有価証券報告書-第47期(平成27年5月1日-平成28年4月30日)

【提出】
2016/07/29 13:47
【資料】
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【項目】
107項目

事業等のリスク

当社グループの経営成績、株価及び財務状況に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(法的規制について)
1) 「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」等による規制について
医薬事業は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、医薬品医療機器等法)、健康保険法、薬剤師法をはじめとした各種許認可、免許、登録、届出等により、厚生労働省及び都道府県保健福祉部の監督の下、保険薬局及び調剤薬局(以下、(4)事業等のリスクにおいて「保険調剤薬局」という。)を営業しております。
また、物販事業のドラッグストア事業においても、同様に医薬品医療機器等法に基づく医薬品の販売を行っております。
その主要な内容は次のとおりであります。
許可、登録、指定、免許、届出の別有効期間関連法令登録等の交付者
薬局開設許可6年医薬品医療機器等法各都道府県知事
保険薬局指定6年健康保険法厚生労働省地方厚生局長
麻薬小売業者免許2年麻薬及び向精神薬取締法各都道府県知事
医療用具販売届出無制限医薬品医療機器等法各都道府県知事
高度管理医療機器販売業6年医薬品医療機器等法各都道府県知事
医薬品販売業許可(注)6年医薬品医療機器等法各都道府県知事等

(注)医薬品販売業許可は、医薬品医療機器等法第25条において、店舗販売業、配置販売業、卸売販売業の3つの許可に区分されております。当社グループの物販事業は、店舗販売業の許可を受けております。
万一、当社グループの保険調剤薬局及びドラッグストア事業において、医薬品医療機器等法第75条第1項、健康保険法第80条各号及び麻薬及び向精神薬取締法第51条第1項等に規定される法令違反等に該当する行為があり、監督官庁から業務停止命令及び取消し等を受けた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
2) 医薬品の販売規制緩和について
一般用医薬品の販売については、医薬品医療機器等法によってリスク区分に応じて要指導医薬品及び第1類医薬品は薬剤師のみが、第2類医薬品及び第3類医薬品は薬剤師または登録販売者が販売しなければならないと規制されております。
また、「薬事法の一部を改正する法律(施行日:平成26年6月12日)」により、一般用医薬品のネット販売も解禁されました。今後においても、医薬品販売に係る規制緩和の動向により、異業種の同事業への参入等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(医薬事業について)
当社グループの医薬事業では、保険調剤薬局のチェーン展開を行っております。
当連結会計年度における売上高において、医薬事業が占める割合は89.9%であり、今後も保険調剤薬局店舗を主軸とした多店舗展開を継続する方針であります。したがって、保険調剤薬局の出店政策の成否や同業他社の出店動向により、当社グループの経営成績は影響を受ける可能性があります。
また、保険調剤薬局店舗の売上は、処方箋を発行する医療機関に依存する割合が高く、主たる応需先となる医療機関の予測困難な院外処方箋の発行動向並びに休廃業により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(業界動向について)
医薬事業の収入は、処方箋に基づき医療用医薬品を調合投与する調剤行為であり、その薬剤の価格(薬価)及び報酬額は、厚生労働省により定められております。また、国民医療費の抑制策として、診療報酬及び薬価の改定が段階的に実施される傾向にあります。今後においても、診療報酬制度等の改定による収益構造の変化に伴い、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(資格者の確保について)
保険調剤薬局及びドラッグストア(第一類医薬品取扱店舗)は、医薬品医療機器等法の規定により薬剤師の配置が義務付けられており、また、薬剤師法では、調剤業務は薬剤師が行わなければならないと規定されております。
当社グループは、積極的な出店による拡大政策を継続しておりますが、薬剤師確保が困難な状況になった場合は、出店計画及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(企業の信用を失墜させるリスクについて)
1) 調剤業務について
医薬事業では、人体に影響を及ぼす医療用医薬品を薬剤師が調合投与しており、調剤過誤による医療事故を引き起こす可能性を内包しております。
当社グループは、医療事故が会社の社会的信用を著しく失墜させる可能性があるものと認識し、あらゆる側面から、当該リスクの回避に向けた取り組みを最重要課題と位置づけております。
その主要な内容は次のとおりであります。
・新卒薬剤師及び中途採用薬剤師を対象とした入社時研修制度
・勤務薬剤師のスキルアップを目的とした継続的な研修制度
・管理者育成のため、全薬局長が出席する薬局長会議の実施
・調剤機器メーカーとの共同開発による携帯型端末(PDA)を利用した調剤過誤防止システム(PhAIN)の配備、調剤業務のオートメーション化等IT技術を応用した調剤機器の開発及び導入
・調剤業務に関する自社マニュアルの利用及び内部監査室によるルール遵守体制
・調剤過誤防止対策を専門に扱う安全対策室の設置
2) 個人情報保護について
医薬事業では、薬歴、処方箋に代表される患者情報を保持し、物販事業においては、アインズポイントクラブカード及びトルペモバイルクラブの運用に伴う顧客情報を保持しております。
当社グループは個人情報保護体制並びに取扱いに対するルールを徹底することにより万全を期し、主要事業会社である株式会社アインファーマシーズは「保健医療福祉分野のプライバシーマーク」を取得しております。
しかしながら、事故ならびに犯罪行為による個人情報の漏洩があった場合、業績のみならず社会的信用を失墜させる可能性があると考えております。
(事業戦略上のリスクについて)
当社グループは、保険調剤薬局の積極的な新規出店及びM&Aにより、事業規模の拡大を推進しております。
M&A戦略においては、対象会社を慎重に検討し、発生するのれんの償却額を超過する収益力を安定的に確保することが可能な買収額により行うことを基本方針としておりますが、買収後、計画どおりに進まない場合には、子会社株式評価損、のれんに係る減損損失等の損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(金利変動リスクについて)
当社グループは、積極的な新規出店とともに、M&Aを活用した事業拡大を推進しており、通常の出店費用においては、営業キャッシュ・フローの範囲で自己資金により充当しておりますが、大型のM&Aに関しては、一部を金融機関からの借入れにより調達することがあります。
当社グループでは、これらの資金需要に機動的に対応するため、一定水準の手元流動性を確保しており、当連結会計年度末における現金及び預金の残高226億4千7百万円に対し、当社グループの短期及び長期借入金の残高は205億4千4百万円となっております。
M&Aの実施にあたっては投資回収可能性を重視し、効率的投資により有利子負債の圧縮に努めておりますが、M&Aに対する投資回収が十分に確保できない場合及び金融市場の動向等に伴う金利変動により、当社グループの財務状況及び支払利息等経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(消費税等の影響について)
医薬事業の社会保険診療に関する調剤売上は、消費税法上非課税となりますが、一方で、医薬品等の仕入には消費税が課税されております。
この結果、当社グループが負担することとなる消費税は、調剤売上原価に計上しております。
過去の消費税の導入時及び調剤報酬改定時には、消費税率の上昇分が薬価の改定において考慮されておりましたが、今後、消費税率が改定され、その影響が薬価に反映されない場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。