく影響する恐れがあります。
(5)重要事象等について
当社グループは従来、収支が安定していない状況が継続しており、営業利益を計上しつつも国・地方公共団体からの生活路線維持運行補助金によるところが大きく、将来補助金制度の変更や補助金額の減額があれば大幅な営業損失が発生することが予想され、当該状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在し、補助金の支給に関して不透明な部分が大きいため、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められるとして、「継続企業の前提に関する注記」を記載しておりました。
交通政策基本法(2013年12月4日 法律第92号)が施行され、国民の交通手段の確保に対する施策について、国及び地方公共団体の責務が定められたことにより、補助金制度の法的位置づけが高まりました。また、従来収支を圧迫していた貸切バス事業においては、新しい運賃制度により市場環境が適正化しており、大幅な業績の改善が進みました。前連結会計年度は、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益を計上しておりましたが、当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の影響等により営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しております。
これらの状況から、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しているものの、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められなくなったと判断し、「継続企業の前提に関する注記」の記載は行っておりません。
当社グループは、今後も生活交通路線の維持のため補助金の継続的な確保に国・県及び各市と交渉を続けてまいります。また、地域協議会・地区協議会と連携を図り生活路線の維持に努めてまいります。