有価証券報告書-第37期(平成25年2月1日-平成26年1月31日)

【提出】
2014/04/30 9:31
【資料】
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【項目】
83項目

業績等の概要

(1)企業集団の業績の経過及び成果
当連結会計年度における我が国経済は、政府による「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現」を図るための経済財政対策、それに連動した日銀による大胆な金融政策の実施などにより、円安方向への動きや株価上昇による資産効果や消費マインドの改善を背景に景気は緩やかながら回復基調で推移してきております。
今後も着実な景気拡大が続くと見られますが、一方で、世界の政治経済動向や、我が国の貿易収支問題、消費税率の引き上げ後の経済への影響などの不透明な部分を考えると、経済財政政策の実施が、政府が目指す「経済の好循環」にどのように繋がっていくかが注目されるところであります。
このような経済情勢下において、プロ野球界は、2013年3月に開催された第3回ワールド・ベースボール・クラッシックに「侍ジャパン」として参加しましたが、準決勝で敗退し3連覇を逃しました。
こうした中、開幕を迎え、セ・リーグでは、読売ジャイアンツが圧倒的な戦力を活かし、開幕から安定した戦いを繰りひろげ、ペナントレース、クライマックスシリーズを制しました。パ・リーグでは、混戦が予想される中、田中投手の活躍を原動力に東北楽天イーグルスが球団創設9年目で初のペナントレース、クライマックスシリーズを制し、その勢いのまま日本シリーズで読売ジャイアンツを破り、初の日本一に輝きました。
一方、当球場でのプロ野球公式戦は、前年に比べ5試合多い68試合を開催することができました。
2年目を迎えた横浜DeNAベイスターズは、開幕からの打撃陣の活躍などにより、一時はクライマックスシリーズ進出に手の届くところまで行きましたが、最終結果は、最下位は脱出したものの、5位に終わりました。
このような状況で当球場のプロ野球公式戦入場者数は、開幕戦を除く全試合が天候に恵まれ順調に試合消化することができたことなどもあって、1,356千人、前年同期比307千人の増加となりました。
また、その他催し物及びアマチュア利用では、恒例のプロ野球オープン戦・県高校野球大会・都市対抗野球県予選・アメリカンフットボール・企業運動会などのほか、「アジアン・カンフージェネレーション」2日、「キムジェジュン」2日、「TUBE」、「SID」、「湘南乃風」のコンサートを計7日間、「AKB48」握手会2日間などを開催し、観客ご利用者数679千人、前年同期比100千人の増加となり、当球場での総観客・ご利用者数は2,035千人、前年同期比408千人増加となりました。
このような環境の中で、当社グループは、当球場の「コミュニティーボールパーク」化構想のもと、「エキサイティング・シート、ペア・シート、ボックスシートの新設」、「スコアボード全面カラービジョン化」、「ベイ・ラウンジ(個室観戦ルーム)の設置」、「内野コンコースの全面改修」、「内野コンコーストイレ改修」等、さらに、お客様へのサービス向上と利便性に配慮した施設整備工事を実施しました。
また、シーズン・オフには、2014年シーズンの開幕に合わせ、「ベイダイヤモンド・シート」、「パーティースカイデッキ・シート」、「外野店舗の改修とトイレの移設」等、さらにお客様の快適環境に配慮した工事に着手いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は、広告部門において厳しい広告業界の経営環境を受け前年同期比31百万円減少しましたが、球場部門、販売部門が、プロ野球観客動員数の増加、公式戦試合数の増加などにより、前年同期比121百万円、371百万円とそれぞれ増加し、また、その他部門においても、「AKB48握手会」などを開催したことにより、前年同期比25百万円増加したため、全体で3,577百万円、前年同期比487百万円15.7%増加となりました。
しかしながら、売上原価が施設整備工事の完成による減価償却費の増加、販売部門収入の増加による商品原価の増加などにより、前年同期比481百万円、20.5%増加したため、営業利益は、386百万円、前年同期比22百万円6.2%増加となり、経常利益では、有価証券利息の増加にともなう営業外収益が54百万円増加したことにより、596百万円、前年同期比76百万円14.7%増加、当期純利益は356百万円、前年同期比65百万円22.6%増加となりました。
なお、当社グループの事業は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が596百万円と前連結会計年度に比べ76百万円増加し、また、有価証券の償還1,000百万円、投資有価証券の償還1,400百万円、定期預金の純減少額200百万円があったものの、投資有価証券の取得2,213百万円、設備工事負担金1,182百万円の支出等があったため、当連結会計年度末は1,944百万円(前年同期比529百万円21.4%減少)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、787百万円(前年同期比48百万円6.6%増加)となりました。これは、球場部門の売上高が、プロ野球公式戦観客動員数の増加、公式戦試合数の増加などにより前年同期比121百万円増加、販売部門での売上高も、入場者数の増加によるプロ野球での売上の増加、コンサートグッズの売上の増加などにより、前年同期比371百万円増加、その他部門も前年同期比25百万円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は1,120百万円(前期は資金の増加1,074百万円)となりました。これは、有価証券の償還が1,000百万円、投資有価証券の償還1,400百万円、定期預金の純減少額200百万円あったものの、投資有価証券の取得が2,213百万円、無形固定資産の取得が305百万円、設備工事負担金の支出が1,182百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、196百万円(前年同期比8百万円4.3%増加)となりました。これは、リース債務の返済と配当金の支払によるものであります。