訂正有価証券報告書-第36期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/07/21 9:47
【資料】
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【項目】
114項目

業績等の概要

(1) 業績
(当期の経営成績)
当連結会計年度におけるわが国経済は、「アベノミクス」と呼ばれる金融緩和や景気対策などによって、景気は緩やかな回復基調を続けていますが、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動及び、円安の進行に伴う輸入原材料価格の値上がりなど不透明要因が生じています。
当社グループが属するゴルフ業界は、景気回復に対する期待感の高まりを背景として、団塊世代の旺盛なプレー需要を中心として、プレー需要は総じて安定して推移した一方、台風や集中豪雨などによる営業日数の減少に伴い、入場者数は前年水準で推移いたしました。
このような状況の下、当社グループは、運営施設の集客に取り組む一方、2017年3月期(平成28年度)を最終年度とする新中期経営計画(Accordia Vision2017)における基本戦略(「循環型ビジネス・モデルによるキャピタルゲイン創出」「運営受託事業拡大による安定的キャッシュ創出」)を進め、以下の経営施策に取り組みました。
(ビジネス・トラストによるアセットライト取引等及び自己株式取得の実施)
当社は、当社の経営課題であった資産効率の改善等を目的として、平成26年8月1日、ビジネス・トラストによるアセットライトに関する取引を実施し、これに伴い、シンガポールで組成されたビジネス・トラストであるAccordia Golf Trust(以下「AGトラスト」といいます。)の発行する出資証券(ユニット)は、同日付で、シンガポール証券取引所に上場されました。
また、当社は、ビジネス・トラストによるアセットライトに伴い、90コースのゴルフ場(付随する施設等を含みます。)に係る運営事業の譲渡の対価および既存貸付金等の回収金として、合計で、約1,132億円(このうち、当社が取得したビジネス・トラストのユニット(発行された全ユニットの28.85%)に係る金額約253億円については、相殺処理を行ったため、当社による現金の受領はありません。)を受領いたしました。
さらに、当社は、資本効率の改善及びこれに伴う自己資本利益率(ROE)の上昇等を目的として、公開買付期間を平成26年8月5日から同年9月1日とする自己株式の公開買付けを実施し、ビジネス・トラストによるアセットライトを通じて受領した資金の一部等をもって、同年9月29日にその決済を完了いたしました。
これらの取り組みによって、当社グループが重要な経営指標として位置付けるROEは、8.7%(当期純利益÷期首期末平均自己資本)と、平成26年3月期末と比較して向上いたしました。
今後も、保有するゴルフ場の収益向上を図り、収益性の安定が確認されたゴルフ場に関しましては、追加的なアセットライト取引の準備を鋭意進めております。
(ゴルフ場運営事業)
お客様にリーズナブルな価格で価値のある商品・サービスを気軽に楽しんでいただける仕組みの構築を進めるとともに、ゴルフ場ブランドの構築や当社独自のポイントプログラムの実施、直営・提携ゴルフ練習場との連携強化などお客様の集客策を進めました。当連結会計年度におけるゴルフ場入場者数(当社グループの保有コース及び運営受託契約を締結しているゴルフ場の入場者数)は、811万人(前年同期間比26万人増加)となりました。
(ゴルフ場の取得と売却によるゴルフ場ポートフォリオの最適化)
数年前から進めている優良なゴルフ場を大都市圏に集約し収益基盤を強化するゴルフ場ポートフォリオ戦略に基づき、当連結会計年度は、良好なゴルフ場取得案件からゴルフ場1コース(京都府)の取得を行い、当連結会計年度末の運営ゴルフ場数は137コース(保有44コース、ゴルフ場の運営に係る契約を締結しているコース数は93コース)となりました。
なお、上記コース数の他、ゴルフ場1コース(千葉県)のスポンサー契約を締結しています。
(ゴルフ練習場運営事業)
国内のゴルフ練習場数が減少を続ける中、旺盛なプレー需要を背景として、充実した練習環境の提供など、各直営ゴルフ練習場とも地域一番店を目指して、サービスの強化を図っています。さらに、スクール運営の積極展開やゴルフ練習場主催のゴルフコンペ開催などゴルフ場との相乗効果を強化し、当社運営ゴルフ場における延べ入場者数のうち約7.2%を直営・提携ゴルフ練習場から送客するなど、着実に連携を強化しています。
なお、当連結会計年度末の運営ゴルフ練習場数は25ヶ所です。
これらの結果、当連結会計年度の営業収益は、当社が実施したビジネス・トラストによるアセットライトに伴い、実施時に当社グループが保有していたゴルフ場133コースのうち90コースの運営事業を譲渡したことにより、前連結会計年度と比較し28,074,283千円(前連結会計年度比30.5%)減少の63,908,868千円となりました。
営業利益は、上記営業収益減少の影響を受けるとともに、ビジネス・トラストによるアセットライト実施にかかった費用が発生したものの、90コースの運営事業の譲渡によって営業費用が減少したこと及びグループ全体でコスト削減の取り組みを行ったこと等により、前連結会計年度と比較し4,915,615千円(同40.1%)減少の7,330,897千円となりました。
経常利益は、新規借入に伴いシンジケートローン手数料が300,750千円増加したこと及びシンガポールで組成されたAGトラストを持分法適用範囲に含めたこと等により持分法による投資損失が1,159,343千円増加したこと等により、前連結会計年度と比較し6,781,593千円(同65.7%)減少の3,536,959千円となりました。
当期純利益は、子会社株式の取得に伴う負ののれん発生益527,531千円が発生したこと、アセットライト対象ゴルフ場90コースを保有する当社子会社の株式を匿名組合出資として現物出資し、その匿名組合出資持分を譲渡したこと等により発生した関係会社株式売却益6,180,783千円を主因として、前連結会計年度と比較し1,398,036千円(同30.3%)増加の6,015,212千円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により4,727,894千円減少し、投資活動により83,968,094千円増加し、財務活動により80,349,996千円減少しました。この結果、資金の残高は前連結会計年度と比べ1,109,796千円(前連結会計年度比24.2%)減少し3,485,043千円となりました。
各活動別のキャッシュ・フローの状況につきましては以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により使用した資金は、4,727,894千円となりました。前連結会計年度は営業活動により得られた資金が11,557,380千円であったため、前期比16,285,275千円(△140.9%)減少となりました。使用した資金の主な内容は、前連結会計年度にはなかった持分法による投資損失1,162,628千円の発生があったものの、アセットライト実施に伴い子会社株式を売却したことにより関係会社株式売却益が6,180,783千円あったこと及び法人税等の支払額が9,736,871千円増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により得られた資金は、83,968,094千円となりました。前連結会計年度は投資活動により使用した資金が5,012,532千円であったため、前期比88,980,627千円(1775.2%)増加となりました。増加の主な内容は、有形固定資産の取得による支出が1,973,537千円減少したこと及びアセットライト実施により連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入が86,707,995千円増加したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、前連結会計年度と比較して72,576,451千円(同933.6%)増加し80,349,996千円となりました。増加の主な内容は、アセットライト実施に伴ったリファイナンスを主因として短期借入金の純増減額が17,403,689千円減少したこと、長期借入れによる収入が46,398,000千円増加したものの長期借入金の返済による支出が53,060,454千円増加したこと及び自己株式の取得による支出が45,000,287千円発生したこと等によるものであります。