有価証券報告書-第29期(平成25年1月1日-平成25年12月31日)

【提出】
2014/03/28 12:02
【資料】
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【項目】
123項目

対処すべき課題

(1)対処すべき課題について
① M2M関連市場での事業拡大
当社グループでは、携帯電話向けのソフトウェアで長年培ってきたソフトウェア基盤技術の実績、ノウハウ、特許技術等を組み合わせ、急拡大しているM2M市場向けソフトウェアとハードウェアの融合による競争力の高い最先端の技術を研究開発し、付加価値の高いM2M製品や関連サービスを市場にいち早く投入することにより、本事業の収益拡大を目指しております。
M2M市場向けには、携帯電話向けに開発した「JBlend」のノウハウを基に、M2M機器に向けJava言語で作成されたアプリケーションを実行するための超小型で高性能なソフトウェア基盤技術「WirelessIDEA」、スマートグリッド(次世代送電網)向けに当社が独自開発し、政府主導で送電網の次世代化が推進されている米国市場で採用されたソフトウェア基盤技術「picoJBlend」等を、海外市場を中心に提供しております。
また、M2M技術の事業分野において、あらゆる機器をワイヤレスで簡単にスマートフォンにつなぐことを可能にする量産用省スペース型通信モジュール「JM1」、Bluetooth Low Energy 規格に対応した低消費電力型で超小型モジュール「JM1L2」、並びにセキュリティ強化版Bluetooth Low Energyモジュール「JM1-L2S」等、M2M関連製品の開発を推し進め、家電製品、健康機器、玩具、ラジコン、ヘルスケア機器やフィットネス機器等、コンシューマ用の様々な機器を設計・製造しているメーカーに供給しております。
更に「JM1-L2S」と同じ部品で作ることにより低価格での提供を実現し、iOSとAndroid OS両方に対応した超小型のセキュリティ強化版Beaconモジュール「BM1」は、位置情報サービスや、小売店網等での情報管理、クーポン発行やポイント付与等による商品の販売促進等に利用できるプッシュ型O2Oサービスの新しいソリューションとして市場からの高い関心と注目を集めております。また、国際標準化機関認定登録局から発行された識別番号と米国の国立標準技術研究所(NIST)が認定した暗号化方式等を組み合わせて独自に開発した電子認証等の高度なセキュリティ機能を備えることにより、成りすましや不正アクセス等を防ぐサービスの提供も開始しております。
このように、当社グループにおいてM2M関連事業が順調かつ急速に拡大している中、当社グループの経営資源をM2M関連事業に集中投入できる組織体制を早急に確立することが、当社グループ全体の収益向上につながり、企業価値の増大と株主の皆様に対する利益還元を実現するものと考えております。
② 戦略的な知的財産の活用
当社は、社名に「IP」を冠するとおり、知的財産を重要な経営資産として位置付けております。当社グループにおける知的財産活動は、M2M関連事業等の国内及び海外展開を円滑に推進するための出願戦略や、それぞれの国及び地域における適切な知的財産の取得・維持・活用等、その重要性が増しております。
そのため、当社グループの知的財産を総合的に管轄する「IP戦略室」を平成25年6月に新設し、当社グループの知的財産戦略から知的財産の権利化、ライセンス等を含む知的財産の活用までを含めたIP戦略を強力に推進しております。リスク回避や防衛手段としての活動に留まらず、M2M関連事業をはじめとする当社グループの各事業に資する効率的で効力の大きい知的財産を創出し、権利を戦略的に獲得・活用していくための活動にも取り組んでおります。
③ 優秀な人材の確保
当社グループの成長戦略を実行して収益性を高め、ひいてはステークホルダーの皆様の利益に貢献するためには、当社国内外において優秀な人材を確保することが必要不可欠です。平成25年4月には、成果を出したい人がより積極的に働き、かつ多様な働き方を寛容できる環境の実現を目的とした当社グループの働き方に関する基本ポリシーを制定し、長期的かつ安定的な人材の確保及び優秀な人材の獲得につなげております。
(2)株式会社の支配に関する基本方針について
当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上のため、大量買付行為を行おうとするものに対し、適切な情報の開示を求めるとともに、当社の判断や意見等も公表することで、株主の皆様が適切な判断を行うための情報と時間の確保に努めるだけでなく、明らかに企業価値・株主価値を毀損する大量買付行為に対処するため、必要に応じて金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。