有価証券報告書-第73期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/27 10:57
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業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度の国内経済は、安倍内閣の経済政策への期待と大胆な金融緩和などから円安、株高が進行した。円安方向への動きにより製造業を中心に企業の収益環境が改善、効果は中小企業に波及しつつある。家計においては株高による資産効果もあり、マインドが改善し消費を押し上げた。また年度末に向けては消費増税による駆け込み需要を喚起した。景気は回復基調にありつつも、広告主における当地区への広告投下は慎重に推移した。このような環境のもと、当社グループの売上高は215億54百万円と前年同期と比べ、4億28百万円(2.0%)の増収となったが、営業利益は9億72百万円と前年同期と比べ2億77百万円(22.2%)の減益、経常利益は11億12百万円と前年同期と比べ2億76百万円(19.9%)の減益、当期純利益は6億92百万円と前年同期より1億21百万円(14.9%)の減益となった。セグメント別の業績は次のとおりである。
○放送事業部門
テレビ・ラジオともに自社制作番組の強化とエリア重視の事業展開を推進した。テレビでは日曜日の午前帯に「たびばん」、同じく日曜日の夜帯に「ひまの湯」をスタートさせた。視聴率はレギュラー番組の「どさんこワイド!!朝!」、「どさんこワイド179」などが好調に推移し、6年連続の年度視聴率4冠を達成した。全日視聴率も22年連続でトップとなり、全民放最長記録を更新中である。また、平成25年4月27日に放送した「まっすぐに智華子、夢へ~全盲の少女、18歳の軌跡~」が日本賞コンテンツ部門でユニセフ賞を受賞した。営業面ではスポットセールスは地区投下が前年比99.2%と減少する中で、0.6%の増収を確保した。一般事業では「ANAオープンゴルフ」、「プラレール博」等の恒例イベントのほか、平成25年度から本格的に参画した「サッポロシティジャズ」、「トリックアート展」等を開催、成功裡に終了した。コンテンツ事業では平成24年度下期からグループのショッピング事業(STV開発センターの「五つ星」とSTVの「情熱市場」)を一本化してSTVの自社事業としたことで、売上は前年比3億79百万円の増収となったが、営業費用も大幅に増加した。
ラジオは自社制作番組、特に平日ワイドの強化と、エリアリスナー、スポンサーニーズに応える放送事業活動を全社一丸となって展開した。また北海道の各地域との連携による情報発信に努めるなどした結果、平成25年8月の聴取率調査において総合首位となった。
こうした活動の結果、放送事業部門の売上高は前年同期に比べ1.8%増収の163億52百万円となったが、営業費用の増加等により、セグメント利益は前期比1億16百万円減少の8億27百万円で、増収減益となった。
○ビル賃貸管理部門
政府の景気刺激策や消費税増税前の駆け込み需要もあって、住宅部門は15棟の売却を達成し、売上は前期比171.7%となった。中核を占めるビル賃貸部門では、今期取得した時計台通ビルの収入に加えて他の賃貸ビルも堅調に推移して売上を伸ばした。保険サービス部門は主要顧客の経営不振の影響でわずかに減収となったが、業務請負部門が当社グループ外への積極的な営業活動で大手顧客を開拓し、前期比146.7%と大幅増収となった。部門全体の売上高は16億39百万円と前期比114.3%だったが、時計台通ビル取得のため販売費が大幅に増加し、セグメント利益は2億円(前期比56.5%)となった。
○制作プロダクション部門
制作プロダクション部門は、平成24年7月に㈱札幌映像プロダクションと㈱オフィス・サッポロが合併し、社員120名体制の新会社(存続会社 ㈱札幌映像プロダクション)が発足した。統合によるスケールメリットを最大限に生かし、受注能力の拡大を推し進めたが、マラソン中継など番組終了や入札案件の低価格化が進んだことなどもあり、売上高は前年同期と比べて34百万円減の12億37百万円、セグメント利益は7百万円減の10百万円で、減収減益となった。STVの番組関連では、朝夕のどさんこワイドなど報道局、制作局所管の全ての番組で札幌映像プロダクションの社員が中心的な役割を果たした。グループ外に対する売上は野球、サッカー中継を中心に、東京キー局の取材を幅広く受注し堅調に推移した。また撮影技術に対してそれぞれ高い評価を得た。
○情報処理部門
基幹事業であるシステムインテグレーション事業において、利益確保に苦しんできた医療分野が電子カルテやオーダリングシステム導入
の拡大に成功し、売上高・利益率ともに前期を上回った。自治体分野はデータセンターを使った利用料型サービスへの転換を進めたほか、前期は大幅赤字となった校務支援システムについても赤字幅を最小限度に留めている。
一方、組込事業では主要顧客である富士通の携帯事業縮小を受けて、下期になって収支が悪化した。別案件への要員シフトを行うなどの
対応を進め、当初目標の約90%まで収益を戻した。この結果、部門全体の売上高は39億33百万円(前期比108.6%)、セグメント損益は66百万円(前期は82百万円の赤字)の赤字となった。
○通信販売部門
前年度に開始したSTVとの協業体制をラジオを含む通販全事業に拡大したが、新たに立ち上げたテレビ通販番組が伸び悩み、上期の売上は前年同期に比べ13.9%減少の3億4百万円にとどまった。下期には番組の認知度も高まり、ラジオ通販や北海道産品に特化した「情熱市場」の堅調もあって、通期の売上は前期比10.7%減少の8億25百万円まで改善した。広告事業はラジオ生CMの発注減等で前期比12%の減少、楽曲の出版権を主とするコンテンツ収入も微減となり、部門全体の売上高は9億92百万円と、前年同期に比べ99百万円(9.1%)の減収となり、セグメント利益は2百万円(前期比10.2%)となった。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ21億41百万円減少し、80億34百万円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動による資金の増加は21億10百万円となった。これは主に税金等調整前当期純利益や放送事業で取得したデジタル放送設備の減価償却費などによるものである。前連結会計年度と比較すると4億87百万円の減少となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資有価証券の売却や償還による増加があったが、定期預金の増加や有形固定資産の取得による減少が大きく、当連結会計年度において投資活動による資金は54億40百万円の減少となった。前連結会計年度と比較すると42億12百万円の減少である。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動による資金は11億89百万円の増加となった。これは主に長期借入金による収入が大きかったためである。前連結会計年度と比較すると20億26百万円の増加となった。