有価証券報告書-第36期(令和1年11月1日-令和2年10月31日)

【提出】
2021/01/29 16:06
【資料】
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【項目】
166項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
[特に重要なリスク]
新型コロナウイルス感染症に係るリスク
(1) 需要減少による当社グループの財政状態の悪化リスク
2021年10月期の連結業績予想については、感染症の影響は受けつつも、2021年10月期末にかけて緩やかに回復するという想定に基づき業績影響を試算しております。しかしながら、見積りに用いた上記の仮定には不確定要素が多く、感染症の収束時期及び経済環境への影響が変化した場合には、今後の当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
そのような状況下においても当社グループは、各事業の構造改革をはじめ、生産性の向上やコスト削減等の対策を継続し、収益減少を最小限に抑えるよう努めてまいります。
(2) お客様の感染リスク
当社グループにおけるモビリティサービスはクルマのシェアリングサービスです。そのため、お客様への感染被害抑止として、社員による定期的な車内除菌清掃の徹底を行っているほか、お客様ご自身でも車内除菌ができるように除菌グッズを車中に設置しております。しかしながら、当社グループサービスをご利用のお客様が感染症に罹患された場合、当社グループサービスの利用を控える動きが強まることで業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 社員の感染リスクと事業継続リスク
当社グループは、各拠点に勤務する社員の健康と安全を確保するため、事業所在籍率の目安を適宜設定し、時差出勤や在宅勤務等が柔軟にできる体制を整えるとともに、働き方についてもオンライン会議や電話会議を活用することで不要な移動や接触を控えるよう努めております。しかしながら、社員が感染症に罹患し、社員同士の接触等により社内での感染が拡大した場合には、事業所の閉鎖や事業の一部休業等を行う可能性があります。
(4) 顧客の財政状態悪化に起因する需要消失や債権の回収不能リスク
当社グループの得意先が、感染症の影響により財政状態が悪化し、その結果、事業継続が困難となった場合、安定的に推移していた取引高の消失や、得意先に対して当社グループが有する売掛債権の回収が困難となる可能性があります。
[重要なリスク]
(1) 経済環境変化リスク
世界的なあるいは特定の地域における景気減速は個人消費の減少や交通量の低下をもたらします。その結果、駐車場やモビリティサービスの需要が低下し、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、将来の経済状況が、燃料及びエネルギー価格、金利及び税率を含む諸問題に影響を与えた場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 災害等リスク
地震、津波、洪水、台風、積雪、火山噴火等により、駐車場及びモビリティ車両が毀損した場合、これらのサービス提供に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、駐車場やモビリティサービスの展開地域の分散を図ることで、リスク回避に努めておりますが、管理センターや情報センター等の設備が壊滅的に損害を被った場合、お客様へのサービス提供が困難になると同時に修復・買替等に多額の費用が発生する等により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性がります。
(3) 駐車場事業国内に関わるリスク
① 駐車場解約リスク
当社グループの主力事業である駐車場事業国内は、土地や施設を保有せずに土地や駐車場施設等のオーナー様から、賃貸借契約に基づいてそれらを借り受けるサブリース型駐車場が事業の大宗を占めております。サブリース型駐車場は、スタンダードにおいては小規模駐車場の開発を、パートナーサービスにおいては当社グループの各サービスと連携することで解約されにくい駐車場の開発を推進し、事業基盤の安定化を図っておりますが、複数の高収益物件の賃貸借契約の解約が発生した場合、当社グループの事業や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 地価上昇リスク
地価の上昇は、土地オーナー様の売却(解約)意向の上昇や、新規開発段階における賃料の上昇につながり、駐車場規模の拡大戦略に悪影響を及ぼす可能性があります。当社は地価上昇が賃料に影響を及ぼしにくいエリアでの開発を推進していることから、過去に地価上昇が賃料の上昇に繋がったことはないものの、解約率及び賃料の上昇が起こった場合、当社グループの事業や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) モビリティ事業に関わるリスク
① 競合状況リスク
モビリティ事業においては、同業他社のみならずオートリース会社、タクシー会社等との間で、パーソナルモビリティ市場における品質、価格、サービス等を巡って競合状態にあり、他社の状況によっては当社グループの事業や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 中古車市場リスク
モビリティ車両の中古車市場への売却を営業サイクルの一環として行っておりますが、中古車市場の状況が急激に変化した場合、当社グループの事業や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③サービスの安全性リスク
モビリティ車両は、法定点検のみならず当社グループの基準において整備を行っておりますが、車両整備に関する事故が発生した場合、当社グループに対するお客様の信頼や社会的評価が失墜し、事故直後から中長期にわたって需要が低下し、当社グループの事業や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 駐車場事業海外に関わるリスク
当社グループは、2017年にSecure Parking Pty LtdとNational Car Parks Limitedをグループ化し、現在は豪州・ニュージーランド・シンガポール・マレーシア・英国・台湾・韓国の7か国で駐車場事業を展開しております。
会社の自律的な法令遵守やリスク管理等、適切な内部統制確立のために各地におけるガバナンス体制の構築を早期に図っておりますが、その取り組み等の遅れにより不祥事が発生した場合、当社グループに対するお客様の信頼や社会的評価が失墜することで、駐車場需要の低下や駐車場開発における制限等、当社グループの事業や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに、海外各国においてもリスクを早期に察知し、顕在化する前に具体的かつ適切な対処をするよう取り組んでおりますが、予期できない租税制度や法律、規制等の改正、政治的要因及び経済的要因の変動、伝染病の流行による社会的・経済的混乱、予測の範囲を超えた市場や為替レートの変動、テロ・戦争の勃発による社会的・経済的混乱等、予測の範囲を超える変化があった場合、当社グループの事業や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) ITシステムリスク
当社グループは、お客様へのサービス提供及びそれらに付随する業務等、システム依存度が高い事業を展開しております。自然災害、事故、コンピュータ・ウィルス、不正アクセス、電力供給の制約や大規模停電、故障や不具合等によりかかるシステムあるいは通信ネットワークに重大な障害が発生した場合、お客様へのサービス提供及び事業運営の維持が困難になるとともに、信用失墜により当社グループの事業や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 顧客情報漏洩リスク
当社グループは、会員制ポイントプログラム「タイムズクラブ」やカーシェアリングサービス「タイムズカーシェア」等の会員情報をはじめ、膨大な顧客等に関する情報を保持しており、個人情報保護法やその他諸外国の類似法令により、これらの個人情報を適切に管理することが求められております。
当社グループでは、プライバシーポリシーを定め、情報管理者への教育・研修による情報管理の重要性の周知を徹底するとともに、システム対策を含め情報セキュリティについては想定しうる対策を講じております。また、セキュリティホールをなくすべく、業務手順の改定やシステム改修を継続的に実施しておりますが、不正アクセスや業務上の過失等、何らかの原因により大規模な個人情報漏洩事故が発生した場合、多額の損害賠償費用が発生し、また、信用失墜により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 法的規制に関わるリスク
当社グループは、国内で事業を遂行していく上で、駐車場法、道路交通法、道路運送法等様々な法的規制の適用を受けております。また、海外事業を展開していく上でも関係する法律、規制等の適用を受けております。これらの法律、規制等が変更された場合、又は予期し得ない法律、規制等が新たに導入された場合、当社グループの事業や経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9) 人材確保・人材育成に関わるリスク
当社グループは、持続的な成長によって企業価値向上を図るため、人材ビジョンに「持てる個性を最大限発揮し、期待される役割を十二分に果たすとともに自らの能力を持続的に高める人材」を掲げ、多様性を尊重した人材育成に努め、その結集としての組織力強化を図っております。また、グループ経営を推進する人材の育成に向けて、持続的な企業成長を推進するトップ及びミドルマネジメント層のリーダーシップ強化に取り組んでおります。しかしながら、グループ経営を推進する人材や事業活動に必要な高い専門性を持った人材を十分に確保・育成できない場合は、競争優位性のある組織が実現しない可能性があります。
(10) 財務に関わるリスク
当社グループの事業資金は、銀行借入・社債発行等により調達を行っております。しかしながら、今後、当社グループの事業環境が悪化した場合、金融市場が混乱した場合、税制・金融政策及び政府系金融機関の保証制度等が変更された場合、もしくは当社の信用格付けが格下げされた場合等においては、当社にとって有利な条件による資金調達が困難又は不可能となる結果、資金調達コストが増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。