有価証券報告書-第52期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/22 9:50
【資料】
PDFをみる
【項目】
105項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出関連企業を中心とした企業収益の改善が進む一方で、米国のゼロ金利政策解除による金融市場の変動、中国経済の減速、原油価格の下落などの影響により、先行きが不透明な状況で推移しました。
当社グループ(当社及び連結子会社等)の属する情報サービス業界においては、経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査2016年2月分確報」の情報サービス業の項によると、2月の売上高は前年同月比2.5%の増加となり年度を通して緩やかな回復基調で推移しております。
当社グループは、現下の経営環境を踏まえ、経営ビジョン“お客様とともにITの価値を高める信頼のパートナー”の実現を目指し、中期経営計画の方針として「成長し続ける、価値を創造し続ける連鎖を築く」を掲げ、以下の施策を推進し中期経営計画の達成に努めました。
[1]新たなサービス形態への参入・事業構造の変革
事業を時間精算で対価をいただく「常駐・派遣型の運用・保守サービス」と「ITコンサルティング」、成果物で対価をいただく顧客への「ソリューションの提供」と「アウトソーシング/請負型システム構築」の4領域に分類し、この中の「ソリューションの提供」と「アウトソーシング/請負型システム構築」を強化することでサービスの付加価値を高める。
・「ソリューションの提供」では、Microsoft Dynamics AXを活用したクエストERPの提供や、ITサービスマネジメントソリューションを持つプロダクトベンダーとのコラボレーション等を重点に置きながら、当社の有する各種ソリューションを提供する。
・「アウトソーシング/請負型システム構築」では、データセンターサービスの提供の他に、お客様のオフィスで当社サービスを提供するだけでなく、オフサイトとして当社オフィスからネットワークを通じてサービスを提供したり、(※1)ニアショアとしてコストパフォーマンスの得られる地方でのサービスの提供、オフショアとして海外拠点からのサービスを提供する。
[2]新たな産業領域への参入・産業ポートフォリオの変革
・成長産業にフォーカスしたリソース投入により業務領域の拡大を目指す。
・グローバルITベンダーやシステムインテグレーターとの協業を強化することで、ベースロードを確立する。
[3]新たな技術・サービスの提供
1)クラウド事業強化への取組み
・インフラ領域では、(※2)AWS他、クラウド事業者との協業
・アプリケーション領域では、プライベートクラウド、パブリッククラウド利用によるシステム開発・保守サービス提供の拡大
2)スマートデバイスによるソリューションの提供
3)ビッグデータ活用による新たなサービスの確立
[4]事業体質の強化
・中部支社の成長拠点としての体制確立
・スマートソリューション事業の市場開拓の強化
・プロジェクト品質の向上と人材の育成
・パートナー企業の開拓と戦略パートナーとの連携強化
以上取り組みをご報告申しあげますとともに、当連結会計年度における業績の概況は以下のとおりです。
売上高については、前期比10.1%増の81億34百万円となりました。利益については、営業利益は前期比14.5%増の3億51百万円、経常利益は前期比15.9%増の3億76百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比21.4%増の2億38百万円となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりです。
システム開発事業については、大手電機メーカーグループ顧客や通信分野顧客からの開発案件に加え、ERPソリューション開発案件が増加し、売上高は前期比16.0%増の45億83百万円となりました。セグメント利益は増収効果及びプロジェクトマネジメントの強化により生産性が向上し前期比26.4%増の7億6百万円となりました。
インフラサービス事業については、主要顧客グループ各社へのサービス拡大により、売上高は前期比4.3%増の33億59百万円となりました。セグメント利益はインフラ構築等の請負案件が前年に比べ減少し、一部で稼働率の低下が発生したことにより前期比0.8%減の5億17百万円となりました。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.セグメント利益につきましては、全社費用等の配分前で記載しております。
※1.ニアショアとは、オフショアが海外でシステム開発や保守を行うことに対し、国内の遠隔地でシステム開発や保守を行うことを指します。首都圏等と比較して地方はコストパフォーマンスの面から優秀な人材を確保し易く、かつ物価が安いことなどにより、競争力のあるサービスの提供が可能となります。
※2.AWSとは、米Amazon.comが提供するクラウドコンピューティングサービス(Amazon Web Services)のことです。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローが2億29百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが1億92百万円の収入、財務活動によるキャッシュ・フローが1億81百万円の支出となったことにより、前連結会計年度末に比べ2億38百万円増加し、22億55百万円(前期比11.8%増)となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況と要因は以下のとおりです。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動の結果、2億29百万円の収入(前期は3億78百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が3億76百万円、法人税等の支払額1億39百万円があったこと等によるものです。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動の結果、1億92百万円の収入(前期は2億66百万円の収入)となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出が76百万円あったものの、有価証券の償還による収入が3億円あったこと等によるものです。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動の結果、1億81百万円の支出(前期は1億56百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払等によるものです。