有価証券報告書-第49期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/25 11:38
【資料】
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【項目】
114項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済政策や日銀の金融緩和を背景に企業収益に改善の動きが見られるなど、景気は緩やかな回復傾向が続いたものの、消費税率引上げ後から個人消費の落ち込みが長引くなど、先行き不透明な状況で推移しました。
海運業界を取り巻く環境は、円安の進行や原油価格の下落は当社の業績には好影響となりましたが、一方で中国を始めとする新興国経済の成長鈍化などによって近海区域の市況低迷は長期化しており、引き続き厳しい経営環境となりました。
こうした情勢下、当社は顧客のニーズに的確に対応しながら、近海部門、内航部門の各部門に亘りきめ細かな営業活動と効率的な配船、諸経費の節減に努めました。
この結果、当連結会計年度の売上高は459億46百万円となり、前連結会計年度に比べて0.7%の増収となりました。営業利益は23億61百万円となり、前連結会計年度に比べて18.4%の増益、経常利益は24億39百万円となり、前連結会計年度に比べて22.5%の増益となりました。
しかしながら、市況の低迷により損益が悪化している近海船に係る減損損失などにより、特別損失18億19百万円を計上した結果、当期純利益は5億7百万円となり、前連結会計年度と比べて4.4%の減益となりました。
事業のセグメント別業績概況は次のとおりです。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較は変更後の区分により作成した情報に基づいて記載しております。詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
「近海部門」
バルク輸送では、中国の経済成長が鈍化したことなどによりスポット貨物の輸送量が前年比で減少したものの、3隻目となる28,000重量トン型新造船の竣工で、北米積み穀物などの輸送量が増加し、全体としては略前年並みの輸送量となりました。
木材輸送では、建設需要の落ち込みなどによりマレーシア積み輸入合板全体の輸送量は減少したものの、積極的な営業活動により当社の輸送量は前年を上回りました。チップ輸送では市況の低迷により輸送量は減少しましたが、バイオマス発電向けのPKS(パーム椰子殻)については、新規に稼動する設備の増加もあり輸送量が増加しました。
鋼材・雑貨輸送では、合積み貨物を増やすなど積極的な営業活動に取り組みました。主要仕向地のタイ向けでは自動車購入減税の終了により自動車用鋼板の輸送需要は落ち込みましたが、鉄骨材用厚板などが増加し輸送量は前年並みとなりました。またホールド内の結露防止用ヒーティングシステムを搭載した新造船2隻の用船を開始し、鋼材輸送の品質向上に努めました。
同部門の売上高は、円安基調の継続もあり166億63百万円となり前連結会計年度と比べ1.8%の増収となりましたが、長引く市況の低迷は解消に至らず、効率配船や高コスト船の減船などに努めたものの、営業損失は前連結会計年度の営業損失12億66百万円に対して、当連結会計年度の営業損失は13億72百万円となりました。
「内航部門」
不定期船輸送では、国内の鉄鋼、セメントメーカーの安定操業並びに火力発電所の高稼働を背景に、石灰石及び石炭の各専用船は前年に比べて輸送量に若干の減少はあるものの安定的に稼動しました。また小型貨物船については堅調な荷動きを背景に、安定稼働を維持しました。
定期船輸送では、消費税率引上げ後の駆け込み需要の反動減と税率引き上げによる物価上昇の煽りを受けて国内貨物の荷動きは低調となりましたが、苫小牧航路への大型新造船の投入を活かした積極的な営業活動により、輸送量は前年を上回りました。
フェリー輸送では、定期船輸送と同様に消費税増税後の駆け込み需要の反動減などにより、トラックの輸送量は減少しました。また旅客・乗用車でも、増税に伴うフェリー運賃の値上げや高速料金の値上げなどの影響により、輸送量は前年比で大きく減少しました。
同部門の売上高は292億78百万円となり前連結会計年度に比べ0.2%の増収となりましたが、燃料油価格の低下もあり営業利益は37億35百万円となり15.0%の増益となりました。
最近2連結会計年度のセグメント別売上高(外部顧客に対する売上高)の実績は、下記の通りであります。
区分平成25年4月1日~平成26年3月31日平成26年4月1日~平成27年3月31日
金額(千円)比率(%)金額(千円)比率(%)
近海部門16,371,48235.916,663,69636.3
内航部門29,224,71464.029,278,32663.7
その他37,1070.14,3320.0
合計45,633,304100.045,946,355100.0

(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、営業活動で得た資金が投資活動及び財務活動で使用した資金を上回ったため、前連結会計年度末に比べ1億34百万円増加し、70億68百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、59億67百万円のプラス(前連結会計年度はプラス64億56百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益及び減価償却費によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、31億42百万円のマイナス(前連結会計年度はプラス16億9百万円)となりました。これは主に、固定資産の取得にともなう支出によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、マイナス26億73百万円(前連結会計年度は42億29百万円のマイナス)となりました。これは主に、借入金の返済によるものです。