四半期報告書-第87期第3四半期(平成28年10月1日-平成28年12月31日)

【提出】
2017/02/13 10:05
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【項目】
26項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用情勢が堅調に推移するなか、米大統領選挙の結果を受けた円安・株高の影響もあり、消費者マインドや企業の景況感が持ち直すなど、緩やかな回復傾向がみられました。海外経済は、米国では新政権への政策期待もあり、緩やかな景気回復が続く一方、中国では景気の減速傾向が継続するなど、先行き不透明な状況で推移しました。
海運市況は、大型原油船(VLCC)につきましては、第1四半期は原油安の持続が中国の備蓄需要を喚起したことなどにより、例年各国製油所が定期修理に入るため市況が低迷する時期であったにもかかわらず、WS60~70で安定的に推移した一方、第2四半期に入り、極東での揚荷役待ちの滞船の解消などにより船腹需給が緩み、新造船の供給圧力の増加も加わり市況はWS30~40に下落しました。第3四半期に入ると、冬場の石油需要や、軍事リスクの低下によるナイジェリアの原油出荷の再開で極東向け長距離の輸送需要が回復したことなどにより、市況は右肩上がりで推移し12月にはWS90台まで上昇しました。石油製品船につきましては、新造船供給圧力と解撤が進まなかったことなどにより、第3四半期まで市況は回復せず、大型LPG船(VLGC)市況も、中国やインドのLPG需要の増加や米国のLPG輸出の拡大など需要の伸びはあるものの、強い新造船供給圧力により低調に推移しました。さらにばら積船につきましては、船腹供給過剰に中国の景気減速が追い打ちをかけ歴史的な低迷を続けております。
こうした経営環境の中、当社グループはVLCCを中心とする長期貸船契約を主体に安定した経営を目指し、平成27年9月に市況に比べ割高となっていたばら積船“KT CONDOR”の定期用船契約を期限前解約するとともに、昨年3月には高齢のVLGC“BENNY PRINCESS”を売船する一方、昨年1月のVLGC“LEGEND PROSPERITY”およびばら積船“新石洋”の竣工により、船隊構成の整備・拡充に取り組んでまいりました。また、各船の運航効率の向上と諸経費の節減についても、引き続き全社を挙げて努めております。その結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は以下のとおりとなりました。
海運業収益は昨年1月に竣工した上記VLGCおよびばら積船がフル稼働したことなどにより99億5千3百万円(前年同四半期比9億2千6百万円増)となりました。営業利益は前年度に上記ばら積船の期限前返船を実施したことなどにより20億9千1百万円(前年同四半期比9億1千1百万円増)、経常利益は12億6千4百万円(前年同四半期比7億4千万円増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は12億7千1百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失9億6千3百万円)となりました。
(2)財政状態に関する説明
資産、負債および純資産の状況
当第3四半期連結会計期間末の資産の部は、前連結会計年度末に比べ1億2百万円増加し631億5千3百万円となりました。流動資産は、現金及び預金の増加などにより19億9千6百万円増加し54億3千2百万円となりました。固定資産は、新造船の建造により建設仮勘定が増加したものの減価償却の進捗に伴い船舶が減少したことなどにより18億9千4百万円減少し577億2千万円となりました。
負債の部は、借入金の減少などにより前連結会計年度末に比べ6億1千8百万円減少し532億4千万円となりました。
純資産の部は、利益剰余金が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ7億2千1百万円増加し99億1千2百万円となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
(5)主要な設備
該当事項はありません。