有価証券報告書-第62期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 9:02
【資料】
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【項目】
131項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経済状況の変動
放送事業収入の中心は、テレビ放送の広告収入です。この広告収入は、広告主である企業の業績との連動性が強く、経済状況・事業環境の影響を敏感に受けるため、景気動向に伴う広告需要の変動によっては、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2) 視聴率動向と他メディアとの競争の激化
テレビ番組の視聴率動向は、当社の収益を大きく左右します。テレビ受像機・録画機の高機能化やインターネットへの常時接続、スマートフォン・タブレット端末の普及による視聴スタイルの変化、多様化する動画配信サービスなど、視聴動向は旧来から大きく変化しています。北部九州地区では、2019年4月に世帯視聴率と個人視聴率を同時に測定するピープルメーターが導入されました。2020年4月にはタイムシフト視聴率が新たに導入され、これまでのリアルタイム視聴率と合わせた「総合視聴率」が算出されるようになり、これによって、番組の価値を多角的に判断することができるようになりました。他のメディアとの競争がさらに激化し、著しい視聴率の低下やそれに伴う広告主の宣伝戦略に大きな変化があった場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。これからも将来にわたって基幹メディアとして存在していくために、放送事業収入に大きな影響を与える視聴率指標に留意し、強力なコンテンツの開発や効果的な宣伝活動などによって、さらに多くの視聴者に見ていただける施策に継続して注力していきます。
(3) 広告代理店等の財政状態
多額の売掛債権を有する取引先の財政状態が悪化し、契約条件どおりの支払いを受けられない場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。リスク回避のために与信管理を徹底し、取引先との安定した信頼関係の構築に努めるとともに、新たな取引先の開拓によるリスク分散などを図ります。
(4) 新規事業などへの投資
当社グループは、収益拡大のための新規事業開発にも力を注いでいます。放送事業者として培った強みを活かしたビジネスモデルで新たな収益源を目指しますが、企業を取り巻くビジネス環境は目まぐるしく変化しており、場合によっては期待した成果をもたらさないこともあり、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(5) 事業構造改革
当社グループは、経営環境の変化に対応して継続的な成長と収益力の向上を実現するため、事業の選択と集中を進めています。大規模な設備投資や厳しい視聴率状況の経営環境下、将来の見通しの未達や重要事象の見落としなどで費用の低減が図れず、人材・設備・資金などの活用が円滑に行われない事態が生じれば、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(6) 放送事業者に対する法的規制について
将来にわたるテレビ放送の継続は、当社グループの存続の根幹です。当社は、公共の電波を利用して事業を展開しており、放送の社会的使命を果たすとともに放送の健全化に努めています。また、番組制作、取材、編集に細心の注意を払うとともに、定期的に開催する番組審議会が放送品質の向上に寄与しています。万が一にも電波法の規定により放送局免許が取り消されるような事態が生じれば、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に重大な影響を与えます。引き続き、関係法令・番組基準等を遵守し、放送の政治的公平性を確保することなどにより、将来にわたって信頼されるメディアとしての地位を維持していきます。
(7) コンプライアンスについて
当社グループの社員や協力スタッフによる不祥事、不適切な内容の放送、番組制作過程でのトラブル、個人情報の不適切な取扱い、下請け代金支払い等、法律のもとで想定される様々なトラブルに対して当社グループが責任をもって防止すべき分野は多岐にわたります。法令に抵触するような不測の事態が生じた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があるため、必要な教育や対策を継続的に講じていきます。
(8) 新型コロナウイルス感染症による影響について
新型コロナウイルス感染症の世界的拡大により、市民生活、経済活動が大きな打撃を受けています。当社グループにおいても、景気動向が広告市況に及ぼす悪影響や、イベントの取り止めをはじめ各部門の事業が抑制せざるを得ない状況が継続すると、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループは、従業員への感染リスク対策も含めた管理体制を維持し、事業継続を担保するとともに、当社グループの共通課題としてリスク管理に取り組んでいきます。