臨時報告書

【提出】
2021/04/14 15:50
【資料】
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提出理由

当社は、2021年4月14日付の取締役会決議により、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)の併合(以下「本株式併合」といいます。)を目的とする、2021年5月13日開催予定の臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を招集することを決定いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の4の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。

株式の併合を目的とする株主総会の招集の決定

1.本株式併合の目的
2021年3月25日付当社プレスリリース「株式会社アイ・ケイ・ケイによる当社株式に対する公開買付けの結果並びに親会社及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ」にてお知らせいたしましたとおり、株式会社アイ・ケイ・ケイ(以下「公開買付者」といいます。)は、2021年2月9日から2021年3月24日までを買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)とする当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)を行い、その結果、本公開買付けの決済の開始日である2021年3月31日をもって、当社株式4,223,678株(議決権所有割合(注)83.10%)を所有するに至りました。
(注)「議決権所有割合」とは、当社が2021年2月8日に提出した「2021年3月期第3四半期決算短信[日本基準](連結)」に記載された2020年12月31日現在の発行済株式総数(5,369,671株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(286,816株)を控除した株式数(5,082,855株)に係る議決権の数(50,828個)に対する割合をいい、小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、議決権所有割合の記載において同じとします。
2021年2月8日付当社プレスリリース「MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ」(同年2月9日付「(訂正)「MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ」の一部訂正について」による変更を含み、以下「本意見表明プレスリリース」といいます。)にてお知らせいたしましたとおり、当社は、2020年11月中旬に当社の代表取締役社長である加藤憲司氏からマネジメント・バイアウト(MBO)の手法による当社株式の非公開化の実現可能性について検討したい旨の意向を受け、また、2020年12月7日に公開買付者から当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及び朝日土地建物有限会社(以下「朝日土地建物」といいます。)が所有する当社株式を除きます。)を取得し、当社株式を非公開化することを目的とする一連の取引(以下「本取引」といいます。)に関する提案書の提出を受けたことから、本取引に関する具体的な検討を開始しました。
(注)「マネジメント・バイアウト(MBO)」とは、一般に、買収対象者の経営陣が、買収資金の全部又は一部を出資して、買収対象者の事業の継続を前提として買収対象者の株式を取得する取引をいいます。
当社は、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載のとおり、本取引における当社及び当社取締役会の意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保するために、2020年12月15日にリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所(現アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業、以下「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。)を選任するとともに、本取引の提案を検討するための特別委員会を設置しました(以下「本特別委員会」といいます。委員の構成その他具体的な諮問事項等については、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び意見(答申書)の取得」をご参照ください。)。また、同月25日にフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券株式会社(以下「大和証券」といいます。)を選任し、公開買付者からの提案を検討するための体制を整備し、検討を進めてまいりました。その後、当社は、当該検討を踏まえ、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における意見、指示、要請等に基づいた上で、大和証券及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を受けながら、本取引の実行の是非に関して公開買付者との間で複数回にわたる協議・交渉を行いました。
また、本公開買付けにおける当社株式に係る買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)について、当社は、2021年1月14日に公開買付者から本公開買付価格を950円とする提案を受けた後、大和証券から、当社株式の株式価値に係る試算結果の報告を受け、当該報告内容及び本特別委員会により事前に確認された交渉方針を踏まえた上で、同月22日に、公開買付者に対し、本公開買付価格の再検討を要請いたしました。その後も当社は、本特別委員会に対して適時に交渉状況の報告を行い、交渉上重要な局面における意見、指示、要請等に基づいた上で、大和証券の助言を受けながら、本公開買付価格について、公開買付者との間で、複数回にわたり協議・交渉を行いました。具体的には、当社は公開買付者より、2021年1月26日に本公開買付価格を1,050円とする旨の提案を、同年2月3日に本公開買付価格を1,110円とする旨の提案を、同月4日に本公開買付価格を1,130円とする旨の提案をそれぞれ受けましたが、これらに対し、当社は、さらなる少数株主の利益への配慮の見地から、本公開買付価格の一段の見直しを要請いたしました。以上の交渉を踏まえて、当社は公開買付者より、2021年2月5日に本公開買付価格を1,140円とする提案を受けました。当社は、当該提案について、その妥当性を本特別委員会に確認するほか、大和証券からさらに意見等を聴取するとともに、2021年2月5日付で大和証券から取得した株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)の内容も踏まえて慎重に検討を行いました。その結果、当該価格は、市場価格から見れば相応のプレミアムが付されていると評価でき、また、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載の大和証券による市場株価法による算定結果の上限値を超え、かつ、類似会社比較法及びディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による算定結果のレンジの範囲内にあり、合理性を有することから、妥当な価格であると判断いたしました。このように、当社は、公開買付者との間で、継続的に本公開買付価格の交渉を行いました。また、当社は、リーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けるとともに、本特別委員会から2021年2月5日付で答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けました(本答申書の概要及び本特別委員会の具体的な活動内容等については、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び意見(答申書)の取得」をご参照ください。)。その上で、当社は、リーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言及び第三者算定機関である大和証券から取得した本株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引により当社の企業価値の向上を図ることができるか、本取引における本公開買付価格を含む本取引の諸条件は妥当なものか等の観点から慎重に協議・検討を行いました。
下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、当社グループの国内の既存業務においては、各セグメントの売上は増加傾向にあるものの、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「② 本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ア)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社グループのセグメントの中でもその売上高の9割近くを占め、特に主力となっているビルメンテナンス事業の属する市場を取り巻く環境は、業界における慢性的な人手不足により顧客から求められる高い品質での継続的なサービス提供に応えることができるだけの技能を持った人材を確保することが難しい状況が続いていること、受注競争の激化や低価格化、労務コストの増加などにより収益効率面においては減少傾向にあること、新型コロナウイルス感染症の流行によるビルメンテナンス市場への影響は不透明であり、感染拡大状況によってはさらに清掃業務等の低価格化が進むなど、今後の当社を取り巻く事業環境は難しい判断を迫られるものになることが見込まれること、業務全体についてシステム化を始めとするデジタル・トランスフォーメーションが遅れていることなどから、今後厳しい状況になると予想されます。
このような事業環境下において、当社グループとしては、中長期的な企業価値向上の観点から、低採算となる要因を検証するとともに、高付加価値商品・サービスの創出や新市場として海外への進出といった戦略を推進することが必要と考えております。そのため、当社グループにおいても短期的な利益の確保にとらわれず、中長期的な視点から抜本的かつ機動的な施策に取り組み、一定の事業リスクを伴う経営戦略を迅速かつ果敢に実行する必要があるものと考えております。そして、公開買付者は、協議・交渉の過程において、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「② 本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ア)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社について、(a)先端システム・技術等への投資、(b)海外展開の拡大、(c)不動産投資事業への進出といった具体的な施策を企図していることを当社に対して伝達し、当社としても、これらの施策は、当社の中長期的な企業価値向上のために積極的に推進していくべき施策であり、かかる施策の実施には機動的かつ柔軟な経営体制の構築が望ましいと認識しております。
しかしながら、上記の施策は、直ちに当社の売上や利益に貢献できるものではなく、相当の時間、戦略的投資を含む多額の各種先行投資が必要となることや、収益化の不確実性を考慮すると、短期的には当社の利益水準の著しい低下やキャッシュ・フローの悪化をもたらすリスクがあり、当社が上場を維持したままこれらの各施策を実行した場合には、当社の株主の皆様に対して多大なる悪影響を与えてしまう可能性があることは否定できません。また、第7次中期経営計画においては、一定の成長を見込んでいるものの、当社が上場を維持した状態では、業績下落とそれに伴う株価への悪影響を回避するべく、目下の利益の確保に重きを置く保守的な戦略を取らざるを得ない状況に置かれ、中長期的な企業価値の向上を十分に追求できないおそれもあると考えております。
このような状況下において、当社としては、当社の株主の皆様に対して発生する可能性がある上記の悪影響を回避しつつ、中長期的な視点から当社の企業価値を向上させるためには、マネジメント・バイアウト(MBO)の手法により当社株式を非公開化し、所有と経営を一致させ、短期的な株式市場からの評価にとらわれず、公開買付者、取締役、従業員が一丸となって各施策に迅速かつ果敢に取り組むことができる経営体制を構築することが必要であると考えております。また、公開買付者の代表取締役かつ大株主であり、朝日土地建物の監査役かつ株主である加藤憲司氏、公開買付者の代表取締役社長かつ株主であり、朝日土地建物の取締役である加藤憲博氏、及び朝日土地建物の代表取締役かつ株主である加藤千加良氏は、当社の創業家一族であり、当社の代表取締役社長である加藤憲司氏及び当社の代表取締役専務である加藤憲博氏は当社の事業内容を熟知していることを踏まえれば、マネジメント・バイアウト(MBO)の手法により、加藤憲司氏及び加藤憲博氏が当社の経営と支配の双方を担うことは十分な合理性があると判断いたしました。なお、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「② 本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ア)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、加藤千加良氏の当社の経営への関与について決定した事項はございませんが、当社の事業開発部長かつ創業家一族として、加藤憲司氏及び加藤憲博氏による経営を支援する意思を表明しており、また朝日土地建物の株主かつ代表取締役として、間接的に当社の経営に関与する予定であるとのことです。加えて、当社株式の非公開化を行った場合には、増加を続けていた上場維持コストを削減することができ、経営資源のさらなる有効活用を図ることも可能になると考えております。
なお、当社が株式の非公開化を行った場合には、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなり、また、上場会社として当社が享受してきた社会的な信用力及び知名度の向上による優れた人材の確保並びに取引先の拡大等に影響を及ぼす可能性が考えられます。しかしながら、当社の現在の財務状況や昨今の間接金融における低金利環境等に鑑みると、当面はエクイティ・ファイナンスの活用による大規模な資金調達の必要性は見込まれず、また、優れた人材の確保及び取引先の拡大等も上場会社としての社会的な信用力及び知名度の向上ではなく事業活動を通じて獲得される部分がより大きくなっており、今後も継続して株式の上場を維持することの意義を見出しにくい状況にあります。さらに、公開買付者の代表取締役社長である加藤憲博氏は、当社の経営企画本部長として上述の経営戦略を提唱するひとりであり、当社株式の非公開化によりそれら戦略の実現化への確度はますます高まると考えられます。したがって、当社取締役会は、当社株式の非公開化のメリットは、そのデメリットを上回ると判断いたしました。
以上を踏まえ、当社取締役会は、本公開買付けを含む本取引により当社株式を非公開化することが、当社の企業価値の向上に資するものであると判断いたしました。
また、当社取締役会は、本公開買付価格(1,140円)が、(a)下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されている大和証券による当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果の範囲を上回っており、かつ、類似会社比較法及びDCF法による算定結果のレンジの範囲内にあること、(b)本公開買付けの公表日の前営業日である2021年2月5日の当社株式の株式会社名古屋証券取引所(以下「名古屋証券取引所」といいます。)市場第二部における終値768円に対して48.44%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、株価に対するプレミアムの数値(%)について同じです。)、同日までの過去1ヶ月間(2021年1月6日から同年2月5日まで)の終値の単純平均値779円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均の数値(円)について同じです。)に対して46.34%、同過去3ヶ月間(2020年11月6日から2021年2月5日まで)の終値の単純平均値765円に対して49.02%、同過去6ヶ月間(2020年8月6日から2021年2月5日まで)の終値の単純平均値763円に対して49.41%のプレミアムをそれぞれ加えた金額になっていること、(c)下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の利益相反を解消するための措置が採られていること等、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること、(d)上記利益相反を解消するための措置が採られた上で、当社と公開買付者の間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が複数回行われた上で決定された価格であること、(e)本特別委員会が、事前に交渉方針を確認するとともに、適時にその状況の報告を受け、交渉上重要な局面において意見、指示、要請等を行った上で、本公開買付価格について妥当である旨の意見を述べていること等を踏まえ、本公開買付けについて、(i)本公開買付けにより当社の企業価値が向上すると見込まれるとともに、(ii)本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断しました。
なお、本公開買付価格は、当社の2020年9月30日現在の簿価純資産から算出した1株当たり純資産額を下回っておりますが、資産売却等の困難性や清算に伴う相当な追加コストの発生等を考慮すると、仮に当社が清算する場合にも、簿価純資産額がそのまま換価されるわけではなく、相当程度棄損することが見込まれます。また、純資産額は、会社の清算価値を示すものであり、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値の算定において重視することは合理的ではないと考えております。
以上より、当社は2021年2月8日開催の取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(加藤憲司氏及び加藤憲博氏を除く取締役5名)の全員一致で、本公開買付けへの賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をいたしました。なお、かかる当社の取締役会決議は、公開買付者が本公開買付け及びその後の一連の手続を実施することにより当社株式が上場廃止となる予定であることを前提として行われたものです。また、上記取締役会では、当社の監査役の全員が、当社取締役会が上記決議をすることに異議がない旨の意見を述べております。なお、当社の代表取締役社長である加藤憲司氏は、公開買付者の大株主であり、公開買付者の代表取締役を兼任していること及び本公開買付け後も継続して当社の経営にあたることを予定していることから、また、当社の代表取締役専務である加藤憲博氏は、公開買付者の株主であり、公開買付者の代表取締役社長を兼任していること及び本公開買付け後も継続して当社の経営にあたることを予定していることから、それぞれ、本取引に関して当社と構造的な利益相反状態にあるため、特別利害関係人として、当該取締役会における審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切参加しておりません。
このような経緯を経て本取引が進められて参りましたが、上記のとおり、公開買付者は、本公開買付けにより、当社株式(但し、当社が所有する自己株式及び朝日土地建物が所有する当社株式を除きます。)の全てを取得できませんでした。かかる本公開買付けの結果を踏まえ、公開買付者から要請を受けたことから、当社は、本意見表明プレスリリースにてお知らせいたしましたとおり、当社の株主を公開買付者及び朝日土地建物のみとするための一連の手続を実施することといたしました。具体的には、本臨時株主総会において株主の皆様のご承認をいただくことを条件として、下記「2.本株式併合の割合」に記載のとおり、本株式併合を実施いたします。
本株式併合により、株主の皆様(但し、公開買付者及び朝日土地建物を除きます。)の所有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
2.本株式併合の割合
当社株式について、625,248株を1株に併合いたします。
3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法
上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、本株式併合により、株主の皆様(但し、公開買付者及び朝日土地建物を除きます。)の所有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
本株式併合の結果生じる1株未満の端数については、その合計数(その合計数に1株に満たない端数がある場合にあっては、当該端数は切り捨てられます。)に相当する数の株式を売却し、その売却により得られた代金を、端数が生じた株主の皆様に対して、その端数に応じて交付します。当該売却について、当社は、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第235条第2項の準用する会社法第234条第2項の規定に基づき、裁判所の許可を得て公開買付者に売却すること、又は同項及び同条第4項の規定に基づき、裁判所の許可を得た上で、当社が買い取ることを予定しています。
この場合の売却額は、上記裁判所の許可が予定どおり得られた場合には、本株式併合の効力発生日の前日である2021年6月16日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された株主の皆様が所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である1,140円を乗じた金額に相当する金銭が、各株主の皆様に交付されることとなるような価格に設定する予定です。但し、裁判所の許可が得られない場合や計算上の端数調整が必要な場合等においては、実際に交付される金額が上記金額と異なる場合もあります。
(2)当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
端数処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額は、上記「(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法」に記載のとおり、本株式併合の効力発生日の前日である2021年6月16日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された株主の皆様が所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である1,140円を乗じた金額となる予定です。
当社取締役会は、本公開買付価格(1,140円)が、(a)下記「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されている大和証券による当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果の範囲を上回っており、かつ、類似会社比較法及びDCF法による算定結果のレンジの範囲内にあること、(b)本公開買付けの公表日の前営業日である2021年2月5日の当社株式の名古屋証券取引所市場第二部における終値768円に対して48.44%、同日までの過去1ヶ月間(2021年1月6日から同年2月5日まで)の終値の単純平均値779円に対して46.34%、同過去3ヶ月間(2020年11月6日から2021年2月5日まで)の終値の単純平均値765円に対して49.02%、同過去6ヶ月間(2020年8月6日から2021年2月5日まで)の終値の単純平均値763円に対して49.41%のプレミアムをそれぞれ加えた金額になっていること、(c)下記「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の利益相反を解消するための措置が採られていること等、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること、(d)上記利益相反を解消するための措置が採られた上で、当社と公開買付者の間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が複数回行われた上で決定された価格であること、(e)本特別委員会が、事前に交渉方針を確認するとともに、適時にその状況の報告を受け、交渉上重要な局面において意見、指示、要請等を行った上で、本公開買付価格について妥当である旨の意見を述べていること等を踏まえ、本公開買付けについて、(i)本公開買付けにより当社の企業価値が向上すると見込まれるとともに、(ii)本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断しました。
また、当社は、2021年2月8日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同する意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をした後、2021年4月14日付の取締役会決議時点に至るまでに、本公開買付価格の算定の基礎となる諸条件に重大な変更が生じていないことを確認しております。
以上のことから、当社は、端数処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額については、相当と判断しております。
(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置
本株式併合は、本公開買付け後のいわゆる二段階買収の二段階目の手続として行われるものであるところ、当社及び公開買付者は、本株式併合を含む本取引の公正性を担保する観点から、本公開買付けの開始までの間に、以下の措置を実施いたしました。
① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社は、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、公開買付者及び当社並びに朝日土地建物(以下「公開買付関連当事者」といいます。)から独立した第三者算定機関として、大和証券に当社株式の株式価値の算定を依頼しました。なお、大和証券は、公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。なお、当社は、大和証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
大和証券は、複数の算定手法の中から当社株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が名古屋証券取引所市場第二部に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による当社株式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、当社業績の内容や予想等を評価に反映するためにDCF法を算定手法として用いて当社の1株当たりの株式価値の分析を行い、当社は、2021年2月5日付で大和証券より本株式価値算定書を取得いたしました。
上記各手法に基づいて算定された当社株式1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法 :763円から779円
類似会社比較法 :979円から1,297円
DCF法 :1,047円から1,229円
市場株価法では、2021年2月5日を算定基準日として、当社株式の名古屋証券取引所市場第二部における基準日の終値768円、直近1ヶ月間の終値単純平均株価779円、直近3ヶ月間の終値単純平均株価765円及び直近6ヶ月間の終値単純平均株価763円を基に、当社株式1株当たりの価値の範囲を763円~779円と算定しております。
類似会社比較法では、当社と類似性があると判断される類似上場会社として、イオンディライト株式会社、日本管財株式会社、株式会社ビケンテクノ、日本ハウズイング株式会社及び日本空調サービス株式会社を選定した上で、企業価値に対するEBITDAの倍率を用いて算定を行いました。
DCF法では、当社が作成した事業計画を基に、2021年3月期から2024年3月期までの4期分の事業計画における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が、2021年3月期第4四半期以降において創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たりの価値の範囲を1,047円~1,229円までと分析しております。なお、割引率は9.7%~10.8%を採用しており、継続価値の算定にあたっては永久成長法を採用し、永久成長率を0.0%~1.0%として算定しております。
大和証券がDCF法の算定の前提とした当社作成の事業計画に基づく財務予測は以下のとおりであり、大幅な増益を見込んでいる事業年度が含まれております。
具体的には、2021年3月期は国内事業において新型コロナウイルス感染症流行による休業手当・特別有給休暇などの助成金対象となる労務費の一部が特別損失へ振り替えられたこと、また消毒・抗菌などの特別作業や販売管理費の削減が寄与し、営業利益は前年度に比べて増益となる430百万円となる見込みです。
2022年3月期は新型コロナウイルス感染症の流行が収束することを前提に、国内事業においては前述の特別作業の減少や販売管理費の増加が影響するものの、海外事業においては当該事業の市場復活が期待できることから、結果として営業利益は前年度の実質営業利益(営業利益430百万円から前述の特別損失振替分156百万円を反映させたもの)274百万から389百万円に増額となる見込みです。
2023年3月期は当社が2020年度より推進する中期経営計画の課題の一つである低採算物件の整理が奏功し国内事業における収益率の改善が図られ、また海外事業も順調に推移し、結果営業利益は前年度389百万円から増加し、567百万円となる見込みです。
また、当該財務予測は、本取引の実施を前提としたものではなく、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「② 本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」に記載の本取引後の具体的な施策及びその効果を含んだものではありません。
(単位:百万円)
項目2021年
3月期
(3ヶ月)
2022年
3月期
2023年
3月期
2024年
3月期
売上高6,19827,49928,53628,983
営業利益▲115389567586
EBITDA▲748081,0241,023
フリー・キャッシュ・フロー27384431498

② 当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、本公開買付けを含む本取引に係る当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を確保するために、公開買付関連当事者から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任し、同事務所から、本公開買付けを含む本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けております。なお、アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。
③ 当社における独立した特別委員会の設置及び意見(答申書)の取得
当社は、2020年12月15日付の取締役会決議に基づき、当社取締役会において本公開買付けを含む本取引の是非を審議及び決議するに先立って、本公開買付けを含む本取引における当社の意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保することを目的として、公開買付関連当事者から独立した、外部の有識者を含む委員(緒方健氏(当社社外取締役兼独立役員)、早川敏之氏(当社社外取締役兼独立役員)、高橋明人氏(弁護士、高橋・片山法律事務所)及び長谷川臣介氏(公認会計士、長谷川公認会計士事務所)の4名)によって構成される本特別委員会を設置しました。なお、本特別委員会の互選により、緒方健氏を本特別委員会の委員長として選定しております。本特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、答申内容にかかわらず、時間制又は固定額の報酬を支払うものとしております。
そして、当社は、上記取締役会決議に基づき、本特別委員会に対し、(i)本取引の目的は合理的と認められるか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、(ii)本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の妥当性が確保されているか、(iii)本取引に係る手続の公正性が確保されているか、(iv)本取引が当社の少数株主にとって不利益なものでないと考えられるか、及び(v)当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明し、当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非について諮問し(以下(i)乃至(v)の事項を「本諮問事項」といいます。)、これらの点についての答申書を当社に提出することを委嘱しました。また、併せて、当社は、本特別委員会の設置に際し、当社と公開買付者の間での公正な交渉状況を確保するべく、当社が公開買付者との間で行う本取引の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与すること、本取引のために講じるべき公正性担保措置の程度を検討し、必要に応じて意見・提言すること、当社の株式価値評価及び本取引に係るフェアネス・オピニオンの提供その他特別委員会が必要と判断する事項を第三者機関その他アドバイザーに委託すること(この場合の費用は、合理的な範囲において、当社が負担する。)、必要な情報収集((i)必要資料の収集、並びに、(ii)特別委員会が必要であると考える、(a)当社の役員及び従業員、(b)本取引に関して当社がその株式価値評価を委託する第三者機関がいる場合には当該第三者機関、(c)当社のフィナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザー、(d)公開買付者及びそのフィナンシャル・アドバイザーその他のアドバイザーからの聴取を含む。)を行うこと、本取引に関する当社取締役会の意思決定は、上記委嘱に基づく本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特に本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、当社取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないものとすることを決議いたしました。なお、当社は、当初から上記の4氏を本特別委員会の委員として選任しており、本特別委員会の委員を変更した事実はありません。
本特別委員会は、2020年12月21日から2021年2月4日まで合計6回開催され、本諮問事項について、慎重に検討及び協議を行いました。具体的には、本特別委員会は、当社から、本取引の提案を受けた経緯、本取引の目的、事業環境、事業計画、経営課題等に関する説明を受け、質疑応答を行い、また、公開買付者から、本取引を提案するに至った経緯及び理由、本取引の目的、本取引の諸条件等について説明を受け、質疑応答を行いました。加えて、公開買付者との交渉過程への関与方針として、直接の交渉は当社のフィナンシャル・アドバイザーである大和証券が当社の窓口として行うこととしつつ、本特別委員会は、交渉担当者から適時に状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うことなどにより、取引条件に関する交渉過程に実質的に関与することができることを確認しております。さらに、大和証券から当社株式の株式価値の算定方法及び結果に関する説明を受けております(なお、大和証券は、株式価値の算定の基礎とされた当社の事業計画について、複数回、当社と質疑応答を行い、その作成経緯及び当社の現状を把握した上で、それらに照らし不合理な点がないかという観点から、当社の事業計画の合理性を確認しております。)。
その後、本特別委員会は、当社から、公開買付者と当社との間における本取引に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、本特別委員会において協議し、本公開買付価格につき、上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり交渉が行われ、公開買付者から1,140円という最終的な提案を受けるに至るまで、公開買付者に対して本公開買付価格の増額を要請すべき旨を当社に意見するなどして、公開買付者との交渉過程に関与いたしました。さらに、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から本取引において利益相反を軽減又は防止するために取られている措置及び本取引に関する説明を受け、それぞれ、質疑応答を行うとともに、当社からは本取引の諸条件の交渉経緯及び決定過程等に関する説明を受け、質疑応答を行いました。
なお、本特別委員会は、当社が選任したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券並びにリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所につき、いずれも独立性及び専門性に問題がないことから、それぞれを当社のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関並びにリーガル・アドバイザーとして承認しております。
これらの内容を踏まえ、本特別委員会は、大和証券及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所と議論を重ね、本諮問事項について協議・検討を行いました。本特別委員会は、このように本諮問事項について慎重に協議及び検討した結果、2021年2月5日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しました。
(i)答申内容
ⅰ 本取引の目的は合理的と認められる(本取引が当社の企業価値向上に資する)ものと考える。
ⅱ 本取引の条件(本公開買付価格を含む。)の妥当性が確保されているものと考える。
ⅲ 本取引に係る手続の公正性が確保されている(公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされている)ものと考える。
ⅳ 上記ⅰ乃至ⅲを踏まえて、本取引が当社の少数株主にとって不利益なものでないと考える。
ⅴ さらに、上記ⅰ乃至ⅳを踏まえれば、現時点において、当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明し、当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは相当であり、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考える。
(ⅱ)答申理由
ⅰ 「本取引の目的は合理的と認められるか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)」について
・当社及び公開買付者から説明を受けた、本意見表明プレスリリースの「3 本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」記載の「a 本取引の目的及び必要性・背景事情」並びに「b 本公開買付けを経て行われる本取引のメリット」について、当社の現在の事業内容及び経営状況を前提とした具体的なものであると考えられること。とりわけ、当社の属する業界における慢性的な人手不足を背景として、当社においても技能を持った人材を確保することが難しい状況が続いているとの点、他方で当社の業務全体についてシステム化を始めとするデジタル・トランスフォーメーションが遅れているとの点について、これらの状況を打開する有効な施策を講じる必要があると考えることは合理的な経営判断であると言えること
・上記a及びbについて、当社の属する業界及び市場の環境として一般に説明されている内容とも整合すると考えられること
・同じく上記a及びbについて、当社における将来の競争力強化に向けて現実的なものであると考えられること。具体的には、「(a)先端システム・技術等への投資」については、当社が直面している人手不足及び人材確保の問題、並びに当社業務のシステム化、デジタル化に向けた必要な施策であると言えること。また、「(b)海外展開の拡大」については、当社が既に進出を始めている東南アジアにおけるビルメンテナンス事業をさらに拡大させることで、付加価値の高いサービスによる高い利益率の確保を目指すものと言えること。さらに「(c)不動産投資事業への進出」については、必要な投資のもと新たなサービスの創出、また新たな市場への進出を狙うものと言え、いずれも当社が将来を見据えて講じる施策として合理的なものであると言えること
・当社と公開買付者との間で、当社の属する市場環境や将来における動向予想等も踏まえて本取引の必要性及びメリットの検討を行っていると言えること
・当社と公開買付者から説明を受けた当社の今後の事業見通し及び成長見通し並びに本取引後に実施を検討している施策等について、当社の事業内容及び経営状況を前提とした上で、公開買付者の経営方針をも踏まえたものと言え、いずれも不合理なものとは認められないこと。この点に関し、当社において高付加価値商品・サービスの創出や新市場として海外への進出といった戦略を推進することが必要と考える一方で、かかる戦略の推進に際しては多額の初期投資や継続的な投資を要することが予想されるとのことで、これにより短期的には当社の一般株主の利益を損なう可能性もあると言え、そのような一般株主へのリスクを回避すべく、MBOの手法により当社株式を非公開化し、短期的な株式市場からの評価にとらわれずに効果的な諸施策の実施を目指すとの点は合理的なものと言えること
ⅱ 「本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の妥当性が確保されているか」について
・当社において、本取引の条件、とりわけ本公開買付けにおける当社株式に係る公開買付価格(すなわち本公開買付価格)の公正性・妥当性を確保するために、その検討及び判断に際して、当社株式の株式価値の算定のための独立の第三者算定機関を選任し、当該第三者算定機関から株式価値算定書を取得した上で、当該株式価値算定書を参考としていること
・当該第三者算定機関作成の株式価値算定書の結論に至る計算過程について、その算定手法は現在の実務に照らして一般的、合理的な手法であると考えられること
・上記算定の内容についても現在の実務に照らして妥当なものであると考えられること、また当該算定の前提となっている当社の事業計画の内容に関する当社及び第三者算定機関から本特別委員会に対する説明を踏まえ、本特別委員会においても、当社の事業計画の作成経緯及び当社の現状を把握した上で、それらに照らし不合理な点がないかという観点から事業計画の合理性を確認しており、結論として当該事業計画を合理的なものであると考えていること
・これらを踏まえ、当該第三者算定機関作成の株式価値算定書について、特段不合理な点あるいは著しい問題などは認められないと考えられること
・また、当該株式価値算定書を基礎として当社においても本取引の必要性及びメリット、当社の今後の事業への影響といった事情等を全般的に考慮した上で、本公開買付価格の検討を行ってきたと言えること
・当社において、経験豊富なフィナンシャル・アドバイザー(第三者算定機関)を起用し、本公開買付価格を含む本取引全般の条件交渉を実施したと言えること
・当社取締役会において最終的に決議を予定している本公開買付価格について、相応のプレミアムが付された価格であると言えること
・これらの当社における対応は、本公開買付けを含む本取引の条件とりわけ本公開買付価格の公正性・妥当性を確保し、またこれらに関する当社の判断及び意思決定について、その過程から恣意性を排除するための方法として合理性・相当性を有するものと考えられること
・さらに、当社からの説明によれば、本公開買付け後の状況を踏まえて実施が予定されている所定の手続により最終的に公開買付者及び朝日土地建物のみを当社の株主とした上で当社株式を非公開化するための一連の手続(以下「本非公開化取引」という。)の条件に関しても、今後特段の事情がない限り、本公開買付価格と同一の価格を基準として算定、決定する予定であること
・この点、本非公開化取引は、本公開買付けの後、本公開買付けに続く手続として行われることが予定されているもの(いわゆる二段階買収としての手続)であり、時間的に近接した両手続における取引条件が同一のものとなるようにすることは合理的と考えられること
ⅲ 「本取引に係る手続の公正性が確保されているか」について
・当社は本取引への対応を検討するに当たり、当社における検討及び意思決定の過程に対する公開買付者の影響を排除するべく、当社並びに公開買付者及び朝日土地建物のいずれからも独立した本特別委員会を設置していること、本特別委員会の委員全4名の半数である2名は当社の社外取締役であり、残る2名は外部の専門家である弁護士及び公認会計士であること、さらに当該社外取締役のうち1名が本特別委員会委員の互選により同委員会の委員長に選定されていること
・当社は、本取引への対応を検討するに当たり、本公開買付けの条件とりわけ本公開買付価格の公正性を確保すべく、当社株式に係る株式価値の算定を、当社並びに公開買付者及び朝日土地建物のいずれからも独立した第三者算定機関である大和証券へ依頼した上で、同社作成の株式価値算定書を取得していること、また大和証券の上記独立性に関し本特別委員会においても必要な説明を受けた上で当該独立性を確認していること
・また本取引に関する法的助言(いわゆる公正性担保措置に係る助言を含む。)を得るべく、当社並びに公開買付者及び朝日土地建物のいずれからも独立したリーガル・アドバイザーとして、アンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任していること、またアンダーソン・毛利・友常法律事務所の上記独立性に関し本特別委員会においても必要な説明を受けた上で当該独立性を確認していること
・今般の本非公開化取引を含む本取引は、いわゆるMBO取引として公開買付者との間で実施されるものであることから(すなわち、公開買付者は当社の主要株主である第二位株主であり、また、当社の代表取締役社長かつ当社の主要株主である筆頭株主である加藤憲司氏が公開買付者の議決権の全部を所有している。)、構造的かつ典型的な利益相反性が生じる可能性があり得るところ、当社においては、上記の体制のもと、本取引についてより慎重に条件の妥当性・公正性を担保する必要がある旨を認識して、当社から公開買付者に対して協議過程の早い段階から少数株主の利益に十分配慮した取引条件を要請してきたと言えること
・当社と公開買付者との間の協議及び交渉の方針に関して、当社及び当社のフィナンシャル・アドバイザーでもある大和証券から本特別委員会に対して交渉方針等の説明が行われた上で、本特別委員会において確認された当該交渉方針の下に公開買付者との交渉が進められたこと
・当社と公開買付者との間の協議及び交渉の具体的な状況についても、適時に本特別委員会への報告が行われてきており、かつ特に本公開買付価格に関する交渉の重要な局面においては、当該報告の内容を踏まえ本特別委員会から当社及び当社のフィナンシャル・アドバイザーに対して意見を述べるとともに、必要と考えられる要請等を行うなど、本公開買付けの条件とりわけ本公開買付価格の交渉過程に本特別委員会が実質的に関与可能な体制が確保されていること
・その上で、条件の妥当性及び公正性並びに現実性といった事情について、当社において全般的な検証を重ねた上で、公開買付者との複数回に及ぶ協議を経て本公開買付価格に関して、今般取締役会決議が予定されている価格についての最終的な調整が進められたこと
・その後、最終的に当社及び公開買付者間で本公開買付価格を含む本取引の条件について合意するに至り、当社において、当該合意された価格をもって、取締役会で決議を予定している本公開買付価格となったこと
・さらに、いわゆる二段階買収等に関しても、早期かつ詳細な開示及び説明を行う予定であり、当社株主の適切な判断機会の確保に努めていると言えること、その他公開買付者及び当社が作成し開示する予定の各開示書類において、当社株主(とりわけ少数株主)が本公開買付けを含む本取引の各条件の妥当性等を判断するために必要かつ相当と考えられる情報が開示される予定となっていること
・利害関係を有する当社取締役について、当社における本取引の検討に加わっておらず、今後開催される本取引に関する取締役会の審議及び決議にも参加しない予定であることなど、意思決定過程における恣意性の排除に努めていると言えること
・なお、本公開買付けにおいては、本意見表明プレスリリースに記載のとおりの内容の買付予定数の下限が設定される予定である。この点、当該下限の設定により、本公開買付けへの応募が少ない場合には、本公開買付けを通じた当社株式の買付け等が行われないことになり、この点は当社の少数株主(一般株主)の意向を可能な限り尊重するものと言えること
・本公開買付けにおいて、その買付期間は30営業日と法令上の最短期間である20営業日よりも長期の期間が設定される予定であること、また当社は公開買付者との間で、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するようないわゆる取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者と接触することを制限するような内容の合意を行っていないこと等から、いわゆるマーケット・チェックの観点において特段不合理な状況にはないものと考えられること。なお、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討する、いわゆる積極的なマーケット・チェックに関しては、情報管理の観点等から実務上その実施は必ずしも容易とは言えず、従って本件においてもそのような対応が行われていないことのみをもって、マーケット・チェックの点で不合理な状況が生じるものではないと考えられること
・本取引においては、当社株式の非公開化のために、いわゆる二段階買収の手続が予定されている(現状、株式併合の手続によることが予定されている)が、株式併合に関連する一般株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、所定の条件のもと、当社の株主は、当社に対し、自己の所有する普通株式のうち一株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められていること。かかる申立てが行われた場合の価格の決定は、最終的には裁判所が判断することとなり、当社の一般株主においては、かかる手続を通じて経済的な利益の確保を図ることが可能とされていること
・以上のとおり、本非公開化取引の条件の公正性の担保に向けた客観的状況の確保等の諸点について、具体的な対応が行われているものと考えられ、公正な手続を通じた当社株主の利益への十分な配慮がなされていると考えられること
ⅳ 「本取引が当社の少数株主にとって不利益なものでないと考えられるか」について
・上記ⅰ乃至ⅲまでにおいて検討した諸事項以外の点に関して、本特別委員会において、本公開買付けを含む本取引が当社の少数株主にとって不利益なものであると考える事情は現時点において特段見当たらず、従って本取引は当社の少数株主にとって不利益なものではないと考える
ⅴ 「当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明し、当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非」について
・これまでに述べたとおり、ⅰ本取引の目的は合理的と認められる(本取引が当社の企業価値向上に資する)ものと考えられること、ⅱ本取引の条件(本公開買付価格を含む。)の妥当性が確保されているものと考えられること、ⅲ本取引に係る手続の公正性が確保されている(公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされている)ものと考えられること、ⅳ上記ⅰ乃至ⅲを踏まえて、本取引が当社の少数株主にとって不利益なものでないと考えられることからすると、現時点において、当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明し、当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは相当であり、当社の少数株主にとって不利益なものではないと言え、これに反する事情は現時点において特段見当たらない
④ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見
当社は、大和証券より取得した本株式価値算定書、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から得た法的助言を踏まえつつ、本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本公開買付けを含む本取引の諸条件について慎重に検討しました。その結果、上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、当社取締役会は、本公開買付けについて、(i)本公開買付けにより当社の企業価値が向上すると見込まれるとともに、(ii)本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2021年2月8日開催の取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(当社取締役会は全7名で構成されるところ、加藤憲司氏及び加藤憲博氏を除く髙井幸治氏、髙橋正文氏、本谷絋三氏、緒方健氏及び早川敏之氏の5名)の全員一致で、本公開買付けへの賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をいたしました。
なお、かかる当社の取締役会決議は、公開買付者が本公開買付け及びその後の一連の手続を実施することにより当社株式が上場廃止となる予定であることを前提として行われたものです。
また、上記取締役会では、当社の監査役の全員(石原鉦司氏、田脇寿夫氏、佐久間紀氏及び伊藤信行氏の4名)が、当社取締役会が上記決議をすることに異議がない旨の意見を述べております。なお、当社の代表取締役社長である加藤憲司氏は、公開買付者の大株主であり、公開買付者の代表取締役を兼任していること及び本取引後も継続して当社の経営にあたることを予定していることから、また、当社の代表取締役専務である加藤憲博氏は、公開買付者の株主であり、公開買付者の代表取締役社長を兼任していること及び本取引後も継続して当社の経営にあたることを予定していることから、それぞれ、本取引に関して当社と構造的な利益相反状態にあるため、特別利害関係人として、当該取締役会における審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切参加しておりません。
⑤ 本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保
公開買付者は、公開買付期間を、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、30営業日に設定しているとのことです。公開買付期間を比較的長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社の株券等について公開買付者以外の者(以下「対抗的買収提案者」といいます。)にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、これをもって本公開買付価格の適正性を担保することを企図しているとのことです。
また、公開買付者及び当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意を行っておりません。このように、公開買付者は、上記公開買付期間の設定とあわせ、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことです。
なお、本特別委員会は、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討する、いわゆる積極的なマーケット・チェック(本公開買付けの公表前における入札手続等を含みます。)については、情報管理の観点等から実務上の問題があることを踏まえ、本公開買付けの公正性を担保するために実施された各種措置の内容、その他本公開買付けにおける具体的な状況に鑑みて、これを実施しなくとも特段、本公開買付けを含む本取引の公正性が阻害されることはない旨、判断しております。
4.本株式併合がその効力を生ずる日
2021年6月17日(予定)
以 上