四半期報告書-第23期第2四半期(平成29年4月1日-平成29年6月30日)

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2017/08/14 9:08
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1) 業績の状況
当第2四半期連結累計期間(平成29年1月1日~平成29年6月30日)におけるわが国経済は、設備投資や個人消費の持ち直しの動きは緩慢であるものの、輸出の増加や生産の持ち直しにより企業収益は改善傾向にあり、緩やかな景気回復基調が続いております。
海外経済は、全体としては緩やかな成長が続いておりますが、アメリカの金融政策正常化や政権運営の影響に不透明感がある他、アジア及び中東地域における地政学リスクの高まり等、世界経済の今後の動きによってはわが国の景気が下押しされるリスクがあることに留意する必要があります。
当社グループが関わる不動産及び不動産金融業を取り巻く環境を俯瞰しますと、不動産賃貸市場においては、堅調な企業業績を背景とした増床や拡張移転需要が継続したことにより、東京都心5区のオフィスビルでは賃料が緩やかではありますが着実に上昇しており、全国の主要都市でもオフィスビルの稼働率が改善傾向にあります。不動産売買市場においては、一般財団法人日本不動産研究所の調査によれば、オフィスビルや商業施設では投資家の期待利回りには下げ止まり傾向が見られるものの、物流施設とホテルの期待利回りは過去最低を更新しており、J-REIT等国内外の投資家による物件取得意欲は引き続き堅調な状況が続いております。
こうした中、当社グループでは平成27年2月に3ヵ年の中期経営計画「Partners in Growth 2017」を公表し、①アセットマネジメント事業を中心とする安定収益の成長、②共同投資を中心とする不動産投資事業の推進、③財務の健全性と株主還元の最適なバランスの追及を基本方針として掲げ、諸施策を着実に実行しております。
上記中期経営計画の最終年となる当第2四半期連結累計期間において当社は、商業施設やオフィスビル等の連結対象物件を当社がスポンサーを務めるREIT等への売却を進める一方、横浜みなとみらい地区に所在する三菱重工横浜ビル及びその隣接地を当社グループで組み入れる方針を決定し、さらにはホテル、太陽光発電所への新規開発投資を積極的に進めてまいりました。また、大型マルチテナント型物流施設開発の着工や大型オフィスビル日比谷パークフロントの竣工など他社との共同投資事業も積極的に進め、これらの物件のアセットマネジメント業務を受託すること等により着実に受託資産を拡充し、今後の当社グループの成長に資する活動を行ってまいりました。海外においては、アメリカの賃貸住宅へ投資を行うSPCの持分を追加取得して100%持分とし、本邦投資家向けのファンド組成を目指す体制を整えました。
この結果、当第2四半期連結会計期間末における受託資産(AUM)の総額は1兆8,184億円となり、前連結会計年度末比では、1,153億円(6.8%)の純増となりました。
財務面につきましては、連結対象であったファンドの物件売却が進展する一方、上記物件等の新規取得を行った結果、前連結会計年度末に対して連結ベースの有利子負債は5,677百万円増加しましたが、有利子負債の総資産に対する比率が43.9%にとどまっており、健全な財務体質を維持しております。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間の営業収益は13,509百万円(前年同四半期比4.6%増)となり、営業利益、経常利益はそれぞれ6,836百万円(同7.4%増)、6,128百万円(同15.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は5,941百万円(同16.2%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①アセットマネジメント事業
アセットマネジメント事業につきましては、受託資産(AUM)が拡大したことに伴い運用報酬であるアセットマネジメントフィーが増加した他、媒介報酬であるブローカレッジフィーや取得報酬であるアクイジションフィーが増加したことから、営業収益が前期と比較して652百万円増加しました。この結果、営業収益は5,660百万円(前年同四半期比13.0%増)、営業利益は3,866百万円(同8.0%増)となりました。
②不動産管理事業
不動産管理事業につきましては、プロパティ・マネジメント事業や内装工事事業の収益が堅調に拡大したことから、営業収益は1,337百万円(前年同四半期比11.1%増)、営業利益は421百万円(同38.4%増)となりました。
③不動産運営事業
不動産運営事業につきましては、マスターリース契約終了に伴う運営物件の減少や、修繕による稼働貸室数の減少等により、営業収益は1,710百万円(前年同四半期比10.7%減)、営業損失は73百万円(前年同四半期は37百万円の営業利益)となりました。
④不動産投資事業
不動産投資事業につきましては、不動産売却収入及び不動産賃貸収入が増加する一方、匿名組合分配損益が減少したことから、営業収益は5,083百万円(前年同四半期比2.2%減)、営業利益は3,170百万円(同0.3%減)となりました。
(2)財政状態
当第2四半期連結会計年度末の総資産は、連結対象不動産の売却を進める一方、横浜みなとみらい地区開発用地等の新規取得を推進したことにより、前連結会計年度末に比べて5,621百万円増加の186,033百万円となりました。
負債合計につきましては、前連結会計年度末に比べて7,096百万円増加し、90,731百万円となりました。これは主に、物件取得に伴うノンリコースローンの借入実行によるものであります。
純資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べて1,474百万円減少し、95,302百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益を計上する一方、自己株式の取得を行ったことによるものであります。
また、自己株式取得などの今後の資本政策の機動性を確保するため、資本準備金を100億円減少して同額をその他資本剰余金に振り替えております。
なお、物件の取得にあたり連結子会社においてノンリコースローンによる資金調達を行う場合がありますが、当該ノンリコースローンは物件を保有している子会社を対象に融資され、返済原資はその子会社が保有する資産に係るキャッシュ・フローの範囲内に限定されるため、当社グループの有利子負債への依存の分析にあたっては、当該ノンリコースローンの影響を控除する必要があります。
有利子負債の自己資本に対する比率(デット・エクイティ・レシオ)の推移は以下のとおりです。
(単位:百万円)
平成25年12月期平成26年12月期平成27年12月期平成28年12月期平成29年6月期
有利子負債①66,025106,61569,30776,02181,699
(うちノンリコースローン②)(28,347)(82,888)(45,634)(54,432)(59,776)
純資産③74,34185,35192,35396,77695,302
現金及び預金④25,79528,54647,54542,53238,128
純有利子負債⑤(①-②-④)11,883△4,819△23,871△20,943△16,205
ノンリコースローン控除後
ネット・デット・エクイテ
ィ・レシオ⑤/③(%)
16.0△5.6△25.9△21.6△17.0

(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動により7,955百万円増加し、投資活動により10,842百万円減少し、また、財務活動により1,150百万円減少いたしました。この結果、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ4,071百万円減少し、39,266百万円となりました。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間において営業活動の結果得られた資金は、7,955百万円(前年同四半期は11,432百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益が7,556百万円、たな卸資産の減少額が3,402百万円あった一方、匿名組合出資金の増加額が909百万円あったことによるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間において投資活動の結果使用した資金は、10,842百万円(前年同四半期は216百万円の収入)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入額が19,371百万円、関係会社株式の売却による収入額が4,697百万円あった一方、有形固定資産の取得による支出額が29,450百万円、投資有価証券の取得による支出額が3,377百万円あったことによるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間において財務活動の結果使用した資金は、1,150百万円(前年同四半期は15,338百万円の収入)となりました。これは主に、ノンリコ―ス長期借入れによる収入額が21,124百万円あった一方、ノンリコ―ス長期借入金の返済による支出額が15,671百万円、自己株式の取得による支出額が4,999百万円、配当金の支払額が1,003百万円あったことによるものであります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
該当事項はありません。