訂正内部統制報告書-第36期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2020/02/14 11:17
【資料】
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財務報告に係る内部統制の基本的枠組みに関する事項

当社代表取締役社長謝敷宗敬は、当社及び連結子会社の財務報告に係る内部統制の整備及び運用に責任を有しており、企業会計審議会の公表した「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の設定について(意見書)」に示されている内部統制の基本的枠組みに準拠して、財務報告に係る内部統制を整備及び運用しております。
なお、内部統制は、内部統制の各基本的要素が有機的に結びつき一体となって機能することで、その目的を合理的な範囲で達成しようとするものであります。このため、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性があります

評価の範囲、基準日及び評価手続に関する事項

財務報告に係る内部統制の評価は、当連結会計年度の末日である平成28年3月31日を基準日として行われており、評価に当たっては、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠いたしました。
本評価においては、連結ベースでの財務報告全体に重要な影響を及ぼす内部統制(全社的な内部統制)の評価を行った上で、その結果を踏まえて、評価対象とする業務プロセスを選定いたしました。当該業務プロセスの評価においては、選定された業務プロセスを分析した上で、財務報告の信頼性に重要な影響を及ぼす統制上の要点を識別し、当該統制上の要点について整備及び運用状況を評価することによって、内部統制の有効性に関する評価を行いました。
財務報告に係る内部統制の評価の範囲は、当社並びに連結子会社及び持分法適用会社について、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性の観点から必要な範囲を決定いたしました。財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性は、金額的及び質的影響の重要性を考慮して決定しており、当社及び連結子会社を対象として行った全社的な内部統制の評価結果を踏まえ、業務プロセスに係る内部統制の評価範囲を合理的に決定いたしました。業務プロセスに係る内部統制の評価範囲については、連結売上高を指標とし、概ね2/3に達している事業拠点を「重要な事業拠点」といたしました。選定した重要な事業拠点においては、企業の事業目的に大きく関わる勘定科目として「売上高」、「売掛金」及び「仕掛品」に至る業務プロセスを評価の対象といたしました。さらに、選定した重要な事業拠点にかかわらず、それ以外の事業拠点をも含めた範囲について、重要な虚偽記載の発生可能性が高く、見積りや予測を伴う重要な勘定科目に係る業務プロセスやリスクが大きい取引を行っている事業又は業務に係る業務プロセスを、財務報告への影響を勘案して重要性の大きい業務プロセスとして評価対象に追加するようにしております。

評価結果に関する事項

下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度末日時点において、当社及び連結子会社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。

当社は、2019年11月中旬に国税当局による税務調査の過程でその実在性に疑義を示された、当社の一部の物品仕入販売型取引に関し、その実在性を確認できないとの認識を得たため、当社と利害関係を有しない外部専門家2名及び当社社外監査役1名(計3名)から構成される特別調査委員会を設置し、当該事案について調査を進めてまいりました。
本特別調査委員会による調査の結果、「当社が特定取引先との間で行った複数の取引について実在性が認められず、かつ、それらの各取引はエンドユーザーが存在しない状態で当社を含む複数の会社が介在する形で複数回にわたって循環を繰り返す一連の商流の一部を構成しており、いわゆる架空循環取引と認められた。本件架空循環取引はA社の営業担当であった某氏が主導したもので、当社は、会社としてあるいは社会公共ソリューション事業部として組織的かつ意図的に関与したものではないことに加え、当社の営業担当者にも実在性のない架空取引あるいは循環取引との認識はなく、某氏が主導した本件架空循環取引に巻き込まれたものと認められる。」と報告されました。
当社は、本特別調査委員会の調査結果を踏まえ、実在性を確認できなかった一部の物品仕入販売型取引について、売上高、売上原価、棚卸資産等の過年度の訂正を行うとともに、2020年3月期第3四半期決算の過程で判明した事項についても過年度の訂正を行い、過年度の当社連結財務諸表、当社個別財務諸表を訂正しました。これらに伴い、第35期から第40期第2四半期までの有価証券報告書及びに四半期報告書について訂正報告書を提出いたしました。
本件は、物販取引に対するリスク管理体制、業務プロセスに関して課題があり、結果として物販取引における販売、購買に関する業務プロセスの財務報告に係る内部統制が有効に機能しておらず、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
なお、上記の開示すべき重要な不備は、当該事業年度末日後に発覚したため、当該不備を当事業年度末日までに是正することができませんでした。
当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を十分認識しており、特別調査委員会から指摘された提言を真摯に受け止め、当社として以下の改善策を講じて適正な内部統制の整備・運用を図ってまいります。
1.リスクマネジメントの強化
・リスク感度の向上による自律的かつ継続的なリスク管理を実現する取り組みの強化
2.業務プロセスの改善
・物販取引におけるリスク管理の強化
・同業他社間取引に関する社内ルール運用の厳格化
・取引書類作成に関する業務プロセスの改善
3.モニタリングその他の改善
・物販取引におけるモニタリングの強化
・不正調査等の内部監査の高度化
・棚卸資産管理規程の改定
4.牽制機能強化と営業の規範意識の向上
・各事業部における総括部牽制機能の強化
・全社の営業担当が遵守すべき業務プロセスの周知徹底