有価証券報告書-第168期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/24 14:17
【資料】
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【項目】
127項目

業績等の概要

(1) 業績
① 全般の概況
当期におけるわが国経済は、緩やかな回復基調が続いているものの、下半期において鉱工業生産が前年同月比で減少に転じたほか、輸出の伸び悩みに加え輸入も弱含み傾向にあるなど弱さも見られます。また、中国・新興国経済の減速が懸念される中、米国での再利上げが想定されるなど、外部環境も不透明さを増しております。
物流業界におきましても、保管残高が前年同月比減少傾向に転じ、また荷動きを示す回転率も依然回復には至らない状況が続いております。
こうした経済環境の中、当期の当社グループの業績は、物流事業は、複数の物流企業を新たに連結対象会社としたことに伴い前期に比べ大きく増収となったものの、世界経済の低迷を背景とした海外事業の収益が悪化したこと、北米スローワーク特需の収束に伴い航空貨物輸送関連業務が前年を下回ったことに加え、港湾運送業務において顧客船社の取扱が減少したことなどから減益となりました。また、不動産事業は減収減益となりました。
これらの結果、連結営業収益は前期比424億85百万円増の2,129億71百万円、連結営業利益は同28億24百万円減の32億87百万円となりました。東南アジア通貨の為替相場下落に伴う為替差損もあり、連結経常利益は33億95百万円減の9億12百万円となりました。また、特別利益として負ののれん発生益や固定資産売却益等を計上した一方、特別損失として減損損失を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は同10億円減の2億11百万円となりました。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。(以下、「2 生産、受注及び販売の状況」及び「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」においても同じ。)
② セグメントの概況
(イ)物流事業
国内において一般事業者を対象に倉庫保管、流通加工などのさまざまな物流サービスを提供する倉庫業務においては、保管残高が堅調に推移したものの、新規倉庫稼動に伴う償却費増加などにより増収減益となりました。
船会社を主な顧客とした港湾事業・運送サービスを提供する港湾運送業務においては、基幹業務であるコンテナターミナルでの取扱においてアジア航路は堅調に推移したものの、日中航路の航路再編に伴う取扱減少の影響を大きく受けた結果、減収減益となりました。
海外における物流サービス、複合一貫輸送業務においては、企業買収に伴い事業規模が大きく拡大し大幅な増収となりましたが、既存業務では、中国・新興国における景気減速の影響を受けた荷動きの落込み等の影響により、営業利益は減少いたしました。
航空貨物の混載輸送業務においては、前期に発生した北米スローワーク特需の収束に伴い減収減益となりました。
3PLによる流通物流業務支援サービス業務においては、消費増税の反動減のあった前期からの回復に伴い増収となり、営業利益については業務の効率化等の採算改善施策の効果もあり前期に比べ大幅な増益となりました。
当期より連結対象となった三井倉庫サプライチェーンソリューション株式会社を中心に、製造から販売までのサプライチェーン全般をサポートするサプライチェーンマネジメント業務においては、上期において顧客工場の生産高減少に伴う取扱高の落込みが生じたもののその後は回復しました。
当期新たに設立した三井倉庫トランスポート株式会社を事業会社とする、陸上貨物輸送業務においては、当期より連結対象となった丸協運輸グループの取扱が堅調に推移しました。
これらの結果、物流事業全体としての連結営業収益は前期比433億7百万円増の2,038億72百万円となり、営業利益は14億58百万円減の21億30百万円となりました。
(ロ)不動産事業
不動産賃貸事業は、大規模修繕に伴う賃料収入の減少もあり、営業収益は前期比8億63百万円減の96億14百万円、営業利益は同9億55百万円減の49億16百万円となりました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(2) キャッシュ・フローの状況
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の減少はあったものの、現金支出を伴わない減価償却費・のれん償却額の増加や、売掛債権流動化の取扱拡大により、前期に比べ30億54百万円増加の111億1百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、複数の物流企業の株式取得、賃貸ビルの修繕および国内外における倉庫施設の取得による支出などから360億19百万円の支出となり、前期に比べ212億10百万円の支出の増加となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の償還や配当金の支払による支出があったものの、投資資金の調達のため長短借入金が純増となったことから前期に比べ159億90百万円増の288億26百万円の収入となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期末より22億83百万円増の250億円となりました。