訂正有価証券報告書-第47期(平成25年10月1日-平成26年9月30日)

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2015/07/16 15:41
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対処すべき課題

(1) 当面の対処すべき課題の内容等
第47期中には日本中で記録的豪雨に起因する大規模土砂災害が多発するとともに、火山噴火の発生等、国民は日本が自然災害大国であることを身近に感じ、国土や生活の防災・減災の重要性が一層増しました。当社グループ各社それぞれの基幹事業を中心に第48期も引き続き全国的防災・減災、およびインフラ老朽化対策の事業に取組みます。
当社グループの第48期は「長大持続成長プラン2013」の3事業年度の2年目になります。当計画ではグループ各社が事業推進戦略の基で事業展開を図るとともにグループ経営の効果を最大限に発揮することを目指しています。3年ビジョンとして掲げた目標は「グループ総合技術で信頼される企業」、「持続的成長を維持する安定経営企業」、「多様な能力と経験の人材が活躍する企業」、「事業執行の改革を進める企業」であります。この目標に向かい、第48期では第47期の成果を踏まえ、以下の課題に取組み、引き続き必要な施策を実施してまいります。
① 受注の確保
グループ各社は蓄積された高い技術的評価をベースに国内基幹事業の提案力を向上させ、受注拡大を図ります。一方で伸び悩む事業分野と地域および今後市場拡大を目指す事業への人材面や組織面の梃入れを行います。営業面では全社横断的マーケティングを強化する体制を作り、基幹事業受注の支援強化を進めます。海外事業では長大コリアやCKJVN等の海外現地法人による事業の現地化を進めるとともに他の海外営業拠点の強化を行い受注拡大に結びつけます。また、海外事業分野を拡大するための国内外でのM&Aを積極的に進めます。
② 品質の向上
第48期はグループ各社とも期初から前期を越える繰越業務量があり、前期に増して業務量が多いスタートとなります。このような中で、まず必要な人材を確保して業務遂行体制を整えます。加えて成果品の一層高い品質を実現するために、業務マネジメントの徹底と高度化を図る取り組みを継続します。また品質向上のために顧客に積極的に働きかけるコミュニケーションを継続します。なお、ミスや事故等の様々な業務リスクをさらに小さくするための全社的体制を作り、品質の底上げを図ります。
③ 事業開拓
海外では第47期において、フィリピンが端緒となった小水力発電事業のインドネシアへの展開が始まりましたが、第48期はこれをさらに進展させます。またM&Aや資本提携を通じて人材を確保し、これまでの基幹分野以外の事業領域の拡大にグループ全体で取組みます。国内では当社の建築や河川・防災等の新領域事業、またNKCでは再生可能エネルギー関連領域事業の開拓に取組みます。さらに国内外ともに多様な事業主体、事業内容、事業方式の展開のベースとなるPPP・PFI事業の可能性を拡げます。
④ 社員の活力向上
多様な能力と経験の人材が活躍する企業グループを目指すために人材確保と教育制度の充実を図り、社員の活力を醸成します。国内外とも人材の確保は、第48期も引き続き重要課題となっております。第47期に注力した待遇と就業環境の改善や採用の多様化等、優れた人材確保の基礎的要件の更なる充実させます。また、少子・高齢化に伴って発生する社員の就業上の課題に対する制度支援に取組みます。一方で教育面では、社員の能力開発を目的にキャリアステージに対応した教育・研修制度を拡充しキャリアアップの選択肢を拡げます。
今後、現下の経営環境の下で目標達成の重要さを経営者並びに当社グループ社員全員が強く認識しております。経営者並びに当社グループ社員全員は各々担うべきことを自ら認識し、連携し、それを達成することによって市場開拓、技術開発及び生産性の向上を実現してまいります。
(2)会社の支配に関する基本方針
① 基本方針の内容
当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式等の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式等の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式等の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えています。但し、株式等の大規模買付提案の中には、たとえばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもありえます。
そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式等の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えています。
② 取り組みの内容
イ.基本方針の実現に資する特別な取り組み
当社は、さらなる企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するため、平成26年9月期からの3事業年度に関する中期経営計画「長大持続成長プラン2013」を策定しました。計画期間中、目指すビジョンは次の4点であります。
(1)グループ総合技術で信頼される企業
長大グループ各社の基幹事業は各得意事業分野で競争力を有しております。今後は、さらにグループ各社がお互いの技術を補完し、また、新たな領域で連携することで顧客により高い信頼を与えられる企業を目指します。
(2)持続的成長を維持する安定経営企業
長大グループが建設コンサルタントとして社会に必要とされる企業グループであり続けるためには、経営の安定が必要条件であります。長大グループは事業推進戦略を着実に進めることで持続的成長を実現し、経営環境に業績が大きく左右されない安定経営企業を目指します。
(3)多様な能力と経験の人材が活躍する企業
国民の生活や経済にとって重要なインフラの担い手である建設コンサルタントの人材不足は、極めて深刻な問題であります。長大グループは基幹事業の競争力向上や技術継承に、さらには新領域事業の開発と成長に必要な人材を確保し、多様で多能な人材が活躍する企業を目指します。
(4)事業執行の改革を進める企業
長大グループは経営の外的環境に影響されにくい企業グループとなり、高い品質の成果と安定した利益を生み出していきます。重要なことは、常に、より効果的・効率的な事業の進め方を工夫し、PDCAを実行し、プロセスの改革を進める企業文化を定着させることであると考えます。
ロ.不適切な者によって支配されることを防止する取り組み
当社は、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み(会社法施行規則第118条第3号ロ)の一つとして、当社株式等の大規模買付行為に関する対応策を導入することに関し、平成19年12月21日開催の第40回定時株主総会で承認され、平成22年12月22日開催の第43回定時株主総会及び平成25年12月19日開催の第46回定時株主総会でその継続が承認されています。
当社は、この対応策によって、当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを策定するとともに、一定の場合には当社が対抗措置をとることによって大規模買付行為を行おうとする者に損害が発生する可能性があることを明らかにし、これらを適切に開示することにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者に対して、警告を行うものです。
③ 取締役会の判断及びその判断に係る理由
イ.前記②イ.の取り組みは、当社の企業価値を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであるので、前記①の基本方針に沿い、株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。
ロ.前記②ロ.の取り組みについては、大規模買付行為に関する情報提供を求めるとともに、大規模買付行為が当社の企業価値を毀損する場合に対抗措置を発動することを定めるものであり、前記①の基本方針に沿ったものであります。また、株主意思を尊重するため、株主総会の承認を得ており、さらに、取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止するために独立委員会を設置しております。取締役会は独立委員会の勧告を最大限に尊重したうえで、対抗措置の発動を決議することとしております。その判断の概要については、適時に株主の皆様に情報開示することとしているため、その運営は透明性をもって行われます。
したがって、当社取締役会は、株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。