有価証券報告書-第37期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

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2014/06/30 10:02
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業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における国内経済は、政府や日本銀行による経済政策・金融政策などを背景に円安・株高が進み企業収益の改善を受けて設備投資にも持ち直しが見られ、また雇用・所得環境の改善や消費税率引上げに伴う駆け込み需要により個人消費が増加するなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。
ソフトウェア業界及び情報サービス業界においても、企業のIT関連投資を含む設備投資に回復の兆しが見られるなど、事業環境は改善傾向にあります。
このような経営環境のもと、当社グループは第2次中期経営計画(平成24年3月期~平成26年3月期)の最終年度を迎え、経営ビジョンである「顧客基盤と安定収入の拡大に継続的に取り組むとともに、インターネット技術を利用した多様化するビジネスモデルをはじめ、さまざまな環境変化に柔軟に対応できる経営基盤の確立」の実現に向けた取り組みを行ってまいりました。
会計事務所向けには、主力システム『ACELINK NX-Pro(エースリンク エヌエックス プロ)』を提供し、「事務所経営の最適化」による生産性の向上と付加価値の高い顧問先サービスの創出を支援しております。さらに、会計事務所の顧問先企業向けに、同システムとシームレスにデータ連携するクラウド上のIDC(インターネット・データセンター)対応システム『iCompass NX(アイコンパス エヌエックス)』及び『ACELINK NX 記帳くん』を新たに開発・提供し、会計事務所と顧問先企業における更なる業務効率化を支援しております。また、会計事務所における所長の高齢化等に伴う事業承継問題に対して、専門組織を新設して円滑な事業承継を支援する取り組みを開始しました。
中小企業向けには、新ERPシステム『MJSLINK NX-Ⅰ(エムジェイエスリンク エヌエックスワン)』を開発し、昨年4月より販売を開始して積極的な市場拡大を図っております。中堅企業向けのERPシステム『Galileopt NX-Ⅰ(ガリレオプト エヌエックス ワン)』においては、ワークフローシステムのスマートデバイス対応や外貨建て債権債務管理のオプションシステムを開発・提供するなど、多様な顧客ニーズに即した機能強化を継続的に行いました。
さらに、各種システムにおいて、本年4月から実施されている消費税率引き上げへの対応を行うとともに、継続的な機能強化や外部システムとの連携強化を図ることにより、総合的なソリューション力の強化に努めております。その一環として、昨年10月に連結会計システムの開発販売等を手掛けるプライマル株式会社と資本業務提携を行いました。個別会計から連結会計、企業情報開示、さらに連結納税まで、グループ経営を広範囲にわたって支援するソリューション提供に向けて、今後、両社の専門分野を活かしてXBRLを活用した先進的なシステム開発を共同で行うなど、将来を見据えた事業活動を展開しております。
販売面では、お客様の関心の高い消費税法改正や経理業務の効率化に関する実務セミナーの全国開催や、人材・組織戦略のための総合イベントへの主力製品の出展など、様々な販売促進活動を展開するとともに、お客様へのソリューション提案力を強化するための人材教育に注力し、新規顧客の開拓を推進しました。
サービス面では、カスタマーサービスセンター(コールセンター)におけるサービスレベルの向上、ハードウェアやネットワークに関連する保守サービスの自営化(自社でサービスを提供する)の推進、サポート要員の継続的な育成、経営情報サービスの高度化など、顧客満足度の向上に向けた取り組みを行いました。
一方、インターネット技術を利用したクラウドサービスやマルチデバイス対応など、新たなサービス提供に向けた研究、製品開発を継続的に進めております。その一つとして、昨年9月より、個人向けにマルチデバイス対応のお金管理アプリ『Money Tracker(マネトラ)』シリーズ、3種類を無料で提供開始しました。また、中小企業・ベンチャー企業のビジネスパーソンを支援するビジネス情報サイト『bizocean』の登録会員数が110万人を突破するなど、今後さらにインターネット技術を活用したB to Cビジネスへの取り組みを強化してまいります。
お客様に対して最適な経営システム及び高品質なサービスを提供し、顧客基盤の維持・拡大を図ることにより、安定的な利益創出と企業価値向上に努めました。
このような事業活動により、当連結会計年度における業績は増収増益となり、利益面においては3期連続の過去最高益を更新しました。
当連結会計年度の業績は、売上高220億77百万円(前年同期比5.5%増)、営業利益23億90百万円(前年同期比5.1%増)、経常利益24億22百万円(前年同期比6.0%増)、当期純利益13億89百万円(前年同期比16.9%増)となりました。
当連結会計年度の品目別の売上高は以下のとおりであります。
(システム導入契約売上高)
ハードウェア売上高は、前年同期比3.7%増の27億17百万円、ソフトウェア売上高は、会計事務所向け主力システム及び中小企業向けERPシステム等の販売が好調に推移したため、前年同期比6.6%増の91億76百万円となりました。ユースウェア売上高は、前年同期比0.7%減少し26億46百万円となりました。
この結果、システム導入契約売上高の合計は、前年同期比4.7%増加し145億41百万円となりました。
※「システム導入契約売上高」は、システム導入契約時の売上高の合計として、ハードウェア、ソフトウェア、ユースウェア(システム導入支援サービス等)の売上高から構成されております。
(サービス収入)
会計事務所向けの総合保守サービスであるTVS(トータル・バリューサービス)収入は、前年同期比2.0%増加し17億79百万円となりました。ソフト使用料収入は、会計事務所の顧問先企業向けの低価格なソフト使用料収入が伸張し、前年同期比11.6%増の7億13百万円となりました。企業向けのソフトウェア運用支援サービス収入は、新規顧客開拓により契約数が増加し、前年同期比9.6%増の29億53百万円となりました。ハードウェア・ネットワーク保守サービス収入は前年同期比1.9%減少し10億73百万円、サプライ・オフィス用品は前年同期比7.1%増加し6億50百万円となりました。
この結果、サービス収入の合計は、前年同期比5.7%増加し71億73百万円となりました。
※「サービス収入」は、主に継続的な役務の対価となる安定的な収入として、ソフト保守やHW・NW保守サービス、ソフト使用料収入、サプライ・オフィス用品等の売上高から構成されています。
売上高前年同期比較 (単位:百万円、%)
前連結会計年度当連結会計年度前年同期比較
(自 平成24年4月1日(自 平成25年4月1日
至 平成25年3月31日)至 平成26年3月31日)
売上高構成比売上高構成比増減額前期比
ハードウェア2,62112.52,71712.3963.7
ソフトウェア8,60541.19,17641.65706.6
ユースウェア2,66412.72,64612.0△17△0.7
システム導入契約売上高13,89166.414,54165.96494.7
TVS1,7448.31,7798.1352.0
ソフト更新料20.020.0△0△12.6
ソフト使用料6393.17133.27411.6
ソフトウエア運用支援サービス2,69512.92,95313.42579.6
HW・NW保守サービス1,0935.21,0734.9△20△1.9
サプライ・オフィス用品6072.96502.9437.1
サービス収入6,78332.47,17332.53895.7
その他2461.23621.611647.1
合計20,922100.022,077100.01,1555.5

(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末より15億26百万円増加し、45億82百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその要因は、以下の通りであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、31億79百万円の収入(前年同期は4億11百万円の収入)となりました。
これは主として、税金等調整前当期純利益24億20百万円、減価償却費6億16百万円、売上債権の減少額6億25百万円がそれぞれキャッシュ・フローの収入となり、法人税等の支払額3億69百万円、貸倒引当金の減少額17百万円がそれぞれキャッシュ・フローの支出となったことによるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、3億99百万円の支出(前年同期は5億60百万円の支出)となりました。
これは主として、定期預金の払戻による収入3億28百万円があったものの、定期預金の預入により2億28百万
円、有形固定資産の取得のために1億62百万円及び無形固定資産の取得のために2億87百万円支出したことによ
るものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、12億53百万円の支出(前年同期は6億57百万円の支出)となりました。
これは主として、長期借入による収入6億円があったものの、長期借入金の返済による支出10億53百万円、社
債の償還による支出3億80百万円、配当金の支払額3億68百万円によるものであります。