有価証券報告書-第46期(令和2年7月1日-令和3年6月30日)

【提出】
2021/09/16 12:57
【資料】
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【項目】
131項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は「情報技術で人と社会にやさしい未来を創造します」を企業理念と定め、以下の5項目を経営方針として掲げ、各経営方針に沿った事業活動を行ってまいりました。
① 優秀人材の量的拡大による事業基盤の強化
② 営業・開発パワーの増大
③ プライムビジネスの拡大
④ グループ経営の効率化
⑤ コーポレートガバナンスの強化
第6次中期経営計画の策定に伴い、事業環境や顧客ニーズ、企業価値等のあらゆる変化に対応していくため、経営方針を以下のとおり再定義いたしました。新たに策定した5つの経営方針に沿って、課題解決に向けた戦略・施策を積極的に実施してまいります。
① 事業環境の変化に適応し、新領域へ挑戦
② 特化型SEの育成推進
③ サステナビリティ活動の強化
④ Trust relationship強化で、お客様の事業拡大への貢献
⑤ プライムビジネスの更なる拡大
(2)経営戦略等
当社グループは、2019年6月期から2021年6月期(当連結会計年度)までの3ヵ年にわたる第5次中期経営計画を以下のとおり策定いたしております。
(目標)
1年目の2019年6月期に売上高200億円に再チャレンジするとともに、その後も売上高は毎年10億円ずつ、営業利益は毎年1億円ずつ成長する計画としておりましたが、事業環境を踏まえて計画を見直し、最終年度である2021年6月期において、売上高は207億円、営業利益は16億円を達成することとしておりました。
最終年度にあたる2021年6月期(当連結会計年度)におきましては、売上高はほぼ計画どおりに推移したものの、営業利益は子会社株式取得に伴う費用が発生したこと、高収益案件の獲得が予定を下回ったこと及び売上高の未達等により、計画を下回る結果となりました。
第5次中期経営計画の結果を踏まえて現在の事業環境等を勘案し、当社グループは2022年6月期(次連結会計年度)から2024年6月期までの3ヵ年にわたる第6次中期経営計画を以下のとおり策定いたしました。
(目標)
創立50周年に向け、Acceleration of growth to 50th~(通称:アクセル50)を掲げ、当社及び当社グループのさらなる成長を目指すべく、核である大手顧客向けシステム開発事業を継続しつつ、プライム事業、製品・サービス事業の拡大を推進してまいります。
・2022年度を基準とし、売上高が毎年10億円ずつ成長する計画とする
・最終年度である2024年度に売上高230億円、営業利益17億円を達成する
(3)経営環境
わが国経済につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを引き上げていくなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、景気は持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増しています。一方、国内外の感染症の動向や金融資本市場の変動等の影響について、引き続き留意する必要があります。
当社グループの事業環境につきましては、顧客のソフトウェア関連の設備投資はおおむね横ばいで推移したものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により一部顧客のシステム投資計画の変更がみられました。今後も、新型コロナウイルス感染症拡大が事業に及ぼす影響についてより一層注視していくとともに、状況に応じた適切な対策を講じていく必要があると認識しております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
第6次中期経営計画の達成に向けて、当社グループは経営方針に則り対処すべき課題を以下のとおり設け、その実現のための戦略・施策を実施してまいります。
課題1:事業環境の変化に適応し、新領域へ挑戦
変化を先取りし、変化に柔軟かつ迅速に対応します。また、社会に必要なシステムを見極め、新しい”コト”へのチャレンジを推進します。
IT業界を取り巻く事業環境は日々変化を続けており、常に新しい技術や仕組みが生み出されています。近年では、デジタルトランスフォーメーションやクラウドサービス等の需要が増え、専門知識を求められる機会が増加してまいりました。また、国内外の社会情勢や景気の変動等が事業活動にもたらす影響は大きく、企業は状況に応じて適切な対策を講じていくことが求められています。
当社グループにおきましては、さまざまな事業環境の変化に適応すべく、これまで構築してきた事業基盤の強化に加え、DXやAI・IoT、クラウドソリューションやロボティクスといった新たな領域への挑戦と深耕を推進してまいります。社会が必要とする技術や仕組みを見極め、当社グループが今後さらに成長するための新たな核とできるよう、積極的にチャレンジしてまいります。
課題2:特化型SEの育成推進
IT技術やマネジメント、業務知識等、特化したスペシャリストの育成を推進します。それぞれのスペシャリストを組み合わせ、お客様のニーズへの対応能力を強化します。
IT業界におきましては、個々の技術者の技術力、プロジェクトマネジメント能力、業種業界に特化した経験値が力量となり、またプロジェクトの成否を左右する大きな要素であるため、優秀な人材の育成が重要であります。特にソリューションサービスやコンサルティングサービスの提供にあたっては、より良いサービスを提供するために、お客様の業務に関する知識が必要不可欠となります。
当社グループにおきましては、これらの能力に特化したスペシャリストの育成を推進するため、社員の能力に合わせたキャリアアップを推進し、個々のスキルアップを図ります。また、教育体制の強化に加え人材開発面への投資も行なってまいります。
課題3:サステナビリティ活動の強化
より一層サステナビリティを意識し、SDGsが掲げる目標と企業活動をリンクさせ、積極的に取組んでまいります。
世界規模でサステナビリティ活動に対する社会の関心は年々高まっており、SDGsが目指す「持続可能で平和な世界」の実現に向けて、社会全体での取組みが求められています。
当社グループは、社員やお客様等、当社を取り巻くすべてのステークホルダーにより事業活動が成立すると考えております。また、長期的な視点で社会の持続可能性に配慮した、サステナビリティ経営を目指しこれまでもさまざまな取組みを続けてまいりました。
このような状況の中、当社グループは今後もより一層、社会の持続可能性に配慮した企業活動を推進する所存です。事業活動として多種多様な領域へ情報技術を提供することにより人々の利便性向上を実現し、また、健康経営やダイバーシティ、CSR等の取組みを強化することで当社に関わるすべてのステークホルダーのサステナビリティに貢献し、企業価値の向上を図ってまいります。
課題4:Trust relationship強化で、お客様の事業拡大への貢献
お客様のミッションに寄り添い信頼関係を強化し、ソリューション、コンサルティングの上位レイヤーから運用保守のレイヤーまで幅広く対応することで、お客様のビジネス変化に追随します。
当社グループは、情報システムを提供することでお客様から信頼をいただき、長く取引を継続していただくことをビジネスの基本としております。今後もこの関係性を維持強化したうえで、お客様の事業拡大により一層貢献できるパートナーを目指してまいります。また、システム開発のみならず、ソリューションやコンサルティング等の上位レイヤーから運用保守のレイヤーまで、幅広くワンストップでサービス提供することで、お客様との信頼関係をより一層強化してまいります。さらに、お客様のビジネスの変化にも対応し、技術変革や事業シフトにも追随できるよう、取組みの強化を図ります。
課題5:プライムビジネスの更なる拡大
主たる事業であるシステム開発において、プライムでの事業展開を推進します。また、既存の製品・サービスとシステム開発を融合し、強みを活かした事業領域の拡大を目指します。さらに、新たな製品・サービス、ソリューションの開拓を行い、事業領域の拡大を推進します。
当社グループは、プライム案件の受注拡大を推進し、取組んでまいりました。その結果、製品・サービス、ソリューションの事業領域拡大を達成することができ、その中でもマイグレーション技術は当社グループを代表する技術のひとつに成長いたしました。
今後も更なるプライムビジネスの拡大を図るため、新たな製品・サービス、ソリューションに投資してまいります。特に自社製品の開発においては、技術者の育成や研究開発強化に注力し、当該事業の拡大を図ることで企業価値の更なる向上を目指します。
また、既存の自社製品については、展示会への出展や販促等のPR活動を強化し拡販を図るほか、業務提携先との連携による海外マーケットへの進出をより一層推進してまいります。
その他:新型コロナウイルス感染症への対応
新型コロナウイルス感染症拡大の長期化において以下の取組みを継続してまいります。
・在宅勤務促進
・新型コロナワクチンの職域接種推進
・事業従事者の健康管理チェック
当社グループにおいては社員及び関係するステークホルダーの健康や安全を最優先としつつ、情勢の変化に迅速に対応し、事業への影響を抑えることに努めるとともに、各種施策に積極的に取組んでまいります。