有価証券報告書-第72期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/25 17:00
【資料】
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【項目】
113項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、消費増税等により個人消費は落ち込みを示しましたが、政府の経済政策や日銀の金融緩和の効果もあり、企業業績や雇用情勢の改善が見られ、景気は緩やかながらも回復基調を示してまいりました。
ホテル業界におきましては、レストランと宴会事業において、消費税増税の影響を受け、伸び悩みましたが、政府の観光立国推進に向けた新興国向けビザ発給要件の緩和等の施策や円安の効果により、当期における訪日外国人客数は1,467万人と、前期比3割を超える大幅な増加となりました結果、宿泊事業では好調に推移いたしました。
このような状況のもと、当社グループにおきましては、日本発の「優良国際ラグジュアリーホテルチェーンとしての地位確立」というビジョンの実現に向け、当期を「差別化戦略・スキームの策定・実践によるチェーン競争力の強化の年」と位置付けて活動してまいりました。
主な取り組みとして、顧客管理については、一昨年4月に新たに立ち上げた新会員プログラム「One Harmony」は、その立ち上げ時点で50万人であった顧客組織を、当期末時点で81万人に拡大し、また、各グループホテルで会員情報を活用し、独自でマーケティングが行えるインフラ基盤を作ると同時に、WEB上でポイントによる商品交換を可能にする仕組みや会員IDによるWEB予約が可能となる仕組みなどのシステム改定を行い、会員の利便性の向上を図ってまいりました。
新規事業につきましては、開発を進めてきた「ホテル・ニッコー広州」が昨年11月に、「ホテル・ニッコー蘇州」が本年5月に開業し、本年4月には鹿児島の名門ホテル「城山観光ホテル」がオークラ ホテルズ & リゾーツのメンバーホテルに加盟しました。また、本年10月開業の「ホテル日航立川 東京」、本年末開業予定の「ホテル・ニッコー泰州」、2018年開業予定の「ホテル・ニッコーバンコク」のプロジェクトを新たに受注しました。
ブランド管理の分野では、近年急激に影響度が拡大しているクチコミサイトに対し、効果的・効率的に対応していくために、レピュテーションマネジメントツール「Brand Karma」を、グループ共通システムとして導入致しました。
また、1962年に竣工し、築53年が経過しておりますホテルオークラ東京本館については、旗艦ホテルとしてのアップグレード化、ホテル事業として継続していくための収益性の改善、土地資産の有効活用と安定収益源の確保などを目的として、また、2020年に開催される東京オリンピックにおきまして、再び世界の賓客を新しい施設でおもてなしすべく、昨年5月に再開発する方針を決定しました。
このような取り組みの結果、当年度における連結売上高は、前期比3,050百万円(4.5%)増の71,293百万円となりました。経常利益は前期比815百万円(20.4%)増の4,806百万円となり、当期純利益につきましては前期比383百万円(12.4%)減の2,711百万円となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりです。
ホテル事業につきましては、訪日外国人観光客の増加を背景として、ホテルオークラ東京を中心としたホテルが売上を伸ばしたこと、ホテルオークラ東京ベイを子会社化した影響により、売上高は63,521百万円となり、前年同期と比べ2,619百万円(4.3%)の増収、営業利益は、4,841百万円と前年同期と比べ808百万円(20.0%)の増益となりました。
レストラン事業につきましては、㈱ホテルオークラエンタープライズが4件の新規受託先を獲得したことが寄与し、売上高は、4,015百万円となり、前年同期と比べ5.9%の増収となりましたが、営業利益は、89百万円の損失となり前年同期と比べ6百万円悪化いたしました。
その他につきましては、㈱ホテルオークラスペースソリューションズが大型客船艤装工事を受注するなど外部顧客に対する販売が増加したことにより、売上高は、3,756百万円となり、前年同期と比べ5.8%の増収となりました。また、営業利益につきましては、引き続き費用削減に努めました結果、203百万円と前年同期と比べ50百万円の増益となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、6,548百万円となり、前年同期と比較し596百万円(8.3%)減少いたしました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は7,023百万円となり、前年同期と比較して1,476百万円の減少となりました。これは主に前年同期と比較して、売上債権の減少額が1,035百万円増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,759百万円となり、前年同期と比較して1,902百万円の増加となりました。これは主に前連結会計年度において投資有価証券の売却による収入が940百万円あった他、投資有価証券清算配当金の受入による収入が414百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入が240百万円あったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は6,060百万円となり、前年同期と比較して54百万円の増加となりました。これは主に短期借入金の純増減額659百万円の増加、長期借入れによる収入770百万円の減少、長期借入金の返済による支出192百万円の増加、社債の償還による支出350百万円の増加及び自己株式の売却による収入53百万円により使用した資金が増加した一方で、自己株式の取得による支出674百万円の減少により使用した資金が減少したことによるものです。