臨時報告書

【提出】
2021/02/18 16:48
【資料】
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提出理由

当社は、2021年2月18日開催の当社取締役会(以下「本取締役会」といいます。)において、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)の併合(以下「本株式併合」といいます。)を目的とする2021年3月23日開催予定の臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を招集することを決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の4の規定に基づき、本報告書を提出するものであります。

株式の併合を目的とする株主総会の招集の決定

1. 本株式併合の目的
当社が開示した2021年1月19日付「三井不動産株式会社による当社株式に対する公開買付けの結果並びに親会社及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ」においてお知らせいたしましたとおり、三井不動産株式会社(以下「公開買付者」といいます。)は、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的として、当社株式の全て(当社が所有する自己株式を除きます。)を公開買付けにより取得すること(当社が開示した2020年11月27日付「三井不動産株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨並びに資本業務提携契約の締結に関するお知らせ」(当社が2020年11月30日に公表した「(訂正)『三井不動産株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨並びに資本業務提携契約の締結に関するお知らせ』の一部訂正に関するお知らせ」及び当社が2020年12月16日に公表した「(訂正)『三井不動産株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨並びに資本業務提携契約の締結に関するお知らせ』の一部訂正」による訂正を含み、以下「本意見表明プレスリリース」といいます。)の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の当社の株主を公開買付者のみとするための一連の手続(以下「本完全子会社化手続」といいます。)とあわせて、以下、「本取引」といいます。)の一環として、2020年11月30日から2021年1月18日までを買付等の期間(以下「本公開買付期間」といいます。)とする当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)を行い、その結果、本公開買付けの決済の開始日である2021年1月25日をもって、当社株式78,637,609株(議決権所有割合(注):84.82%)を所有するに至りました。なお、以下の記載のうち公開買付者に関する記述は、公開買付者が2020年11月27日に公表した「株式会社東京ドーム普通株式(証券コード9681)に対する公開買付けの開始及び資本業務提携契約の締結に関するお知らせ」(その後の訂正を含みます。)その他公開買付者が公表した情報及び公開買付者から受けた説明に基づくものです。
(注)「議決権所有割合」は、当社が2020年12月10日に提出した第111期第3四半期報告書に記載された2020年7月31日現在の当社の発行済株式総数(95,857,420株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(3,149,736株)を控除した株式数(92,707,684株)に係る議決権の数(927,076個)を分母として計算し、小数点以下第三位を四捨五入しております(以下、議決権所有割合の計算において同じとします。)。
本意見表明プレスリリースにおいてお知らせいたしましたとおり、当社は、1936年12月25日に設立され、翌年9月にはプロ野球専用球場として「後楽園スタヂアム」を東京・水道橋に完成させ、その後、1949年5月に株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)市場第一部、同年7月に株式会社大阪証券取引所市場第一部(のち2009年上場廃止)に上場しました。そして、1988年には我が国初の全天候型多目的スタジアムである「東京ドーム」を完成させ、野球観戦を一層快適な娯楽にするなど、野球を更なる発展に導く一端を担ってまいりました。また、当社は、1955年に東京・水道橋に「後楽園ゆうえんち」を開業し、「東京ドームシティ アトラクションズ」と名称を変えた現在までスリルを味わえるコースターから小さなお子様も楽しめる乗り物等多様なアトラクションを導入し、幼児からシニアまで幅広い年齢層のお客様にご利用いただいております。さらに、当社は、約50年に及ぶ「ヒーローショー」や、特定のコンテンツに縛られず多様なイベントを開催することで、お客様へ夢と楽しみを提供する都市型遊園地として、年間で591万人(2020年1月期)にご利用いただいております。以上に加えて、当社は、2000年に都内で1,006室の客室数を有する「東京ドームホテル」を開業し、2003年に開業したスパ施設を中心としたエンターテインメント型融合商業施設「ラクーア」は、都心の温泉ブームの火付け役となったと考えています。そして、当社は、これら本社地区(東京・水道橋)一帯を「東京ドームシティ」と名付け、経営資源を集中的に投入して一層有効に活用し、各種のレジャーを集約して相乗効果を発揮させることを目指してまいりました。
当社においては、2016年3月11日に2017年1月期から2021年1月期までの5年間を対象とする中期経営計画である「新機軸~次世代の価値創造に向けて~」(以下「新機軸」といいます。)を策定・公表し、次世代に向けた当社グループの新たな価値創造を目指した取り組みを進めてまいりました。その結果、経営目標の1つである連結有利子負債残高の1,390億円までの削減の2期前倒しでの達成や、目標連結ROE6%の4期連続での達成等、2020年1月期までの業績は堅調に推移しており、2021年1月期が「新機軸」の総仕上げの年度となっておりました。
当社では2019年末より「東京ドームシティ事業の利益水準の維持と拡大」や「新たな成長戦略の研究開発と、東京ドームシティ事業以外の既存事業の成長」等の経営課題を引き続き認識しつつ、これらの経営課題解決のための検討及び2022年1月期から始まる次期中期経営計画の検討を行っていたところ、2020年1月31日に、当社の株主である、Oasis Investments II Master Fund Ltd.を運用するOasis Management Company Ltd.(以下「Oasis」といいます。Oasisが2020年1月31日付で提出した大量保有報告書の変更報告書によれば、Oasisは、同月24日現在で当社株式9,208,900株(所有割合:9.61%)を所有しているとのことです。)より、Oasisが運営するウェブサイトを通じて「A Better Tokyo Dome」という名称の当社経営改善提案(以下「Oasis経営改善提案」といいます。)が公表され、さらにOasisより、デューデリジェンスの完了と買収資金の確保を含む様々な前提条件のもとでOasisが当社株式の全て(当社が所有する自己株式を除きます。)を1株当たり1,300円で買い取る(以下「Oasis買付け」といいます。)意図がある旨の法的拘束力のない同月30日付のレター(以下「1月30日付Oasisレター」といいます。)を受領しておりました。
かかる状況に鑑み、当社では2022年1月期から始まる次期中期経営計画の策定作業を本格化するに当たり、更なる企業価値向上のため外部専門家の知見も取り入れる必要があると判断し、2020年1月下旬に法務アドバイザーとして西村あさひ法律事務所を選任し、様々な企業価値向上策を検討するうえでの当社の意思決定過程の公正性を担保する観点から、法的助言を受けており、また、同年2月中旬に財務アドバイザーとしてGCAアドバイザーズ株式会社(以下「GCA」といいます。)を選任し、企業価値向上の観点から、アライアンス戦略及び中期経営計画策定に当たって助言を受けておりました。
そのようななか、2020年1月に日本で初めて感染が確認された新型コロナウイルス感染症(以下「COVID-19」といいます。)は急速に感染拡大が進み(以下「コロナ禍」といいます。)、当社の「東京ドームシティ」を中心としたレジャーサービス事業にも甚大な悪影響が生じることとなりました。具体的には、コロナ禍に伴い2020年2月以降「東京ドーム」でのイベントの中止、延期が相次ぎ、また「東京ドームホテル」や「ATAMI BAY RESORT KORAKUEN」においても宿泊、宴会のキャンセルが相次ぎました。2020年3月からは「東京ドームシティ アトラクションズ」は休園、その他テナントについても営業時間の短縮や休業が相次ぎ、また同年3月8日にはプロ野球の開幕延期が決まり、「東京ドーム」の稼働率は前年の4割程度まで低下することとなりました。2020年4月7日には東京都を含む7都道府県に緊急事態宣言が発令され、同年5月25日に解除された以降も、外出自粛や新しい行動様式への対応によって来場者数の低迷が続き、また当社におけるCOVID-19予防対策によるコスト増加もあり、2021年1月期第2四半期の決算を発表した2020年9月10日現在における2021年1月期の業績見込みが営業利益段階で130億円の赤字になるなど、財務内容が相当に悪化することは避けられない状況であることが明らかになりました。
こうしたコロナ禍による環境変化において新たな中期経営計画の策定作業を進めるなかで、当社としては、当社グループ(当社及び当社の関係会社(当社、連結子会社11社、持分法適用関連会社1社及び非連結子会社4社(2020年10月31日現在)をいいます。以下同じです。)において、中長期的な視点から主に下記の経営課題があると考えておりました。
(i) 「東京ドームシティ」の施設の老朽化
「後楽園ホールビル」は築58年、「黄色いビル」は築47年、「東京ドーム」は築32年が経過していることから、お客様の嗜好やニーズに合わせたイベント観戦、施設回遊に当たって不便・非効率が生じていると考えておりました。
(ii) 「東京ドームシティ」内の各施設間の相乗効果の発現
「東京ドームシティ」内の回遊性は現状高いとはいえず、施設間の相乗効果が不足していたため、お客様に対して「東京ドームシティ」内の複数の施設での楽しみ方を提案することで、回遊性をいままで以上に高める必要があると考えておりました。
(iii) 当社グループの事業間の相乗効果の創出
東京ドームシティ事業と、熱海事業の「ATAMI BAY RESORT KORAKUEN」のような他事業の施設との相乗効果が不足しており、それぞれの施設が連動した新たな楽しみ方を提案する必要があると考えておりました。
(iv) 経営体制の更なる透明化(ガバナンス強化)
現状形式的な基準がない取締役の在任期間の見直し等、いままで以上にガバナンスを強化する余地が残っていると考えておりました。
(v) コロナ禍の影響長期化を見据えた対策
これまで行ってきたCOVID-19感染対策に加えて、コロナ禍の影響が長期化した場合でも、企業価値を維持・向上できるような追加的な対策を講じる必要があると考えておりました。
当社は、上記の経営課題を解決し、当社の中長期的な企業価値を向上させるため、長期的な目標として、「東京ドームシティ」全体の再整備が必要であると考えておりました。具体的には、「東京ドームシティ」の敷地が一部を除いて都市計画公園区域の指定を受ける特殊な立地となっていることから、例えば「東京ドーム」や「東京ドームホテル」等については東京都知事の認可を受けた都市計画事業として個別に開発を進めてきましたが、今後は、このような個別の開発に留まらず、「東京ドームシティ」全体の再整備を通じて、東京の都心部に位置する希少な立地特性を活かした楽しみや魅力に溢れる「スポーツ・エンタテインメントを核とした新たな街づくり」を実現すべく準備を進めていく必要があると認識していました。かかる「東京ドームシティ」全体の再整備という長期的な目標を達成するためには、時間軸を見据えた段階的な検討アプローチが必要であると考えていました。
そのため、次期中期経営計画では、長期的な「東京ドームシティ」の将来構想の策定及びそれを実現させるための事業面及び財務面の盤石な基盤の確立を主要な目的とした上で、コロナ禍という危機からの回復及びビジネスモデルの変革を図り、約90億円の営業利益水準への回復を財務目標とし、以下の事業戦略の基本的な考え方を通じて、新たな時代に適応した「東京ドームシティ」へ転換することによるトップラインの回復及び生産性向上によるコスト削減を強力に推進していくことを考えておりました。
A)新たな時代に適応した東京ドームシティへの転換(Smart Tokyo Dome City構想)
まず、「東京ドームシティ」を“ひとつの街”としてブランディングし、お客様の認知度を高めます。例えば「東京ドーム」で野球を観戦した直後にレストラン・温浴施設の混雑状況や割引情報を適切に伝えることで「ラクーア」への回遊を促す等、それぞれのお客様の多様な潜在的ニーズに合わせて「東京ドームシティ」の各施設を組み合わせた楽しみ方・利用シーンを各種デジタルチャネルで提案すること等により、当社グループとして、改めてお客様の声に耳を傾ける仕組み・体制を整備し、個々のお客様とのエンゲージメントを高めてまいります。
また、「東京ドームシティ」内のお客様の不便・非効率の解消を実現してまいります。具体的には、既に、「東京ドームシティ」内では、ほぼ全てキャッシュレス化を実現していますが、自動販売機等に至るまでキャッシュレス化の対象範囲を拡大すること、非接触型ICや生体認証によるチケットのデジタル化を推進しお客様の利便性を高めること、「東京ドームシティ」内の詳細な案内や混雑情報等をリアルタイムに可視化してお客様の利便性を高めること及び「東京ドーム」内の飲食売店でのモバイルオーダー等の導入を検討してまいります。
さらに、リアルとデジタルを融合したエンターテインメントを提供してまいります。それを実現するために、VRを使ったスポーツ体験等のリアルとデジタルを融合したサービスを順次提供すること、各ホール・イベント会場において興行主が簡易に最高のデジタルコンテンツ配信を行えるプラットフォームを提供すること及び「東京ドームシティ」に蓄積した様々なデータを統合・活用した新しいエンターテインメントを提供することを目指してまいります。
その他、近隣住民や法人向けの新しいサービス等の提供により利用頻度を高める関係を構築すること、「東京ドームシティ」外施設と連携し、「東京ドームシティ」外の場所からでも楽しめるコンテンツを開発することを検討してまいります。
B)当社グループ全体の生産性向上によるコスト削減
直近のコロナ禍による業績の落ち込みからの回復をより確かなものにするため、当社グループ全社の非効率な業務を全面的に見直し、抜本的な生産性向上を図ります。具体的には、コロナ禍の影響を強く受けた宿泊施設の客室管理などの業務効率の見直しを優先的に進めるほか、全社の備品や消耗品等の調達を見直し・集約すること、経費精算の自動化のようにデジタル技術を使って間接業務を抜本的に効率化すること並びにお客様情報及び経営関連の情報を統合し、経営のPDCAサイクルを最適化・高速化することで生産性を高め、コスト削減を図ります。
そのような状況下において、当社を取り巻く環境の大きな変化に対応しながら、次期中期経営計画を確実に実行し、最終的に「東京ドームシティ」全体の再整備を実現することで当社の中長期的な企業価値の向上を実現していくためには、当社単独の経営体制の継続に加えて、従来以上に事業戦略パートナーとのアライアンス戦略を積極的に検討していくべきとの考えに至り、2020年6月上旬から当社自ら又はGCAを通じて、不動産開発、街づくり共創、コンテンツ補完等の観点から、当社と一定の事業シナジーが見込まれることが期待できる公開買付者以外の複数の事業戦略パートナー候補先企業に対して、当社との資本業務提携を行うことについての打診を行い、同月中旬から、事業戦略パートナー候補先企業各社との間で、当社との資本業務提携への関心の有無の確認を目的とした面談及び協議を開始しました。なお、当該面談及び協議において、当社は、上記の当社における経営課題と事業戦略の基本的な考え方を説明した上で、仮に当社との資本業務提携に関心を持つ場合、事業戦略パートナー候補先企業各社が想定する資本業務提携の内容の提案を要望しており、当社は、事業戦略パートナー候補先企業に対して、当社の完全子会社化を前提とした資本業務提携等の具体的な提案を一切行っておりません。
また、当社は2020年1月31日に1月30日付Oasisレターを受領してから、重要顧客である株式会社読売新聞グループ本社(以下「読売新聞グループ本社」といいます。)とその対応について相談してきましたが、同年6月下旬に、読売新聞グループ本社からの紹介で公開買付者と面談・協議し、本取引の実施について正式に関心表明を受けたため、公開買付者も事業戦略パートナー候補先企業の1社として取り扱うことといたしました。
なお、Oasis経営改善提案はコロナ禍以前の環境を前提としており、当社としてもOasis経営改善提案によるコロナ禍における中長期の企業価値向上に資する具体的なシナジーを見い出せておらず、また、Oasis買付けに関しては、1月30日付Oasisレター受領後、2020年2月中旬及び6月中旬にOasisと面談いたしましたが、当社との協議や具体的な検討に関して何ら提案を受けることはありませんでした。当社はOasisの要請に応じて、対話に真摯に臨んできたものの、Oasisと最後に面談を行った2020年6月中旬以降、Oasis経営改善提案及びOasis買付けに関してはOasisから具体的な提案がなかったため、当社として具体的な検討の進捗はありませんでした。
複数の事業戦略パートナー候補先企業への初期的打診結果を踏まえて、当社は2020年7月上旬に事業戦略パートナーの選定手続を本格化することを決定し、その手続を進めるに当たり、財務アドバイザーであるGCAから財務的な見地からの助言を受けるとともに、法務アドバイザーである西村あさひ法律事務所から法的助言を受けております。なお、当社は、事業戦略パートナーの選定手続と並行して、2020年7月20日には、withコロナを見据えた企業価値向上策として、当社の重要顧客である読売新聞グループ本社、読売巨人軍とともに、読売巨人軍の本拠地である「東京ドーム」を世界トップレベルの清潔・安全・快適なスタジアムにすべく、内外野の全観客席周辺を含む場内全体の換気の強化と各種売店が並ぶコンコースの通気性能の向上、スタジアム全体のデジタル化やバックスクリーンのメインビジョンの拡張、キャッシュレス決済の推進等、COVID-19感染予防に向けた施策を含む「東京ドームでの新たな取り組みについて~世界トップレベルの清潔・安全・快適なスタジアムを目指して~」を発表いたしました。
2020年8月上旬、当社はGCAを通じて、公開買付者を含む複数の事業戦略パートナー候補先企業に対して、正式な事業戦略パートナーの選定手続の概要及び初期的な提案書提出の依頼を通知いたしました。当該通知においては、各事業戦略パートナー候補先企業に対し、当社との資本業務提携に関心を有している場合における、具体的な業務提携の内容、希望する当社株式の取得割合、取得金額及び取得方法の考え方並びに資本業務提携後の当社の役職員や取引先の取扱いに対する考え方について、提案書という形式で提出することを求めておりました。その結果、当社は公開買付者から2020年8月下旬に本取引に関する初期的な提案書を受領するとともに、その他の事業戦略パートナー候補先企業の一部からも初期的な提案書を受領いたしました。当社ではこれらの事業戦略パートナー候補先企業各社からの初期的な提案を慎重に検討した結果、2020年8月下旬から2020年11月上旬まで、公開買付者を含む複数の事業戦略パートナー候補先企業からのデューデリジェンスを受け入れました。その後、デューデリジェンスと同時に事業戦略パートナー候補先企業各社との協議を並行して進めてきたものの、公開買付者以外の事業戦略パートナー候補先企業との間では協議が整わず、最終提案を受けるまでには至らず、最終的に当社との提携の検討を辞退する旨の通知を受領しております。なお、当社は、公開買付者以外の事業戦略パートナー候補先企業が最終的に当社との提携の検討を辞退した理由について認識しておりません。
なお、このような状況で当社は2020年10月7日にOasisから当社取締役の解任のための臨時株主総会の招集を要請すること、それと同時に当社株式の全て(当社が所有する自己株式を除きます。)を買収するための公開買付けを実施する計画を最終化していることを記載した通知(以下「10月7日付Oasisレター」といいます。)を受領いたしました。ただし、10月7日付Oasisレターでは、1月30日付Oasisレターと異なり買収金額の記載はなく、また公開買付けの実施時期、実施条件(買付け等の期間、買付け等の価格、及び買付予定の株券等の数の上限や下限の有無を含みます。)や買収後の方針についての記載も一切ありませんでした。10月7日付Oasisレターの受領後、2020年10月14日に、当社はOasisに対して直接対話を行う旨を、2020年10月下旬の具体的な候補日とともに通知しましたが、それに対しては回答がなく、2020年10月19日付「株主による臨時株主総会の招集請求に関するお知らせ」にて開示したとおり、Oasisからは取締役3名の解任を議案とする臨時株主総会の招集請求がなされました(当社が開示した2020年12月17日付「臨時株主総会の決議結果に関するお知らせ」においてお知らせいたしましたとおり、当該Oasisによる株主提案に係る各議案はいずれも否決されました。)。
その後、当社は、2020年11月12日、公開買付者及び読売新聞グループ本社から、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を1,200円とすること、本取引実施後に20%の当社株式を読売新聞グループ本社に譲渡し、共同して当社の企業価値の向上に取り組むことを含む本取引及び当社の完全子会社化の完了後に公開買付者が所有する当社株式の20%を読売新聞グループ本社に譲渡すること(以下「本株式譲渡」といいます。)に係る諸条件についての提案(以下「公開買付者提案」といいます。)を受領いたしました。公開買付者提案を受け、当社は、公開買付者提案の内容を検討するため、当社、公開買付者、読売新聞グループ本社、株式会社みずほ銀行(以下「みずほ銀行」又は「応募株主」といいます。)及びOasisから独立した財務アドバイザーであるGCAから財務的見地からの助言を受けるとともに、当社、公開買付者、読売新聞グループ本社、応募株主及びOasisから独立した法務アドバイザーである西村あさひ法律事務所から法的助言を受けております。さらに、当社は、Oasisから1月30日付Oasisレター及び10月7日付Oasisレター(以下、総称して「本Oasis提案」といいます。)を受領し、取締役3名の解任を議案とする臨時株主総会の招集請求を受けている状況において、公開買付者提案を検討するに当たって、取締役の利益相反を回避し、当社の株主にとって公正な条件の下で本取引が行われることを確保するために、西村あさひ法律事務所からの助言も踏まえて、2020年11月10日、特別委員会を設置しております。なお、特別委員会の詳細については、後記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「⑤当社における特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。
当社は、2020年11月12日、公開買付者及び読売新聞グループ本社より本公開買付価格を1,200円とすることを含む公開買付者提案を受領して以降、公開買付者と本取引に係る協議・交渉を行う体制の下で、GCA及び西村あさひ法律事務所からの助言及び特別委員会の意見を踏まえながら、コロナ禍を契機として、2020年2月以降、当社株式の市場価格が乱高下しているものの、かかる市場株価の状況に左右されない当社の適正な企業価値評価の観点から慎重に、公開買付者との間で、本取引の意義及び目的、本取引後の経営体制・事業方針を含め、本取引の是非及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件について継続的に協議・交渉を行ってまいりました。
具体的には、2020年11月12日に本公開買付価格を1,200円とすることを含む公開買付者提案を受領した後、当社は、GCAから受領した当社株式の株式価値に係る試算結果の報告内容、GCA及び西村あさひ法律事務所からの助言並びに特別委員会の意見を踏まえて検討したうえで、同月16日、公開買付者に対し、公開買付者提案は、当社株式の全てを1株当たり1,300円で買い取る旨のOasis買付けの内容を踏まえたものになっておらず、また、本件と類似する近時の事例(完全子会社化の事例)における直近市場株価及び一定期間の平均市場株価に対するプレミアムの水準に達していないことを理由に、当社の企業価値を十分に反映した提案ではないとして、本公開買付価格の再検討及び本公開買付価格を1,350円とすることをそれぞれ要請いたしました。その後、公開買付者から、同年11月18日に本公開買付価格を1,250円とする旨の再提案を受けたため、当社は、当該提案について、GCA及び西村あさひ法律事務所の助言並びに特別委員会の意見を踏まえて検討したうえで、同年11月20日、公開買付者に対し、同年11月16日に本公開買付価格の再検討を要請した理由と同様の理由により、やはり当社の企業価値を十分に反映した提案ではないとして、本公開買付価格の再検討及び本公開買付価格を1,300円以上とすることを再度要請しました。以上の交渉を経て、当社は、2020年11月24日、公開買付者から、本公開買付価格を1株当たり1,300円とすることを含む最終提案を受けるに至り、公開買付者に対し同年11月26日にかかる最終提案を受諾する旨の書面を送付しました。
当社は、当社を取り巻く環境の大きな変化に対応しながら、次期中期経営計画を確実に実行し、最終的に「東京ドームシティ」全体の再整備を実現することで当社の中長期的な企業価値の向上を実現していく必要性、これまでの事業戦略パートナーの選定手続の経緯、公開買付者提案の内容を踏まえ、財務アドバイザーであるGCAから取得した当社株式に係る株式価値算定書の内容、法務アドバイザーである西村あさひ法律事務所から受けた本取引に関する意思決定に当たっての留意点についての法的助言を踏まえつつ、特別委員会から提出された答申書の内容を最大限尊重しながら、本取引が当社の企業価値の向上に資するものか、また、本取引における諸条件は妥当なものであるか等の観点から慎重に協議及び検討を行いました。その結果、当社は、上場会社として、資本市場から独自に資金調達が可能であるというメリットを有しているものの、上記のように当社を取り巻く環境が大きく変化している中で、次期中期経営計画が策定された場合の各種施策を実行し、最終的に「東京ドームシティ」全体の再整備を実現していくに当たり、短期的には当社の利益最大化に必ずしも直結しない先行投資や一時的なコスト増となる取り組みを迅速に行っていく必要が生じる可能性があるところ、これらは当社の中長期的な企業価値の向上の観点からは必要となるものの、短期的には当社の一般株主の利益を損なう可能性も想定され得ることから、上場会社として独立した事業運営を行っている現状では、意思決定の柔軟性及び迅速性並びに抜本的な改革の必要性の観点から十分な対応がとりにくいという懸念があると考えました。当社は、当社の完全子会社化を含む本取引に応じることで、このような懸念を払拭することが可能であり、また、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「②公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(i)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、本取引後の本株式譲渡を通じて、当社が読売新聞グループ本社と資本関係を強化することにより、これまでの東京ドームの所有者と重要顧客である読売巨人軍のオーナーという関係をより一層深化させ、球団とスタジアムの一体的な運営が可能となること等を踏まえ、本取引及び本株式譲渡を含む公開買付者提案に応じることは、当社グループにおいて以下のシナジーが見込まれることから、当社の中長期的な企業価値の向上に資することができるものであると判断いたしました。
(i) COVID-19感染対策の促進と顧客満足度及び収益力の向上の同時推進
当社は、コロナ禍の影響が継続する現状においては、COVID-19感染対策を万全に行い、お客様の利便性、安全性及び快適性を高めると同時に、客単価を高めることで収益力を高めることが必要となると考えております。
当社が、本取引を通じて公開買付者と資本関係を有することで、商業施設事業及びホテル事業に関連して公開買付者が有するCOVID-19感染対策の共有を受け、それに基づく対策の実施が適時可能になるとともに、「東京ドームシティ」におけるテナントやイベントとECサイトの連携のような新たなマーケティング施策による収益力の向上が見込まれます。
また、本株式譲渡を通じて当社の重要顧客である読売新聞グループ本社との間で資本関係を強化することで、2020年7月20日に発表した「東京ドームでの新たな取り組みについて~世界トップレベルの清潔・安全・快適なスタジアムを目指して~」を前提としたCOVID-19感染対策の実現と合わせて、デジタルサイネージやモバイルオーダーシステム等デジタル化による収益拡大策の推進を、これまで以上に野球興行に関する情報を共有し、連携して実施できるようになることが見込まれると考えております。
(ii) 「東京ドームシティ」における集客力の向上
当社としては「東京ドームシティ」における回遊性を高め、施設間の相互効果を高めることを課題と考えていますが、公開買付者が有する商業施設事業・ホテル事業におけるノウハウを活かすことで、「東京ドームシティ」へのより魅力的なテナントの招致、当社と公開買付者の商業施設を組み合わせた共通広告戦略による顧客誘導、アプリ・サイネージ等を利用した「東京ドームシティ」内の店舗混雑状況の配信などによる「東京ドーム」来場者の回遊性向上等、これまで考えてきた当社の戦略に加えて集客力の向上が見込まれると考えております。
(iii) 顧客基盤の連携による収益力の向上
公開買付者及び読売新聞グループ本社は、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「②公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(i)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(C)公開買付者が本公開買付けを実施するに至った経緯・目的」の「(c)公開買付者、当社及び読売新聞グループ本社の顧客基盤の連携効果」に記載された豊富な顧客基盤を有しており、それらに当社の有する年間来場者4,000万人の顧客基盤を加えた販売促進等により、当社と公開買付者の商業施設やホテルの相互利用を促すことで互いの施設への送客が可能となり、各社施設の収益力の向上を図ることができると考えております。
(iv) コロナ禍におけるコスト削減の促進と資金調達余力の向上
当社としてはコロナ禍による業績の落ち込みからの回復をより確かなものにするためには全社的なコスト削減を行うことが必要であると考えているところ、当社グループにおいて利用する備品や消耗品等の調達関連コストについて、2020年3月期の連結売上高約1兆9,056億円の事業規模を有する公開買付者と共通化することで相応のコスト削減が可能と考えております。
加えて、当社としては、公開買付者はコロナ禍においても2021年3月期連結における親会社株主に帰属する当期純利益を1,200億円と見込む等、堅実な損益・財務状況を維持しているものと考えており、現時点でコロナ禍による財務内容の悪化が見込まれる当社が、公開買付者グループの一員となることで財務的なサポートを受けられることは大きなシナジーであると考えております。
(v) 「東京ドームシティ」全体の再整備の円滑な推進と価値の最大化の実現
中長期的な視点から当社の経営課題を抜本的に解決し、当社の「東京ドームシティ」の価値最大化を図るためには、「東京ドームシティ」全体の再整備を進めていくことが非常に重要となります。公開買付者は、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「②公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(i)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(C)公開買付者が本公開買付けを実施するに至った経緯・目的」の「(e)将来の「東京ドームシティ」再整備における公開買付者の都市開発実績・ノウハウの活用」に記載のとおり、「東京ミッドタウン」をはじめとする都市開発を手掛けた実績を有しており、今後の「東京ドームシティ」の再整備を円滑に推進し、当社の価値最大化を実現するうえで最善のパートナーであると考えております。
また、当社は、公開買付者提案に係る最終提案における本公開買付価格(当社株式1株当たり1,300円)について、後記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(2)当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」に記載のとおり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的なプレミアムを付した価格及び合理的な諸条件により当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
なお、当社は、公開買付者提案の検討と合わせて、本Oasis提案についても検討を行っており、当社の取締役会は、後記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「⑤当社における特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2020年11月10日に特別委員会を設置し、特別委員会に対して、公開買付者提案に応じて本取引を実施することの是非について、本Oasis提案との比較の観点からも検討することを諮問しております。当社としては、本Oasis提案については、1月30日付Oasisレターに係るOasis買付けの提案はコロナ禍以前の提案である一方、10月7日付Oasisレターにおいてはそもそも詳細な買付けの実施時期、実施条件及び買収後の方針が不明であり、全体としてその実現可能性にも疑義があることに加え、これまでのOasisとのコミュニケーションを踏まえると、当社とOasisの考える企業価値向上策の内容及び進め方には大きな乖離があり、Oasisによる当社株式の取得は、特に長期化が予想されるコロナ禍への対策も考慮した中長期的な企業価値向上には繋がらないと考えており、特別委員会から、本Oasis提案との比較を踏まえても、本取引及び本株式譲渡に係る取引条件の公正性及び妥当性は確保されていると認められる旨の意見を2020年11月26日付で取得したことなども勘案し、最終的に本取引及び本株式譲渡を含む公開買付者提案を受け入れることが当社の企業価値に資する最善の方策であると判断いたしました。
以上により、当社は、2020年11月27日開催の取締役会において、本公開買付けに関して賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
なお、上記取締役会の決議の詳細については、後記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「⑥当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
その後、上記のとおり、本公開買付けは成立いたしましたが、公開買付者は、本公開買付けにより、当社株式の全て(当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することができず、かつ、当社の総株主の議決権の数90%以上を取得することができなかったことから、公開買付買付者からの要請を受けて、当社は、本取締役会において、本臨時株主総会において株主の皆様のご承認をいただくことを条件として、当社の株主を公開買付者のみとするために、当社株式18,540,575株を1株に併合することを本臨時株主総会に付議することを決議いたしました。
本株式併合により、公開買付者以外の株主の皆様の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定です。
2. 本株式併合の割合
当社株式について、18,540,575株を1株に併合いたします。
3. 1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
(1) 1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法
前記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、本株式併合により、公開買付者以外の株主の皆様の所有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
本株式併合の結果生じる1株未満の端数については、その合計数(会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第235条第1項の規定により、その合計数に1株に満たない端数がある場合にあっては、当該端数は切り捨てられます。)に相当する数の当社株式を、会社法第235条その他の関係法令の規定に従って売却し、その売却により得られた代金を株主の皆様に対して、その端数に応じて交付いたします。当該売却について、当社は、会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所の許可を得て、当該端数の合計数に相当する当社株式を公開買付者に売却することを予定しています。
この場合の売却額は、上記裁判所の許可が予定どおり得られた場合には、株主の皆様が所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である1,300円を乗じた金額に相当する金銭が交付されるような価格に設定することを予定しております。
(2) 当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
端数処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額は、前記「(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法」に記載のとおり、株主の皆様が所有する当社株式の数に、本公開買付価格と同額である1,300円を乗じた金額となる予定です。
本公開買付価格については、(i)本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「①当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のGCAによる当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価平均法に基づく算定結果の上限を上回るものであり、かつ、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー方式(以下「DCF方式」といいます。)の算定結果のレンジの範囲内であること、(ii)本公開買付けの公表日(2020年11月27日)の前営業日である2020年11月26日の東京証券取引所における当社株式の終値897円に対しては44.93%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率又はディスカウント率の計算において同じとします。)、直近1ヶ月間の終値単純平均値892円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じとします。)に対して45.74%、直近3ヶ月間の終値単純平均値830円に対して56.63%、直近6ヶ月間の終値単純平均値802円に対して62.09%のプレミアムを加えた金額となっており、GCAから提供された公開買付けを利用した本取引と類似する事例(完全子会社化の事例)における平均的なプレミアム水準に比して遜色なく、合理的な水準のプレミアムが付された価格であるといえること、(iii)後記「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載のとおり、当社において、本公開買付けの公正性を担保するための措置を講ずるとともに、GCA及び西村あさひ法律事務所から助言を受けたうえで、特別委員会の意見を受けつつ、当社と公開買付者の独立当事者間で、複数回の真摯な協議・交渉を重ねたうえで合意した価格であること、(iv)後記「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「⑤当社における特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、特別委員会から取得した答申書においても、本Oasis提案との比較を踏まえても、本取引及び本株式譲渡に係る取引条件の公正性及び妥当性は確保されていると認められると判断されていること等を踏まえ、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的なプレミアムを付した価格及び合理的な諸条件により当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
また、当社は、2020年11月27日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をした後、本臨時株主総会の招集を決定した本取締役会の決議時点に至るまでに、本公開買付価格の算定の基礎となる諸条件に重大な変更が生じていないことを確認しております。
以上のことから、当社は、本株式併合により生じる端数の処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額については、相当であると判断しております。
(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置
公開買付者が当社の完全子会社化を企図していること、及び当社は、前記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、公開買付者による本取引の実施に向けた検討と並行して、Oasisから2020年1月31日及び同年10月7日の二度に亘り、当社株式に対する公開買付けの実施に関する本Oasis提案を受けていることを勘案し、当社及び公開買付者は、本取引の実施について、当社においては本Oasis提案との比較の観点を含め、本公開買付価格の公正性を含む本取引の取引条件の妥当性及び手続の公正性その他本公開買付けの公正性を担保することについて慎重を期する観点から、以下の措置を講じてまいりました。
① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
公開買付者は、本公開買付価格を決定するに当たり、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーであるPwCアドバイザリー合同会社(以下「PwC」といいます。)に当社の株式価値の算定を依頼し、2020年11月27日付でPwCから本公開買付者株式価値算定書を取得したとのことです。なお、PwCは当社、公開買付者、読売新聞グループ本社、応募株主及びOasisの関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有していないとのことです。また、公開買付者はPwCから当社株式の本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
詳細については、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「②公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
② マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)を上回る買付予定数の下限の設定
公開買付者は、本公開買付けにおいて、買付予定数の下限を61,805,100株(所有割合:66.67%)と設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限(61,805,100株)に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「①本公開買付けの概要」に記載のとおり、公開買付者は、本公開買付けにおいて、当社株式の全て(当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することを企図しているため、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の合計が買付予定数の下限(61,805,100株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。なお、買付予定数の下限(61,805,100株)は、当社が2020年9月10日に提出した第111期第2四半期報告書(以下「当社四半期報告書」といいます。)に記載された2020年7月31日現在の当社の発行済株式総数(95,857,420株)から、当社四半期報告書に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(3,149,736株)を控除した株式数(92,707,684株)に係る議決権数(927,076個)の3分の2以上となる議決権数(618,051個)に当社株式1単元(100株)を乗じた株式数(61,805,100株)としているとのことです。これは、本取引においては、公開買付者は、当社を完全子会社化することを目的としているところ、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の「②株式併合」に記載の完全子会社化のために必要な株式併合の手続を実施する際には、会社法第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされていることから、公開買付者単独で当該要件を満たすことができるように設定したものであるとのことです。買付予定数の下限(61,805,100株)は、当社四半期報告書に記載された2020年7月31日現在の当社の発行済株式総数(95,857,420株)から、当社四半期報告書に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(3,149,736株)、及び読売新聞グループ本社の所有する当社株式の全て(以下、応募株主が所有する当社株式の全てとあわせて「応募予定株式」といいます。)の合計株式数(4,320,802株)を控除した株式数(88,386,882株)の過半数に相当する株式数(44,193,442株、所有割合:47.67%)すなわち、公開買付者と利害関係を有さない当社の株主が所有する当社株式の数の過半数、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」に相当する数に、応募予定株式の合計株式数(4,320,802株)を加算した株式数(48,514,244株)を上回るものとなります。このように、本公開買付けは、公開買付者と利害関係を有しない当社の株主から過半数の賛同が得られない場合には成立せず、当社の少数株主の皆様の意思を重視したものであると考えているとのことです。
③ 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社は、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するため、2020年7月上旬、当社、公開買付者、読売新聞グループ本社、応募株主及びOasisから独立した財務アドバイザー及び第三者算定機関としてGCAを選任し、2020年11月上旬、当社株式の価値算定を依頼し、公開買付者との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言を受けるとともに、2020年11月26日付で同社から本当社株式価値算定書を取得しております。なお、GCAは当社、公開買付者、読売新聞グループ本社、応募株主及びOasisの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、当社、公開買付者、読売新聞グループ本社、応募株主及びOasisとの間で重要な利害関係を有しておりません。また、当社は、GCAから本公開買付けの価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
本当社株式価値算定書の概要については、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「①当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
④ 当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、2020年1月下旬、当社、公開買付者、読売新聞グループ本社、応募株主及びOasisから独立した法務アドバイザーとして西村あさひ法律事務所を選任し、その後、本公開買付けを含む本取引に関する当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するために、本公開買付けを含む本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社取締役会の意思決定の方法及びその過程その他の本公開買付けを含む本取引に関する意思決定に当たっての留意点に関する法的助言を受けております。なお、西村あさひ法律事務所は、当社、公開買付者、読売新聞グループ本社、応募株主及びOasisの関連当事者には該当せず、本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。
⑤ 当社における特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
(i)設置等の経緯
当社は、本取引に関する当社の意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保するため、2020年11月10日に開催された取締役会における決議により、当社において本取引の実施について検討するに際して、当社の企業価値の向上を図る立場から、本Oasis提案との比較の観点を含め、その是非やストラクチャーを含む取引条件の妥当性及び公正性を慎重に検討する必要があることを踏まえ、本取引の取引条件の妥当性及び手続の公正性等について検討及び判断を行う任意の合議体として、当社の事業に関する知見やそれぞれの専門分野における知識・経験を有している一方で、当社、公開買付者、読売新聞グループ本社、応募株主及びOasisとの間に利害関係を有しない、井上義久氏(当社社外取締役)、石田惠美氏(当社社外取締役・公認会計士・弁護士)、髙橋功氏(当社社外監査役)及び青木英憲氏(当社社外監査役・弁護士)の4名から構成される特別委員会を設置いたしました(なお、特別委員会の委員長は、委員間の互選により、井上義久氏が選任されています。また、特別委員会の委員は、設置当初から変更しておりません。)。なお、特別委員会の委員の報酬については、本取引の成否又は答申内容にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。
また、当社取締役会は、特別委員会に対し、本取引に関して、(ア)本取引の目的の正当性・合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含みます。)、(イ)本取引に係る手続の公正性(当社の株主の利益への十分な配慮がなされているかを含みます。)、(ウ)本取引に係る取引条件の公正性・妥当性(本Oasis提案との比較を含みます。)、(エ)当社取締役会が本公開買付けに対して賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非、(オ)本取引を行うこと(当社取締役会が本公開買付けに対して賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを含みます。)は当社の一般株主にとって不利益ではないかとの点(以下「本諮問事項」といいます。)について諮問し、これらの点についての答申を当社に提出することを委託いたしました。当社取締役会は、特別委員会の判断内容を最大限尊重して本取引に係る意思決定を行うものとし、特別委員会が本公開買付けの実施又は本取引の取引条件が妥当でないと判断した場合には、本公開買付けに賛同しないことを併せて決議しております。
当社取締役会は、特別委員会に対し、(i)本取引に関して適切な判断を確保するために、当社の第三者算定機関、リーガル・アドバイザーその他のアドバイザー(以下「アドバイザー等」といいます。)を指名し又は当社のアドバイザー等を承認(事後承認を含みます。)する権限、(ii)本取引に関して適切な判断を確保するために、特別委員会のアドバイザー等を選任する権限(なお、特別委員会は、当社のアドバイザー等が高い専門性を有しており、独立性にも問題がないなど、特別委員会として当社のアドバイザー等を信頼して専門的助言を求めることができると判断した場合には、当社のアドバイザー等に対して専門的助言を求めることができるものとし、特別委員会のアドバイザー等の専門的助言に係る合理的費用は当社が負担することとしております。)、(iii)本取引に関して適切な判断を確保するために、当社の取締役、従業員その他特別委員会が必要と認める者に特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求める権限、(iv)本取引に関する取引条件に関する交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うことなどにより、取引条件に関する交渉過程に実質的に関与する権限を付与することを決議いたしました。
(ii)検討の経緯
特別委員会は、2020年11月16日から同月25日までの間に合計3回、合計約5時間に亘って開催されたほか、特別委員会の各開催日間においても電子メール等を通じて報告・情報共有、審議及び意思決定等を行う等して、本諮問事項に関して、慎重に協議及び検討を行いました。
具体的には、特別委員会は、まず、複数の法務アドバイザーの候補者の独立性及び専門性・実績等を検討の上、2020年11月10日、特別委員会独自の法務アドバイザーとして、アンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任いたしました。なお、アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、当社、公開買付者、読売新聞グループ本社、応募株主及びOasisの関連当事者には該当せず、本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。
また、特別委員会は、当社の第三者算定機関であり、かつ、財務アドバイザーであるGCA及び法務アドバイザーである西村あさひ法律事務所について、それぞれの独立性の程度、専門性及び実績等を確認したうえでこれらの選任を承認し、特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しております。
そのうえで、特別委員会は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言及び西村あさひ法律事務所から聴取した意見を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行っております。
特別委員会は、当社の経営陣に対して複数回特別委員会への出席を求め、公開買付者を含む複数の事業戦略パートナー候補先企業(当社は特別委員会に対してそれらの具体的な個社名を開示しています。)との協議状況、本取引の意義等、本取引の実施時期・方法、本取引後の当社の経営方針・ガバナンス及び事業計画(その作成経緯や前提条件を含みます。)等、当社の株式価値の考え方、本取引に関して想定されるシナジー、本Oasis提案の内容及びそれを受領するに至った経緯その他の事項等について当社の経営陣としての見解及び関連する情報を聴取するとともに、これらの事項について質疑応答を行っており、また、本Oasis提案との比較の観点から公開買付者に対して質問状を送付し、回答を得ております。
特別委員会は、当社に対し、公開買付者提案及び公開買付者及び読売新聞グループ本社との間で締結された資本業務提携契約(以下「本資本業務提携契約」といいます。本資本業務提携契約の詳細は、本意見表明プレスリリースの「4.本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「(3)本資本業務提携契約」をご参照ください。)に係る契約書のドラフト等を含む関連資料の提供を求め、その内容の検証を行い、これらの事項について質疑応答を行っております。
加えて、特別委員会は、当社が当社株式の株式価値の算定を依頼したGCAから、同社が実施した当社株式の価値算定に係る算定方法、前提条件、各算定方法による算定内容等について説明を受け、質疑応答を行っております。
2020年11月12日に当社が公開買付者及び読売新聞グループ本社から本公開買付価格を1,200円とすることを含む公開買付者提案を受領して以降、特別委員会は、本取引に係る当社と公開買付者との間の協議・交渉の経緯及び内容等につき当社から適時に報告を受けたうえでその対応方針等を協議してまいりました。そして、特別委員会は、独自の法務アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた助言並びに当社の財務アドバイザーであるGCA及び当社の法務アドバイザーである西村あさひ法律事務所から聴取した意見も踏まえて審議・検討を行ったうえで、前記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、当社をして、同年11月16日、公開買付者に対し、公開買付者提案は、当社株式の全てを1株当たり1,300円で買い取る旨のOasis買付けの内容を踏まえたものとなっておらず、また、本件と類似する近時の事例(完全子会社化の事例)における直近市場株価及び一定期間の平均市場株価に対するプレミアムの水準に達していないことを理由に、当社の企業価値を十分に反映した提案ではないとして、本公開買付価格の再検討及び本公開買付価格を1,350円とすることをそれぞれ要請しました。その後、当社は、公開買付者から、同年11月18日に本公開買付価格を1,250円とする旨の再提案を受けたため、特別委員会は、当社をして、同年11月20日、公開買付者に対し、同年11月16日に本公開買付価格の再検討を要請した理由と同様の理由により、やはり当社の企業価値を十分に反映した提案ではないとして、本公開買付価格の再検討及び本公開買付価格を1,300円以上とすることを再度要請して、当社と公開買付者との間の協議・交渉の過程に実質的に関与いたしました。その結果、当社は、2020年11月24日、公開買付者から、本公開買付価格を1株当たり1,300円とすることを含む最終提案を受けるに至りました。
さらに、特別委員会は、西村あさひ法律事務所から、複数回、当社が公表又は提出予定の本公開買付けに係るプレスリリース及び意見表明報告書の各ドラフト、並びに公開買付者が提出予定の本公開買付けに係る公開買付届出書のドラフトの内容について説明を受け、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から助言を受けつつ、充実した情報開示がなされる予定であることを確認しております。
(iii)判断内容
特別委員会は、以上の経緯の下で、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言も踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2020年11月26日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の答申書(以下「本答申書」といいます。)を提出しております。
(ア)本取引及び本株式譲渡の目的の正当性・合理性(本取引及び本株式譲渡が当社の企業価値向上に資するかを含む。)
当社グループは、新機軸に基づき経営目標とその達成のための経営課題を設定し、その解決に向けたアクションプランの実行を進めてきたところ、コロナ禍の影響下におけるイベントの中止・延期、プロ野球の開幕延期、ホテル利用のキャンセル、東京ドームシティの来場者数の減少、COVID-19予防対策によるコスト増等により、財務内容が相当に悪化することは避けられない状況となった。当社へのヒアリング等によれば、当社は、長期化が予想されるコロナ禍の影響を踏まえた中長期的な視点からの経営課題として、①「東京ドームシティ」の施設の老朽化、②「東京ドームシティ」内の各施設間の相乗効果の発現、③当社グループの事業間の相乗効果の創出、④経営体制の更なる透明化(ガバナンス強化)、⑤コロナ禍の影響長期化を見据えた対策の5点を認識しており、さらに、長期的な目標として「東京ドームシティ」全体の再整備の必要性を認識している。当社の事業環境を踏まえるとこのような経営課題の認識は合理的であり、これらの課題の解決に資する方策を講じることは、当社の企業価値向上に資すると認められる。
また、当社へのヒアリング等によれば、当社は、公開買付者から、本取引及び本株式譲渡のシナジーとして、(i)球団、スタジアム及び公開買付者の三社の一体運営による顧客満足度及び収益力の向上、(ii)公開買付者のノウハウの活用による当社の競争力強化、(iii)公開買付者、当社及び読売新聞グループ本社の顧客基盤の連携効果、(iv)スポーツ・エンターテインメントに関するノウハウ活用による公開買付者における街づくりの競争力強化、(v)将来の「東京ドームシティ」再整備における公開買付者の都市開発実績・ノウハウの活用が想定されるとの説明を受けている。また、当社側の観点からも、(a)COVID-19感染対策の促進と顧客満足度及び収益力の向上の同時推進、(b)「東京ドームシティ」における集客力の向上、(c)顧客基盤の連携による収益力の向上、(d)コロナ禍におけるコスト削減の推進と資金調達余力の向上、(e)「東京ドームシティ」全体の再整備の円滑な推進と価値の最大化の実現というシナジーが想定できる。両者が想定するシナジーに矛盾・齟齬はなく、これらのシナジーは、東京ドームシティの再整備を通じて①及び⑤の経営課題、公開買付者、読売新聞グループ本社及び当社のそれぞれのノウハウ及び顧客基盤の活用・連携を通じた事業の効率的な運営を通じて②、③及び⑤の経営課題を、それぞれ解決するものであると認められる(なお、経営課題④の解決は、上記の本取引及び本株式譲渡により想定されるシナジーとしては挙げられていないものの、公開買付者及び読売新聞グループ本社もガバナンスの重要性については十分に認識していることから、本取引及び本株式譲渡は経営課題④の解決にも資するものと評価することができる。)。
次に、当社へのヒアリング等によれば、上記の経営課題の解決のためには、相互送客、多様なノウハウの共有を含む事業戦略パートナーとの緊密な連携を行いつつ、短期的には当社の利益最大化に必ずしも直結しない先行投資や一時的なコスト増を伴う取組みを迅速に行っていく必要があり、抜本的な改革のための意思決定の柔軟性及び迅速性が重視されるところ、本取引及び本株式譲渡はこれを実現可能とするものであるから、他の手法によらず、本取引及び本株式譲渡の手法により経営課題の解決を目指すことは合理的と認められる。
また、当社へのヒアリング等によれば、当社はOasisから、Oasisによる公開買付けの実施を含む当社の経営改善のための提案を受けているが、当該提案内容は、短期的な東京ドームシティのサービスの改善に資源を集中するという内容であり、中長期的な視点からの戦略が必ずしも明らかでないこと、「東京ドームシティ」の土地の一部について開発等に対する都市計画法上の制約があることや、海外と日本のスタジアム運営に関するビジネスモデルの違いに対する理解が不十分である点が見受けられること、Oasisによる最初の提案からは10ヶ月程度が経過しており、当社との面談の機会も2020年2月中旬及び6月中旬に設けられたが、その提案内容が具体化することはなく、さらに、資金調達の見込みや、外資規制等の観点からの実現可能性も不明であることなどを踏まえると、その具体性及び実現可能性、すなわち真摯性に疑義があるものと言わざるを得ない。
さらに、本取引及び本株式譲渡を行うことによる特段のデメリットも認められない。
以上を踏まえると、本取引及び本株式譲渡の目的は正当かつ合理的なものであり、本取引及び本株式譲渡は当社の企業価値向上に資すると認められる。
(イ)本取引及び本株式譲渡に係る手続の公正性(当社の株主の利益への十分な配慮がなされているかを含む。)
この点については、(1)当社の独立社外取締役及び独立社外監査役から構成される特別委員会を設置しており、その設置時期、権限等からみても、特別委員会が公正性担保措置として有効に機能していると認められること、(2)当社取締役会において、本公開買付けにつき特別利害関係を有する取締役は存在しない(Oasisからの臨時株主総会における解任提案の対象となっている取締役及び過去に応募株主の取締役の地位にあった取締役についても、上記(1)の事情も踏まえれば、本取引及び本株式譲渡に関する当社取締役会の審議又は決議から除外されなければ手続の公正性が害されると考えるべき程の利害関係はない)と判断されることから、当社取締役10名全員の一致により本公開買付けへの賛同意見表明及び株主への応募推奨が決議され、当社監査役4名全員より、上記決議に異議がない旨の意見が述べられる予定であり、当社における意思決定プロセスにおいて公正性に疑義のある点は見当たらないこと、(3)当社は、当社、公開買付者、読売新聞グループ本社、応募株主及びOasisから独立したリーガル・アドバイザーである西村あさひ法律事務所の弁護士からの助言を得ていること、(4)当社は、当社、公開買付者、読売新聞グループ本社、応募株主及びOasisから独立した第三者算定機関であるGCAから当社株式の株式価値に関する資料として株式価値算定書を取得しており、公開買付者は、公開買付者、読売新聞グループ本社、応募株主及び当社から独立した第三者算定機関としてのファイナンシャル・アドバイザーであるPwCから株式価値算定書を取得する予定であること、(5)当社へのヒアリング等によれば、当社は複数の事業戦略パートナー候補先企業との協議を行った経緯があるほか、本公開買付けの買付期間は、31営業日に設定され、当社、公開買付者及び読売新聞グループ本社との間において、対抗的買収提案者との接触等を過度に制限するような内容の合意は行われない(本資本業務提携契約におけるブレークアップフィー条項については、その金額は過度に高額とはいえず、実質的に当社の株主に対して本取引及び本株式譲渡を承認することを強制する効果を持つような性質のものではなく、実務的にも合理的な範囲内のものといえる)ことなどから、マーケット・チェックが機能していると考えられること、(6)いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティの下限が設定されており、本公開買付けは、その成立に本公開買付けと利害関係のない一般株主の過半数の賛同(応募)を要するものとなっていること、(7)公開買付届出書、意見表明報告書並びに公開買付者及び当社の各プレスリリースにおいて、特別委員会に関する事項を含め、本取引及び本株式譲渡の実施に至るプロセスや交渉経緯について充実した情報開示がなされる予定となっており、当社の株主に対して取引条件の妥当性等についての判断に資する重要な判断材料は提供されていると認められること、(8)公開買付者は、本公開買付けにおいて当社株式の全てを取得するに至らなかった場合には、速やかに当社株式の全ての株式売渡請求を行い、又は株式併合を行うことを付議議案に含む臨時株主総会の開催を当社に要請する予定であり、その際には対価として交付される金銭が本公開買付価格に各株主の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一になるように算定する予定であることが明らかにされているなど、強圧性が生じないように配慮がなされていると認められること、の各点を挙げることができる。
以上を踏まえると、本取引及び本株式譲渡については、取引条件の形成過程における独立当事者間取引と同視し得る状況の確保及び一般株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会の確保という観点から、実効性のある公正性担保措置が採用及び運用されており、公正な手続を通じて当社の株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる。
(ウ)本取引及び本株式譲渡に係る取引条件の公正性・妥当性(本Oasis提案との比較を含む。)
まず、本公開買付価格の交渉状況についてみると、当社へのヒアリング等によれば、当社は、特別委員会における審議・検討に基づく特別委員会からの要請も踏まえ、公開買付者と交渉をした結果、複数回の価格の引き上げを経て本公開買付価格の最終合意に至ったとのことであり、特別委員会もその状況について詳細な説明を受けており、本公開買付価格の合意は、当社と公開買付者との間において、独立当事者間に相当する客観的かつ整合性のある議論を踏まえた交渉の結果なされたものであることが推認され、合意プロセスの透明性や公正性を疑わせるような事情は見当たらない。
次に、当社が取得した株式価値算定書の前提となる事業計画についてみると、当社へのヒアリング等によれば、事業計画は、本取引及び本株式譲渡が実施される可能性が具体的に認識された後に作成されたものではあるものの、本取引及び本株式譲渡とは無関係に次期中期経営計画に織り込むために策定されたものであり、当社の置かれた事業環境及び今後の事業戦略の実現可能性を前提とした最善の見積もりに基づくものである。当社へのヒアリング等によれば、公開買付者及び読売新聞グループ本社の指示により、又はその意を汲んで策定又は修正が行われたという事実は認められず、その他その合理性を疑わせる事情も見当たらない。
次に、当社が取得したGCAの株式価値算定書についてみると、株式価値算定書においては、この種の取引において一般的に用いられる市場株価平均法及びDCF方式が採用され、継続企業を前提とした企業価値評価がなされている。GCAに対するヒアリング等によれば、それらの算定方法及び算定根拠について、いずれも不合理な点は見当たらず、特別委員会は、当社株式の株式価値の検討に当たり、当該株式価値算定書に依拠することができるものと評価した。そして、本公開買付価格は、当該株式価値算定書において(i)市場株価平均法により算定された当社株式の1株当たり株式価値の上限を超過しており、かつ、(ii)DCF方式により算定された当社株式の1株当たり株式価値のレンジの上限付近にあることが認められる。さらに、本公開買付価格(1株当たり1,300円)は、2020年11月26日までの東京証券取引所における当社株式の終値(同日の終値及び直近1ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月の終値の平均値)に対して44.93%~62.09%のプレミアムが付されており、GCAに対するヒアリング等によれば、コロナ禍後の公開買付けにおけるプレミアムは、概ね過去一定期間の市場株価の終値に対して40~50%程度であるということであるから、それとの比較の観点からみても、本公開買付けにおいては他の案件と遜色ないプレミアム水準が確保されていると認められる。加えて、2020年1月30日時点におけるOasisによる公開買付けの提案に係る公開買付価格は1株当たり1,300円であるが、同提案がコロナ禍以前のものであることや、同提案に比して本取引及び本株式譲渡のシナジーにはより高い具体性及び実現可能性が認められることからすれば、それと同額の本公開買付価格は、本Oasis提案との比較においても合理的な水準にあると認められる。
また、買収の方法及び対価の点からみても、当社株主が受領する対価が現金であることから、対価の分かり易さ、並びにその価値の安定性及び客観性が高いという点で本取引は望ましく、公開買付け後の株式売渡請求又は株式併合においても、当社株主が本公開買付価格に相当する対価を受け取ることができる予定であることが明らかにされている。加えて、当社へのヒアリング等によれば、読売新聞グループ本社は、その傘下にある読売巨人軍が当社の重要顧客であるという当社との関係及び公開買付者を中心に本取引及び本株式譲渡の検討が進められてきたという経緯を踏まえ、公開買付者による当社の完全子会社化後に、その所有株式の一部を譲り受ける予定であるとのことであり、この点にも不合理な点は見当たらない。
以上を踏まえると、本取引及び本株式譲渡全体について、本Oasis提案との比較を踏まえても、取引条件の公正性及び妥当性が確保されていると認められる。
(エ)当社取締役会が本公開買付けに対して賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非
上記(ア)~(ウ)についていずれも問題があるとは考えられないことを踏まえると、当社取締役会が本公開買付けに対して賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは相当と認められる。
(オ)本取引及び本株式譲渡を行うこと(当社取締役会が本公開買付けに対して賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを含む。)は当社の一般株主にとって不利益ではないか
上記(ア)~(ウ)についていずれも問題があるとは考えられないことを踏まえると、本取引及び本株式譲渡を行うこと(当社取締役会が本公開買付けに対して賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを含む。)は当社の一般株主(本完全子会社化手続における少数株主を含む。)にとって不利益ではないと認められる。
⑥ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見
当社は、第三者算定機関であるGCAの本当社株式価値算定書の内容及び西村あさひ法律事務所から受けた法的助言を踏まえ、特別委員会から取得した本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引に関する諸条件について慎重に審議及び検討を行った結果、2020年11月27日開催の取締役会において、当社は、前記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、本取引及び本株式譲渡を含む公開買付者提案に応じることは当社の中長期的な企業価値の向上に資するものであり、また、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的なプレミアムを付した価格及び合理的な諸条件により当社株式の売却の機会を提供するものであると判断し、当社の取締役10名のうち、審議及び決議に参加した当社の取締役10名の全員一致で、当社の意見として、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。また、上記取締役会には、当社の監査役4名全員が出席し、出席した監査役はいずれも上記決議を行うことについて異議がない旨の意見を述べております。
なお、上記取締役会に参加した当社の取締役のうち長岡勤氏、秋山智史氏及び森信博氏については、当社が開示した2020年10月19日付「株主による臨時株主総会の招集請求に関するお知らせ」においてお知らせいたしましたとおり、当社株主であるOasis Investments II Master Fund Ltd.から同日付で受領しました臨時株主総会の招集請求を受けて同年12月17日に開催の臨時株主総会の第1号議案乃至第3号議案において取締役の地位からの解任が提案されていました。当社は、Oasis Investments II Master Fund Ltd.を運営するOasisから本Oasis提案を受領していることに加えて、上記の取締役の解任議案が提案されている状況にも鑑みて、前記「⑤当社における特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本Oasis提案との比較の観点を含め、本取引の実施の是非やストラクチャーを含む取引条件の妥当性及び公正性を慎重に検討する必要があることを踏まえ、同年11月10日に開催した取締役会の決議により、特別委員会を設置した上で、特別委員会に本取引に係る公開買付者との間の協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告し、特別委員会の意見を取得しながら、公開買付者との間の協議・交渉を進めており、本取引に関する当社の意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性が確保されていると考えております。そのため、当社は、Oasis Investments II Master Fund Ltd.を運営するOasisから本Oasis提案を受領している状況であっても、2020年12月17日に開催の臨時株主総会において取締役の地位からの解任が提案されている上記の取締役には、本取引に関する当社取締役会の審議又は決議から除外されなければ手続の公正性が害されると考えるべき程の利害関係はないものと判断しております。
また、上記取締役会に参加した当社の取締役のうち森信博氏は、過去に応募株主の取締役の地位にあったものの、同氏は、2004年4月に応募株主(旧商号:株式会社みずほコーポレート銀行)の役員を退任し、以降応募株主との兼職関係はなく、指示を受ける立場にもありません。さらに、当社は、上記のとおり、特別委員会を設置してその意見を取得する等により、本取引に関する当社の意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性が確保されていると考えております。そのため、当社は、過去に応募株主の取締役の地位にあった森信博氏には、本取引に関する当社取締役会の審議又は決議から除外されなければ手続の公正性が害されると考えるべき程の利害関係はないものと判断しております。
⑦ 公開買付者以外の者からの買付け等その他の取引機会を確保するための措置
本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「②公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、当社は、公開買付者以外の複数の事業戦略パートナー候補先企業との協議を行ったものの、その協議が整わず最終提案を受けるまでには至らなかったため、最終的に当社との資本業務提携の検討を辞退する旨の通知を受領するに至ったことや本Oasis提案との比較検討を通じて、本取引及び本株式譲渡に係る公開買付者及び読売新聞グループ本社との間の協議・交渉を経て、最終的に、本公開買付けの実施を含む公開買付者提案を受け入れるに至った経緯があります。そのため、当社は、公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等その他の取引機会は十分に設けられていたと考えております。
⑧ 当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置
公開買付者は、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(i)本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する株式数に応じて、当社株式の全て(当社が所有する自己株式を除きます。)の本株式売渡請求をすること又は本株式併合及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む株主総会の開催を当社に要請することを予定しているとのことであり、当社の株主の皆様に対して株式買取請求又は価格決定の申立ての機会が確保されない手法は採用しないこと、(ii)本株式売渡請求又は本株式併合をする際に、当社の株主の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(当社及び公開買付者を除きます。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一となるように算定されることを明らかにしていることから、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているとのことです。
また、公開買付者は、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間は20営業日であるところ、公開買付期間を31営業日としているとのことです。公開買付期間を比較的長期にすることにより、当社の株主の皆様に対して本公開買付けに対する応募につき適切な判断機会を確保しているとのことです。
さらに、公開買付者は、本公開買付けの終了後速やかに、上記の当社を完全子会社化するための手続を行う予定とのことであり、また、当社においても、公開買付者より上記請求及び要請を受けた場合、直ちに必要な手続を実施することを予定しております。したがって、本取引においては、本公開買付けが成立した場合には可及的速やかに当社の完全子会社化を行うことが予定されており、その意味でも強圧性の排除への配慮がなされております。
4. 本株式併合の効力が生ずる日
2021年4月27日(予定)
以上