有価証券報告書-第17期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/23 15:27
【資料】
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【項目】
72項目

事業等のリスク

以下において、当社の事業展開その他に関してリスク要因と考えられる主な事項を記載しております。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の事項および本項記載以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。
なお、文中における将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
① インターネット市場の普及について
当社は高級ホテル・高級旅館に特化したオンライン予約サイトの運営を主たる事業としており、インターネットの更なる普及が成長のための基本的な前提条件と考えております。これまでのところ、日本国内におけるインターネット利用人口は毎年増加しており、平成26年6月の総務省発表によるとインターネット利用者数は10,044万人(対前年392万人増)、人口普及率82.8%(平成25年末現在)に達しております。
しかしながら、インターネットの普及に伴う弊害の発生及びインターネットの利用に関する新たな法的規制の導入その他予期せぬ要因によって、今後インターネット利用者の順調な増加が見られない場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
② 電子商取引(以下eコマースという)の普及について
日本におけるeコマースは、インターネットの普及に伴い市場規模が拡大し、当社では今後もBtoC(企業から消費者への取引)eコマース市場規模は拡大傾向が継続するものと考えております。
しかしながら、eコマースを巡る新たな規制の導入や何らかの予期せぬ要因により、当社の期待どおりにeコマースの普及が進まない場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
③ 競合他社の影響について
当社と同様にインターネット上で宿泊施設及びレストラン店舗のオンライン予約サイトを運営している有力な競合企業が存在します。
当社は、「一休.com」「一休.comビジネス」「一休.comレストラン」を運営する上で、対象とする宿泊施設及びレストラン店舗を絞り込むなかで、プランの充実、機動的なプラン提供、魅力を伝えられる画面展開、使い勝手の良いシステムの開発等きめ細かなサービス提供に努め、施設及び会員の両者に対する満足度を高め、サイトのブランド化(差別化)を図っております。しかしながら、有力な競合企業との競争の激化及び新規参入による競争の激化が発生した場合、当社の事業及び経営成績に影響を与える可能性があります。
④ 旅行業の登録について
当社の営む宿泊予約サイト事業は、旅行業法第2条に定める旅行業に該当し、当社は、第一種旅行業者(海外・国内の企画旅行の企画・実施、海外・国内の旅行の手配及び他社の募集型企画旅行の代売を行うことが可能。観光庁長官の管轄)としての登録を行っております。
現在有している第一種旅行業者の登録の有効期限は平成27年7月10日までとなっており、登録拒否事由及び取消事由は旅行業法第6条及び第19条に定められておりますが、当社はこれらの資格の取消または更新欠落の事由に該当する事実はないと認識しております。
しかしながら、これらの旅行業法に定める登録取消事由等が生じた場合には、当社の事業及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑤ 特定業種(国内宿泊施設)への依存度が高いことについて
当社の売上の大半は、「一休.com」のサイト運営手数料に依存しており、取引先のほとんどが国内の宿泊施設であります。
国内宿泊施設に対する需要の低下が生じた際は、会員の宿泊数が減少し、当社の事業および経営成績に影響を与える可能性があります。
⑥ 高級ホテル・高級旅館への依存について
当社は会員の満足度向上及びサイトのブランド維持のため、取扱宿泊施設を高級ホテル・高級旅館に限っております。このため客室紹介数に制約がありますが、取引施設でのシェア確保により、業績を伸ばしていく計画です。しかしながら、計画通りシェア確保ができない場合、経営成績に影響を与える可能性があります。また、利用者の嗜好の変化などにより、高級ホテル・高級旅館及びプレミアムなビジネスホテルに対する需要の低下が生じた際は、当社の事業および経営成績に影響を与える可能性があります。
⑦ 宿泊施設の供給方針の影響について
当社のサイトに掲載される客室・プランの多寡は、宿泊施設の供給方針の影響を受けます。このため、宿泊施設の稼働率の高い時期は当社サイトに提供される客室・プランが減少する傾向があります。また宿泊施設が自前のサイトでの客室提供を強化した場合にも、当社サイトに提供される客室・プランは減少します。これらの事情により、当社の事業および経営成績に影響を与える可能性があります。
⑧ システム障害について
当社サービスの提供等は、インターネット環境において行われております。そのため、当社はサービスの安定供給を図るためのセキュリティ対策と、コンピューターウィルス等の侵入やハッカーによる妨害等を回避するために必要と思われる対策をとっております。しかしながら、あらゆる可能性を想定して対策を施すことは困難であり、当社の想定しないシステム障害等が生じた場合には、当社の事業および経営成績に影響を与える可能性があります。
⑨ 個人情報保護について
当社は、当社サービスの提供に際して、ユーザーの個人情報(名前、メールアドレス、生年月日、性別、住所、電話番号、職業、宿泊予約情報等)を取得し、サーバに記録しております。
これらの個人情報の管理は、当社にとって極めて重要な責務と考え、会員に安心かつ快適にサービスを利用して頂けるよう、会員のプライバシーとその保護の方法について最大限の注意を払い、情報セキュリティ技術の導入も行っております。
当社は、個人情報の保護の徹底を図るよう、個人情報保護の方針(以下、「プライバシーポリシー」という)を定めております。また、プライバシーポリシーの運用を徹底すると共に社内の情報アクセス権を管理し、かつ個人情報の取扱いに関する社内教育を行うなど、管理運用面についても、慎重を期しております。しかしながら、これらの情報が外部に流出したり、悪用されたりする可能性が皆無とは言えず、それを理由に法的紛争に巻き込まれる可能性があります。
また、当社には、「個人情報の保護に関する法律」(平成15年5月30日法律第57号)に定められる個人情報取扱事業者としての義務が課されておりますが、当社では、既に当該法律の規定を踏まえた個人情報の取扱いをしております。しかしながら、同法よりも厳格な個人情報保護に関する法律が将来定められるなど、現状の規制よりも厳格な規制がなされた場合には、当社の事業および経営成績に影響を与える可能性があります。
⑩ 特許等知的財産権による侵害について
当社は、第三者の知的財産権を侵害しないように常に留意するとともに、必要に応じて外部の弁護士・弁理士等を通じて調査をしておりますが、第三者の知的財産権を侵害する結果が生じる可能性自体は否定できません。万一、当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者より、損害賠償請求及び使用差止請求等の訴えを起こされ、結果として当社の事業および経営成績に影響を与える可能性があります。
⑪ 小規模組織であること並びに優秀な人材の確保及び育成について
当社は、平成27年3月31日現在、常勤取締役6名、常勤監査役1名、従業員(派遣社員・契約社員を含む)193名と規模が比較的小さく、内部管理体制もこのような規模に応じたものとなっております。当社は、今後の業務規模の拡大及び業務内容の多様化に対応するべく、人員の増強及び内部管理体制の一層の充実を図る予定ですが、人材等の拡充が予定どおり進まなかった場合、または既存の人材が社外に流出した場合、当社の事業活動に支障が生じ、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。
また、当社は未だ成長途上にあり、会社運営を円滑に遂行していく上で、優秀な人材を適切な時期に確保し育成する必要があります。そのような人材が確保されない場合には、当社の事業活動に支障が生じ、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。
⑫ 新規事業展開に伴うリスクについて
当社は、今後、事業拡大のため現在の事業と関連ある分野へのM&A等を行うことも予定しておりますが、安定して収益を生み出すにはある程度の時間がかかることが予想されるため、結果として当社全体の利益率が一時的に低下する可能性があります。また、これらの事業が必ずしも当社の目論見どおりに推移する保証はなく、その場合には当社の経営成績に影響を与える可能性があります。
さらに、予期せぬ環境の変化等により新規事業が期待通りの成果をあげられない可能性もあります。
⑬ 営業収益の季節的変動について
「一休.com」においては、夏休みを含む8月及びクリスマスシーズンを含む12月に、客室提供数及び会員の需要が増大するため、季節要因により営業収益が偏重する傾向があります。
このような経営成績の変動を踏まえ、当社では開示にあたり適切な情報提供を行う予定であります。
⑭ 地震や津波等の災害について
地震やそれに伴う津波等の影響により、お客様が予約を抑制した場合や、施設の営業活動自体が困難になった場合、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。
⑮ 海外事業展開について
当社は海外での事業展開活動に着手しております。海外展開におきましては地域特性によるビジネスリスクが多岐にわたり存在し、当社はこれらのリスクを最小限にすべく十分な対策を講じたうえで海外事業展開を進めてゆく方針ですが、予測困難なビジネスリスクが発生した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。