訂正有価証券報告書-第80期(平成25年9月1日-平成26年8月31日)

【提出】
2015/04/10 16:40
【資料】
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【項目】
112項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、国の経済金融政策等を背景に、輸出企業を中心に企業業績は改善しつつあります。また、東京五輪開催が決定するなど、景気回復の期待感も高まり、個人消費や雇用情勢に明るい兆しが見られはじめました。しかしながら、国際的な政情不安や国内の消費増税等の企業収益及び個人消費に与える影響が懸念されるなど、先行き不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループ(当社及び連結子会社)は、経営基盤の改善及び収益力の向上に努めております。これらの取り組みの一環として、当社では、引き続き中期3カ年事業計画「明治座リニューアルプラン」を基に、顧客満足の向上及び企業体質の改善に注力してまいりました。興行事業部門においては、収益基盤強化のため、営業体制を見直し、人員増強及び営業エリアの拡大による新規顧客開拓を積極的に進めました。また、劇場稼働率向上にむけ、通常公演終了後の第三部として落語公演開催などを試みました。附帯事業部門や各子会社においても、安定した収益を確保するため、営業力の強化と商品開発に力を注ぐ一方、業績が好転できない店舗については、整理を行いました。このほか、当社では、各銀行1~5年期間の借入金145億円について、全額一括のリファイナンス(シンジケートローン)を行いました。これにより、今後の資金調達の安定化と金融費用の大幅な改善が見込まれます。なお、これに係る費用については、当連結会計年度の営業外費用に計上しております。
その結果として、当連結会計年度の業績は、売上高121億9千5百万円(前連結会計年度(以下前期という)比17.6%減)、経常損失3億4千5百万円(前期経常利益は5億2千1百万円)と大幅な減収減益となりました。これに特別利益として附帯事業店舗移転補償金2億円を、特別損失として附帯事業の不採算店舗整理等による固定資産除却損1千5百万円及び投資有価証券評価損1千3百万円等を計上した結果、当期純損失は2億円(前期当期純利益は2億9千7百万円)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
①興行事業
当連結会計年度の公演は、萩本欽一最後の舞台としてメディアでも話題となった「欽ちゃん奮闘公演THE LASTほめんな ほれんな とめんな」(3月)、人気、実力ともに兼ね備えた女優陣が艶やかに贈った「細雪」(6月)、多彩で豪華な日替わりゲストを迎えた「五木ひろし芸能生活50周年記念公演 歌舞奏スペシャル」(7月)など大変ご好評を頂きましたが、全体としてお客様に評価頂ける公演が少なく、その結果、売上高は27億5千3百万円(前期比33.4%減)と大幅な減収となり、セグメント損失は2億4千2百万円(前期は2億5千7百万円の営業利益)となりました。
②附帯事業
興行事業の集客減により劇場売店収入等の減収及び不採算店舗の整理等により売上高は31億6千6百万円(前期比8.5%減)となり、セグメント利益は9千5百万円(前期比41.2%減)となりました。
③不動産事業
浜町センタービルの3年間の賃料減額契約の3年目であり、売上高は13億5千3百万円(前期比6.9%減)となり、セグメント利益は5億4千2百万円(前期比8.6%減)となりました。
④内装工事事業
依然として厳しい市況のなか、受注力の強化に努めましたが、売上高は36億3千2百万円(前期比7.8%減)となり、セグメント利益は1億9千万円(前期比8.5%減)となりました。
⑤その他
他劇場の公演活動及び地方巡業公演の減少等により、売上高は12億8千8百万円(前期比29.2%減)となり、セグメント利益は1億9千4百万円(前期比19.0%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、固定資産の取得及び借入金の返済、社債の償還等がありましたが、それらを営業活動によるキャッシュ・フローによる収入でカバーし、前期末に比べ5千3百万円増加し、当連結会計年度末には14億8千4百万円(前期末比3.8%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は6億9千6百万円(前期比14.6%減)となりました。これは、税金等調整前当期純損失1億7千4百万円、預り敷金及び保証金の減少2億4千4百万円等があったものの、減価償却費10億7千1百万円等の計上があったことが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は2億5千3百万円(前期は1億8千2百万円の減少)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出2億5千8百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動に係る収支は.3億9千4百万円の支出超過(前期は3億6千6百万円の支出超過)となりました。これは主として、リース債務の返済1億5千9百万円の支出及び有利子負債の減少(純額で2億9百万円)等によるものであります。