有価証券報告書

【提出】
2015/06/23 14:50
【資料】
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【項目】
149項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1) 財務戦略
①資金調達の方針
当社は事業活動を支える資金調達に際して、調達の安定性と低コストを重視しております。
また、金利変動リスクや為替変動リスク等の市場リスクを把握し、過度に市場リスクに晒されないように金利固定化比率や借入通貨構成を金利スワップや通貨スワップ等の手法も利用しながら、リスクを許容範囲に収めるようにしております。
②資金調達の多様性
当社は調達の安定性と低コスト調達を実現するために、調達方法の多様化や調達期間の分散を進めております。
運転資金並びに船隊整備に必要な設備資金は、直接・間接調達に加え、従来より船主からの傭船といった手法も活用し、有利子負債を過度に増加させることなく、低コストかつ安定的な船腹の整備を行っております。
直接調達については、2014年4月にユーロ米ドル建取得条項付転換社債型新株予約権社債計5億米ドル(期間4年及び6年)を発行しました。また、2014年6月に国内普通社債296億円(期間10年)を発行し、2015年3月末の国内普通社債発行残高合計は1,401億円となっております。
円滑な直接調達を進めるため、当社は国内2社及び海外1社の格付機関から格付を取得しており、2015年6月23日現在の発行体格付は格付投資情報センター(R&I)「BBB+」、日本格付研究所(JCR)「A」、ムーディーズ(Moody's)「Ba1」となっております。また、短期債格付(CP格付)についてはR&I/JCRより
「a-2」/「J-1」を取得しております。
当社は1,000億円の社債発行登録や1,000億円のCP発行枠を設定しているほか、政府系や内外金融機関との幅広い取引関係をベースとする銀行借入により、運転資金需要や設備資金需要にも迅速に対応できるものと考えております。
更に、安定的な経常運転資金枠の確保・緊急時の流動性補完を目的に国内金融機関から730億円のコミットメントラインを設定しており、資金の流動性確保に努めております。
③グループ資金の効率化
当社及び主要国内子会社間でキャッシュマネージメントサービス(CMS)を導入しており、グループ内の資金効率化を図ることにより、外部借入の削減に努めております。
(2) 損益状況
売上高は、主に円安の影響等により、前連結会計年度に比べ876億円増収の1兆8,170億円となりました。
経常利益は、円安と燃料油価格安による押し上げ効果はあったものの、特にコンテナ船事業において北米・欧州発アジア向けの荷動き低迷や南北航路の需給ギャップ拡大等により赤字が拡大した結果、前連結会計年度に比べ36億円減益の513億円となりました。不定期専用船事業は、油送船部門が好調な市況を享受しつつプール運航による運航効率改善等にも努め黒字化を達成したものの、ドライバルク船の低調な市況や自動車船部門における日本出し荷動きの減少等により、前連結会計年度に比べ30億円減益の541億となりました。コンテナ船事業は、減速航海の継続や航路の改編により運航コストの低減を図ったものの、上述の通り特定航路での需給ギャップは依然として大きく、前連結会計年度に比べ90億円減益の241億円の赤字となりました。
当期純利益は423億円の黒字となりました。前連結会計年度はコンテナ船事業において関係会社株式の売却益を計上した一方で、当連結会計年度は保有船舶の減損損失が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ150億円の減益となりました。
(3) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ2,593億円増加し、2兆6,240億円となりました。これは主に船舶、長期貸付金及びデリバティブ債権が増加したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ1,504億円増加し、1兆7,316億円となりました。これは主に社債が増加したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ1,088億円増加し、8,924億円となりました。これは主に利益剰余金及び繰延ヘッジ損益が増加したことによるものです。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ、1.1%上昇し、29.8%となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「1.業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。