訂正有価証券報告書-第74期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2016/01/08 9:23
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業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度の日本経済は、4月の消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動の影響がみられたものの、企業収益の改善を背景とした設備投資、経済対策による公共事業が増加し、雇用の改善も進んだことから、景気は緩やかな回復基調が持続した。円安、株高等もあって製造業を中心に企業業績は高水準となり、当地区への広告投下も前年を上回り、下落傾向に歯止めがかかった。
このような環境のもと、当社グループの売上高は子会社の連結除外により197億81百万円と前年同期と比べ17億73百万円(8.2%)の減収となったが、営業利益は10億11百万円と前年同期と比べ38百万円(3.9%)の増益、経常利益は11億43百万円と前年同期と比べ32百万円(2.9%)の増益となった。一方、当期純利益は5億88百万円で前年同期より1億3百万円(14.9%)の減収となった。セグメント別の業績は次のとおりである。
○放送事業部門
テレビ部門は平成26年度の視聴率の「全日」「ゴールデン」「プライム」の3部門で7年連続の3冠を達成した。「全日」は1992年以来、23年連続でトップとなり、全民放最長記録を更新した。3冠獲得の背景としては「どさんこワイド!!朝!」、「どさんこワイド179」を中心とした自社制作番組が好調に推移したほか、「ゴールデン」「プライム」でも日本テレビのレギュラー番組が堅調に推移した。一方、「どさんこワイド179」内で北海道の未来を創る人々を取り上げた「みる・みる・みらい企画」が平成26年の日本民間放送連盟賞「青少年向け番組」で優秀賞を受賞するなど、エリアとしっかりと向き合う姿勢と、その取り組みが評価を受けた。営業面ではスポットセールスが4月に消費増税の反動減があったものの、その後は堅調に推移し前年同期比で103%の増収を確保した。事業収入は「藤城清治の世界展」、「篠山紀信展」、「ミュシャ展」の3大美術展に多くの集客があり、前年同期と比べ2億23百万円(33.0%)の増収となった。コンテンツ収入は主力のショッピング事業が増税による買い控えを克服することができず、前年同期比で5.5%の減収となったが、自社制作番組を活かしたDVD販売と番組販売は好調に推移した。ラジオ部門ではエリアリスナー、スポンサーニーズに応える放送事業活動を展開し、売上高は15億60百万円(前年同期比△1.0%)を確保したが、事業費及び番組制作費が増加したため、営業利益は前年同期と比べ36百万円(△28.7%)の減益となった。
放送事業全体における当連結会計期間の売上高は167億95百万円で、前年同期と比べ4億43百万円(2.7%)の増収となった。また、セグメント利益は前年同期と比べ2億40百万円(29.1%)増加して10億67百万円となり、増収増益となった。
○ビル賃貸管理部門
中核を占めるビル賃貸部門は前期取得した「時計台通ビル」の賃貸収入約1億29百万円が増収となり売上に貢献したが、札幌丸井三越と昨年9月に契約が終了した「中央ビル」は耐震補強など改修工事のため半年間は収入がなく、ビル賃貸部門としての売上は前年同期比97.1%となった。保険サービス部門は既存企業への総合販売と新規企業開拓が奏功し、前年比114.2%の増収となった。部門全体の売上は前年同期と比べ3.9%増加し17億3百万円となったが、「中央ビル」の改修工事費用、人件費などの増加により営業利益は大幅な減益となった。セグメント利益は1億29百万円(前期比64.2%)。
○制作プロダクション部門
制作プロダクション部門は、朝夕の「どさんこワイド」をはじめとするSTVの各番組で取材制作を担ったほか、撮影・編集もニュース、制作・情報番組、コンテンツと幅広く対応し、STVの放送事業活動を支えた。一般外部では、「アイヌ生活文化再現マニュアル・踊り」などアイヌ文化振興・研究推進機構からの受注を継続したほか、系列局による番組取材が通年で好調に推移した。また初めてとなる4K対応番組「マルチヘリで巡る厳冬の北海道」を制作するなど、外部案件の取り込みによる増収に向けて新たな取り組みを推進した。この結果、部門売上は12億71百万円と前年同期と比べ34百万円の増収となった。売上増に伴い制作経費や人件費の増加があったが、番組制作での直接費の縮減などに努め、セグメント利益は前年同期と比べ7百万円(74.5%)増益の17百万円となった。
○情報処理部門
基幹事業の自治体事業は振るわなかったものの医療部門の機器販売や東京の金融部門の好調により、システム統括本部全体は前年同期比1億2百万円の増収となった。一方、組込事業は主力の携帯基地局関連の発注の大幅な遅れなどから前年同期比2億31百万円の大幅減収となったことで、売上高は前年同期と比べ1億29百万円減の14億53百万円、1億91百万円の営業損失となった。なお、当社グループは平成26年9月19日、当該事業を営む(株)エイチ・アイ・ディの全株式を売却し、同社は連結決算の対象外となったため、上記の分析は前年同期との比較で行っている。
○通信販売部門
通販事業は、道内外の商談にも積極的に取り組み、定番商品に加え新規商品、取引先の拡充に取り組んだが、消費増税の影響などから低調に推移した。テレビ通販はレギュラーの「Sチョイス」と「情熱市場」で売上が低迷し、特番も目論見通りの成果を生むことができなかった。またラジオ通販も番組編成上の理由で放送時間が移行したことから定着に時間を要した。一方、カタログ通販はページ数、発行数の拡充が奏功し前年比141.7%となった。広告事業はラジオ生CMの発注減により前年比68.8%、楽曲の出版権を主とするコンテンツ事業は前年比96.2%にとどまった。部門全体の売上高は8億87百万円で前年同期に比べ1億4百万円(10.5%)の減収となり、セグメントの営業損益は11百万円の営業損失となった。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ7億35百万円減少し、72億99百万円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は22億22百万円となった。これは主に税金等調整前当期純利益や放送事業で取得したデジタル放送設備の減価償却費などによるものである。前連結会計年度に比べ1億12百万円の増加となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は22億55百万円となった。定期預金の預入と有形固定資産、投資有価証券の取得による支出が大きく、一方では投資有価証券の償還・売却、子会社株式の売却等による収入があった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金は短期ならびに長期借入金の返済による支出、自己株式の取得による支出等により7億2百万円の減少となった。前連結会計年度と比べ18億91百万円の減少である。