有価証券報告書-第88期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 12:04
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107項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度(平成26年4月1日から、平成27年3月31日まで)の日本経済は、積極的な財政金融政策を背景に、ゆるやかな回復基調で推移しましたが、消費税率引き上げの影響等による個人消費の伸び悩みや、急激な円安による原材料価格の上昇等、国内の景気悪化につながる要因も見られました。
このような経済状況の中、当社グループが主力事業を展開する放送事業においては、前連結会計年度に比べてテレビタイム収入は増加したものの、テレビスポット収入、催物収入及び子会社の通販売上の減収等により、売上高は減収となりました。ハウジング事業においては、住宅展示場の売上が好調に推移し、増収となりました。ゴルフ事業においては、前連結会計年度に実施した会員権販売の反動減等により減収となりました。以上の結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は806億9千1百万円となり、前連結会計年度に比べて7億9千2百万円(△1.0%)の減収となりました。
一方、費用面では売上原価が528億6千7百万円で、前連結会計年度に比べて5億1千4百万円(1.0%)増加しました。販売費及び一般管理費については231億3千8百万円となり、2億円(△0.9%)減少しました。以上の結果、営業利益は46億8千4百万円となり、11億6百万円(△19.1%)の減益、経常利益は48億3千万円で11億9千5百万円(△19.8%)の減益となりました。また、税金等調整前当期純利益は50億4千6百万円となり10億2千7百万円(△16.9%)の減益、さらには、平成27年度税制改正に伴う法定実効税率の変更による繰延税金資産の取り崩し等の影響もあり、当期純利益は22億3百万円となり、10億5千1百万円(△32.3%)の減益となりました。
セグメントごとの業績は、以下のとおりです。
[放送事業]
当連結会計年度における放送事業の売上高は696億8千8百万円となり、前連結会計年度に比べて10億5千1百万円(△1.5%)の減収となりました。テレビタイム収入は増加したものの、テレビスポット収入、催物収入及び子会社の通販売上の減収等が主な要因です。一方、営業費用は、テレビ代理店手数料の減少、催物費の減少、子会社の通販売上の減収に伴う仕入原価の減少等はありましたが、新番組やプロ野球中継等の編成によりテレビ番組費が増えたこと等により、全体として前連結会計年度に比べ0.2%増加しました。この結果、営業利益は32億7千8百万円となり、11億3千3百万円(△25.7%)の減益となりました。
テレビ部門では、当期の視聴率は、全日帯(午前6時~午前0時)が7.5%、ゴールデン帯(午後7時~10時)が11.3%、プライム帯(午後7時~11時)が12.1%、プライム2帯(午後11時~午前1時)が8.8%となりました。プライム2帯は2002年度以降13年連続首位を保っています。また、CS放送のスカイ・エーは、当期も、阪神タイガースのホームゲーム72試合すべてを放送し、プロ野球、ゴルフ、Jリーグを3本柱に、新たにクライミングにも取り組むなど、多様なジャンルのスポーツソフトを展開しています。この結果、有料視聴契約件数は3月末時点で697万2千件となり、前期末に比べ7万9千件増加しました。
ラジオ部門では、当期のラジオの聴取率は、6月、12月調査において、週平均(月~日 午前5時~翌午前5時)、平日平均(月~金 午前5時~翌午前5時)、平日ゴールデンタイム平均(月~金 午前6時~午後6時)すべてで首位、2期連続3冠を達成しました。2014年春に平日深夜帯を「よなよな・・・」をはじめとする自社制作の生番組にするなど大改編を敢行し、その結果が表れた結果となりました。また、「おはようパーソナリティ道上洋三です」(月~金 午前6時30分~午前9時)は6月、12月調査とも2.6%を獲得し、関西で最も聴かれている番組となっています。
事業部門では、人気深夜アニメ「Free!」のファンイベントを京都で行い、3,400枚のチケットを即日完売させて話題となりました。夏は、生誕80周年記念「藤子・F・不二雄展」が、映画「STAND BY ME ドラえもん」との相乗効果で、14万人を動員し、好評でした。下期の舞台はいずれも好調で、蜷川幸雄の「ハムレット」、「ジュリアス・シーザー」、森山未来主演「プルートゥ」は完売。また、京都・二条城では「世界遺産登録20周年記念・アートアクアリウム城」を開催。夜間のみ、国宝の庭園での野外展示という大胆な試みでしたが、29万人の来場者数を記録しました。
コンテンツ事業部門では、「大改造!!劇的ビフォーアフターSEASONⅡ」、「たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学」など人気の全国ネット番組をはじめ、「探偵!ナイトスクープ」、「LIFE」など関西ローカル番組を、香港、台湾、タイ、カンボジアなどのアジア各国へ販売、この2年で約2.8倍の売り上げとなりました。また、モバイル・PC事業では、高校野球サイトを全面リニューアルした「バーチャル高校野球」が大きな話題となり、サイトの集客数、動画再生数などが大幅に増加、広告収入が飛躍的に伸びました。番組宣伝用のアプリを自社開発するなど、新しい技術を利用した番組との連動企画も模索し、今後も新しいビジネスにチャレンジしていきます。
[ハウジング事業]
ハウジング事業の売上高は101億5千5百万円となり、前連結会計年度に比べて3億3千万円(3.4%)の増収となりました。主力事業の住宅展示場運営においては、おととし9月にオープンした戸塚住宅公園の収益貢献のほか、住宅設備関連の展示場(HDC)や広告事業での売上が増加しました。営業費用は3.0%増加しましたが、営業利益は13億6千2百万円となり、前連結会計年度に比べて7千8百万円(6.1%)の増益となりました。
[ゴルフ事業]
ゴルフ事業の売上高は8億4千7百万円となり、前連結会計年度に実施した会員権販売の反動減等により7千2百万円(△7.9%)の減収となりました。一方、営業費用は1.9%減少し、営業利益は4千3百万円となり、5千1百万円(△54.1%)の減益となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動により59億4千7百万円の収入となり、投資活動により65億6千2百万円の支出となり、財務活動により17億5千7百万円の支出となりました。
この結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末より23億7千2百万円減少の143億9千8百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費が計上されたこと等により、前連結会計年度に比べ14億2百万円(△19.1%)減少の59億4千7百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産や投資有価証券の取得による支出等がありましたので、前連結会計年度に比べ26億2千7百万円(66.8%)増加の65億6千2百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払の増加等により、前連結会計年度に比べ1億8千万円(11.4%)増加の17億5千7百万円の支出となりました。