有価証券報告書-第51期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/24 14:18
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【項目】
114項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における我が国経済は、基本的に緩やかな回復基調が続いたものの、年度後半には、先行き不透明感がやや強まる展開となりました。所得の伸び悩みから個人消費に停滞感が見られることに加え、中国・EU・新興国の景気減速、地政学的リスク等を背景とする世界経済の不透明感の増大から、我が国景気が下押しされるリスクも生じています。
国内治安情勢につきましては、刑法犯認知件数が、2015年に戦後最低を記録するなど、大幅な減少傾向にあるものの、女性や子供を狙った犯罪、高齢者を狙った特殊詐欺などの身近な犯罪が後を絶たない状況です。また、サイバー犯罪と情報漏えい、自然災害、多発する国際テロ等、社会を取り巻くリスクは多様化しており、安全安心に係る社会インフラの一翼を担う企業として、社会のニーズに応える様々なサービスの提供が求められていると認識しております。
このような情勢の中、当社グループは、「お客様が抱える様々なリスクやアウトソースニーズに的確に応える」との方針のもと、引き続きセキュリティ事業の強化・拡大を推進し、加えて介護事業やビルメンテナンス事業等セキュリティ事業と親和性の高い事業の拡大にも注力いたしました。また、警備運用部門における人材の多機能化による業務の効率化等を推進し、コスト削減に取り組みました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの連結業績は、売上高は381,818百万円(前年同期比4.4%増)、営業利益は29,036百万円(前年同期比26.4%増)、経常利益は30,667百万円(前年同期比24.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は17,868百万円(前年同期比32.0%増)となりました。
売上高のセグメント別の増減
セグメントの名称前連結会計年度当連結会計年度前年同期比
金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
増減率
(%)
セキュリティ事業
機械警備業務160,40943.9167,13243.86,7234.2
常駐警備業務88,42924.293,90424.65,4756.2
警備輸送業務52,32814.354,69414.32,3654.5
合計301,16682.3315,73082.714,5644.8
綜合管理・防災事業58,30915.954,97614.4△3,332△5.7
報告セグメント計359,47598.3370,70797.111,2313.1
介護事業・その他6,2731.711,1102.94,83677.1
合計365,749100.0381,818100.016,0684.4

セグメント別の主要な変動要因は次のとおりであります(セグメント利益の調整額については、セグメント情報等の注記をご覧ください。)。
セキュリティ事業につきましては、機械警備業務においては、画像監視によるオンライン警備システムに加え、出退勤情報等の閲覧や、設備の遠隔操作がWeb上で行える「ALSOK情報提供サービス」を備えた「ALSOK-GV(ジーファイブ)」や「制御装置S-860」の販売を推進してまいりました。加えて、平成27年10月よりクラウドで監視カメラの録画映像を安全に保管し、スマートフォンやPCからWeb上で映像を確認できる低価格かつ高機能である「ALSOK画像クラウドサービス」の販売を開始しました。また、マイナンバー制度への対応をはじめ、個人情報漏えい対策として高まるセキュリティ強化ニーズに幅広く対応した結果、出入管理システムや監視カメラ等の機器売却収入が増加しました。
個人向けサービスでは、集合住宅向けの「HOME ALSOKアパート・マンションプラン」や自治体向けの高齢者みまもりサービスの受注が順調に推移しました。加えて、急速に普及するスマートフォンや、多様化するご家庭内の通信環境への対応など最新機能を搭載し、ホームセキュリティの“新基準”となる、「ホームセキュリティBasic」の発売により、商品ラインアップの拡充を図りました。
常駐警備業務においては、複合商業施設の警備業務や各種イベントにおける臨時警備の受注が売上に貢献するとともに、駅管理業務や卸売市場警備業務など新しい分野での受注が売上の拡大に寄与しました。
警備輸送業務においては、金融機関やコンビニエンスストアに設置されたATM等の運営・管理のアウトソーシング拡大に伴い、ATM綜合管理業務の受注が売上に貢献しました。
これらの結果、セキュリティ事業の売上高は315,730百万円(前年同期比4.8%増)、営業利益は32,707百万円(前年同期比21.5%増)となりました。
綜合管理・防災事業につきましては、グループ内での連携を強化し、ビル・マンション等の施設の維持・管理・運営に関するニーズにトータルでお応えする体制が充実し、設備関係の受注が順調に推移しました。また、ドローンによるメガソーラー施設の効率的な設備管理や発電効率の維持に貢献する空撮サービス、消火設備やEV充電設備の販売が増加しましたが、工事業務による収入が減少し、綜合管理・防災事業の売上高は54,976百万円(前年同期比5.7%減)、営業利益は4,376百万円(前年同期比10.1%増)となりました。
介護事業・その他につきましては、前連結会計年度に連結子会社化した株式会社HCM、ALSOKあんしんケアサポート株式会社等が業績拡大に貢献し、売上高は11,110百万円(前年同期比77.1%増)、営業利益は729百万円(前年同期比40.7%増)となりました。今後も、グループの経営資源を最大限に活用し、通常の介護サービスに加え、警備と介護をつなぐ第三分野サービスの展開を図ってまいります。
(2)キャッシュ・フロー
(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度前年同期比
(%)
(自 平成26年4月1日
至 平成27年3月31日)
(自 平成27年4月1日
至 平成28年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー19,66619,6780.1
投資活動によるキャッシュ・フロー△24,295△12,808△47.3
財務活動によるキャッシュ・フロー6,596△9,176-
現金及び現金同等物に係る換算差額40△38-
現金及び現金同等物の増加額
(△は減少)
2,007△2,345-
現金及び現金同等物の期首残高35,79137,9766.1
非連結子会社との合併に伴う現金及び
現金同等物の増加額
177--
現金及び現金同等物の期末残高37,97635,630△6.2

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果増加した資金は19,678百万円(前年同期比0.1%増)であります。資金の主な増加要因は、税金等調整前当期純利益30,682百万円(前年同期比24.5%増)、減価償却費による資金の内部留保12,109百万円(前年同期比6.9%増)であります。これらに対し、資金の主な減少要因は、警備輸送業務に係る資産・負債の増減による資金の減少3,538百万円(前年同期比69.6%減)、法人税等の支払8,378百万円(前年同期比2.3%減)、退職給付に係る資産の増加による資金の減少2,083百万円(前年同期比5.8%増)であります。
なお、警備輸送業務に係る資産・負債の増減額には、警備輸送業務用現金及び短期借入金のうち警備輸送業務用に調達した資金等の増減が含まれております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は12,808百万円(前年同期比47.3%減)であります。その主な内容は、有形固定資産の取得による支出13,736百万円(前年同期比13.0%増)、投資有価証券の取得による支出2,692百万円(前年同期比192.9%増)であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動により減少した資金は9,176百万円(前年同期は6,596百万円の増加)であります。資金の主な増加要因は、長期借入による収入12,690百万円(前年同期比1,279.3%増)であります。これに対し資金の主な減少要因は、短期借入金の減少(純額)10,900百万円(前年同期は15,802百万円の増加)、配当金の支払4,071百万円(前年同期比15.7%増)、長期借入金の返済による支出3,519百万円(前年同期比2.1%増)であります。