有価証券報告書-第85期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/30 10:48
【資料】
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【項目】
112項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善が続いたものの、中国経済の減速などから、景気は先行き不透明な状況で推移した。
当社グループを取り巻くエネルギー業界においては、省エネルギー化の進展などにより石油製品の需要は減少傾向にあり、依然として厳しい経営環境が続いた。
こうしたなかで、当社グループにおいては、積極的な営業活動と経費削減に努め、業容の拡大と業績の向上を図った。
その結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は、原油価格の影響により販売価格が下落したことなどから、前期比15.5%減の7,466億58百万円となり、販売費及び一般管理費の低減などにより営業利益は前期比11.1%増の62億40百万円、経常利益は前期比12.4%増の71億19百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益を計上したことから、前期比36.3%増の53億40百万円となった。
セグメントの業績は次のとおりである。
① 石油関連事業
<石油製品販売業>石油業界においては、当期は消費税増税の反動減がなく、ガソリンの需要は持ち直しが期待されたものの、低燃費車の普及などにより前年並みとなった。
こうしたなかで、当社グループにおいては、新規特約店の獲得など積極的な営業活動に努めるとともに、SSにおける販売力の強化と販売網の整備を図った。
当社においては、平成27年のSS経営戦略を「共走共汗による人財力の創造」とし、SSマネージャーや特約店後継者を対象としたリーダーの育成に積極的に取り組むなど、リテールサポートを継続した。また、「接客サービスコンテスト」やエリアごとに開催している「SS向上委員会」および「次世代自動車最新技術研修」を通して、SSスタッフの接客技術や販売力の向上を図った。
産業用の燃料油販売については、新規需要家の獲得と既存顧客への拡販に努めた。潤滑油販売については、省エネや機械トラブルによる損失防止等に対応した高付加価値商品を提案することにより、ガスエンジン・風力発電機などの発電設備向け合成潤滑油や食品機械用合成潤滑油を拡販した。また、潤滑システムの改善提案により、潤滑油ろ過機等の販売も進めた。
<化学製品製造販売業>当社グループにおいては、洗車機用薬剤などの自社製品、クリーニング溶剤などの工業薬品および粘接着剤(タッキファイヤー)の拡販を図るとともに、高級洗車コーティングシステム「ARAWZANS(アラウザンス)」の販売を進めた。また、防腐・防かび剤や微生物簡易測定器具(サンアイバイオチェッカー)については、東南アジアへの販売を開始した。
当社の研究所では、東洋理研株式会社と共同して、顧客ニーズに対応した環境負荷の少ない安全性に優れた製品の開発や改良に努めた。
その結果、石油関連事業における売上高は、販売価格の下落により、前期比15.3%減の6,889億5百万円となった。セグメント利益は、営業費の低減などにより前期比27.6%増の20億93百万円となった。
② ガス関連事業
LPガス業界においては、世帯人員の減少や省エネ機器の普及により、家庭用の需要は前年を下回った。
こうしたなかで、当社グループにおいては、平成27年度の基本方針「軸足はお客さまとの接点にある」のもと、LPガスを中心としたエネルギーサービスを提供する「スマートエネルギーショップ」を推進するなど、生涯顧客化に向けた施策を展開した。また、販売数量の拡大に向けて、新規特約店の獲得に努めるとともに、LPガス小売営業権の買収などによる顧客軒数の増加を図った。LPガス機器販売については、「住まいるキャンペーン2015」を開催することで、高効率コンロや高効率給湯器などを拡販した。
また、情報冊子「オブリStyle」による情報の提供や「報連相シート」の活用などにより、お客さまとの接点強化に努めた。
保安面においては、「一日保安ドック」や危機対応訓練を継続して実施し、保安の確保に努めた。
<天然ガス販売業>当社においては、導管およびタンクローリーによる供給の営業活動を全国に展開することで、天然ガスの販売拡大を図った。また、省エネルギーを目的とした国が推進するエネルギー使用合理化事業に取り組み、コージェネレーションシステムなどの利用による総合的なエネルギー供給の提案営業に努めた。佐賀天然ガスパイプラインについては、定期点検を確実に実施するなど安定供給のための保安に万全を期した。
佐賀ガス株式会社においては、需要拡大のため家庭用燃料電池(エネファーム)やガス空調システムなどの提案に努めた。また、お客さまに安心して都市ガスを利用していただくため、供給管の維持管理を徹底した。
その結果、ガス関連事業における売上高は、主に販売価格の下落により、前期比21.4%減の447億48百万円となった。セグメント利益は、営業費の低減などにより前期比20.5%増の22億41百万円となった。
③ 航空関連事業他
<航空燃料取扱業>当社グループにおいては、航空機給油施設の運営に万全を期すとともに、航空燃料の給油業務における安全確保に努めた。
羽田空港においては、国際線の就航や増便により燃料搭載数量が前年を上回った。
こうしたなかで当社は、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴い想定される航空燃料の需要増と施設の安全確保のために、給油施設等の増強工事を進めた。
また、三愛アビエーションサービス株式会社においては、関西国際空港での給油業務を開始した。
<その他>三愛プラント工業株式会社においては、半導体関連向け需要の持ち直しにより、ステンレスパイプの高品質電解研磨の受注が増加したことから、金属表面処理業の売上高は前年を上回った。また、当期も 「VACUUM2015 真空展」に出展し、金属表面処理の技術力のアピールに努めた。建設工事業の売上高は、受注物件の工事完工が順調に進んだことにより、前年を上回った。
その結果、航空関連事業他における売上高は、前期比1.1%減の130億4百万円となった。セグメント利益は、前期比9.8%減の20億29百万円となった。
なお、上記金額には消費税等は含まれていない。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ67億88百万円減少し319億25百万円となった。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は28億25百万円となった。なお、主に営業保証金の増額により、獲得した資金が前期比34億56百万円減少している。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は12億53百万円となった。これは主に、有形固定資産の取得によるものである。なお、使用した資金は前期比17億97百万円減少している。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は83億60百万円となった。これは主に、長期借入金の返済や自己株式の取得によるものである。なお、使用した資金は前期比16億5百万円増加している。