四半期報告書-第23期第3四半期(平成29年7月1日-平成29年9月30日)
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間(平成29年1月1日~平成29年9月30日)におけるわが国経済は、設備投資や個人消費の持ち直しの動きは緩慢であるものの、輸出の増加や生産の持ち直しにより企業の収益及び業況判断は改善しており、緩やかな景気回復基調が続いております。
海外経済は、全体としては緩やかな成長が続いておりますが、アメリカの金融政策正常化や政権運営の影響に不透明感がある他、北朝鮮情勢の地政学リスクの高まり等、世界経済の今後の動きによってはわが国の景気が下押しされるリスクがあることに留意する必要があります。
当社グループが関わる不動産及び不動産金融業を取り巻く環境を俯瞰しますと、国土交通省が9月に発表した基準地価によれば、三大都市圏では全ての用途で継続して地価が上昇しており、特に商業地においては上昇基調を強めております。地方の主要都市においても、外国人観光客の増加等を背景に全ての用途で三大都市圏を上回る上昇率を示すなど、総じて底堅い結果があらわれました。不動産賃貸市場においては、堅調な企業業績を背景とした増床や拡張移転需要に支えられ、東京都心5区のオフィスビルでは賃料の緩やかな上昇傾向と空室率の低下傾向が続いており、地方の主要都市でも同様の傾向がみられます。不動産売買市場においては、日銀による金融政策の効果により低金利が維持されており、良好な資金調達環境を背景として私募ファンド及び不動産ディベロッパー等による活発な投資活動が続いております。
こうした中、当社グループでは平成27年2月に3ヵ年の中期経営計画「Partners in Growth 2017」を公表し、①アセットマネジメント事業を中心とする安定収益の成長、②共同投資を中心とする不動産投資事業の推進、③財務の健全性と株主還元の最適なバランスの追及を基本方針として掲げ、諸施策を着実に実行しております。
上記中期経営計画の最終年となる当第3四半期連結累計期間において当社は、商業施設やオフィスビル等の連結対象物件を当社がスポンサーを務めるREIT等への売却を進める一方、横浜みなとみらい地区に所在する三菱重工横浜ビル及びその隣接地を当社グループで組み入れる方針を決定し、さらにはホテル、太陽光発電所への新規開発投資を積極的に進めてまいりました。また、大型マルチテナント型物流施設開発の着工や大型オフィスビル日比谷パークフロントの竣工など他社との共同投資事業も積極的に進め、これらの物件のアセットマネジメント業務を受託すること等により着実に受託資産を拡充し、今後の当社グループの成長に資する活動を行ってまいりました。海外展開においては、アメリカの賃貸住宅へ投資を行うSPCの持分を追加取得して100%持分とし、本邦投資家向けのファンド組成を目指す体制を整えました。シンガポール子会社であるKenedix Asia Pte. Ltdは、スポンサー参加するマレーシアの上場REITをサポートするためにウェアハウジング機能を用いて、マレーシアのオフィスビルを取得いたしました。この結果、当第3四半期連結会計期間末における受託資産(AUM)の総額は1兆8,957億円となり、前連結会計年度末比では、1,926億円(11.3%)の純増となりました。
財務面につきましては、連結対象であったファンドの物件売却が進展する一方、上記物件等の新規取得を行った結果、前連結会計年度末に対して連結ベースの有利子負債は3,075百万円増加しましたが、有利子負債の総資産に対する比率が42.8%にとどまっており、健全な財務体質を維持しております。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の営業収益は18,706百万円(前年同四半期比6.5%増)となり、営業利益、経常利益はそれぞれ8,669百万円(同10.3%増)、8,445百万円(同3.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は7,789百万円(同9.7%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①アセットマネジメント事業
アセットマネジメント事業につきましては、受託資産(AUM)が拡大したことに伴い運用報酬であるアセットマネジメントフィーが増加した他、取得報酬であるアクイジションフィーや成果報酬であるインセンティブフィーが増加したことから、営業収益が前期と比較して1,183百万円増加しました。この結果、営業収益は7,738百万円(前年同四半期比18.0%増)、営業利益は5,041百万円(同16.1%増)となりました。
②不動産管理事業
不動産管理事業につきましては、プロパティ・マネジメント事業や内装工事事業の収益が順調に拡大したことから、営業収益は2,027百万円(前年同四半期比12.5%増)、営業利益は632百万円(同23.3%増)となりました。
③不動産運営事業
不動産運営事業につきましては、サービスオフィス事業の業績は比較的堅調に推移したものの、サービスアパートメント事業における運営物件の減少や修繕による稼働貸室数の減少等が影響し、営業収益は2,582百万円(前年同四半期比6.9%減)、営業損失は119百万円(前年同四半期は18百万円の営業利益)となりました。
④不動産投資事業
不動産投資事業につきましては、不動産売却収入及び受取配当金収入が増加する一方、匿名組合分配損益が減少したことから、営業収益は6,699百万円(前年同四半期比3.6%減)、営業利益は3,873百万円(同0.1%減)となりました。
(2)財政状態
当第3四半期連結会計年度末の総資産は、連結対象不動産の売却を進める一方、横浜みなとみらい地区開発用地等の新規取得を推進したことにより、前連結会計年度末に比べて4,459百万円増加の184,871百万円となりました。
負債合計につきましては、前連結会計年度末に比べて4,097百万円増加し、87,732百万円となりました。これは主に、物件取得に伴うノンリコースローンの借入実行によるものであります。
純資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べて362百万円増加し、97,139百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益を計上する一方、自己株式の取得を行ったことによるものであります。
また、自己株式取得などの今後の資本政策の機動性を確保するため、資本準備金を10,000百万円減少して同額をその他資本剰余金に振り替えております。
なお、物件の取得にあたり連結子会社においてノンリコースローンによる資金調達を行う場合がありますが、当該ノンリコースローンは物件を保有している子会社を対象に融資され、返済原資はその子会社が保有する資産に係るキャッシュ・フローの範囲内に限定されるため、当社グループの有利子負債への依存の分析にあたっては、当該ノンリコースローンの影響を控除する必要があります。
有利子負債の自己資本に対する比率(デット・エクイティ・レシオ)の推移は以下のとおりです。
(単位:百万円)
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。
当第3四半期連結累計期間(平成29年1月1日~平成29年9月30日)におけるわが国経済は、設備投資や個人消費の持ち直しの動きは緩慢であるものの、輸出の増加や生産の持ち直しにより企業の収益及び業況判断は改善しており、緩やかな景気回復基調が続いております。
海外経済は、全体としては緩やかな成長が続いておりますが、アメリカの金融政策正常化や政権運営の影響に不透明感がある他、北朝鮮情勢の地政学リスクの高まり等、世界経済の今後の動きによってはわが国の景気が下押しされるリスクがあることに留意する必要があります。
当社グループが関わる不動産及び不動産金融業を取り巻く環境を俯瞰しますと、国土交通省が9月に発表した基準地価によれば、三大都市圏では全ての用途で継続して地価が上昇しており、特に商業地においては上昇基調を強めております。地方の主要都市においても、外国人観光客の増加等を背景に全ての用途で三大都市圏を上回る上昇率を示すなど、総じて底堅い結果があらわれました。不動産賃貸市場においては、堅調な企業業績を背景とした増床や拡張移転需要に支えられ、東京都心5区のオフィスビルでは賃料の緩やかな上昇傾向と空室率の低下傾向が続いており、地方の主要都市でも同様の傾向がみられます。不動産売買市場においては、日銀による金融政策の効果により低金利が維持されており、良好な資金調達環境を背景として私募ファンド及び不動産ディベロッパー等による活発な投資活動が続いております。
こうした中、当社グループでは平成27年2月に3ヵ年の中期経営計画「Partners in Growth 2017」を公表し、①アセットマネジメント事業を中心とする安定収益の成長、②共同投資を中心とする不動産投資事業の推進、③財務の健全性と株主還元の最適なバランスの追及を基本方針として掲げ、諸施策を着実に実行しております。
上記中期経営計画の最終年となる当第3四半期連結累計期間において当社は、商業施設やオフィスビル等の連結対象物件を当社がスポンサーを務めるREIT等への売却を進める一方、横浜みなとみらい地区に所在する三菱重工横浜ビル及びその隣接地を当社グループで組み入れる方針を決定し、さらにはホテル、太陽光発電所への新規開発投資を積極的に進めてまいりました。また、大型マルチテナント型物流施設開発の着工や大型オフィスビル日比谷パークフロントの竣工など他社との共同投資事業も積極的に進め、これらの物件のアセットマネジメント業務を受託すること等により着実に受託資産を拡充し、今後の当社グループの成長に資する活動を行ってまいりました。海外展開においては、アメリカの賃貸住宅へ投資を行うSPCの持分を追加取得して100%持分とし、本邦投資家向けのファンド組成を目指す体制を整えました。シンガポール子会社であるKenedix Asia Pte. Ltdは、スポンサー参加するマレーシアの上場REITをサポートするためにウェアハウジング機能を用いて、マレーシアのオフィスビルを取得いたしました。この結果、当第3四半期連結会計期間末における受託資産(AUM)の総額は1兆8,957億円となり、前連結会計年度末比では、1,926億円(11.3%)の純増となりました。
財務面につきましては、連結対象であったファンドの物件売却が進展する一方、上記物件等の新規取得を行った結果、前連結会計年度末に対して連結ベースの有利子負債は3,075百万円増加しましたが、有利子負債の総資産に対する比率が42.8%にとどまっており、健全な財務体質を維持しております。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の営業収益は18,706百万円(前年同四半期比6.5%増)となり、営業利益、経常利益はそれぞれ8,669百万円(同10.3%増)、8,445百万円(同3.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は7,789百万円(同9.7%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①アセットマネジメント事業
アセットマネジメント事業につきましては、受託資産(AUM)が拡大したことに伴い運用報酬であるアセットマネジメントフィーが増加した他、取得報酬であるアクイジションフィーや成果報酬であるインセンティブフィーが増加したことから、営業収益が前期と比較して1,183百万円増加しました。この結果、営業収益は7,738百万円(前年同四半期比18.0%増)、営業利益は5,041百万円(同16.1%増)となりました。
②不動産管理事業
不動産管理事業につきましては、プロパティ・マネジメント事業や内装工事事業の収益が順調に拡大したことから、営業収益は2,027百万円(前年同四半期比12.5%増)、営業利益は632百万円(同23.3%増)となりました。
③不動産運営事業
不動産運営事業につきましては、サービスオフィス事業の業績は比較的堅調に推移したものの、サービスアパートメント事業における運営物件の減少や修繕による稼働貸室数の減少等が影響し、営業収益は2,582百万円(前年同四半期比6.9%減)、営業損失は119百万円(前年同四半期は18百万円の営業利益)となりました。
④不動産投資事業
不動産投資事業につきましては、不動産売却収入及び受取配当金収入が増加する一方、匿名組合分配損益が減少したことから、営業収益は6,699百万円(前年同四半期比3.6%減)、営業利益は3,873百万円(同0.1%減)となりました。
(2)財政状態
当第3四半期連結会計年度末の総資産は、連結対象不動産の売却を進める一方、横浜みなとみらい地区開発用地等の新規取得を推進したことにより、前連結会計年度末に比べて4,459百万円増加の184,871百万円となりました。
負債合計につきましては、前連結会計年度末に比べて4,097百万円増加し、87,732百万円となりました。これは主に、物件取得に伴うノンリコースローンの借入実行によるものであります。
純資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べて362百万円増加し、97,139百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益を計上する一方、自己株式の取得を行ったことによるものであります。
また、自己株式取得などの今後の資本政策の機動性を確保するため、資本準備金を10,000百万円減少して同額をその他資本剰余金に振り替えております。
なお、物件の取得にあたり連結子会社においてノンリコースローンによる資金調達を行う場合がありますが、当該ノンリコースローンは物件を保有している子会社を対象に融資され、返済原資はその子会社が保有する資産に係るキャッシュ・フローの範囲内に限定されるため、当社グループの有利子負債への依存の分析にあたっては、当該ノンリコースローンの影響を控除する必要があります。
有利子負債の自己資本に対する比率(デット・エクイティ・レシオ)の推移は以下のとおりです。
(単位:百万円)
平成25年12月期 | 平成26年12月期 | 平成27年12月期 | 平成28年12月期 | 平成29年9月期 | |
有利子負債① | 66,025 | 106,615 | 69,307 | 76,021 | 79,097 |
(うちノンリコースローン②) | (28,347) | (82,888) | (45,634) | (54,432) | (60,826) |
純資産③ | 74,341 | 85,351 | 92,353 | 96,776 | 97,139 |
現金及び預金④ | 25,795 | 28,546 | 47,545 | 42,532 | 41,285 |
純有利子負債⑤(①-②-④) | 11,883 | △4,819 | △23,871 | △20,943 | △23,013 |
ノンリコースローン控除後 ネット・デット・エクイテ ィ・レシオ⑤/③(%) | 16.0 | △5.6 | △25.9 | △21.6 | △23.7 |
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。