公開買付届出書

【提出】
2021/12/01 15:04
【資料】
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脚注、表紙

(注1) 本書中の「公開買付者」とは、株式会社商船三井をいいます。
(注2) 本書中の「対象者」とは、ダイビル株式会社をいいます。
(注3) 本書中の記載において計数が四捨五入又は切り捨てされている場合、合計として記載される数値は必ずしも計数の総和と一致しません。
(注4) 本書中の「法」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注5) 本書中の「令」とは、金融商品取引法施行令(昭和40年政令第321号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注6) 本書中の「府令」とは、発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令(平成2年大蔵省令第38号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注7) 本書中の「株券等」とは、株式に係る権利をいいます。
(注8) 本書中の「営業日」とは、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号。その後の改正を含みます。)第1条第1項各号に掲げる日を除いた日をいいます。
(注9) 本書中の記載において、日数又は日時の記載がある場合は、特段の記載がない限り、日本国における日数又は日時を指すものといたします。
(注10) 本書の提出に係る公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)は、日本の金融商品取引法で定められた手続及び情報開示基準を遵守して実施されますが、これらの手続及び基準は米国における手続及び情報開示基準とは必ずしも同じではありません。特に米国1934年証券取引所法(Securities Exchange Act of 1934。その後の改正を含み、以下「米国1934年証券取引所法」といいます。)第13条(e)項又は第14条(d)項及び同条の下で定められた規則は本公開買付けには適用されず、本公開買付けはこれらの手続及び基準に沿ったものではありません。本書及び本書の参照書類の中に含まれる財務情報が米国の会社の財務情報と同等のものとは限りません。公開買付者及び対象者は米国外で設立された法人であり、その役員の全部又は一部は米国居住者ではないため、米国の証券関連法を根拠として主張し得る権利又は請求を行使することが困難となる可能性があります。また、米国の証券関連法の違反を根拠として、米国外の法人又は個人に対して、米国外の裁判所において法的手続を開始することができない可能性があります。さらに、米国外の法人若しくは個人又は当該法人の子会社若しくは関係者(affiliate)(以下「関連者」といいます。)に米国の裁判所の管轄が認められるとは限りません。
(注11) 本公開買付けに関する全ての手続は、特段の記載がない限り、全て日本語において行われるものといたします。本公開買付けに関する書類の全部又は一部は英語で作成されますが、当該英語の書類と日本語の書類との間に齟齬が存在した場合には、日本語の書類が優先するものといたします。
(注12) 本書又は本書の参照書類の記載には、米国1933年証券法(Securities Act of 1933。その後の改正を含みます。)第27A条及び米国1934年証券取引所法第21E条で定義された「将来に関する記述」が含まれております。既知若しくは未知のリスク、不確実性又はその他の要因により、実際の結果が「将来に関する記述」として明示的又は黙示的に示された予測等と大きく異なることがあります。公開買付者又は関連者は、「将来に関する記述」として明示的又は黙示的に示された結果が達成されることを保証するものではありません。本書又は本書の参照書類の中の「将来に関する記述」は、本書提出日時点で公開買付者が有する情報を基に作成されたものであり、法令で義務付けられている場合を除き、公開買付者、対象者又はそれらの関連者は、将来の事象や状況を反映するために、その記述を更新又は修正する義務を負うものではありません。
(注13) 公開買付者及びその関連者、並びに公開買付者及び対象者の各財務アドバイザーの関連者は、それらの通常の業務の範囲において、日本の金融商品取引関連法規制及びその他適用ある法令上許容される範囲で、米国1934年証券取引所法規則14e-5(b)の要件に従い、対象者の株式を自己又は顧客の勘定で、本公開買付けの開始前、又は本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)中に本公開買付けによらず買付け又はそれに向けた行為を行う可能性があります。そのような買付けに関する情報が日本で開示された場合には、当該買付けを行った者又はその関連者の英文ウェブサイトにおいても英文で開示が行われます。
(注14) 会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)に従って株主による単元未満株式の買取請求権が行使された場合には、対象者は法令の手続に従い公開買付期間中に自己の株式を買い取ることがあります。

対象者名

ダイビル株式会社

買付け等をする株券等の種類

普通株式

買付け等の目的

(1)本公開買付けの概要
公開買付者は、本書提出日現在、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)市場第一部に上場している対象者の普通株式(以下「対象者株式」といいます。)59,527,766株(所有割合(注):51.91%)を所有しており、対象者を連結子会社としております。公開買付者が対象者を連結子会社とするに至った経緯については、下記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(a)本公開買付けの背景」をご参照ください。
(注) 「所有割合」とは、対象者が2021年11月12日に提出した「第150期第2四半期報告書」(以下「対象者四半期報告書」といいます。)に記載された2021年9月30日現在の対象者の発行済株式総数(115,051,049株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(367,282株)を控除した株式数(114,683,767株)に占める割合をいいます(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下所有割合の記載について他の取扱いを定めない限り同じです。)。
この度、公開買付者は、2021年11月30日開催の取締役会において、対象者株式の全部(但し、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。以下同じです。)を取得し、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的とする取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決定いたしました。
公開買付者は、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているため、本公開買付けにおいて、16,928,034株(所有割合:14.76%)を買付予定数の下限として設定しており、本公開買付けに応じて応募がなされた株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行いません。他方、公開買付者は、本公開買付けにおいて、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限以上の場合には、応募株券等の全部の買付け等を行います。
買付予定数の下限(16,928,034株)は、公開買付者が対象者を完全子会社とすることを目的としており、下記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の「② 株式併合」に記載の完全子会社化のために必要な会社法第180条に基づく対象者株式の併合(以下「株式併合」といいます。)の手続を実施する際には、会社法第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされているため、本取引の実施を着実に遂行すべく、本公開買付け後に、公開買付者が対象者の総株主の議決権の数の3分の2以上を所有することとなるようにするためです。また、買付予定数の下限(16,928,034株)は、対象者四半期報告書に記載された2021年9月30日現在の対象者の発行済株式総数(115,051,049株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(367,282株)を控除した株式数(114,683,767株)に係る議決権数(1,146,837個)に3分の2を乗じた議決権数(764,558個)に対象者株式1単元(100株)を乗じた株式数(76,455,800株)より、公開買付者が所有する対象者株式数(59,527,766株)を控除した株式数としております。なお、公開買付者は、本公開買付けにおける対象者株式の買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」に記載のとおり、対象者の株価に対して十分なプレミアムを付した価格であり、本公開買付けにおいて、買付予定数の下限(16,928,034株)を上回る応募が見込まれると判断したため、本公開買付けの実施に当たり、特定の株主との間で本公開買付けへの応募に関する契約は締結しておりません。
公開買付者は、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているため、本公開買付けにおいて対象者株式の全部を取得できなかった場合には、下記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載されている対象者の株主を公開買付者のみとするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することにより、対象者株式の全部を取得することを予定しております。
公開買付者は、下記「8 買付け等に要する資金」の「(2)買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等」の「③ 届出日以後に借入れを予定している資金」に記載のとおり、本公開買付けが成立した場合、本公開買付けの決済の開始日の前営業日までに、本公開買付けに係る決済に要する資金を、1,230億円を限度として株式会社三井住友銀行から借り入れる資金により賄うことを予定しております。なお、当該借入れについて、担保提供を行うことは予定されておりません。
また、対象者が2021年11月30日に公表した「支配株主である株式会社商船三井による当社株式に対する公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ」(以下「対象者プレスリリース」といいます。)によれば、対象者は、2021年11月30日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議したとのことです。
対象者の意思決定にかかる詳細は、対象者プレスリリース及び下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑧ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
なお、公開買付者は、2021年11月30日開催の取締役会において、本取引と同様に、公開買付者の連結子会社である株式会社宇徳(以下「宇徳」といいます。)を公開買付者の完全子会社とする取引の一環として、宇徳の普通株式を公開買付け(以下「宇徳公開買付け」といいます。)により取得することも併せて決議しておりますが、公開買付者は、本取引と宇徳公開買付けを、それぞれ別個独立の取引として検討し、対象者・宇徳と個別に協議した結果、本取引及び宇徳公開買付けの実施をそれぞれ決定したものであり、本取引と宇徳公開買付けとはそれぞれ独立した取引です(公開買付者が宇徳公開買付けについて検討を開始した経緯その他宇徳公開買付けの詳細は、公開買付者が2021年12月1日付で関東財務局長に提出した宇徳公開買付けに係る公開買付届出書をご参照ください。)。
(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針
① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
(a)本公開買付けの背景
公開買付者は、1964年4月、大阪商船株式会社と三井船舶株式会社の合併により発足した大阪商船三井船舶株式会社が、1999年4月にナビックスライン株式会社と合併し、現在の商号となった会社であります。大阪商船株式会社は、1884年5月、関西の船主が大同合併して資本金1,200千円をもって創立された定期船(注1)の保有及び運航を行う会社であります。三井船舶株式会社は、明治初期より海上輸送事業を行っていた三井物産株式会社の船舶部が、1942年12月28日に分離独立し、資本金50,000千円をもって設立されました。大阪商船株式会社と三井船舶株式会社は、第二次世界大戦により所有船舶のほとんど及び自主運航権を失いましたが、1950年4月に海運の民営還元が実現した後、運航権の回復と船舶の整備拡充に努めた結果、1950年代前半には第二次世界大戦前の主要航路での運航を再開することができました。その後、上記のとおり1964年4月に実施された大阪商船株式会社と三井船舶株式会社の合併(合併後の商号は大阪商船三井船舶株式会社)を経て、わが国貿易の発展及び海上輸送形態と積荷の多様化に対応して事業の拡大と多角化に努めてまいりました。
大阪商船株式会社は1884年6月に大阪株式取引所(現、株式会社大阪取引所)に、三井船舶株式会社は1949年5月に東京・大阪・名古屋の各証券取引所にそれぞれ上場し、1964年には国内全ての証券取引所において上場しました。その後2007年11月に証券会員制法人札幌証券取引所、2013年5月に証券会員制法人福岡証券取引所、2013年7月に株式会社大阪証券取引所(現、株式会社大阪取引所。以下「大阪証券取引所」といいます。)市場第一部、2017年5月に株式会社名古屋証券取引所市場第一部において上場を廃止し、現在、公開買付者は東京証券取引所市場第一部に上場しております。
2021年9月30日現在、公開買付者の連結対象会社(対象者を含みます。)は481社(うち、連結子会社369社、持分法適用関連会社112社)(以下、公開買付者及び公開買付者の連結対象会社を総称して「公開買付者グループ」といいます。)であり、公開買付者グループは海運業を中心にグローバルな事業展開を図っております。公開買付者グループの事業は、ドライバルク船事業、エネルギー輸送事業、製品輸送事業、関連事業及びその他の5セグメントに分類されており、それぞれの事業の概要は以下のとおりです。
Ⅰ.ドライバルク船事業:公開買付者グループは、ドライバルク船(注2)(火力発電用の石炭を輸送する石炭船を除く。)を保有、運航し、世界中で海上貨物輸送を行っております。
Ⅱ.エネルギー輸送事業:公開買付者グループは、火力発電用の石炭を輸送する石炭船、油送船、海洋事業・LNG船等を保有、運航し、世界中で海上貨物輸送を行っております。
Ⅲ.製品輸送事業:公開買付者グループは、自動車専用船(注3)を保有、運航し、世界中で海上貨物輸送を行っております。また、コンテナ船の保有、運航、コンテナターミナルの運営、航空・海上フォワーディング(注4)、陸上輸送、倉庫保管、重量物輸送等の「トータル・物流ソリューション」を提供しております。さらに、公開買付者の連結対象会社である商船三井フェリー株式会社及び株式会社フェリーさんふらわあが、主として太平洋沿海及び瀬戸内海でフェリーを運航し、旅客及び貨物輸送を行っております。
Ⅳ.関連事業:対象者を中心として不動産事業を行っているほか、公開買付者グループは、客船事業、曳船業、商社事業(燃料・舶用資材・機械販売等)等を営んでおります。
Ⅴ.その他:エム・オー・エル・シップマネージメント株式会社等の連結対象会社を通じて、油送船とLNG船を除く船舶の船舶管理業、グループの資金調達等の金融業、情報サービス業、経理代行業、海事コンサルティング業等を営んでおります。
(注1) 「定期船」とは、始発港、寄港地、到着港、発着予定日、航路名などをあらかじめ公表して、一定航路を定期的に航海する船です。
(注2) 「ドライバルク船」とは、梱包されていない穀物・鉱石・セメントなどのばら積み貨物を船倉に入れて輸送するために設計された貨物船です。
(注3) 「自動車専用船」とは自動車の輸送に特化した船です。
(注4) 「フォワーディング」とは、輸送の依頼主(荷主)と実際の輸送業者(キャリア)の間に立って、貿易事務や輸送手配に付随して発生する専門業務を支援する業務です。
一方、対象者プレスリリースによれば、対象者は、1923年10月に大阪商船株式会社、宇治川電気株式会社並びに日本電力株式会社の三社共同出資により株式会社大阪ビルヂングとして設立され、1945年10月に大阪建物株式会社に社名を変更したとのことです。1950年12月には大阪証券取引所、1983年12月には東京証券取引所市場第一部に上場し、その後1992年1月に現在の社名に変更しているとのことです。対象者は2013年7月の東京証券取引所との統合に伴い大阪証券取引所への上場は廃止し、現在は東京証券取引所市場第一部に上場しているとのことです。
2021年9月30日現在、対象者の連結対象会社は15社(全て連結子会社)(以下、対象者及び対象者の連結対象会社を総称して「対象者グループ」といいます。)であり、対象者グループは、オフィスビルの賃貸を主な事業とし、「ビルを造り、街を創り、時代を拓く」という経営理念のもと、誠実を旨に顧客重視の良質なオフィススペースを提供し、経済社会の発展に貢献するとともに、収益の向上に努め企業価値を高めていくことを目指しているとのことです。対象者グループの事業は、土地建物賃貸事業、ビル管理事業、その他の3セグメントに分類されており、それぞれの事業の概要は以下のとおりとのことです。
Ⅰ.土地建物賃貸事業:対象者及び連結子会社を通じて、対象者及び連結子会社が所有するオフィスビル、ホテル、マンション等を賃貸しているとのことです。
Ⅱ.ビル管理事業:連結子会社を通じて、対象者が所有するビル及び対象者以外の者が所有するビル等について、ビル管理業務を請負っているとのことです。
Ⅲ.その他:対象者及び連結子会社を通じて、建築、設備の設計監理・請負工事・工事管理を行っているとのことです。
対象者と公開買付者の資本関係については、公開買付者の前身である大阪商船株式会社が、宇治川電気株式会社及び日本電力株式会社との三社共同出資により対象者(当時の商号は株式会社大阪ビルヂング)を1923年10月に設立し、2004年9月30日現在、対象者株式32,235,531株(2004年9月30日現在の持株割合(当該時点の対象者の発行済株式総数から当該時点の対象者が所有する自己株式数を控除した数に対する割合を意味します。小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、本段落の「持株割合」の記載において同じです。):27.62%、同日現在の対象者の発行済株式総数:116,851,049株、同日現在の自己株式数:143,397株)を所有するに至りました。また、公開買付者は、2004年9月に、中核事業である外航海運を基軸に、強固な企業グループの実現、及びグループ経営の促進を図るため、対象者を公開買付者グループ企業と明確に位置付けることを目的として、対象者株式への公開買付け(買付け等の期間:2004年9月15日から同年10月14日、買付予定数の上限:27,300,000株、買付予定数の下限:なし)を行い、2004年10月21日付で対象者株式27,300,000株を新たに取得したことにより、同日現在59,535,531株(2004年10月15日現在の持株割合:51.01%、同日現在の発行済株式総数:116,851,049株、同日現在の自己株式数:145,674株)を所有し、対象者を連結子会社といたしました。その後、公開買付者は、公開買付者が所有する単元未満株の買取請求をしたことにより、2006年3月24日現在59,527,766株(2006年3月24日現在の持株割合:51.03%、同日現在の発行済株式総数:116,851,049株、同日現在の自己株式数:205,873株)の対象者株式を所有することとなり、本書提出日現在、対象者株式59,527,766株(所有割合:51.91%)を所有するに至っております。
(b)公開買付者が本公開買付けを実施するに至った経緯・目的
公開買付者グループの主たる事業分野である海運業は、世界各国の資源・原材料・製品の生産動向が輸送需要に直接的に影響する性質を有しており、世界経済全体の成長に伴い各国の生産動向の変動要因が多様化していることから、需要の見通しが立てにくい状況となりつつあります。また、近年は業界全体としてLNG等のクリーン代替燃料を利用した新型船舶の導入に向けた取り組みが進んでおりますが、こうした取り組みは技術革新という不確実な要素に左右される側面があることから、供給面についても将来予測が難しくなっています。このように需要・供給の両面において業界の見通し分析が年々難易度を増していることから、コンテナ船事業をはじめ、鉄鉱石輸送を中心としたドライバルク事業やエネルギー輸送に従事するタンカー事業を含め、海運業に係る業界の成長性及び将来予測は不確実性を増しており、公開買付者は、運航や貨物の取り扱いの専門性が高くないがゆえに参入障壁が低い一般的な海上輸送事業を継続するだけで公開買付者グループが中長期的に成長を続けていくことはもはや難しくなってきているとかねてより考えておりました。また、近年ますます顕著になっている、SDGsに代表される社会の持続性に関する世界的な大きな流れ、特に、気候変動をはじめとした環境問題への対応は、社会の要請が日に日に高まっており、公開買付者グループにとっても避けては通れない喫緊の課題と認識しております。公開買付者グループは、2021年4月1日に公開買付者グループの企業理念とグループビジョンの改訂を行い、社会の長期的な繁栄のために、公開買付者グループが強みを持つ分野で貢献し、海運業にとどまらない幅広い社会インフラ事業をグローバルに展開しながら価値創造を行っていくこと、また、2021年6月18日に公開買付者グループの環境ビジョンを改訂した「商船三井グループ 環境ビジョン2.1」においては、公開買付者グループ総力を挙げて、各業界のリーダーと共に、社会の温室効果ガス排出削減を目指す「2050年ネットゼロ・エミッション」を謳っており、それによって公開買付者グループ自身の持続的な成長も可能になると考えております。
公開買付者グループの主たる事業分野である海運業は、需要が景気や市況の変動による影響を受けやすく、業界として極端な好景気と不景気を繰り返す性質があるとともに、中長期的には、石炭・石油などの化石燃料エネルギーの輸送需要の減少や重油からLNG等のクリーン代替燃料への船舶燃料の切り替えの過程における追加投資負担や代替燃料価格変動などによる脱炭素化の影響による収益の不安定化等の不確実性があります。このような環境の中、対象者を公開買付者の完全子会社とすることは、海運業とは異なる事業特性・市況サイクルを持つ不動産事業の事業ポートフォリオ上の比重を高めることに繋がり、伝統的な海運業に対する依存度を相対的に低下させることによるグループ全体として常に安定的な利益を上げられるような体質の強靭化及び海運業の中で培ってきた公開買付者グループの持つ強みやネットワークを活かせる新規事業領域への多様化に資すると考えております。また、対象者グループの営む不動産事業は、公開買付者グループの海外各国のビジネス慣習や経済状況等についての知識や経験、地場の企業と長年事業を営んできた関係性等を活かして海外各国でのビジネスを拡大することができると見込んでおります。また、市況を勘案しながらの長期保有を前提とする船舶・不動産等の資産の取得及び所有を行っている点や事業内容は異なるもののユーザーへのサービス提供を行っている点で、公開買付者グループが主たる事業としている海運業との共通性が高く、公開買付者グループが海運業において培ってきたサービス提供体制構築等の経営ノウハウをはじめとする公開買付者グループの強みを活かせる事業領域であると考えております。そして、対象者を公開買付者の完全子会社とすることで、上場会社として独立性の維持の観点から制限のあった対象者グループと公開買付者グループの間での顧客基盤、事業基盤、財務基盤等の経営資源の相互活用が可能になり、お互いの強みを活かした対象者グループと公開買付者グループの協業及びネットワークの活用により、お互いに新たな知見及び経営資源を利用することができ、公開買付者グループ全体の資産効率の向上や物流施設等のロジスティクス関連不動産への投資及び成長性の高い海外不動産への投資の拡大が見込めると考えております。
一方で、公開買付者は、対象者グループにおいては、対象者が公開買付者の完全子会社となることで、一時的な投資負担の増加や短期的な業績悪化が株主に与える影響を考慮することなく、これまで以上に迅速な意思決定が可能となること及び上場会社として独立性の維持の観点から制限のあった対象者グループと公開買付者グループの間での顧客基盤、事業基盤、財務基盤等の経営資源の相互活用が可能になることで、より中長期的視点に立脚した成長戦略の推進が可能になると考えております。具体的には、対象者グループの主な事業であるオフィスビル賃貸の市況については、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による経済への影響及びそれに伴うワークスタイルの変化により、需給のバランス等含め厳しい状況が継続する可能性が高いと考えておりますが、本取引後は、上記のとおり対象者が公開買付者の完全子会社となり、一時的な投資負担の増加や短期的な業績悪化が対象者の一般株主に与える影響を考慮する必要が無くなるため、短期的な業績動向や利益にとらわれずに、中長期的な視点に基づいてオフィスビル関連の成長投資や環境戦略を積極的に行うことが可能になると考えております。また、対象者グループは、2018年4月27日付で、2018年4月から2023年3月までの5年間を計画期間とする現行の中期経営計画「“Design 100”プロジェクト Phase–Ⅱ」(以下「Phase–Ⅱ」といいます。)を策定し、当該計画における重点施策として「都心大型オフィスビルへの投資」や「投資対象拡充」を掲げておりますが、本取引後は、上記のとおり迅速な意思決定が可能となり、かつ上場会社としての独立性の維持のために存在した制限がなくなるため、公開買付者グループのネットワークや資本等の経営資源をより一層活用することが可能となり、現在対象者グループが取り組んでいる国内再開発案件等は従来と変わらず取り組む一方、公開買付者グループが手掛けるロジスティクス事業と関連した不動産分野への進出や、公開買付者が2021年4月5日付で発表した公開買付者グループの2021年度に係る経営計画「ローリングプラン 2021」(以下「本ローリングプラン」といいます。)や公開買付者グループの「商船三井グループ 環境ビジョン2.1」で推進している低脱炭素事業の不動産事業への展開など、対象者グループの成長に資するようなより大型かつ多様な新規開発投資や戦略的提携も検討していくことが可能になると考えております。対象者グループがベトナム及びオーストラリアで展開している海外事業についても、公開買付者グループの海外における人材等のリソース、グローバルな情報網を活用することで、対象者グループの事業戦略や本ローリングプランにマッチする海外での物件取得や開発、他社との提携が検討・実行可能となり、今後、オフィスマーケットの拡大が期待される海外地域での事業拡大を図ることも可能になると考えております。上記の成長投資や環境戦略を行う上で必要となる資金調達に関しても、公開買付者グループの金融機関等との関係や資金調達手段を対象者グループにも展開できるものと考えており、多額の投資に際しても公開買付者グループの与信枠を使っての資金調達が可能になると考えております。
公開買付者は2004年10月15日付で対象者を連結子会社として以降、上場会社としての対象者の独立性を尊重しながら、公開買付者グループとしての一体運営及びシナジー実現を進めてまいりました。しかしながら、公開買付者としては、現在、対象者が上場会社であり、公開買付者グループと対象者グループの間での顧客基盤、事業基盤、財務基盤等の経営資源を相互活用及び最適化することに独立性の観点から制限があることから、対象者の上場を維持したままでは、前二段落に記載した、公開買付者が本公開買付け後に実施することを想定しているオフィスビル関連の成長投資や環境戦略の積極的な実施、公開買付者グループのネットワークや資本等の経営資源の活用、公開買付者グループが手掛けるロジスティクス事業と関連した不動産分野への進出等の大型かつ多様な新規開発投資や戦略的提携、オフィスマーケットの拡大が期待される海外地域での事業拡大、公開買付者グループの与信枠を使っての資金調達等の施策を実行することは難しいと考えております。また、公開買付者は、上記の施策は中長期的には対象者グループの企業価値向上に資すると考えているものの、短期的には対象者グループの投資額の増加や業績の不安定さを招く可能性もあり、短期的には対象者の既存の一般株主の皆様の利益と必ずしも一致しないことも想定されることから、対象者を連結子会社として以降、対象者との資本関係の在り方について内部で慎重な検討を重ねてまいりました。そして、公開買付者は、2021年4月5日付で発表した本ローリングプランの策定以降、上記の施策の実現及び対象者グループの中長期的な目線での成長戦略、経営戦略の実行のための対象者との資本関係について、公開買付者社内での検討を加速させ、その結果、2021年8月上旬に、対象者を公開買付者の完全子会社とし、株主を公開買付者のみとすることが対象者グループを含めた公開買付者グループとしての一体的な運営及び上記の施策の実現のために最適であり、公開買付者グループ及び対象者グループ双方の企業価値の向上にとって最善の選択であるとの考えに至りました。公開買付者は、親子上場の解消について、2019年6月28日に経済産業省が「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」を公表するなど、上場子会社のガバナンス体制の公正性・透明性がより一層要請される中で、公開買付者による対象者の完全子会社化を行うことは、昨今のグループガバナンスに関する議論の潮流に沿ったものであると考えております。
こうした認識のもと、公開買付者は2021年8月上旬に、公開買付者グループ及び対象者グループから独立した財務アドバイザーとしてゴールドマン・サックス証券株式会社(以下「ゴールドマン・サックス」といいます。)を、法務アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所をそれぞれ選任し、本取引に関する本格的な検討を開始し、本取引の一環として公開買付けの手法により対象者株式の取得を行うことで対象者の少数株主に合理的な株式売却の機会を提供することが適切であると考え、2021年8月31日に対象者に対して公開買付けの手法により本取引を行うことを提案するとともに公開買付者及び対象者の間で、本取引の実施の有無及び条件について協議を開始したい旨の初期的な打診を行い、対象者と協議を進めることで合意いたしました。その後、2021年9月16日に対象者より2022年3月期から2028年3月期の事業計画(以下「対象者事業計画」といいます。)を受領するとともに、同年9月22日に対象者から対象者事業計画に関する説明を受け、同年9月30日に、対象者に対して、対象者株式の市場株価推移分析、及び対象者事業計画を踏まえた財務予測モデル分析等に基づく対象者の本源的な企業価値、並びに対象者による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けの成立の見通しを総合的に勘案して、本公開買付価格を1株当たり2,000円とすることを含む、本取引に関する正式提案を行いました。その後、2021年10月18日に対象者から対象者株式の株価に対するプレミアム水準が本取引と同様の支配株主による完全子会社化事例と比して不十分であること並びに対象者及び対象者の特別委員会の財務アドバイザーによる株式価値算定結果に照らしても合理的な価格と判断できないことを理由に提案内容の再検討を要請されたことを踏まえ、同年10月27日に本公開買付価格を1株当たり2,050円とする旨の提案を行いましたが、同年11月8日に対象者から上記と同様の理由により提案内容の再検討を再度要請されたため、同年11月17日に本公開買付価格を1株当たり2,100円とする最終提案を行いました。これに対して、同年11月24日に対象者から上記と同様の理由により本公開買付価格を2,200円に引き上げるよう求める旨の提案を受領したため、公開買付者は、対象者取締役会において本公開買付けへの賛同の意見表明及び対象者の一般株主に対する本公開買付けへの応募推奨について決議すること並びに本公開買付けに係る公表日までに公開買付者の判断に重大な悪影響を及ぼす事由が発生又は判明しないことを前提として、同年11月25日に対象者の提案を受諾いたしました。
以上の経緯のもとで、公開買付者は、2021年11月30日開催の取締役会において、森・濱田松本法律事務所から受けた法的助言、ゴールドマン・サックスから受けた財務的見地からの助言及びゴールドマン・サックスから取得した同年11月30日付の株式価値算定書(以下「GS算定書」といいます。)の内容も踏まえ、公表情報及び対象者への確認に基づき同年11月24日以降同年11月30日までに公開買付者の判断に重大な悪影響を及ぼす事由が発生又は判明していないことを確認の上、対象者取締役会において本公開買付けへの賛同の意見表明及び対象者の一般株主に対する本公開買付けへの応募推奨について決議が行われることを前提として、公開買付者による対象者の完全子会社化を目的とした本公開買付けを実施することを決議いたしました。なお、GS算定書の概要については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の基礎」をご参照ください。
(c)対象者における意思決定の過程及び理由
(ⅰ).検討体制の構築の経緯
対象者プレスリリースによれば、対象者は、上記に記載のとおり、2021年8月31日に公開買付者から、本取引についての初期的な打診を受け、前向きに検討すべく、同年9月16日開催の対象者取締役会の決議により本特別委員会(以下に定義します。)を組成して以降、公開買付者と協議を進めることで合意し、対象者と公開買付者の実務者間で本取引に関する具体的な協議を開始したとのことです。対象者は、公開買付者との間で本取引に係る協議を開始するに際し、対象者が公開買付者の連結子会社であり、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保するため、2021年9月上旬に、対象者及び公開買付者から独立した財務アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)を、法務アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業(以下「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。)をそれぞれ選任し、同法律事務所の助言を踏まえ、直ちに、公開買付者から独立した立場で、対象者グループの企業価値の向上及び対象者の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始したとのことです。
具体的には、2021年9月上旬より、対象者の社外取締役及び社外監査役から構成される特別委員会の設置に向けた準備を開始し、2021年9月16日開催の対象者取締役会の決議により、大井篤氏(対象者独立社外取締役)、宮野谷篤氏(対象者独立社外取締役)、妙中茂樹氏(対象者独立社外監査役)及び西出智幸氏(対象者独立社外監査役)の4名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置し(詳細については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「② 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的は正当・合理的と認められるか(本取引が対象者の企業価値向上に資するかを含む。)、(ⅱ)本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性・妥当性が確保されているか、(ⅲ)本取引において、公正な手続を通じた対象者の株主の利益への十分な配慮がなされているか、(ⅳ)上記(ⅰ)乃至(ⅲ)のほか、対象者取締役会における本取引についての決定が、対象者の少数株主にとって不利益なものでないと考えられるか、(ⅴ)対象者取締役会が本公開買付けに賛同し、対象者株主に応募を推奨する旨の意見表明を行うことの是非(以下、これらを総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問したとのことです。また、対象者取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、特別委員会を対象者取締役会から独立した合議体と位置付け、①本取引に関する対象者取締役会の意思決定は、対象者取締役会の委嘱に基づく本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特に本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、対象者取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないこと、②対象者が公開買付者と本取引に係る公開買付価格その他の取引条件等について交渉するにあたり、本特別委員会に適時にその状況を報告し、重要な局面でその意見、指示及び要請を受けること、③本特別委員会は、必要と認めるときは、対象者の費用負担の下、独自の弁護士、算定機関、公認会計士、ファイナンシャル・アドバイザーその他のアドバイザーを選任することができること、④本特別委員会は、対象者の費用負担の下、その職務に関連する調査(本取引に関係する対象者の役員若しくは従業員又は本取引に係る対象者のアドバイザーに対し、その職務に必要な事項について質問を行い、説明又は助言を求めることを含む。)を行うことができること、及び⑤本特別委員会に対し、本取引に係る公開買付価格その他の取引条件等について、必要に応じて公開買付者と交渉を行う権限を付与することを決議したとのことです(当該取締役会における決議については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「② 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。なお、本特別委員会は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「② 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、上記の権限に基づき、2021年9月16日に独自の法務アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を、独自の財務アドバイザーとして株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス」といいます。)を選任しているとのことです。
また、対象者は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「② 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2021年9月16日開催の第1回特別委員会において、野村證券を対象者の財務アドバイザー及び第三者算定機関とすること並びにアンダーソン・毛利・友常法律事務所を対象者の法務アドバイザーとすることについて、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けているとのことです。
さらに、対象者は、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を対象者の社内に構築するとともに、かかる検討体制に独立性及び公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会の確認を受けているとのことです(かかる検討体制の詳細については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑦ 対象者における独立した検討体制の構築」をご参照ください。)。
(ⅱ).検討・交渉の経緯
対象者は、野村證券から対象者株式の価値算定結果に関する報告、公開買付者との交渉の方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受けるとともに、アンダーソン・毛利・友常法律事務所からの本取引における手続の公正性を確保するための対応についてのガイダンスその他の法務的助言を受け、これらを踏まえ、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に検討を行ってきたとのことです。
対象者は、公開買付者から、2021年8月31日に初期的な提案を受領し、同年9月16日開催の対象者取締役会の決議により本特別委員会を組成して以降、公開買付者との間で、本取引に係る取引条件について継続的に協議及び交渉を行ってきたとのことです。具体的には、公開買付者より、9月30日に本公開買付価格を1株当たり2,000円とする旨の提案を受領したとのことです。その後、2021年10月18日に対象者は対象者株式の株価に対するプレミアム水準が本取引と同様の支配株主による完全子会社化事例と比して不十分であること並びに対象者及び対象者の特別委員会の財務アドバイザーによる株式価値算定結果に照らしても合理的な価格と判断できないことを理由に提案内容の再検討を要請し、同年10月27日に本公開買付価格を1株当たり2,050円とする旨の提案を公開買付者より受領したとのことですが、同年11月8日に上記と同様の理由により提案内容の再検討を再度要請を行ったとのことです。その後、同年11月17日に本公開買付価格を1株当たり2,100円とする最終提案を公開買付者より受領したとのことです。これに対して、同年11月24日に対象者は上記と同様の理由により本公開買付価格を2,200円に引き上げるよう求める旨の提案を行い、公開買付者は、対象者取締役会において本公開買付けへの賛同の意見表明及び対象者の一般株主に対する本公開買付けへの応募推奨について決議すること並びに本公開買付けに係る公表日までに公開買付者の判断に重大な悪影響を及ぼす事由が発生又は判明しないことを前提として、同年11月25日に対象者の提案を受諾する旨の返答を受けたとのことです。その後、同年11月29日の特別委員会にて、同年11月30日開催の対象者取締役会での承認を受けることを条件に、本公開買付価格を2,200円とすることについて合意に至ったとのことです。
(ⅲ).判断内容
以上の経緯のもとで、対象者は、2021年11月30日開催の対象者取締役会において、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言、野村證券から受けた財務的見地からの助言並びに2021年11月29日付で提出を受けた対象者株式の価値算定結果に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(野村證券)」といいます。)の内容、並びに本特別委員会を通じて提出を受けたプルータス作成に係る2021年11月29日付株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(プルータス)」といいます。)及び本公開買付価格の財務的見地からの合理性に関する意見(フェアネス・オピニオン)(以下「本フェアネス・オピニオン」といいます。)の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された答申書(以下「本答申書」といいます。)の内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引の一連の手続及び本取引に関する諸条件について、対象者の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議及び検討を行ったとのことです。
その結果、以下のとおり、対象者としても、公開買付者の完全子会社となることにより、シナジーの創出を見込むことができ、対象者の企業価値の向上に資するとの結論に至ったとのことです。
これまで対象者は上場会社として、対象者の少数株主の利益を尊重し、対象者としての独立性の確保に努めてきたとのことです。このため、公開買付者グループが有するノウハウや経営インフラ等を共有することについては、公開買付者グループと対象者の少数株主との間で利益相反の懸念があり、対象者としての独立性の確保の観点から、迅速かつ円滑にその共有化を推進することが困難であったとのことです。本取引後においては、公開買付者の完全子会社になることで、公開買付者グループと対象者の少数株主との間の利益相反の懸念が解消され、独立性確保のための制約を回避しつつ、公開買付者グループとの連携及び経営資源等の効率的な活用を迅速かつ円滑に行いながら、対象者の企業価値の向上及び対象者を含む公開買付者グループの中長期的な企業価値の向上に資することができると考えているとのことです。
本取引を通じて、対象者が実現可能と考える具体的なシナジーは、以下のとおりとのことです。
(a)国内における「投資対象の拡充」の強化
対象者グループは、現行の中期経営計画であるPhase–Ⅱにおける重点施策として「投資対象の拡充」を掲げているとのことです。前中期経営計画「“Design 100”プロジェクト Phase–Ⅰ」までは東京都心三区(千代田区、中央区、港区)における投資金額が400億円規模のオフィスビルを主な投資対象としておりましたが、こうした物件の取得機会は限られるうえ、取得候補となる物件に関して入札手続が実施される場合には、海外を含めた投資家と競合することから、取得が極めて困難な環境が続いているとのことです。
こうした外部環境を踏まえ、Phase–Ⅱでは投資対象物件の「地域」・「用途」・「規模」について対象を広げて投資機会を窺っているとのことです。
「地域」については東京、大阪以外の地方中核都市(札幌、仙台、名古屋、広島、福岡)を対象としておりますが、現状、情報収集には限界があり、2019年の札幌での物件取得に留まっているとのことです。
一方、海運業を営む公開買付者グループは、国内においても地方の有力企業と考えている取引先や上記地方中核都市を含む地方自治体等に幅広い人脈やビジネス上の繋がりを有していると考えており、それらを活用することにより対象者の地方中核都市への更なる投資拡充が図れるものと考えているとのことです。
「用途」についても、公開買付者グループは、対象者が所有していない物流施設等を所有・運営し、物流サービスプロバイダーとして運営ノウハウも有しているため、対象者グループは、公開買付者グループのそうした知見を活用することにより、物流施設等のロジスティクス関連不動産への投資を拡大し、投資対象の「用途」の拡充を図ることができると考えているとのことです。
また、投資「規模」については、対象者は公開買付者グループから独立した第三者として、資金調達については対象者が独自で行っており、年々大型化が進む東京や大阪といった都心及び地方中核都市における投資案件において、その物件規模から対象者グループ単独では実行が困難であった案件がございましたが、本取引により公開買付者の完全子会社となることで、公開買付者グループの金融機関等との関係や資金調達手段を活用することができ、多額の投資に際しても公開買付者グループの与信枠を使っての資金調達が可能となると考えており、規模の大きな投資案件の実行が可能になることを期待しているとのことです。
(b)海外事業の強化
2017年に公表された国立社会保障・人口問題研究所による将来推計人口によると、日本の国内人口は、2050年に向けて減少し続ける一方で、対象者グループが投資しているベトナムや豪州は国際連合による世界人口推計によると2050年まで人口増加が続くと予測されており、今後も更なる成長が見込まれているとのことです。
対象者グループは2007年に海外事業の検討を開始し、2012年1月に海外投資の第一号案件としてベトナム・ホーチミン市のサイゴン・タワーを所有するSaigon Tower Co., Ltd.を子会社化したことを皮切りに、海外事業を拡大しているとのことです。2014年12月にはベトナムハノイ市のコーナーストーン・ビルディングを所有するVIBANK-NGT., Ltd.を子会社化し、2018年9月には豪州シドニーでDaibiru Holdings Australia Pty Ltd(現Daibiru Australia Pty Ltd)を通じてオフィスビル開発プロジェクト「275 George Street」を獲得、2020年12月にオフィスビル「275 George Street」が完工したとのことです。
対象者グループが今後も持続的に企業価値拡大を図る上では、「海外事業の強化」は、Phase–Ⅱで掲げた施策の中でも、特に欠かすことができない重点施策の1つとのことです。
公開買付者グループは、これまで長きにわたり海外事業を展開しており、対象者グループにはない海外における幅広いネットワークを世界各所に有し、また、海外における豊富なビジネス経験や高い知見・スキルを有する人材を保有しているとのことです。
本取引により、上場会社として独立性の維持の観点から制限のあった公開買付者グループと対象者グループとの間での顧客基盤、事業基盤、財務基盤等の経営資源の相互活用が可能になり、対象者グループがこうした公開買付者グループが有する人材やネットワーク等を一層活用することで、海外事業の強化・拡充が実現できると考えているとのことです。
また、海外事業は国内事業とは異なるリスクを含みますが、公開買付者グループは、為替リスクへの対応を含め豊富なノウハウを有しており、リスクマネジメントの強化も図れると考えているとのことです。
また、対象者は、以下の点等から、本公開買付価格である1株当たり2,200円は対象者の一般株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、対象者の一般株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な対象者株式の売却の機会を提供するものであると2021年11月30日開催の取締役会において判断したとのことです。
(ア)当該価格が、対象者において、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、特別委員会の関与の下、公開買付者との間で十分な交渉を重ねた結果、合意された価格であること。
(イ)当該価格が、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑥ 対象者における独立した財務アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載の本株式価値算定書(野村證券)における野村證券による対象者株式の価値算定結果のうち、市場株価平均法及び類似会社比較法による算定結果の範囲を上回っており、また、DCF法(下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑥ 対象者における独立した財務アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「(ⅱ)対象者株式に係る算定の概要」において定義します。)による算定結果の範囲内であること。
(ウ)当該価格が、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載の本株式価値算定書(プルータス)におけるプルータスによる対象者株式の価値算定結果のうち、市場株価法及び類似会社比較法による算定結果の範囲を上回っており、また、DCF法による算定結果の範囲内であること。また、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、プルータスから、本公開買付価格である1株当たり2,200円が対象者株式の株主(公開買付者を除きます。)の皆様にとって、財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオンが発行されていること。
(エ)当該価格が、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2021年11月29日の東京証券取引所市場第一部における対象者株式の終値1,489円に対して47.75%(小数点以下第三位を四捨五入しているとのことです。以下、プレミアム率の計算において同じです。)、2021年11月29日から直近1ヶ月間の終値単純平均値1,522円(小数点以下を四捨五入しているとのことです。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して44.55%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値1,533円に対して43.51%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値1,464円に対して50.27%のプレミアムが加算されたものであり、本取引が上場親会社による上場子会社の完全子会社化を目的とした取引であることから、2019年1月以降に公表された上場親会社による上場子会社の完全子会社化を目的としたほかの公開買付けの事例24件におけるプレミアム水準(公表日前営業日の終値(事前に報道が行われた案件については、当該報道が行われた日の前営業日)、並びに直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値それぞれからのプレミアムの中央値(約42%程度~44%程度)・平均値(約46%程度~49%程度)に照らしても遜色なく、合理的な水準と認められること。
(オ)当該価格は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「② 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した本答申書においても、妥当であると認められると判断されていること。
こうした判断のもと、対象者は、本取引が対象者グループの企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2021年11月30日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議したとのことです。
対象者取締役会における決議の方法については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑧ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
② 本公開買付け後の経営方針
公開買付者は、本取引後、対象者を含む公開買付者グループ内の連携を加速させるとともに意思決定を迅速化し、顧客基盤、事業基盤、財務基盤等の当該グループの経営資源の配分の最適化及び相互活用を図ることで、今後の事業環境の変化等にも対応し、対象者グループの特性や強みを十分に活かしながら対象者グループの事業強化及び持続的な収益成長を実現していく所存です。また、中長期視点での競争力強化、機動的な経営施策の実行等により、対象者グループを含めた公開買付者グループ全体の利益成長を加速させ、企業価値の向上に努めてまいります。
なお、本取引後の対象者の経営体制につきましては、対象者の現在の経営体制を尊重した上で、本取引後に期待される対象者グループの競争力強化及び成長と、公開買付者グループ全体の中長期的成長をできる限り早期に実現することを目指して、今後、対象者と、必要な施策及びその推進について協議の上、速やかに決定していく予定です。
(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置
公開買付者及び対象者は、対象者が公開買付者の連結子会社であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、公開買付者と対象者の公開買付者以外の株主との間で構造的に利益相反の関係があることに鑑み、本公開買付けの公正性を担保するとともに、本取引に関する意思決定の恣意性を排除し、対象者の意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保し、かつ利益相反を回避するため、以下の措置を実施しております。
なお、公開買付者は、上記「(1)本公開買付けの概要」に記載のとおり、本書提出日現在、対象者株式を59,527,766株(所有割合:51.91%)所有しているため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する一般株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定しておりません。もっとも、公開買付者及び対象者において以下の①から⑩の措置を講じていることから、対象者の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考えております。
また、以下の記載のうち、対象者において実施した措置については、対象者プレスリリース及び対象者から受けた説明に基づくものです。
① 公開買付者における独立した財務アドバイザーからの株式価値算定書の取得
② 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
③ 特別委員会における独立した法務アドバイザーからの助言
④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得
⑤ 対象者における独立した法務アドバイザーからの助言
⑥ 対象者における独立した財務アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
⑦ 対象者における独立した検討体制の構築
⑧ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見
⑨ 取引保護条項の不存在
⑩ 対象者の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置
以上の詳細については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」をご参照ください。
(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
公開買付者は、上記「(1)本公開買付けの概要」に記載のとおり、対象者を公開買付者の完全子会社とする方針であり、本公開買付けにおいて公開買付者が対象者株式の全部を取得できなかった場合には、本公開買付け成立後、以下の方法により、対象者株式の全部の取得を目的とした手続を実施することを予定しております。
① 株式売渡請求
公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者の所有する対象者の議決権の合計数が対象者の総株主の議決権の数の90%以上となり、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。以下①において同じです。)の全員に対し、その所有する対象者株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定です。
株式売渡請求においては、対象者株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を対象者の株主に対して交付することを定める予定です。この場合、公開買付者は、その旨を対象者に通知し、対象者に対して株式売渡請求の承認を求めます。対象者が取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、対象者の株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、対象者の株主全員からその所有する対象者株式の全部を取得いたします。そして、公開買付者は、当該各株主の所有していた対象者株式1株当たりの対価として、当該各株主に対し、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定です。なお、対象者プレスリリースによれば、公開買付者より株式売渡請求がなされた場合には、対象者は、対象者取締役会にてかかる株式売渡請求を承認する予定とのことです。株式売渡請求がなされた場合については、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、対象者の株主は、裁判所に対して、その所有する対象者株式の売買価格の決定の申立てを行うことができます。
② 株式併合
本公開買付けの成立後、公開買付者の所有する対象者の議決権の合計数が対象者の総株主の議決権の数の90%未満である場合には、公開買付者は、株式併合を行うこと及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を本公開買付けの決済の完了後、速やかに対象者に要請する予定です。対象者プレスリリースによれば、2021年11月30日現在では、対象者は公開買付者の要請に応じ本臨時株主総会を開催する予定であり、本臨時株主総会の開催は2022年3月頃を予定しているとのことです。なお、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定です。
本臨時株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生ずる日において、対象者の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の対象者株式を所有することとなります。株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、対象者の株主に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する対象者株式を対象者又は公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する対象者株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一となるよう設定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを対象者に要請する予定です。また、対象者株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者のみが対象者株式の全部(対象者が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主(公開買付者を除きます。)の所有する対象者株式の数が1株に満たない端数となるように決定される予定です。
株式併合がなされた場合であって、株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、対象者の株主は、対象者に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して対象者株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が会社法上定められております。上記のとおり、株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)が所有する対象者株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、株式併合に反対する対象者の株主は、上記申立てを行うことができることになる予定です。
なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における対象者の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。
また、本スクイーズアウト手続が2022年3月31日までの間に完了しない場合には、公開買付者は、対象者に対して、本スクイーズアウト手続が完了していることを条件として、2022年3月期に係る2022年6月下旬開催予定の対象者の定時株主総会(以下「本定時株主総会」といいます。)で権利を行使することのできる株主を、本スクイーズアウト手続完了後の株主(公開買付者を意味します。)とするため、定時株主総会の議決権の基準日の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを要請する予定です。そのため、対象者の2022年3月31日の株主名簿に記載又は記録された株主であっても、本定時株主総会において権利を行使できない可能性があります。
上記①及び②の各手続については、関係法令についての改正、施行及び当局の解釈等の状況によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があります。但し、その場合でも、本公開買付けが成立した場合には、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該対象者の株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該対象者の株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定です。もっとも、株式売渡請求に関する売買価格の決定の申立て又は株式併合についての株式買取請求に関する価格の決定の申立てがなされた場合において、当該申立てを行った対象者の株主が保有していた対象者株式の売買価格又は株式買取請求に関する価格は、最終的に裁判所が判断することになります。
以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、対象者と協議の上、決定次第、対象者が速やかに公表する予定です。なお、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、対象者の株主の皆様が自らの責任にて税務専門家にご確認ください。
(5)上場廃止となる見込み及びその事由
対象者株式は、本書提出日現在、東京証券取引所市場第一部に上場されておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付け等を行う株券等の数に上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従って、対象者株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、公開買付者は、本公開買付けが成立した場合には、上記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の各手続を実施することを予定しておりますので、その場合には、対象者株式は、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、対象者株式を東京証券取引所において取引することができなくなります。
(6)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項
該当事項はありません。

届出当初の期間

①【届出当初の期間】
買付け等の期間2021年12月1日(水曜日)から2022年1月18日(火曜日)まで(30営業日)
公告日2021年12月1日(水曜日)
公告掲載新聞名電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。
電子公告アドレス
(https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/)

買付け等の価格

(2)【買付け等の価格】
株券普通株式1株につき、金2,200円
新株予約権証券-
新株予約権付社債券-
株券等信託受益証券
( )
-
株券等預託証券
( )
-
算定の基礎公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者の財務アドバイザーであるゴールドマン・サックスに対し、対象者株式の価値に係る財務分析を依頼し、これに関してゴールドマン・サックスが作成した2021年11月30日付のGS算定書を受領しております(注1)。なお、ゴールドマン・サックスは、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。また、公開買付者は、ゴールドマン・サックスから本公開買付価格又は本公開買付けの公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得しておらず、ゴールドマン・サックスはかかる意見を一切表明しておりません。
ゴールドマン・サックスは、上記のGS算定書において、市場株価法、DCF法、将来株式価値の現価分析、プレミアム分析を用いた分析を行っております。なお、DCF法及び将来株式価値の現価分析は本財務予測(公開買付者)((注1)に定義します。)に基づいております。各手法の分析結果として、対象者株式の1株当たり価値として下記のレンジが示されております。
1.市場株価法 1,188円~1,652円
市場株価法において、ゴールドマン・サックスは、2021年11月29日を基準日とし、過去52週間における対象者株式の終値を検討しております。かかる検討に基づき、ゴールドマン・サックスは、対象者株式の1株当たり価値の範囲を1,188円から1,652円までと算出しております。
2.DCF法 1,239円~2,813円
DCF法において、ゴールドマン・サックスは、対象者の推定加重平均資本コストを踏まえた3.25%から3.75%までのレンジの割引率を用いて、本財務予測(公開買付者)に織り込まれた対象者の将来のフリー・キャッシュ・フローを現在価値に割り引くことにより対象者株式の価値を分析しております。ゴールドマン・サックスは、0.50%から1.00%までの永久成長率を適用してターミナル・バリューを計算しております。かかる分析に基づき、ゴールドマン・サックスは、対象者株式の1株当たり価値の範囲を1,239円から2,813円までと算出しております。ゴールドマン・サックスがDCF法に用いた本財務予測(公開買付者)は、2022年3月期から2028年3月期を対象とする7会計年度で構成されております。なお、ゴールドマン・サックスがDCF法に用いた2022年3月期から2028年3月期を対象とする本財務予測(公開買付者)には、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2024年3月期において、建替関連損失に起因する特別損失の計上により親会社株主に帰属する当期純利益の一時的な減少が見込まれることから、翌2025年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益は前年対比で大幅な増益となることが見込まれております。なお、本財務予測(公開買付者)は、対象者単独のものであり、また、本取引により実現することが期待できるシナジー効果を現時点において具体的に見積もることが困難であることから、当該シナジーを織り込んでおりません。

3.将来株式価値の現価分析 1,008円~2,180円
将来株式価値の現価分析において、ゴールドマン・サックスは、本財務予測(公開買付者)に基づく対象者の2023年3月期から2026年3月期の将来のEBITDAに15.0倍から19.0倍までの1年フォワードEBITDA倍率を適用して、2022年から2025年の各年3月31日時点の対象者株式の価値を算出しております。そして、対象者の推定株主資本コストを踏まえた7.50%の割引率を用いて、それぞれの時点の株式価値を現在価値に割り引いております。2022年から2025年の各年3月31日時点の対象者株式の価値を算出するに際して、ゴールドマン・サックスは本財務予測(公開買付者)における各年3月31日時点の純有利子負債を控除しています。更に、ゴールドマン・サックスは、本財務予測(公開買付者)において2022年3月期から2025年3月期のそれぞれの年度で対象者が支払うと見込まれる配当の現在価値の累積値を加算し、対象者株式の1株当たり価値の範囲を1,008円から2,180円までと算出しております。
4.プレミアム分析 1,905円~2,256円
プレミアム分析において、ゴールドマン・サックスは、公開情報に基づき、日本において一定の期間に公表された、上場子会社の少数株主持分の取得を目的とした親会社による公開買付けにおけるプレミアム水準の検討と分析を行っております。当該参照期間における取引に関して、ゴールドマン・サックスは、公表日の前営業日の対象会社の株価終値(事前に報道が行われた案件については、当該報道が行われた日の前営業日)に対する公開買付価格のプレミアムの第一四分位と第三四分位を計算しております。かかる計算により、当該参照期間において、第一四分位である27.9%から第三四分位である51.5%までのプレミアム比率のレンジが示されております。そのうえで、ゴールドマン・サックスは、27.9%から51.5%までのプレミアムを対象者株式の2021年11月29日の終値に適用しております。かかる分析に基づき、ゴールドマン・サックスは、対象者株式の1株当たり価値の範囲を1,905円から2,256円までと算出しております。
本公開買付価格である1株当たり2,200円は、公開買付者による本公開買付けの公表日の前営業日である2021年11月29日の東京証券取引所市場第一部における対象者株式の終値1,489円に対して47.75%、直近1ヶ月間(2021年11月1日から2021年11月29日)の終値単純平均値1,522円に対して44.55%、直近3ヶ月間(2021年8月30日から2021年11月29日)の終値単純平均値1,533円に対して43.51%、直近6ヶ月間(2021年5月31日から2021年11月29日)の終値単純平均値1,464円に対して50.27%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となります。また、本公開買付価格は、本書提出日の前営業日である2021年11月30日の東京証券取引所市場第一部における対象者株式の終値1,464円に対して50.27%のプレミアムを加えた金額となります。

算定の経緯(本公開買付価格の決定に至る経緯)
公開買付者は、上記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、2021年8月上旬に、公開買付者グループ及び対象者グループから独立した財務アドバイザーとしてゴールドマン・サックスを、法務アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所をそれぞれ選任し、本取引に関する本格的な検討を開始し、本取引の一環として公開買付けの手法により対象者株式の取得を行うことで対象者の少数株主に合理的な株式売却の機会を提供することが適切であると考え、2021年8月31日に対象者に対して公開買付けの手法により本取引を行うことを提案するとともに公開買付者及び対象者の間で、本取引の実施の有無及び条件について協議を開始したい旨の初期的な打診を行い、対象者と協議を進めることで合意いたしました。その後、2021年9月16日に対象者より対象者事業計画を受領するとともに、同年9月22日に対象者から対象者事業計画に関する説明を受け、同年9月30日に、対象者に対して、対象者株式の市場株価推移分析、及び対象者事業計画を踏まえた財務予測モデル分析等に基づく対象者の本源的な企業価値、並びに対象者による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けの成立の見通しを総合的に勘案して、本公開買付価格を1株当たり2,000円とすることを含む、本取引に関する正式提案を行いました。その後、2021年10月18日に対象者から対象者株式の株価に対するプレミアム水準が本取引と同様の支配株主による完全子会社化事例と比して不十分であること並びに対象者及び対象者の特別委員会の財務アドバイザーによる株式価値算定結果に照らしても合理的な価格と判断できないことを理由に提案内容の再検討を要請されたことを踏まえ、同年10月27日に本公開買付価格を1株当たり2,050円とする旨の提案を行いましたが、同年11月8日に対象者から上記と同様の理由により提案内容の再検討を再度要請されたため、同年11月17日に本公開買付価格を1株当たり2,100円とする最終提案を行いました。これに対して、同年11月24日に対象者から上記と同様の理由により本公開買付価格を2,200円に引き上げるよう求める旨の提案を受領したため、公開買付者は、対象者取締役会において本公開買付けへの賛同の意見表明及び対象者の一般株主に対する本公開買付けへの応募推奨について決議すること並びに本公開買付けに係る公表日までに公開買付者の判断に重大な悪影響を及ぼす事由が発生又は判明しないことを前提として、同年11月25日に対象者の提案を受諾いたしました。
以上の経緯のもとで、公開買付者は、2021年11月30日開催の取締役会において、森・濱田松本法律事務所から受けた法的助言、ゴールドマン・サックスから受けた財務的見地からの助言及びゴールドマン・サックスから取得した同年11月30日付のGS算定書の内容も踏まえ、公表情報及び対象者への確認に基づき同年11月24日以降同年11月30日までに公開買付者の判断に重大な悪影響を及ぼす事由が発生又は判明していないことを確認の上、対象者取締役会において本公開買付けへの賛同の意見表明及び対象者の一般株主に対する本公開買付けへの応募推奨について決議が行われることを前提として、公開買付者による対象者の完全子会社化を目的とした本公開買付けを実施することを決議いたしました。
なお、公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った経緯の詳細につきましては、上記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」をご参照ください。

① 算定書を取得した財務アドバイザーの名称及び公開買付者との関係
公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者の財務アドバイザーであるゴールドマン・サックスに対し、対象者株式の価値の財務分析を依頼し、同年11月30日付のGS算定書を取得しております。なお、ゴールドマン・サックスは、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。ゴールドマン・サックスは、2021年9月30日時点の公開買付者の株主名簿上同日時点において公開買付者の株式の1.04%を保有しておりますが、ゴールドマン・サックスによれば、ゴールドマン・サックスの社内において、財務アドバイザリー業務及び対象者株式の価値の財務分析業務を担当する部署と株式等のトレーディングを所轄する同社の別部署との間において情報隔壁措置等の適切な利益相反防止措置を講じているとのことです。また、財務アドバイザリー業務及び対象者株式の価値の財務分析業務を担当する部署は、株式等のトレーディングを所轄する同社の別部署とは独立した立場で対象者株式の価値の財務分析を行っているとのことです。公開買付者は、上記記載の通り、ゴールドマン・サックスの社内において情報隔壁措置等の適切な利益相反防止措置が講じられていること、公開買付者とゴールドマン・サックスは一般取引先と同様の取引条件で取引を実施していること、ゴールドマン・サックスは過去の同種事案の財務アドバイザーとしての実績を有していること等を踏まえ、ゴールドマン・サックスを公開買付者及び対象者から独立した財務アドバイザーとして選定いたしました。また、公開買付者は、ゴールドマン・サックスから本公開買付価格又は本公開買付けの公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得しておらず、ゴールドマン・サックスはかかる意見を一切表明しておりません。
② 当該算定書の概要
ゴールドマン・サックスは、上記のGS算定書において、市場株価法、DCF法、将来株式価値の現価分析、プレミアム分析を用いた分析を行っております。なお、DCF法及び将来株式価値の現価分析は本財務予測(公開買付者))に基づいております。各手法の分析結果として、対象者株式の1株当たり価値として下記のレンジが示されております。
1.市場株価法 1,188円~1,652円
2.DCF法 1,239円~2,813円
3.将来株式価値の現価分析 1,008円~2,180円
4.プレミアム分析 1,905円~2,256円
詳細は、上記「算定の基礎」をご参照ください。
③ 当該算定書を踏まえて本公開買付価格を決定するに至った経緯
公開買付者は、対象者との協議・交渉の結果を踏まえ、2021年11月30日開催の取締役会において、対象者取締役会による本公開買付けへの賛同が見込まれること、GS算定書の内容、対象者株式の市場株価の動向、本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、最終的に本公開買付価格を1株当たり2,200円と決定いたしました。なお、本公開買付価格は、GS算定書における市場株価法及び将来株式価値の現価分析によって示された対象者株式の1株当たり価値のレンジを上回っており、DCF法及びプレミアム分析によって示された対象者株式の1株当たり価値のレンジの範囲内となっております。詳細は、上記「算定の基礎」をご参照ください。

(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)
公開買付者及び対象者は、対象者が公開買付者の連結子会社であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、公開買付者と対象者の公開買付者以外の株主との間で構造的に利益相反の関係があることに鑑み、本公開買付けの公正性を担保するとともに、本取引に関する意思決定の恣意性を排除し、対象者の意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保し、かつ利益相反を回避するため、以下の措置を実施しております。
なお、公開買付者は、上記「3 買付け等の目的」の「(1)本公開買付けの概要」に記載のとおり、本書提出日現在、対象者株式を59,527,766株(所有割合:51.91%)所有しているため、本公開買付けにおいていわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する一般株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定しておりません。もっとも、公開買付者及び対象者において以下の①から⑩の措置を講じていることから、対象者の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考えております。
以下の記載のうち、対象者において実施した措置については、対象者から受けた説明に基づくものです。
① 公開買付者における独立した財務アドバイザーからの株式価値算定書の取得
公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び対象者から独立した財務アドバイザーであるゴールドマン・サックスからGS算定書を取得しております。なお、ゴールドマン・サックスは、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。また、公開買付者は、ゴールドマン・サックスから本公開買付価格又は本公開買付けの公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得しておらず、ゴールドマン・サックスはかかる意見を一切表明しておりません。
詳細につきましては、上記「算定の基礎」をご参照ください。

② 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
(ⅰ)設置等の経緯
上記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(c)対象者における意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、対象者は、2021年9月16日に開催された取締役会における決議により特別委員会を設置いたしましたが、かかる特別委員会の設置に先立ち、対象者が、9月上旬から、公開買付者から独立した立場で、対象者の企業価値の向上及び対象者の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制を構築するため、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言も得つつ、その時点の対象者の独立社外取締役及び独立社外監査役の全員に対して、公開買付者から初期的な打診を受けた旨、並びに本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当するため、本取引に係る検討・交渉等を行うにあたっては、特別委員会の設置をはじめとする本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置を十分に講じる必要がある旨等を個別に説明したとのことです。また、対象者はアンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言も得つつ、特別委員会の委員の候補となる対象者の独立社外取締役及び独立社外監査役について、公開買付者からの独立性を有すること、及び本取引の成否に関して一般株主とは異なる重要な利害関係を有していないことに加え、委員としての適格性を有することを確認した上で、特別委員会全体としての知識・経験・能力のバランスを確保しつつ適正な規模をもって特別委員会を構成するべく、2021年9月16日開催の取締役会における決議により、大井篤氏(対象者独立社外取締役)、宮野谷篤氏(対象者独立社外取締役)、妙中茂樹氏(対象者独立社外監査役)及び西出智幸氏(対象者独立社外監査役)の4名から構成される本特別委員会を設置し(なお、本特別委員会の委員は設置当初から変更していないとのことです。また、本特別委員会の委員の報酬は、その職務の対価として、答申内容にかかわらず、固定額の報酬を支払うものとされており、成功報酬は採用していないとのことです。)、本特別委員会に対し、本諮問事項について諮問し、本答申書の提出を委託したとのことです。
また、対象者取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、①本取引に関する対象者取締役会の意思決定は、対象者取締役会の委嘱に基づく本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特に本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、対象者取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないこと、②対象者が公開買付者と本取引に係る公開買付価格その他の取引条件等について交渉するにあたり、本特別委員会に適時にその状況を報告し、重要な局面でその意見、指示及び要請を受けること、③本特別委員会は、必要と認めるときは、対象者の費用負担の下、独自の弁護士、算定機関、公認会計士、ファイナンシャル・アドバイザーその他のアドバイザーを選任することができること、④本特別委員会は、対象者の費用負担の下、その職務に関連する調査(本取引に関係する対象者の役員若しくは従業員又は本取引に係る対象者のアドバイザーに対し、その職務に必要な事項について質問を行い、説明又は助言を求めることを含む。)を行うことができること、及び⑤本特別委員会に対し、本取引に係る公開買付価格その他の取引条件等について、必要に応じて公開買付者と交渉を行う権限を付与することを決議したとのことです。なお、本特別委員会は、上記の権限に基づき、2021年9月16日に独自の法務アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を、独自の財務アドバイザーとしてプルータスを選任しているとのことです。

上記の対象者取締役会においては、対象者の取締役6名のうち、園部俊行氏、丸山卓氏及び太田威彦氏については、過去に公開買付者に在職経験があることから、本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、上記3名を除く対象者取締役3名(すなわち、對中秀樹氏、大井篤氏及び宮野谷篤氏)にて審議の上、その全員一致により上記の決議を行ったとのことです。また、上記の取締役会においては、堀口英夫氏を除く監査役全員が上記決議に異議がない旨の意見を述べたとのことです。なお、対象者の常勤監査役堀口英夫氏は、過去に公開買付者に在職経験があることから、本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、上記取締役会に出席しておらず、意見を述べることを差し控えたとのことです。
また、決議に参加しなかった園部俊行氏、丸山卓氏及び太田威彦氏の3名が上記議案につき会社法に定める特別の利害関係を有していない可能性があり、その場合、当該議案について取締役会の定足数を満たしていないことになる可能性があるため、確実に会社法上の定足数を満たす有効な決議を行うため、公開買付者に過去に在職経験のある取締役3名のうち、公開買付者において2017年6月から籍を有しておらず、また、対象者への転籍直前の公開買付者における役職は監査役であった太田威彦氏を加えた取締役4名にて審議の上、改めて当該議案について採決を行い全員一致により決議したとのことです。また、上記の取締役会においては、堀口英夫氏を除く監査役全員が上記決議に異議がない旨の意見を述べたとのことです。なお、対象者の常勤監査役堀口英夫氏は、過去に公開買付者に在職経験があることから、本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、上記取締役会に出席しておらず、意見を述べることを差し控えたとのことです。
(ⅱ)検討の経緯
本特別委員会は2021年9月16日から2021年11月29日まで合計9回、計16時間にわたって開催され、諮問事項に関して、慎重に検討及び協議を実施いたしました。
本特別委員会は、まず、法務アドバイザー並びに財務アドバイザー及び第三者算定機関の候補者の独立性及び専門性・実績等を検討の上、2021年9月16日、公開買付者及び対象者から独立した独自の法務アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を、財務アドバイザー及び第三者算定機関としてプルータスを選任したとのことです。本特別委員会は、中村・角田・松本法律事務所及びプルータスが公開買付者及び対象者の関連当事者には該当しないこと、並びに本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないこと、その他本取引における独立性に問題がないことを確認しているとのことです。
また、本特別委員会は、対象者の財務アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券並びに対象者の法務アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所について、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当しないこと、並びに本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないこと、その他本取引における独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任を承認しているとのことです。
さらに、本特別委員会は、下記「⑦ 対象者における独立した検討体制の構築」に記載のとおり対象者が社内に構築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲を含みます。)に、独立性及び公正性の観点から問題がないことを確認しているとのことです。その上で、本特別委員会は、中村・角田・松本法律事務所から受けた法的助言及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所から聴取した意見を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行っているとのことです。また、本特別委員会は、プルータスから受けた財務的見地からの助言も踏まえつつ、対象者事業計画について、対象者からその内容、重要な前提条件及び作成経緯等について説明を受けるとともに、これらの事項について合理性を確認し、承認しているとのことです。

本特別委員会は、対象者から、本取引の目的や意義、対象者事業に対する影響等について説明を受け、これらの点に関する質疑応答を実施し、また、公開買付者に対して質問事項を提示し、公開買付者から、本取引の目的及び背景、本取引後の経営方針等についてインタビュー形式及び書面により質疑応答を実施しているとのことです。さらに、上記の質疑応答とは別に、本特別委員会は、情報収集の観点から、本取引に係る公開買付者の提案が対象者の企業価値の向上に資するかという点の検討については、対象者における本取引に係る検討、交渉及び判断に参加していないものの、対象者の代表取締役及び取締役として業務執行の中心を担っている園部俊行氏及び太田威彦氏の意見を聴取することが有益であると判断し、両名に対して質問事項を提示し、インタビュー形式により質疑応答を実施しているとのことです。
さらに、本特別委員会は、プルータスから本株式価値算定書(プルータス)を取得し、プルータスが実施した対象者の株式価値の算定方法、各算定方法による算定の主要な前提条件及び算定結果等について説明を受け、プルータスとの間で質疑応答等を行った上で、これらの事項について合理性を確認しているとのことです。また、本特別委員会は、プルータスから本フェアネス・オピニオンを取得し、その発行手続等について説明を受け、質疑応答を行っているとのことです。本特別委員会がプルータスから取得した本公開買付価格が対象者株式の株主(公開買付者を除きます。)の皆様にとって、財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオンの詳細については、下記「④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」の「(ⅲ)本フェアネス・オピニオンの概要」をご参照ください。
また、本特別委員会は、2021年9月30日に対象者が公開買付者から本公開買付価格を1株当たり2,000円とする最初の提案を受領して以降、対象者が公開買付者から公開買付価格についての提案を受領する都度、対象者において交渉を担当する野村證券から適時にその内容及び交渉経過等について報告を受け、プルータスから受けた財務的見地からの助言及び野村證券から聴取した財務的見地からの意見も踏まえてその内容を審議・検討するとともに、野村證券から公開買付者に対する交渉方針及び回答書について事前に説明を受け、必要に応じて意見を述べ、質疑応答を行った上で承認し、野村證券に対して指示・要請を行う等、本取引の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与し、その結果、対象者は11月25日に公開買付者より本公開買付価格を1株当たり2,200円とする旨の最終回答書を受領し、11月29日付で本公開買付価格を1株当たり2,200円とすることを含む合意に至っているとのことです。
さらに、本特別委員会は、野村證券から、複数回、対象者が開示又は提出予定の本公開買付けに係る対象者プレスリリースのドラフトの内容について説明を受け、中村・角田・松本法律事務所から助言等を受けつつ、充実した情報開示がなされる予定であることを確認しているとのことです。
(ⅲ)判断内容
本特別委員会は、以上の経緯の下で、中村・角田・松本法律事務所から受けた法的助言、並びにプルータスから受けた財務的見地からの助言、2021年11月29日付でプルータスから提出を受けた本株式価値算定書(プルータス)及び本フェアネス・オピニオンの内容を踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、同日付で、対象者取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しているとのことです。
(a)答申内容
ⅰ.本取引は対象者の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的には正当性・合理性があるものと考える。
ⅱ.本公開買付価格を含む本取引の条件の公正性・妥当性は確保されているものと考えられる。
ⅲ.本取引においては公正な手続を通じた対象者の株主の利益への十分な配慮がなされているものと考えられる。

ⅳ.対象者取締役会が本取引についての決定(すなわち、(a)本公開買付けに賛同の意見を表明し、対象者株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決定、及び、(b)本取引の一環として本公開買付け後に行われる株式売渡請求又は株式併合による完全子会社化手続に係る決定)をすることは、対象者の少数株主にとって不利益なものでないと考えられる。
ⅴ.対象者取締役会が、本公開買付けについて賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主に対し本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見を表明することは適切であると考えられる。
(b)検討
ⅰ.以下の点より、本取引は対象者の企業価値の向上に資するものであり、本取引の目的には正当性・合理性があるものと考える。
・公開買付者からの提案に対し、対象者の経営陣からは、①本取引によって、対象者事業に理解のある公開買付者の完全子会社となることにより、対象者は一時的なコストの増加や短期的には対象者の利益に直結しない先行投資が発生することを気にかけることなく、オフィスビル開発やオフィスビル運営に注力できる環境が整備されることを想定している、②物流施設に関しては、物流サービスプロバイダーとしての公開買付者グループの知見、ノウハウを活かし、現状では対象者で想定できていないシナジーがあることも考えられることから、本取引後は改めて再検討が必要な分野であると考えており、また、対象者もマテリアリティの一つとして「環境にやさしいビルを次世代へ」と定めており、対象者と公開買付者グループの連携強化により、対象者の環境負荷低減に関する事業領域の拡大強化が図れるものと考える、③本取引後に公開買付者グループと今以上に緊密な連携、情報共有を図ることができれば、海外地域での事業拡大が更に推進できるものと考える、④本取引により、直接金融に関しては格下げに伴う調達条件の悪化が想定されるものの、間接金融においては、公開買付者グループは、金融機関との幅広いネットワークとファイナンス手法に関する高い知見を有していることから、直接金融のマイナス分を上回る間接金融のプラス効果を期待しており、また、本取引後の公開買付者グループ与信枠を利用することで、都心大型物件の取得等、投資機会の拡大に繋がることが期待される、⑤対象者は現在、上場企業として独立性を保持しており、親会社である公開買付者と他の少数株主との間に利益相反が発生しないよう努めていることから、各々の経営資源についても二重になっている部分は存在しており、本取引後は相互の経営資源を活用・共有し、最適化を図ることが可能と考えている、⑥株式市場のグローバル化や東京証券取引所の市場区分の見直し等がなされている昨今、この時期に本取引の提案がなされたことは理解できるとの見解が示された。
・他方、本取引のデメリットとしては、上記で述べた直接金融に関する格下げに伴う調達条件の悪化のほか、本取引による非上場化による採用関係、従業員のモチベーション等、人事面でのデメリットは一定程度生じるものと考えているとのことであるが、対象者の経営陣によれば、本取引後は、対象者は、公開買付者グループにおける不動産事業の中核企業として差別化・明確化される可能性もあり、公開買付者グループ内でも一定程度の主張はできる立場になる可能性も考えられるとのことであり、その上で、人材交流、社員教育等の機会を今まで以上に公開買付者グループと共有することで、対象者従業員のスキルアップに繋がり、モチベーションの維持・向上に寄与することを期待しているとのことである。
・また、本取引後は、賃貸オフィスへのテナント誘致の際に、上場企業として認知されていたオーナーの信用力が下がること等が懸念されるとのことであるが、その対策としては、必要に応じて公開買付者グループの名前を活用することや、知名度、ブランド価値の向上や財務の健全性の維持等がこれまでにまして重要になるものと考えられるとのことである。

・以上のような本取引のメリット及びデメリットに関する対象者の経営陣の見解はいずれも理解できるところであり、また、本取引後の対象者の経営方針・経営体制・ガバナンスについては現在の経営体制を尊重することを基本方針とし、経営方針等についても重大な変更を加えることは想定していないとの公開買付者の説明を踏まえると、本特別委員会としても、上記メリット及びデメリットを総合的に勘案した結果、本取引により対象者を非上場化することで、長期的な視点に立った投資、開発が可能になること、また、公開買付者グループの完全子会社となり、経営資源の相互活用及び最適化を図ることにより、対象者単独では困難であった規模の大きな投資、開発、新たな分野、地域への投資等が可能になること等により、対象者の経営理念である「ビルを造り、街を創り、時代を拓く」に沿った経営が一層実現することが期待されることから、本特別委員会としても、本取引は対象者の企業価値の向上に資するものであり、本取引の目的には正当性・合理性があるものと考える。
ⅱ.本取引においては、①対象者において独立した本特別委員会が設置され、有効に機能したものと認められること、②本特別委員会は、外部専門家の独立した専門的助言を取得しており、また、対象者も外部専門家の独立した専門的助言を取得しているものと認められること、③本特別委員会及び対象者は、本取引についての判断の基礎として、専門性を有する独立した第三者評価機関からの株式価値算定書等の取得をしていること、④対象者においては、利害関係を有する取締役等を可能な限り本取引の検討・交渉過程から除外し、公開買付者から独立した立場で検討・交渉等を行うことができる体制が構築されていたものと認められること、⑤本公開買付けにおいてはいわゆる間接的なマーケット・チェックが行われているものと認められること、⑥本公開買付けにおいては、一般株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会が確保される予定であると認められること、⑦本取引においては、強圧性を排除するために望ましいとされる実務上の対応がなされており、強圧性が排除されているものと認められることから、一般株主の利益を図る観点から公正な手続が実施されており、公正な手続を通じた対象者の株主の利益への十分な配慮がなされているものと考えられる。
また、本公開買付けにおいては、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)条件の設定はなされていないが、本公開買付けにおいて同条件を設定した場合には、本公開買付けの成立が不安定なものとなることでかえって本公開買付けに応募することを希望する少数株主の利益に資さない可能性があることに加え、他に十分な公正性担保措置が講じられていることからすれば、同条件が設定されていなくても、それのみにより本取引における手続の公正性が損なわれるものではないと考えられる。
ⅲ.本取引の条件の公正性・妥当性について、以下の点より、本取引の方法及び買収対価の種類については妥当性があると考えられ、また、本公開買付価格については公正性・妥当性が確保されているものと考えられる。
・本取引の買収の方法について、一段階目として本公開買付けを行い、二段階目として株式売渡請求又は株式併合によるスクイーズアウトを行う方法は、本取引のような親会社による上場子会社の完全子会社化の取引においては一般的に採用されている方法の一つである。また、買収対価の種類については、公開買付者と対象者の事業が異なること及び公開買付者の株価が下落するリスクを負うことを回避できることからすると、株式交換を行う方法のように公開買付者の株式を対価とする一段階取引ではなく、買収対価として金銭を交付する方法によることにも妥当性があると考えられる。
・本株式価値算定書(プルータス)におけるDCF法、本株式価値算定書(野村證券)におけるDCF法による算定の前提とされている対象者の事業計画の策定手続及び内容につき特に不合理な点はないと認められる。

・本株式価値算定書(プルータス)について、算定の方法及び内容のいずれについても特に不合理な点は認められず、信用できるものと判断するところ、本公開買付価格は、プルータスによる市場株価法及び類似会社比較法による算定結果の上限を上回り、DCF法による算定結果の範囲内の価格であると認められる。
・本公開買付価格は、類似事例(2019年6月に経済産業省により策定された「公正なM&Aの在り方に関する指針」が公表された2019年6月28日から2021年9月30日までに公表された親会社による上場子会社への公開買付けの事例)の平均値及び中央値を上回るプレミアム水準が確保されているものと認められる。
・本特別委員会は、対象者と公開買付者との間の公開買付価格等の本取引の条件に関する協議・交渉過程において実質的に関与しており、一般株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して合理的な努力が行われる状況、すなわち独立当事者間取引と同視し得る状況が確保された上で、真摯な交渉が実施されたものと認められる。
・本特別委員会は、プルータスから本フェアネス・オピニオンを取得しており、本フェアネス・オピニオンにおいて、プルータスは、本公開買付価格が対象者の少数株主にとって財務的見地から公正なものである旨の意見を述べている。本フェアネス・オピニオンの発行手続及び内容に特に不合理な点はなく、これによっても本公開買付価格の妥当性が裏付けられるものと考えられる。
・対象者は本取引後も継続企業として事業を継続することを予定しており、対象者の株式価値を検討するに際して修正純資価額を重視することは合理的でないと考えられる。
・本公開買付価格は、本株式価値算定書(プルータス)の市場株価法及び類似会社比較法による算定結果の上限を上回り、かつDCF法による算定結果の範囲内であること、対象者株式の市場株価に対して類似事例の平均値・中央値を上回るプレミアム水準が確保されていること、対象者及び公開買付者間における独立当事者間取引と実質的に同視し得る状況が確保された上で真摯な交渉が実施された結果合意されたものであること、本フェアネス・オピニオンにおいて対象者の少数株主にとって財務的見地から公正なものである旨の意見が述べられていること等からすれば、公正性・妥当性が確保されているものと考えられる。
ⅳ.上記ⅰのとおり、本取引は対象者の企業価値の向上に資するものと考えられ、本取引の目的には正当性・合理性があると考えられること、上記ⅱのとおり、本取引においては公正な手続を通じた対象者の株主の利益への十分な配慮がなされていると考えられること、上記ⅲのとおり、本取引の条件については公正性・妥当性が確保されていると考えられることから、対象者取締役会における本取引についての決定(すなわち、(a)本公開買付けに賛同の意見を表明し、対象者株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決定、及び、(b)本取引の一環として本公開買付け後に行われる株式売渡請求又は株式併合による完全子会社化手続に係る決定)をすることは、対象者の少数株主にとって不利益なものでないと考えられる。
ⅴ.上記ⅰのとおり、本取引は対象者の企業価値の向上に資するものと考えられ、本取引の目的には正当性・合理性があると考えられること、上記ⅱのとおり、本取引においては公正な手続を通じた対象者の株主の利益への十分な配慮がなされていると考えられること、上記ⅲのとおり、本取引の条件については公正性・妥当性が確保されていると考えられること、上記ⅳのとおり、対象者取締役会における本取引についての決定は、対象者の少数株主にとって不利益なものでないと考えられることから、対象者取締役会が本公開買付けに賛同し、対象者株主に応募を推奨する旨の意見表明を行うことは適切であると考えられる。

③ 特別委員会における独立した法務アドバイザーからの助言
本特別委員会は、上記「② 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、対象者及び公開買付者から独立した独自の法務アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、並びに本取引に係る本特別委員会の審議の方法及びその過程に関する助言を含む法的助言を受けているとのことです。
なお、中村・角田・松本法律事務所は、対象者及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。その他、中村・角田・松本法律事務所の独立性については、上記「② 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「(ⅱ)検討の経緯」をご参照ください。
④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得
(ⅰ).算定機関の名称並びに対象者及び公開買付者との関係
本特別委員会は、本諮問事項について検討するにあたり、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するために、対象者及び公開買付者から独立した独自の財務アドバイザー及び第三者算定機関であるプルータスに対し、対象者株式の株式価値の算定及び付随する財務分析、並びに本フェアネス・オピニオンの表明を依頼し、2021年11月29日付で、本株式価値算定書(プルータス)及び本フェアネス・オピニオンを取得したとのことです。
プルータスは対象者及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、重要な利害関係を有していないとのことです。また、本取引に係るプルータスに対する報酬は、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬はないとのことです。
(ⅱ).対象者株式に係る算定の概要
プルータスは、本公開買付けにおいて、複数の算定手法の中から対象者の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、対象者が継続企業であるとの前提の下、対象者の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、対象者株式が東京証券取引所市場第一部に上場していることから市場株価法を、対象者と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による対象者の株式価値が類推可能であることから類似会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定手法として用いて、対象者の株式価値の算定をしたとのことです。
本株式価値算定書(プルータス)において、上記各手法に基づいて算定された対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりとのことです。
市場株価法 :1,464円から1,533円
類似会社比較法:1,011円から1,681円
DCF法 :1,602円から2,911円
市場株価法では、基準日を2021年11月29日として、東京証券取引所市場第一部における対象者株式の基準日の終値1,489円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,522円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,533円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値1,464円を基に、対象者株式の1株当たりの価値の範囲を1,464円から1,533円までと算定しているとのことです。
類似会社比較法では、完全には類似していないものの、対象者と比較的類似する事業を営む上場会社として、東京建物株式会社、平和不動産株式会社、京阪神ビルディング株式会社を類似会社として抽出し、PBR(株価純資産倍率)、修正PBR(株価に対する修正時価純資産(賃貸等不動産の課税考慮後の時価を加味した純資産)倍率)、EBIT(利払前税引前利益)、及びEBITDA(利払前税引前償却前利益)の倍率を用いて、対象者株式の1株当たりの価値の範囲を1,011円から1,681円までと算定しているとのことです。

DCF法では、対象者の2022年3月期から2028年3月期までの7期分の事業計画における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、将来創出されると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて対象者の株式価値を算定し、対象者株式の1株当たり株式価値の範囲を1,602円から2,911円と算定しているとのことです。なお、割引率には加重平均資本コスト(Weighted Average Cost of Capital)を使用しており、3.0%~3.5%を採用しているとのことです。また、継続価値の算定にあたっては、永久成長率法を採用しているとのことです。永久成長率は0%として対象者株式価値を算定しているとのことです。
プルータスがDCF法による算定の前提とした対象者事業計画に基づく財務予測は以下のとおりとのことです。プルータスが算定に使用した対象者の事業計画には、対前年度比において大幅な増益を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、2024年3月期は対象者保有ビルの建替関連損失に起因する特別損失の発生が見込まれることから、当該事業年度の親会社株主に帰属する当期純利益は減益が見込まれるものの、2025年3月期は当該一過性要因の剥落及び新築ビルの通期寄与等から、大幅な増益が見込まれているとのことです。なお、2023年3月期から2027年3月期までは、国内大型ビルを含む大規模投資に加え、現在進行中である比較的大きな建替投資(札幌、御堂筋、八重洲)を継続的に見込んでいるため、フリー・キャッシュ・フローはマイナスとなる見込みとのことですが、2028年3月期には大口の投資が一巡することから、投資キャッシュ・フローの減少によりフリー・キャッシュ・フローはプラスに転じる見込みとのことです。
また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジーについては、現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、以下の財務予測に加味しておりませんが、上場関連費用の削減効果のみ考慮しているとのことです。また、上記「② 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、特別委員会が事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性を確認しているとのことです。
(単位:百万円)
2022年
3月期
(6ヶ月)
2023年
3月期
2024年
3月期
2025年
3月期
営業収益20,94344,90544,90046,905
EBIT4,25712,75812,79714,979
EBITDA8,87720,75920,09223,892
フリー・キャッシュ・フロー7,891△35,340△23,454△7,845
2026年
3月期
2027年
3月期
2028年
3月期
営業収益49,32651,85154,269
EBIT15,62217,04318,520
EBITDA25,20327,58129,778
フリー・キャッシュ・フロー△24,788△10,55515,132

(ⅲ).本フェアネス・オピニオンの概要
本特別委員会は、2021年11月29日付で、プルータスから本公開買付価格である1株当たり2,200円が対象者株式の株主(公開買付者を除きます。)の皆様にとって、財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオンを取得しているとのことです(注2)。本フェアネス・オピニオンは、事業見通しに基づく対象者株式の価値算定結果等に照らして、本公開買付価格である1株当たり2,200円が、対象者の少数株主にとって財務的見地から公正であることを意見表明するものとのことです。なお、本フェアネス・オピニオンは、プルータスが、対象者から、対象者グループの事業の現状、事業見通し等の開示を受けるとともに、それらに関する説明を受けた上で実施した対象者株式の価値算定結果に加えて、本公開買付けの概要、背景及び目的に係る対象者との質疑応答、プルータスが必要と認めた範囲内での対象者グループの事業環境、経済、市場及び金融情勢等についての検討並びにプルータスにおけるエンゲージメントチームとは独立した審査会におけるレビュー手続を経て発行されているとのことです。
⑤ 対象者における独立した法務アドバイザーからの助言
対象者は、上記「② 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、対象者及び公開買付者から独立した法務アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る対象者の意思決定の方法及びその過程等に関する法的助言を受けているとのことです。
またアンダーソン・毛利・友常法律事務所は、対象者及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。
⑥ 対象者における独立した財務アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ⅰ).算定機関の名称並びに対象者及び公開買付者との関係
対象者は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の公正性を担保するために、対象者及び公開買付者から独立した財務アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券に対し、対象者株式価値の算定を依頼し、2021年11月29日付で、本株式価値算定書(野村證券)を取得したとのことです(注3)。
野村證券は対象者及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。また、本取引に係る野村證券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれているとのことです。対象者は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に対象者に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系により野村證券を対象者の財務アドバイザー及び第三者算定機関として選任しているとのことです。
(ⅱ).対象者株式に係る算定の概要
野村證券は、本公開買付けにおいて、複数の算定手法の中から対象者の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、対象者が継続企業であるとの前提の下、対象者の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、対象者株式が東京証券取引所市場第一部に上場していることから市場株価平均法を、対象者と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による対象者の株式価値が類推可能であることから類似会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにディスカウント・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)を算定手法として用いて、対象者の株式価値の算定を行い、対象者は野村證券から2021年11月29日付で本株式価値算定書(野村證券)を取得したとのことです。

本株式価値算定書(野村證券)において、上記各手法に基づいて算定された対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりとのことです。
市場株価平均法:1,464円から1,533円
類似会社比較法:915円から1,799円
DCF法 :1,211円から2,448円
市場株価平均法では、基準日を2021年11月29日として、東京証券取引所市場第一部における対象者株式の基準日の終値1,489円、直近5営業日の終値単純平均値1,512円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,522円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,533円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値1,464円を基に、対象者株式の1株当たりの価値の範囲を1,464円から1,533円までと算定しているとのことです。
類似会社比較法では、完全には類似していないものの、対象者と比較的類似する事業を営む上場会社として、東京建物株式会社、平和不動産株式会社、京阪神ビルディング株式会社を類似会社として抽出し、企業価値に対する税引前利益から受取利息及び支払利息を除外した数値(以下「EBIT」といいます。)の倍率、償却前EBITの倍率(以下「EBITDAマルチプル」といいます。)、企業価値に対する時価純資産(保有不動産の課税考慮後の含み損益を加味した純資産)に純有利子負債を加算した数値の倍率、時価総額に対する純利益の倍率及び時価総額に対する純資産の倍率を用いて、さらに対象者が保有する現金同等物の全ての価値を加算するなど財務上の一定の調整を行って、対象者株式の1株当たりの価値の範囲を915円から1,799円までと算定しているとのことです。
DCF法では、対象者の2022年3月期から2028年3月期までの7期分の事業計画における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、将来創出されると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、事業リスクを考慮した適切な割引率で現在価値に割り引いて対象者の株式価値を算定し、対象者株式の1株当たり株式価値の範囲を1,211円から2,448円と算定しているとのことです。なお、割引率には加重平均資本コスト(Weighted Average Cost of Capital)を使用しており、3.0%~3.5%を採用しているとのことです。また、継続価値の算定にあたっては、永久成長率は-0.25%~0.25%、EBITDAマルチプルは15.5倍~17.5倍として対象者株式の1株当たり株式価値を算定しているとのことです。
野村證券がDCF法による算定の前提とした対象者事業計画に基づく財務予測は以下のとおりとのことです。野村證券が算定に使用した対象者の事業計画には、対前年度比において大幅な増益を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、2024年3月期は対象者保有ビルの建替関連損失に起因する特別損失の発生が見込まれることから、当該事業年度の親会社株主に帰属する当期純利益は減益が見込まれるものの、2025年3月期は当該一過性要因の剥落及び新築ビルの通期寄与から、大幅な増益が見込まれているとのことです。なお、2023年3月期から2027年3月期までは、国内大型ビルを含む大規模投資に加え、現在進行中である比較的大きな建替投資(札幌、御堂筋、八重洲)を継続的に見込んでいるため、フリー・キャッシュ・フローはマイナスとなる見込みとのことですが、2028年3月期には大口の投資が一巡することから、投資キャッシュ・フローの減少によりフリー・キャッシュ・フローはプラスに転じる見込みとのことです。
また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジーについては、現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、野村證券が算定に使用した対象者の事業計画には加味されておらず、以下の財務予測にも含まれていないとのことです。

(単位:百万円)
2022年
3月期
(6ヶ月)
2023年
3月期
2024年
3月期
2025年
3月期
営業収益20,94344,90544,90046,905
EBIT4,25712,75812,79714,979
EBITDA8,21920,79120,90222,822
フリー・キャッシュ・フロー4,706△36,089△24,200△8,615
2026年
3月期
2027年
3月期
2028年
3月期
営業収益49,32651,85154,269
EBIT15,62217,04318,520
EBITDA24,22226,18828,272
フリー・キャッシュ・フロー△25,560△11,33914,339
⑦ 対象者における独立した検討体制の構築
上記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、対象者は、本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を対象者の社内に構築したとのことです。具体的には、対象者は、2021年8月31日に公開買付者より公開買付けを通じた完全子会社化を検討している旨の意向を受けた時点以降、本取引を検討、交渉及び判断を行う役職員として、対象者の代表取締役園部俊行氏、対象者の代表取締役丸山卓氏及び対象者の取締役太田威彦氏並びに対象者の常勤監査役堀口英夫氏を除く対象者の取締役3名及び監査役2名、並びに過去に対象者グループ以外の公開買付者グループ各社の役職員であったことのない対象者執行役員及び従業員6名の総勢11名からなる検討体制を構築し、対象者と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉、及び対象者株式の価値評価の基礎となる対象者事業計画の作成を当該体制にて実施しております(但し、上記「② 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり対象者の取締役太田威彦氏は、確実に会社法上の定足数を満たす有効な決議を行うため2021年9月16日及び同年11月30日にそれぞれ開催した対象者の二段階目の取締役会にのみ参加しているとのことです。)。なお、公開買付者、野村證券及びプルータスによる対象者の株式価値の評価の基礎となる対象者事業計画は、構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題を排除すべく、2021年8月31日に公開買付者より公開買付けを通じた完全子会社化を検討している旨の意向を受けた時点以降に、上記の検討体制の下で作成しており、本取引の存在を前提に不当にその財務数値が歪められたような事実はないとのことです。対象者事業計画は、2021年9月16日に開催された対象者取締役会において、対象者の取締役6名のうち、対象者の代表取締役園部俊行氏、対象者の代表取締役丸山卓氏及び対象者の取締役太田威彦氏を除く計3名の取締役において審議の上、全員一致により対象者事業計画を承認する旨の決議を行っており、また、確実に会社法上の定足数を満たす有効な決議を行うため、公開買付者に過去に在職経験のある取締役3名のうち、公開買付者において2017年6月から籍を有しておらず、また、対象者への転籍直前の公開買付者における役職は監査役であった太田威彦氏を加えた取締役4名にて、改めて審議の上、全員一致により対象者事業計画を承認する旨の決議をしているとのことです。

なお、本取引に関する対象者の意思決定(対象者事業計画の承認を含みます。)につきまして、対象者の取締役のうち、対象者の代表取締役園部俊行氏、対象者の代表取締役丸山卓氏及び対象者の取締役太田威彦氏並びに対象者の常勤監査役堀口英夫氏は、本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを排除する観点から、当該意思決定に関与していないとのことです。但し、対象者の取締役太田威彦氏は、確実に会社法上の定足数を満たす有効な決議を行うため2021年9月16日及び同年11月30日にそれぞれ開催した対象者の二段階目の取締役会にのみ参加しているとのことです。
以上の取扱いを含めて、対象者の社内に構築した本取引の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)はアンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を踏まえたものであり、独立性及び公正性の観点から問題がないことについて、本特別委員会の確認を得ているとのことです。
⑧ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見
対象者取締役会は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から得た本公開買付けを含む本取引に関する意思決定の過程及び方法その他の留意点についての法的助言、野村證券から得た財務的見地からの助言並びに本株式価値算定書(野村證券)の内容、並びに本特別委員会を通じて提出を受けた本株式価値算定書(プルータス)の内容及び本フェアネス・オピニオンの内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引の一連の手続及び本取引に関する諸条件について、対象者の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議及び検討を行った結果、上記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載した(a)国内における「投資対象の拡充」の強化、及び(b)海外事業の強化のとおり、本取引によりシナジーの創出を見込むことができ、対象者グループの企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は対象者の一般株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当なものであり、本公開買付けは対象者の一般株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な対象者株式の売却の機会を提供するものであるとの判断に至ったことから、2021年11月30日開催の対象者取締役会において、対象者の取締役6名のうち、審議及び決議に参加した全ての取締役3名全員の一致により、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議したとのことです。
上記の対象者取締役会においては、対象者の取締役6名のうち、園部俊行氏、丸山卓氏及び太田威彦氏については、過去に公開買付者に在職経験があることから、本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、上記3名を除く対象者取締役3名(すなわち、對中秀樹氏、大井篤氏及び宮野谷篤氏)にて審議の上、その全員一致により上記の決議を行ったとのことです。また、上記の取締役会においては、堀口英夫氏を除く監査役全員が上記決議に異議がない旨の意見を述べたとのことです。なお、対象者の常勤監査役堀口英夫氏は、過去に公開買付者に在職経験があることから、本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、上記取締役会に出席しておらず、意見を述べることを差し控えたとのことです。

また、決議に参加しなかった園部俊行氏、丸山卓氏及び太田威彦氏の3名が上記議案につき会社法に定める特別の利害関係を有していない可能性があり、その場合、当該議案について取締役会の定足数を満たしていないことになる可能性があるため、確実に会社法上の定足数を満たす有効な決議を行うため、公開買付者に過去に在職経験のある取締役3名のうち、公開買付者において2017年6月から籍を有しておらず、また、対象者への転籍直前の公開買付者における役職は監査役であった太田威彦氏を加えた取締役4名にて審議の上、改めて当該議案について採決を行い全員一致により決議したとのことです。また、上記の取締役会においては、堀口英夫氏を除く監査役全員が上記決議に異議がない旨の意見を述べたとのことです。なお、対象者の常勤監査役堀口英夫氏は、過去に公開買付者に在職経験があることから、本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、上記取締役会に出席しておらず、意見を述べることを差し控えたとのことです。
なお、対象者の取締役のうち、園部俊行氏、丸山卓氏及び太田威彦氏、並びに対象者の常勤監査役堀口英夫氏は、過去に公開買付者に在職経験があることから、本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、太田威彦氏が2021年9月16日開催の対象者取締役会及び2021年11月30日開催の対象者取締役会のそれぞれの二段階目の審議及び決議のみに参加したことを除き、2021年9月16日開催の対象者取締役会及び2021年11月30日開催の対象者取締役会を含む本取引に係る対象者取締役会の審議及び決議には参加しておらず、かつ、対象者の立場において本取引に係る公開買付者との協議及び交渉に参加していないとのことです。
⑨ 取引保護条項の不存在
公開買付者及び対象者は、対象者が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が対象者との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。
⑩ 対象者の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置
公開買付者は、上記「3 買付け等の目的」の「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(ⅰ)本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する株式数に応じて、対象者株式の全て(公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)の株式売渡請求をすること又は株式併合及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会の開催を対象者に要請することを予定しており、対象者の株主(公開買付者を除きます。)の皆様に対して株式買取請求権又は価格決定請求権が確保されない手法は採用しないこと、(ⅱ)株式売渡請求又は株式併合をする際に、対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(公開買付者及び対象者を除きます。)の所有する対象者株式の数を乗じた価格と同一になるように算定されることを明らかにしていることから、対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しています。
また、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間は20営業日であるところ、公開買付者は、公開買付期間を30営業日としております。公開買付期間を比較的長期にすることにより、対象者の株主の皆様に対して本公開買付けに対する応募につき適切な判断機会を確保しつつ、公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を妨げないこととすることにより、もって本公開買付価格の公正性も担保することを企図しています。

(注1) ゴールドマン・サックスによる対象者株式に係る財務分析及びGS算定書の作成を行うにあたっての前提条件、手続、考慮事項及び分析における制約事項に関する補足説明は以下のとおりです。
ゴールドマン・サックス及びその関連会社(以下「ゴールドマン・サックス・グループ」と総称します。)は、様々な個人及び法人顧客のために、アドバイザリー、証券引受及びファイナンス、自己勘定投資、セールス・トレーディング、リサーチ、投資顧問その他の金融及び非金融の業務及びサービスに従事しています。ゴールドマン・サックス・グループ及びその従業員、並びにこれらが管理する又は(共同若しくは単独で)投資若しくはその他の経済的利益を有するファンドその他の事業体が、公開買付者、対象者及びそのいずれかの関係会社並びに第三者の証券、デリバティブ、ローン、コモディティ、通貨、クレジット・デフォルト・スワップその他の金融商品又は本公開買付けに係るいずれかの通貨及びコモディティにつき、常時、売買し、買い持ち若しくは売り持ちのポジションを取り、これらのポジションに対する議決権を行使し又は投資する場合があります。ゴールドマン・サックスは、本公開買付けに関し公開買付者の財務アドバイザーを務め、本公開買付けの実施に向けた交渉に一定の関与をしました。ゴールドマン・サックスは、本公開買付けに関するゴールドマン・サックスのサービスに対して報酬を受領する予定であるほか(報酬の大半は本公開買付けの完了を条件としています。)、公開買付者は、ゴールドマン・サックスが要した一定の実費を負担すること及び財務アドバイザー業務に起因する一定の債務を補償することに同意しています。ゴールドマン・サックスは、これまでに、また本公開買付けと並行して、公開買付者及び/又はその関係する会社に対して、2021年4月の2056年満期1.60%公募ハイブリッド社債(元本総額500億円)のコ・マネージャーとしての活動を含む一定の財務アドバイザリー及び/又は証券引受業務を提供しており、ゴールドマン・サックスの投資銀行部門はそれらのサービスに関して報酬を受領しており、また、受領する可能性があります。さらに、ゴールドマン・サックスは、将来、公開買付者及び対象者並びにそれらの関係会社に対して、財務アドバイザリー及び/または証券引受業務を提供する可能性があり、ゴールドマン・サックスの投資銀行部門はそれらのサービスに関して報酬を受領する可能性があります。
GS算定書の作成にあたり、ゴールドマン・サックスは、対象者の2021年3月31日に終了した会計年度までの5会計年度の有価証券報告書、対象者の2021年9月30日に終了した四半期の四半期報告書、その他の対象者による対象者の株主に対する一定のコミュニケーション、対象者の経営陣が作成し、公開買付者による一定の調整を織り込み、ゴールドマン・サックスによる使用につき公開買付者の了承を得た、対象者の一定の内部財務分析及び予測(以下「本財務予測(公開買付者)」といいます。)等について検討しました。また、ゴールドマン・サックスは、対象者の過去及び現在の事業・財務状況並びに将来の見通しに関する評価について公開買付者及び対象者の経営陣と協議をし、公開買付者の過去及び現在の事業・財務状況並びに将来の見通しに関する評価、並びに本公開買付けの戦略的意義及び潜在的利益について公開買付者の経営陣と協議をし、また、対象者株式の市場価格及び取引状況を検討し、日本における近年の上場子会社を対象とした公開買付けの取引条件を財務的見地から検討し、ゴールドマン・サックスが適切と思料するその他の調査と分析を実施し、その他の要因を考慮しました。財務分析の実施並びにGS算定書の作成にあたり、ゴールドマン・サックスは、ゴールドマン・サックスに対して提供され、ゴールドマン・サックスが聴取し又はゴールドマン・サックスが検討した財務、法務、規制、税務、会計その他の情報全ての正確性及び完全性について、公開買付者の同意に基づき、これに依拠し、また、これを前提としており、これらについて何ら独自の検証を行う責任を負うものではありません。ゴールドマン・サックスは、公開買付者の同意に基づき、本財務予測(公開買付者)が、対象者の経営陣による現時点で得られる最善の予測及び判断に基づき合理的に作成されたものであることを前提としています。ゴールドマン・サックスは、対象者又は対象者の子会社の資産及び負債(偶発的なもの、派生的なもの又はその他の貸借対照表に計上されていない資産及び負債を含みます。)について独自の評価又は鑑定を行っておらず、かかる評価書又は鑑定書も入手していません。
GS算定書は、本公開買付けを行うに際しての公開買付者の経営上の意思決定や公開買付者がとりうる他の戦略的手段と比較した場合における本公開買付けの利点について見解を述べるものではなく、法務、規制、税務又は会計に関する事項についていかなる見解を述べるものでもありません。ゴールドマン・サックスは、本公開買付けに関するいかなる条件又は側面、あるいは本公開買付けにおいて企図され又は本公開買付けに関連して合意又は修正されるその他の合意又は法律文書に関するいかなる条件又は側面(公開買付者、対象者の各種類の証券の保有者、対象者の債権者又はその他の関係者にとっての本公開買付けの公正性及びこれらの者が本公開買付けに関連して受領した対価の公正性を含みます。)についても、考察を述べるものではなく、また、ゴールドマン・サックスは、対象者の役員、取締役、従業員等に対して本公開買付けに関連して支払われる又は支払うべきあらゆる報酬の金額や性質の公正性又はこれらの者の階級についての見解を示すものではありません。また、ゴールドマン・サックスは、対象者株式の将来の取引価格や、クレジット市場、金融市場及び株式市場の変動が対象者又は公開買付者に与える潜在的な影響、本公開買付けの影響による公開買付者又は対象者の支払能力や存続性、公開買付者又は対象者のそれぞれの債務についてその支払期日における弁済能力についての意見を一切表明するものではありません。GS算定書は、必然的に、その時点の経済環境、金融環境、市場環境及びその他の状況、並びに当該日時点においてゴールドマン・サックスに提供された情報のみに基づいており、ゴールドマン・サックスは、当該日以降に発生するいかなる事情、変化又は事由に基づいても、GS算定書を更新し、改訂し又は再確認する責任を負うものではありません。ゴールドマン・サックスのアドバイザリー・サービス及びGS算定書は、公開買付者の取締役会が本公開買付けを検討するにあたっての情報提供及びかかる検討の補佐のみを目的として提供されたものです。ゴールドマン・サックスは、特定の公開買付価格を公開買付者に対して推奨したことはなく、また、特定の公開買付価格を唯一適切なものとして推奨したこともありません。GS算定書は、必ずしも、部分的な分析又は要約を行うことができるものではありません。GS算定書を全体として考慮することなく一部又はその要約を選択することは、GS算定書が依拠するプロセスについての不完全な理解をもたらすおそれがあります。ゴールドマン・サックスはいずれの要素又は実施したいずれの分析に対しても特に重点的に依拠をするものではありません。
(注2) プルータスは、本フェアネス・オピニオンの作成及び提出並びにその基礎となる株式価値の算定を行うに際して、対象者から提供され又は対象者と協議した情報及び基礎資料、一般に公開されている資料について、それらが正確かつ完全であること、対象者株式の株式価値の分析・算定に重大な影響を与える可能性がある事実でプルータスに対して未開示の事実はないことを前提としてこれらに依拠しており、独自にそれらの調査、検証を実施しておらず、その調査、検証を実施する義務も負っていないとのことです。
プルータスが、本フェアネス・オピニオンの基礎資料として用いた対象者の事業見通しその他の資料は、対象者の経営陣(但し、過去に公開買付者に在職経験がある園部俊行氏、丸山卓氏及び太田威彦氏を除くとのことです。)により現時点における最善の予測と判断に基づき合理的に作成されていることを前提としており、プルータスはその実現可能性を保証するものではなく、これらの作成の前提となった分析若しくは予測又はそれらの根拠となった前提条件については、何ら見解を表明していないとのことです。
本フェアネス・オピニオンは、本公開買付価格が対象者の少数株主にとって財務的見地から公正であるか否かについて、その作成日現在の金融及び資本市場、経済状況並びにその他の情勢を前提に、また、その作成日までにプルータスが入手している情報に基づいてその作成日時点における意見を述べたものであり、その後の状況の変化により本フェアネス・オピニオンの内容に影響を受けることがあるとのことですが、プルータスは、そのような場合であっても本フェアネス・オピニオンの内容を修正、変更又は補足する義務を負わないとのことです。また、本フェアネス・オピニオンは、本フェアネス・オピニオンに明示的に記載された事項以外、又は本フェアネス・オピニオンの提出日以降に関して、何らの意見を推論させ、示唆するものではないとのことです。本フェアネス・オピニオンは、本公開買付価格が対象者の少数株主にとって財務的見地から不利益なものではなく公正なものであることについて意見表明するにとどまり、本公開買付け実行の是非及び本公開買付けに関する応募その他の行動について意見表明や推奨を行うものではなく、対象者の発行する有価証券の保有者、債権者、その他の関係者に対し、いかなる意見を述べるものではないとのことです。
また、本フェアネス・オピニオンは、本公開買付価格に関する対象者取締役会及び特別委員会の判断の基礎資料として使用することを目的としてプルータスから提供されたものであり、他のいかなる者もこれに依拠することはできないとのことです。
(注3) 野村證券は、対象者株式の価値算定に際して、公開情報及び野村證券に提供された一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っていないとのことです。対象者の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。対象者の財務予測(利益計画その他の情報を含みます。)については、対象者の経営陣(但し、過去に公開買付者に在職経験がある園部俊行氏、丸山卓氏及び太田威彦氏を除きます。)により現時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としているとのことです。野村證券の算定は、2021年11月29日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映しているとのことです。なお、野村證券の算定は、対象者の取締役会が対象者株式の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としているとのことです。

買付予定の株券等の数

(3)【買付予定の株券等の数】
株券等の種類買付予定数買付予定数の下限買付予定数の上限
普通株式55,156,001(株)16,928,034(株)-(株)
合計55,156,001(株)16,928,034(株)-(株)

(注1) 応募株券等の総数が買付予定数の下限(16,928,034株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の総数が買付予定数の下限以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。
(注2) 本公開買付けにおいては、買付予定数の上限を設定しておりませんので、買付予定数は本公開買付けにおいて公開買付者が買付け等を行う対象者株式の最大数である55,156,001株を記載しております。当該最大数は、対象者四半期報告書に記載された2021年9月30日現在の対象者の発行済株式総数(115,051,049株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(367,282株)及び公開買付者が所有する対象者株式(59,527,766株)を控除した株式数(55,156,001株)となります。
(注3) 単元未満株式についても、本公開買付けの対象としております。なお、会社法に従って株主による単元未満株式買取請求権が行使された場合には、対象者は法令の手続に従い公開買付期間中に自己の株式を買取ることがあります。
(注4) 本公開買付けを通じて、対象者が所有する自己株式を取得する予定はありません。

買付け等を行った後における株券等所有割合

区分議決権の数
買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)551,560
aのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(b)-
bのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(c)-
公開買付者の所有株券等に係る議決権の数(2021年12月1日現在)(個)(d)595,277
dのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(e)-
eのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(f)-
特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2021年12月1日現在)(個)(g)0
gのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(h)-
hのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(i)-
対象者の総株主等の議決権の数(2021年9月30日現在)(個)(j)1,146,404
買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合
(a/j)(%)
48.09
買付け等を行った後における株券等所有割合
((a+d+g)/(j+(b-c)+(e-f)+(h-i))×100)(%)
100.00

(注1) 「買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)」は、本公開買付けにおける買付予定数(55,156,001)に係る議決権の数です。
(注2) 「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2021年12月1日現在)(個)(g)」は、各特別関係者(但し、特別関係者のうち法第27条の2第1項各号における株券等所有割合の計算において府令第3条第2項第1号に基づき特別関係者から除外される者を除きます。)が所有する株券等に係る議決権の数の合計を記載しております。なお、特別関係者の所有株券等(但し、対象者が所有する自己株式を除きます。)も本公開買付けの対象としているため、「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2021年12月1日現在)(個)(g)」は分子に加算しておりません。なお、公開買付者は本書提出後に特別関係者の所有する対象者の株券等を確認のうえ、本書の訂正が必要な場合には、本書に係る訂正届出書を提出する予定です。
(注3) 「対象者の総株主等の議決権の数(2021年9月30日現在)(個)(j)」は、対象者が2021年11月12日に提出した対象者四半期報告書に記載された2021年9月30日現在の総株主等の議決権の数です。但し、本公開買付けにおいては単元未満株式についても本公開買付けの対象としているため、「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、対象者四半期報告書に記載された2021年9月30日現在の対象者の発行済株式総数(115,051,049株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(367,282株)を控除した株式数(114,683,767株)に係る議決権の数(1,146,837個)を「対象者の総株主等の議決権の数(2021年9月30日現在)(個)(j)」として計算しております。
(注4) 「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」については、小数点以下第三位を四捨五入しております。

脚注、買付け等を行った後における株券等所有割合

(注1) 「買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)」は、本公開買付けにおける買付予定数(55,156,001)に係る議決権の数です。
(注2) 「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2021年12月1日現在)(個)(g)」は、各特別関係者(但し、特別関係者のうち法第27条の2第1項各号における株券等所有割合の計算において府令第3条第2項第1号に基づき特別関係者から除外される者を除きます。)が所有する株券等に係る議決権の数の合計を記載しております。なお、特別関係者の所有株券等(但し、対象者が所有する自己株式を除きます。)も本公開買付けの対象としているため、「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2021年12月1日現在)(個)(g)」は分子に加算しておりません。なお、公開買付者は本書提出後に特別関係者の所有する対象者の株券等を確認のうえ、本書の訂正が必要な場合には、本書に係る訂正届出書を提出する予定です。
(注3) 「対象者の総株主等の議決権の数(2021年9月30日現在)(個)(j)」は、対象者が2021年11月12日に提出した対象者四半期報告書に記載された2021年9月30日現在の総株主等の議決権の数です。但し、本公開買付けにおいては単元未満株式についても本公開買付けの対象としているため、「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、対象者四半期報告書に記載された2021年9月30日現在の対象者の発行済株式総数(115,051,049株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(367,282株)を控除した株式数(114,683,767株)に係る議決権の数(1,146,837個)を「対象者の総株主等の議決権の数(2021年9月30日現在)(個)(j)」として計算しております。
(注4) 「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」については、小数点以下第三位を四捨五入しております。

応募の方法

(1)【応募の方法】
① 公開買付代理人
SMBC日興証券株式会社 東京都千代田区丸の内三丁目3番1号
② 本公開買付けに係る株券等の買付け等の申込みに対する承諾又は売付け等の申込みをされる方(以下「応募株主等」といいます。)は、公開買付代理人の本店又は国内各営業店において、所定の「公開買付応募申込書」に所要事項を記載し、公開買付期間の末日の15時30分までに応募してください(但し、各営業店によって営業時間が異なります。事前にご利用になられる営業店の営業時間等をご確認のうえ、お手続ください。)。
オンライントレード(https://trade.smbcnikko.co.jp/)(以下「日興イージートレード」といいます。)による応募株主等は、日興イージートレードログイン後、画面より「日興イージートレード 公開買付け取引規程」を確認のうえ所要事項を入力し、公開買付期間の末日の15時30分までに応募してください。なお、日興イージートレードによる応募の受付には、応募株主等が公開買付代理人に開設した応募株主等名義の口座(以下「応募株主口座」といいます。)における日興イージートレードのご利用申込みが必要です。
③ 応募に際しては、応募株主口座に、応募株券等が記録されている必要があります。
④ 本公開買付けにおいては、公開買付代理人以外の金融商品取引業者等を通じた応募の受付は行われません。
⑤ 公開買付代理人に口座を開設していない場合には、新規に口座を開設していただく必要があります(注1)。口座を開設される場合には、本人確認書類の提出及び個人番号(マイナンバー)又は法人番号の告知(注2)を行っていただく必要があります。
⑥ 外国の居住者である株主等(法人株主等を含みます。以下「外国人株主等」といいます。)の場合、日本国内の常任代理人(以下「常任代理人」といいます。)を通じて応募してください。また、本人確認書類(注2)をご提出いただく必要があります。なお、日興イージートレードにおいては、外国人株主等からの応募の受付を行いません。
⑦ 日本の居住者である個人株主の場合、買付けられた株券等に係る売却代金と取得費等との差額は、原則として株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税(注3)の適用対象となります。
⑧ 公開買付代理人以外の金融商品取引業者等に開設された口座に記録されている株券等(対象者の特別口座の口座管理機関である三井住友信託銀行株式会社に開設された特別口座に記録されている株券等を含みます。)については、当該応募株券等につき公開買付代理人の応募株主口座への振替手続を行う必要があります。公開買付代理人が、当該応募株券等につき、公開買付代理人の応募株主口座への振替手続が完了して公開買付代理人の応募株主口座に記録されていることを確認してからの受付となります。なお、振替手続には一定の日数を要する場合がありますのでご注意ください。また、一度特別口座から応募株主口座へ振替られた応募株券等については再度特別口座へ記録することはできません。
(注1) 口座開設に際し、個人株主は原則としてご印鑑が不要です。未成年、成年後見人制度をご利用の個人株主や、法人株主等が口座を開設される場合はご印鑑が必要です。また、すでに開設されている応募株主口座のご登録内容の変更をされる場合等には、ご印鑑が必要となる場合があります。
(注2) 本人確認書類の提出及び個人番号(マイナンバー)又は法人番号の告知について
公開買付代理人に新規に口座を開設して応募される場合、又は外国人株主等が新規に口座を開設し常任代理人を通じて応募される場合には、次の本人確認書類及び番号確認書類等が必要になります。有効期限の定めのあるものはその期限内のものを、定めのないもの(通知カードは除く。)は6ヶ月以内に作成されたものをご用意ください。本人確認書類及び番号確認書類等の詳細につきましては、公開買付代理人にお尋ねください。
<個人>
A.番号確認書類
(いずれか1点)
個人番号カード(両面)(※1)
通知カード
住民票の写し(個人番号あり)(※2)
B.本人確認書類
(写真あり1点又は写真なし2点)
写真あり運転免許証(運転経歴証明書)(※3)
在留カード
特別永住者証明書
パスポート(※4)
各種福祉手帳
写真なし各種健康保険証(※3)
公務員共済組合の組合員証(※3)
国民年金手帳
印鑑証明書
住民票の写し(※2)

<法人>
A.本人確認書類
(いずれか1点)
履歴事項全部証明書
現在事項全部証明書
B.番号確認書類
(いずれか1点)
法人番号指定通知書
法人番号情報(※5)
C.口座開設取引担当者(代表者等)個人の本人確認書類
(いずれか1点)
運転免許証(※3)
個人番号カード(表)
各種健康保険証(※3)
公務員共済組合の組合員証(※3)
パスポート(※6)

(※1) 番号確認書類として個人番号カードをご用意いただく場合、別途本人確認書類のご用意は不要です。
(※2) 発行者の印、発行日が記載されているページまで必要となります。
(※3) 裏面に住所が記載されている場合は、裏面まで必要となります。
(※4) 住所、氏名、生年月日の確認ができる各ページが必要となります。なお、2020年2月4日以降発行のパスポートはご住所欄が無いため、ご利用できません。
(※5) 法人番号情報は、国税庁HPの「法人番号公表サイト」より法人番号が表示される画面を印刷してください。
(※6) 2020年2月4日以降発行のパスポートはご住所欄が無いため、別途、現住所が記載されている「本人確認書類1点」又は「納税証明書等の補完書類1点」の写しをご提出いただく必要があります。
<外国人株主等>常任代理人に係る上記書類に加えて、常任代理人との間の委任契約に係る委任状又は契約書(当該外国人株主等の氏名又は名称、代表者の氏名及び国外の所在地の記載のあるものに限ります。)の写し、並びに常任代理人が金融機関以外の場合には日本国政府が承認した外国政府又は権限ある国際機関の発行した書類その他これに類するもので、居住者の本人確認書類に準じるもの
(注3) 株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税について(日本の居住者である個人株主の場合)
個人株主の方につきましては、株式等の譲渡は原則として申告分離課税の適用対象となります。税務上の具体的なご質問等は税理士等の専門家に各自ご相談いただき、ご自身でご判断いただきますようお願い申し上げます。

契約の解除の方法

(2)【契約の解除の方法】
応募株主等は、公開買付期間中、いつでも本公開買付けに係る契約を解除することができます。
契約の解除をする場合は、公開買付期間の末日の15時30分までに、下記に指定する者に本公開買付けに係る契約の解除を行う旨の書面(以下「解除書面」といいます。)を交付又は送付してください(但し、各営業店によって営業時間が異なります。事前にご利用になられる営業店の営業時間等をご確認のうえ、お手続ください。)。但し、送付の場合は、解除書面が公開買付期間の末日の15時30分までに、下記に指定する者に到達することを条件といたします(但し、各営業店によって営業時間が異なります。事前にご利用になられる営業店の営業時間等をご確認のうえ、お手続ください。)。
なお、日興イージートレードにおいて応募された契約の解除は、日興イージートレードログイン後、画面に記載される方法に従い、公開買付期間の末日の15時30分までに解除手続を行ってください。
解除書面を受領する権限を有する者
SMBC日興証券株式会社 東京都千代田区丸の内三丁目3番1号
(その他のSMBC日興証券株式会社国内各営業店)

株券等の返還方法、応募及び契約の解除の方法

(3)【株券等の返還方法】
応募株主等が上記「(2)契約の解除の方法」に記載の方法により本公開買付けに係る契約の解除をした場合には、解除手続終了後速やかに、下記「10 決済の方法」の「(4)株券等の返還方法」に記載の方法により応募株券等を返還いたします。

株券等の保管及び返還を行う金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地

(4)【株券等の保管及び返還を行う金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地】
SMBC日興証券株式会社 東京都千代田区丸の内三丁目3番1号

買付け等に要する資金等

(1)【買付け等に要する資金等】
買付代金(円)(a)121,343,202,200
金銭以外の対価の種類-
金銭以外の対価の総額-
買付手数料(円)(b)180,000,000
その他(円)(c)4,000,000
合計(円)(a)+(b)+(c)121,527,202,200

(注1) 「買付代金(円)(a)」欄は、買付予定数(55,156,001株)に、本公開買付価格(2,200円)を乗じた金額を記載しております。
(注2) 「買付手数料(円)(b)」欄は、公開買付代理人に支払う手数料の見積額を記載しております。
(注3) 「その他(円)(c)」欄は、本公開買付けに関する公告及び公開買付説明書その他必要書類の印刷費その他諸費用につき、その見積額を記載しております。
(注4) その他公開買付代理人に支払われる諸経費及び弁護士報酬等がありますが、その額は未定です。
(注5) 上記金額には消費税等は含まれておりません。

金融機関、届出日以後に借入れを予定している資金

イ【金融機関】
借入先の業種借入先の名称等借入契約の内容金額(千円)
1
2銀行株式会社三井住友銀行
(東京都千代田区丸の内一丁目1番2号)
買付け等に要する資金に充当するための借入れ(注)
借入期間:1年(期日一括返済)
金利:全銀協日本円TIBORに基づく変動金利
担保:なし
123,000,000
計(b)123,000,000

(注) 公開買付者は、上記金額の融資の裏付けとして、株式会社三井住友銀行から、1,230億円を限度として融資を行う用意がある旨の融資証明書を2021年11月30日付で取得しております。なお、当該融資の貸付実行の前提条件として、本書の添付資料である融資証明書記載のものが定められる予定です。

買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等の合計

⑤【買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等の合計】
123,000,000千円((a)+(b)+(c)+(d))

買付け等の決済をする金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地

(1)【買付け等の決済をする金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地】
SMBC日興証券株式会社 東京都千代田区丸の内三丁目3番1号

決済の開始日

(2)【決済の開始日】
2022年1月25日(火曜日)

決済の方法

(3)【決済の方法】
公開買付期間終了後遅滞なく、本公開買付けによる買付け等の通知書を応募株主等(外国人株主等の場合にはその常任代理人)の住所又は所在地宛に郵送いたします。なお、日興イージートレードからの応募については、電磁的方法により交付いたします。
買付けは、現金にて行います。買付けられた株券等に係る売却代金は、応募株主等(外国人株主等の場合にはその常任代理人)の指示により、決済の開始日以後遅滞なく、公開買付代理人から応募株主等(外国人株主等の場合にはその常任代理人)の指定した場所へ送金いたします。

株券等の返還方法、決済の方法

(4)【株券等の返還方法】
下記「11 その他買付け等の条件及び方法」の「(1)法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容」又は「(2)公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法」に記載の条件に基づき応募株券等の全部を買付けないこととなった場合には、公開買付代理人は、返還することが必要な株券等を、公開買付期間の末日の翌々営業日(本公開買付けの撤回等を行った場合は撤回等を行った日)に、公開買付代理人の応募株主口座上で、応募が行われた時の状態(応募が行われた時の状態とは、本公開買付けへの応募注文の執行が解除された状態を意味します。)に戻させていただきます。

法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容

(1)【法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容】
応募株券等の総数が買付予定数の下限(16,928,034株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の総数が買付予定数の下限(16,928,034株)以上の場合には、応募株券等の全部の買付け等を行います。

公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法

(2)【公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法】
令第14条第1項第1号イ乃至ヌ及びワ乃至ツ、第3号イ乃至チ及びヌ並びに同条第2項第3号乃至第6号に定める事項のいずれかが生じた場合は、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。なお、令第14条第1項第3号ヌに定める「イからリまでに掲げる事実に準ずる事実」とは、①対象者が過去に提出した法定開示書類について、重要な事項につき虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項の記載が欠けていることが判明した場合であって、公開買付者が当該虚偽記載等があることを知らず、かつ、相当な注意を用いたにもかかわらず知ることができなかった場合、及び②対象者の重要な子会社に同号イ乃至トまでに掲げる事実が発生した場合をいいます。
撤回等を行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載いたします。但し、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難な場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。

買付け等の価格の引下げの条件の有無、その内容及び引下げの開示の方法

(3)【買付け等の価格の引下げの条件の有無、その内容及び引下げの開示の方法】
法第27条の6第1項第1号の規定により、公開買付期間中に対象者が令第13条第1項に定める行為を行った場合には、府令第19条第1項の規定に定める基準に従い、買付け等の価格の引下げを行うことがあります。買付け等の価格の引下げを行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載いたします。但し、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難な場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。買付け等の価格の引下げがなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、引下げ後の買付け等の価格により買付け等を行います。

応募株主等の契約の解除権についての事項

(4)【応募株主等の契約の解除権についての事項】
応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも本公開買付けに係る契約を解除することができます。解除の方法については、上記「7 応募及び契約の解除の方法」の「(2)契約の解除の方法」に記載の方法によるものといたします。なお、公開買付者は、応募株主等による契約の解除があった場合においても、損害賠償又は違約金の支払いを応募株主等に請求することはありません。また、応募株券等の返還に要する費用も公開買付者の負担といたします。

買付条件等の変更をした場合の開示の方法

(5)【買付条件等の変更をした場合の開示の方法】
公開買付者は、公開買付期間中、法第27条の6第1項及び令第13条第2項により禁止される場合を除き、買付条件等の変更を行うことがあります。買付条件等の変更を行おうとする場合は、その変更等の内容につき電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載いたします。但し、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。買付条件等の変更がなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、変更後の買付条件等により買付け等を行います。

訂正届出書を提出した場合の開示の方法

(6)【訂正届出書を提出した場合の開示の方法】
訂正届出書を関東財務局長に提出した場合(法第27条の8第11項但書に規定する場合を除きます。)は、直ちに、訂正届出書に記載した内容のうち、公開買付開始公告に記載した内容に係るものを、府令第20条に規定する方法により公表いたします。また、直ちに公開買付説明書を訂正し、かつ、既に公開買付説明書を交付している応募株主等に対しては、訂正した公開買付説明書を交付して訂正いたします。但し、訂正の範囲が小範囲に止まる場合には、訂正の理由、訂正した事項及び訂正後の内容を記載した書面を作成し、その書面を応募株主等に交付する方法により訂正いたします。

公開買付けの結果の開示の方法

(7)【公開買付けの結果の開示の方法】
本公開買付けの結果については、公開買付期間の末日の翌日に、令第9条の4及び府令第30条の2に規定する方法により公表いたします。

継続開示会社たる公開買付者に関する事項

(3)【継続開示会社たる公開買付者に関する事項】
①【公開買付者が提出した書類】
イ【有価証券報告書及びその添付書類】
事業年度 2020年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) 2021年6月22日関東財務局長に提出
ロ【四半期報告書又は半期報告書】
事業年度 2021年度第2四半期(自 2021年7月1日 至 2021年9月30日) 2021年11月10日関東財務局長に提出
ハ【訂正報告書】
該当事項はありません。
②【上記書類を縦覧に供している場所】
株式会社商船三井 本社
(東京都港区虎ノ門二丁目1番1号)
株式会社商船三井 名古屋支店
(名古屋市中村区名駅南一丁目24番30号)
株式会社商船三井 関西支店
(大阪市北区中之島三丁目3番23号)
株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)

公開買付者及び特別関係者による株券等の所有状況の合計

(1)【公開買付者及び特別関係者による株券等の所有状況の合計】
(2021年12月1日現在)

所有する株券等の数令第7条第1項第2号に該当する株券等の数令第7条第1項第3号に該当する株券等の数
株券595,277(個)-(個)-(個)
新株予約権証券---
新株予約権付社債券---
株券等信託受益証券( )---
株券等預託証券( )---
合計595,277--
所有株券等の合計数595,277--
(所有潜在株券等の合計数)(-)--

(注) 公開買付者は本書提出後に特別関係者の所有する対象者の株券等を確認のうえ、本書の訂正が必要な場合には、本書に係る訂正届出書を提出する予定です。

公開買付者による株券等の所有状況

(2)【公開買付者による株券等の所有状況】
(2021年12月1日現在)

所有する株券等の数令第7条第1項第2号に該当する株券等の数令第7条第1項第3号に該当する株券等の数
株券595,277(個)-(個)-(個)
新株予約権証券---
新株予約権付社債券---
株券等信託受益証券( )---
株券等預託証券( )---
合計595,277--
所有株券等の合計数595,277--
(所有潜在株券等の合計数)(-)--

公開買付者と対象者又はその役員との間の取引の有無及び内容

(1)公開買付者と対象者の間の取引の有無及び内容
直近3事業年度における公開買付者と対象者との間の取引の概要及び取引金額は以下のとおりです。
取引の概要2018年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
2019年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
2020年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
公開買付者から対象者への支払い(賃料等)21億円21億円21億円
対象者から公開買付者への支払い(物件売買)33億円

(2)公開買付者と対象者の役員との間の取引の有無及び内容
該当事項はありません

公開買付者と対象者又はその役員との間の合意の有無及び内容

(1)公開買付者と対象者との間の合意
対象者プレスリリースによれば、対象者は、2021年11月30日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議したとのことです。
なお、対象者の意思決定に係る詳細については、対象者プレスリリース及び上記「第1 公開買付要項」の「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑧ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
(2)公開買付者と対象者の役員との間の合意
該当事項はありません
(3)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針
上記「第1 公開買付要項」の「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」をご参照ください。
(4)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置
上記「第1 公開買付要項」の「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」をご参照ください。

株価の状況

(単位:円)

金融商品取引所名又は認可金融商品取引業協会名東京証券取引所 市場第一部
月別2021年6月7月8月9月10月11月12月
最高株価1,4691,4901,4841,6671,6531,604-
最低株価1,2281,3601,3651,3921,4951,460-

(注) 届出書の属する月の初日から届出日の前日までの期間の株価については、届出日が月初にあたるため記載しておりません。

継続開示会社たる対象者に関する事項

(1)【対象者が提出した書類】
①【有価証券報告書及びその添付書類】
事業年度 第148期(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) 2020年6月26日 関東財務局長に提出
事業年度 第149期(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) 2021年6月25日 関東財務局長に提出
②【四半期報告書又は半期報告書】
事業年度 第150期第2四半期(自 2021年7月1日 至 2021年9月30日) 2021年11月12日 関東財務局長に提出
③【臨時報告書】
該当事項はありません。
④【訂正報告書】
該当事項はありません。
(2)【上記書類を縦覧に供している場所】
ダイビル株式会社本店
(大阪市北区中之島三丁目6番32号)
ダイビル株式会社東京営業部
(東京都千代田区内幸町一丁目2番2号)
株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)

その他、対象者の状況

(1)2022年3月期期末の剰余金の配当の不実施
対象者は、2021年11月30日開催の対象者取締役会において、本公開買付けが成立することを条件に、2022年3月期の配当予想を修正し、2022年3月期の期末配当を行わないことを決議したとのことです。詳細につきましては、対象者が公表した2021年11月30日付「2022年3月期配当予想の修正(無配)に関するお知らせ」をご参照ください。