有価証券報告書-第13期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/27 13:35
【資料】
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【項目】
123項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策・日銀による金融緩和政策により景気回復傾向にある一方で、円安基調による値上げの影響や、米国・新興国経済の先行き等、依然として不透明な状況で推移しております。個人消費におきましても、雇用・所得環境の大幅な改善はみられず、経営環境は依然として厳しい状況が続いております。
このような環境のもと当社グループは、“フードサービスから公共サービスまで提供可能な水平垂直統合型の企業構造”で他社との差別化を図り、高品質・高付加価値のサービスを提供するとともに、より一層の「安心・安全」な管理体制の強化、グループ総合力を活かした営業拡大に努めてまいりました。また、「はぐくむ、大切なことのすべて」という基本理念のもと、運動と心に関わるサービスの提供をより強化するために、「シダックス・カルチャービレッジ」(東京都渋谷区神南)をスタートさせ、当該施設を新しい価値の創造と情報発信の拠点として位置づけ、カルチャースクールとスポーツクラブを融合させたスポーツ&カルチャー事業における新しいサービス「CULTURE WORKS」としてスタートさせました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は191,583百万円(前連結会計年度比2.9%増)となりました。利益面につきましては、各事業セグメントにおいて、材料費・労務費の原価管理の徹底と消耗品費を中心とした経費の圧縮に努めたものの、円安基調による原材料の高騰や電力需給調整による電気、ガス料金等の単価アップの影響に加え、新規事業の立ち上げに想定よりも時間を要したことなどにより、営業利益は2,943百万円(前連結会計年度比42.7%減)となり、経常利益は2,844百万円(前連結会計年度比45.8%減)となりました。また、主にレストランカラオケ事業の用に供する固定資産の減損損失1,213百万円を特別損失に計上したことにより、当期純利益は521百万円(前連結会計年度比80.4%減)となりました。
(エスロジックス事業)
当社グループのスケールメリットを最大限に活かし、安全性・信頼性の高い商品を徹底した衛生管理体制で一括発注・配送を展開してまいりました。また、一元物流システムをより合理的に活用できるよう、標準メニュー導入の促進、調達コスト・物流コストの削減、在庫の削減などに努めるとともに、同業他社とのアライアンスによる共同購買機構によってスケールメリットを最大限に活用し、収益性の向上にも努めてまいりました。さらに、健康効果が期待される食事メニューの開発、トレーサビリティ、アレルゲン関連など、付加価値の向上にも努め「安心・安全」な食材の供給を行ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の内部売上高を含めた売上高は44,524百万円(前連結会計年度比3.8%増)、セグメント利益は3,619百万円(前連結会計年度比3.3%減)となりました。
(コントラクトフードサービス事業)
大手同業他社との競争激化に加え、一部の業種においては円安・株高の影響を受け、生産・輸出・雇用等が持ち直す動きがありましたが、経営環境は依然として厳しい状況にあります。このような環境のもと、平成24年11月から和食の道場六三郎氏、イタリア料理の落合務氏、四川料理の陳建一氏と「シダックス料理人企画」をスタート、各料理人による監修メニューの提供や調理実演イベントを行うなど、食を通じて“高級化”と“エンターテインメント”の要素を取り入れた新たな試みを行っております。一元物流システムの導入強化、コスト管理の徹底、既存店舗の解約防止、赤字店舗の運営改善強化などによって収益性の向上を目指してまいりました。また、多様化するお客様のニーズを的確に捉え、車両運行管理サービスなどを含んだ総合的なソリューション提案を行い、収益向上を目指すとともに、新規案件とも連動して開発を強化し、事業拡大に努めてまいりました。さらに、福島県相馬市の仮設住宅への食事提供など、震災復興支援活動にも積極的に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は30,095百万円(前連結会計年度比0.7%減)、セグメント利益は1,663百万円(前連結会計年度比7.1%減)となりました。
(メディカルフードサービス事業)
病院・福祉施設などの経営環境が厳しい状況の中、同業他社との競争は厳しさを増す状況が続いております。このような環境のもと、「出張回転寿司」などのイベントを展開、平成24年11月から実施している3大料理人(和食の道場六三郎氏、四川料理の陳建一氏、イタリア料理の落合務氏)とのコラボレートに続き、今年、青山有紀さん、加賀田京子さんの2大女性料理人と契約し、メニュー開発や調理実演などのイベントを展開してまいりました。また、一元物流システムの導入強化、コスト管理の徹底、既存店舗の解約防止、赤字店舗の運営改善強化などによって収益性の向上に努めてまいりました。また、高品質なサービスの提供を行うとともに、セントラルキッチンを活用した「やわらかマザーフード食」など独自色の強い商品の提供を行い、お客様満足度の向上に努めてまいりました。さらに、トータルアウトソーシングを意識した新規クライアントの営業開発にも努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は36,310百万円(前連結会計年度比0.8%増)、セグメント利益は1,074百万円(前連結会計年度比12.3%減)となりました。
(レストランカラオケ事業)
国内における状況は、個人消費において、雇用・所得環境の大幅な改善はみられず、消費マインドは足踏み状態にあり、支出の多様化、競合他社はもとより業種を超えた競争が激化し、事業を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いております。このような環境のもと、レストランカラオケを展開するシダックス・コミュニティー株式会社の創業20周年を記念して、7月~8月の2カ月間、17時~24時にご入室のすべてのお客様に、お支払い総額から20%OFFのサービスを行う「お客様に感謝をこめて! 20周年ありがとうキャンペーン」を実施し、カラオケ業界初の試みとして、日本を代表する3大料理人(和食の道場六三郎氏、イタリア料理の落合務氏、四川料理の陳建一氏)監修による本格的な「三大巨匠・ディナーコース」の提供をいたしました。さらに9月20日から、「BoA」「東方神起」「SUPER JUNIOR」「少女時代」「SHINee」の所属するS.M.エンタテインメントと共同事業で、アーティストとのコラボレーションルームを展開する「eVERYSING with SHIDAX」を都内2店舗でオープンなど様々な集客施策を行い、販売促進を強化するとともに、コスト管理を徹底し、収益性の向上に努めてまいりました。また、ケータイ会員を拡大(790万人突破)し集客を図るとともに、ターゲットを明確にしたOne to Oneマーケティングによる個々の顧客へのアプローチを確立し、マーケティングの精度・効果の向上に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は41,512百万円(前連結会計年度比8.2%減)、セグメント利益は1,137百万円(前連結会計年度比49.7%減)となりました。
(スペシャリティーレストラン事業)
米国における状況は、失業率の低下や好調な株式市況を背景に個人消費が堅調であり、経済の回復傾向が続いております。このような環境のもと、季節メニューイベントの実施、パーティー、ケータリング受注の強化等の売上増加策及び労務コストの見直し等により収益性の強化を図ってまいりました。国内における状況は、個人消費において、雇用・所得環境の大幅な改善はみられず、消費マインドは足踏み状態にあり、支出の多様化、競合他社はもとより業種を超えた競争が激化し、事業を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いております。このような環境のもと、イベント企画の強化、会員限定プランの実施により、集客力アップを図るとともに、コスト管理の徹底を行い収益性の向上に努めてまいりました。また、お客様の多種多彩なニーズにお応えするためのメニュー開発及び接客サービスの向上に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は24,036百万円(前連結会計年度比29.1%増)、セグメント利益は507百万円(前連結会計年度比164.6%増)となりました。
(コンビニエンス中食事業)
同業他社・大手コンビニエンスストアとの出店競争が依然厳しい環境ではありますが、新規店舗を15店舗出店し、お客様の生活ニーズに応じた利便性向上・満足度向上の実現に取り組んでまいりました。商品・サービス面においては、バーゲン本催事販売の実施店舗を全国に積極的に拡大するとともに、沖縄フェア・ハロウィンフェア・クリスマスフェアなど季節感を演出する企画での販売促進を行ってまいりました。また、運営面では、取引先集約による値入改善を進めるとともに、労務費及び消耗品などの経費の効率的運用を行い、既存店のブラッシュアップと赤字店舗の改善に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は14,776百万円(前連結会計年度比2.1%増)、セグメント利益は415百万円(前連結会計年度比0.5%増)となりました。
(トータルアウトソーシング事業)
公共サービス分野では、地方自治体における財政再建と地域活性化へのニーズが高まっており、着実に民間委託が進んでおります。一方、民間サービス分野では、経済全体に明るい兆しが見られるものの、コスト削減に対するクライアント要求が続く中、同業他社との競争は激化しており、厳しい経営環境が続いております。このような環境のもと、車両運行管理業務においては、お客様のニーズに応じた車両運行サービスの提案を行い、千葉県南房総市、佐賀県多久市等からスクールバス業務を受託した他、千葉県君津市よりデマンドタクシー業務を受託する等、幅広い業務の受注とコストの削減に努めてまいりました。社会サービス業務においては、従来から事業の柱であります学校給食業務及び指定管理者による施設管理・運営を受託するとともに、滋賀県守山市にグループ総合力を活かした複合施設の運営を開始するとともに、既存契約の運営改善を図り、売上向上と収益確保に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は38,354百万円(前連結会計年度比2.5%増)、セグメント利益は1,819百万円(前連結会計年度比3.6%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ978百万円減少し10,810百万円(前連結会計年度末比8.3%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、7,333百万円の資金増加(前連結会計年度は10,104百万円の資金増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が2,030百万円計上されたほか、未払金の減少額が687百万円及び法人税等の支払額が2,907百万円発生した一方、減価償却費が6,482百万円、減損損失が1,213百万円並びに未払消費税等の増加額が1,210百万円あったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、9,724百万円の資金減少(前連結会計年度は1,384百万円の資金減少)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入が980百万円、敷金及び保証金の回収による収入が1,368百万円あった一方、有形固定資産の取得による支出が11,441百万円、貸付による支出が352百万円並びに敷金及び保証金の差入による支出が252百万円あったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、1,232百万円の資金増加(前連結会計年度は6,036百万円の資金減少)となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出が517百万円、リース債務の返済による支出が2,512百万円、長期借入金の返済による支出が15,140百万円、社債の償還による支出が760百万円、配当金の支払額が602百万円並びに自己株式の取得による支出が530百万円あった一方、長期借入れによる収入が21,500百万円あったことによります。