有価証券報告書-第102期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/28 14:12
【資料】
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【項目】
114項目

研究開発活動

当連結会計年度の研究開発活動は、全国の中小ガス事業者が一般社団法人日本ガス協会およびメーカーと共同で現場での作業が安全かつ効率的に実施できるよう改善や工夫提案を行う技術開発に参画しております。また、研究機関と共同で新技術の開発研究も行っております。技術開発・試験研究項目は以下のとおりであり、要した費用は合計1,570千円となっております。
都市ガス事業
(1)簡易両ガス確認装置開発
本支管工事における現行の両ガス確認作業では閉止用1箇所・バイパス用2箇所の最低3箇所穿孔が必要ですが、平成27~28年度の開発により1箇所の穿孔で両ガス確認作業ができる簡易両ガス確認装置(150A用)の技術を確立しました。平成29年度の開発では確立した150A用の技術を基に200A用、100A用の簡易両ガス確認装置を開発し両ガス確認作業の更なる省力化を可能としました。
本技術は作業負荷・作業コストならびに環境負荷の低減、作業の安全性向上に寄与する技術です。要した費用は350千円であります。
(2)鋼管溶接ミスト可視化装置開発
鋼管の内面塗装(エポキシ樹脂系)は、溶接時の入熱によってミスト(熱分解生成物)を発生させ、このミストがお客様宅のガス機器まで運ばれてガス流量を調整する比例弁に付着し、かつ周辺温度が15℃以下に低下した場合は比例弁に付着したミストが固着状態となり、ガス機器の作動不良を引き起こす可能性があるため、従来鋼管の溶接においてミスト対策を講じる必要があります。防爆性などを満足する粉塵計が製品として存在しないため、低圧化した路線ではパージ量による判別方法にてミストの排出完了確認をしておりました。
本技術の確立により溶接時に発生するミストの可視化および排出完了の確認が可能となりミストトラブル防止に役立つ技術であります。要した費用は、400千円であります。
(3)内管用同口径活管分岐継手の開発
現在、灯内内管の露出部で増設工事に伴う分岐工事を行う際、分岐側の管の口径を同口径で分岐する場合は、一端ガス管を切断したうえで、分岐工事を行うことになるため、分岐継手の下流側へのガス供給の停止、作業後のガスパージ作業が必要になります。
特に、大規模商業施設等で、業務用ガスメーター付近の50A・80Aのガス管から同口径の分岐を行う場合、営業終了後の夜間にガス供給を停止して分岐工事を行った後、末端のガス栓で点火確認をする必要があり、限られたガス停止時間内での業務の場合、多くの人員を点火確認に割く必要があります。
上記課題を解決するために、露出部での使用に耐えられる内管用同口径活管分岐継手を開発しました。要した費用は320千円であります。
(4)国立大学法人鹿児島大学との共同研究
農業圏内に豊富に賦存するバイオマス資源等を活用した再生可能エネルギーの普及に取組んでおります。平成29年度は、メタン発酵事業の収支改善のひとつの要でありますメタン発酵消化液の利用可能性について調査を行いました。メタン発酵消化液が作物の成長へ与える影響および土壌環境へ与える影響について調査を行い、要した費用は500千円であります。