有価証券報告書-第24期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/26 9:00
【資料】
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【項目】
146項目

事業等のリスク

当社グループの企業活動は、世界または国内における経済環境の変化や市場の成長度合い、その他、当社グループが計画した事業戦略の成否によって、大きく影響を受けることが予想されます。この結果、当社グループの経営成績、財務状況及び株価が当社グループの見込以上に大きく変動する可能性があります。当社グループの業績、財務状況に影響を与え、株価形成の変動要因となるリスク要因は、次の通りです。なお、文中におけるリスク要因と将来に関する記述は、本有価証券報告書提出日(2019年6月26日)現在において、当社グループが判断したものであります。
(a) 主要な製品の販売を販売代理店に依存していることと、取引先の経営状態の変化によって当社グループが受ける影響について
当社グループ製品の大部分は、販売代理店を経由し利用者へ販売されています。従いまして、主要販売代理店の販売状況や経営環境変化(企業のM&Aや倒産など)によって、当社グループの売上高が大きく変動する可能性があります。また、こうした販売代理店は、当社グループにとって競合となる製品の取り扱いも行っています。当社グループは販売代理店への働きかけにより売上高の拡大に努めておりますが、競合製品の取り扱いが当社グループ製品の取り扱いよりも先行する可能性もあります。
また、当社グループの取引先において、主要取引先の経営状態や環境の変化(企業のM&Aや倒産など)により、当社グループへの債務の支払いが停滞したり、その回収が不可能となった場合、当社グループの財務状況に大きく影響を与える可能性があります。
(b) 当社グループ製品の学校及び自治体などへの販売が国家予算や自治体の政策方針により影響を受けることについて
当社グループ製品の国公立学校や地方自治体などに対する売上高は、本製品の導入先の性質上、国家予算の変動や地方自治体への予算配賦状況、地方自治体における予算の消化状況などによって大きく影響を受ける可能性があります。
(c) インターネットにおける法規制、NPO法人などによる無料サービスの提供、並びにオペレーティングシステムへの無償での組み込みによって受ける影響について
インターネットにおける法規制などが進み、政府やNPO法人によって当社グループの「Webセキュリティ」事業に類する施策や対応が低価格あるいは無償で行われた場合、当社グループにおいて事業及び収益モデルの変更を余儀なくされる可能性があります。
また将来において、当社グループが提供するWebセキュリティソフトまたはそれに類似するものが、コンピューターのオペレーティングシステム(OS)などに無償または非常に低価格で付加され販売される可能性があり、その製品が当社グループの提供するWebセキュリティの機能より劣っている場合でも、利用者がそうした製品を積極的に利用する可能性があります。このような場合には当社グループの業績や財務状況に大きな影響を与える可能性があります。
(d) セキュリティ事業に特化していることによる影響について
当社グループは、インターネット上の問題あるコンテンツを遮断するセキュリティソフト及びメールセキュリティソフトの開発・販売等を行う「セキュリティ事業」に特化しております。今後、経済環境の悪化その他の要因により、セキュリティ市場の需要が低迷した場合等には、当社グループの業績や財務状況に大きな影響を与える可能性があります。
(e) 当社グループの売上高における第4四半期の割合が高いことによる影響について
当社グループの四半期における売上高は、第4四半期が他の四半期に比べ高くなる傾向にあります。これは、民間企業及び公共団体において、年度末である3月にIT製品の発注が行われることが多いためです。当社グループでは、この季節変動を考慮した計画策定を行い、当該時期の売上の維持・拡大に努めておりますが、何らかの理由により当該時期の受注を計画通りに獲得できなかった場合や、販売代理店または顧客の都合等により発注が遅れた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(f) 当社発行済株式の特定株主への集中による影響について
2019年3月31日現在のデジタルアーツ株式会社発行済株式数は14,133,000株(自己株式含む)であり、役員による保有株式数以外の株式数は11,625,019株と比較的少数であるため、国内外の機関投資家による集中的な株式保有がなされた場合、特定株主への株式集中によって株主数が減少し、上場廃止基準へ抵触する可能性があります。また同様に、国内外の機関投資家によって保有株式の短期的かつ集中的な株式売却がなされた場合、株価が大きく変動する可能性があります。
(g) 将来企業、学校、家庭などにおいてインターネットそのものの利用機会が衰退した場合の影響について
「インターネット」は世界的にも急速に発展を遂げ、今やなくてはならない情報インフラストラクチャーであります。現在、当社グループの売上の大部分がこの「インターネット」に関連した製品やサービスによって構成されているため、今後「インターネット」そのものの衰退や当社グループ製品の該当市場となる“企業”、“学校”、“自治体”、“家庭”などにおいて、「インターネット」そのものの利用機会が大きく減少した場合、当社グループの業績や財務状況に大きな影響を与える可能性があります。
(h) 知的財産(特許等)の保護の限界について
当社グループは、独自に開発した技術やノウハウの保全に対して、国内外にてしかるべき対策を行っておりますが、一部地域において法的制限によって当社グループの知的財産権が完全にまたは限定的にしか保護されない可能性があります。このため、他社が当社グループの技術の分析や研究を実施すること、類似する製品の提供を行うことを完全には防止できない可能性があります。さらに、当社グループは他社の知的財産権や著作権の侵害については細心の注意を払い、製品の販売やサービスの提供を行っておりますが、将来他社から知的財産権や著作権を侵害していると見なされる可能性があります。
(i) 当社グループの技術の陳腐化や技術革新が進行し得なかった場合の影響について
当社グループでは、現在提供している製品やサービスにおける技術や品質向上と将来の新製品、新サービスの提供に向け、開発活動を行っております。しかしながら、将来的に当社グループが提供している製品やサービスの陳腐化や当社グループにおける技術革新が進行しなかった場合、当社グループが提供する製品やサービスが競合他社のそれと比較して競争力を獲得できない可能性があります。このことが将来当社グループの業績や財務状況に対して大きな影響となる可能性があります。
(j) 当社グループが提供する製品のバグや欠陥の発生による影響について
当社グループでは「Webセキュリティソフト」を中心に、多くのソフトウェア製品を開発販売しております。ソフトウェアの開発から販売までの過程において数多くの品質チェックを行い、プログラムの動作確認には万全を期しておりますが、販売時には予期し得なかったソフトウェア特有のバグ(不具合)が販売後確認されることもあります。その場合、当社グループでは速やかに製品のアップデート(修正)プログラムを提供し対応しております。しかしながら、こうしたバグの解決に非常に長期間を有した場合、またはバグの解決に至らなかった場合は、製品の売上の減少や返品によって当社グループの業績や財務状況に大きな影響を与える可能性があります。
(k) 当社グループが所有する基幹システム(サーバ)のトラブルによってサービスを提供できなくなることによる影響について
当社グループの主要なサービスの大部分は、当社グループが管理するサーバよりURL情報等を提供する形態としております。当社グループではこれらのサーバを最重要基幹システムとして位置付け、サーバの二重化やデータのバックアップ取得による保全策などを実行し、サービスの安定的な提供に努めております。しかしながら、サーバはハードウェアであり予期せぬ動作の停止や誤作動及び重要データ(当社グループサービスの核となるURLデータベース、顧客情報、技術情報など)の喪失などが発生し、サービスの提供を行うことができなくなる可能性があります。
また、サーバを保管している施設の事業の停止によるサービスの停止、当社グループが利用するインターネットサービスプロバイダや回線提供事業者におけるトラブル発生、ハッキングまたは重要データの盗難による情報の流出などによって、当社グループがサービスの提供の中断を余儀なくされた場合も同様です。当社ではプライバシーマークを取得し、情報セキュリティ対策、情報の流出防止等に取り組んでおりますが、これらの事象が発生し、サービスが短期・長期に関わらず停止した場合、当社グループへの信頼が低下する恐れがあり、当社グループの業績や財務状況に大きな影響を与える可能性があります。
(l) 主要な経営陣への依存と、有能な技術者やキーパーソンの確保及び育成について
当社グループの運営は、代表取締役社長である道具登志夫をはじめとする主要な経営陣に大きく依存しております。将来これらの経営陣において、病気やけがによる長期休暇、退職、死亡などの事態が発生した場合、当社グループの業績や財務状況に大きな影響を与える可能性があります。また、当社グループの成長と成功は有能な技術者やキーパーソンに大きく依存しており、これら重要な人材の確保と育成には常に取り組んでおりますが、将来こうした技術者やキーパーソンの確保と育成ができなかった場合は、当社グループの成長、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(m) 企業の合併と買収、営業権の譲渡や獲得などによる影響について
当社は東京証券取引所市場第1部への公開企業であり、代表取締役社長である道具登志夫が2019年3月31日現在の発行済株式14,133,000株(自己株式含む)のうち2,496,316株(保有する株式の割合 約17.7%、役員持株会保有分を含む)を保有し筆頭株主となっております。しかしながら、公開企業にとって企業の買収と合併の可能性は否定できず、将来当社グループにおいても企業全体または事業の一部や営業権について、買収、合併及び譲渡される可能性があり、このような場合、当社グループの業績や財務状況に大きな影響を与える可能性があります。
また、当社グループが企業買収、合併及び営業権の獲得を行った場合も同様の影響が発生する可能性があります。
(n) 天災、災害、テロ活動、戦争、生物ウィルスなどの発生や停電による影響について
地震や天災といった災害、国内におけるテロ活動、国内外での戦争の発生や悪性インフルエンザに代表される生物ウィルスの蔓延などの予期せぬ事態により、当社グループの業績や事業活動が影響を受ける可能性があります。また、全国的、地域的な停電や入居しているビルの事情によって電力供給が十分得られなかった場合、当社グループの事業活動とサービスの提供が停止し、当社グループの業績や財務状況に大きな影響を与える可能性があります。
(o) 当社グループの四半期決算数値の変動が株価に与える影響について
当社グループの四半期決算数値の傾向は、中長期的な経営成績の傾向と異なる可能性があります。
当社グループの四半期決算の数値が変動する主な要因は以下の通りです。
・季節要因、複数年大型案件の獲得
・セールスミックスの変化に伴う、売上計上時期ずれ
・法律改正や政府主導の施策による一過性の特需に伴う販売