有価証券報告書-第27期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/28 12:07
【資料】
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【項目】
116項目

事業等のリスク

以下においては、当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及び投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、以下の事項のうち将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
(1) 業界動向等について
当社グループは、主に流通・サービス業を中心として事業を展開しておりますが、当該業界における景気動向、システム投資動向及び企業再編等の状況によっては、当社グループの業績、財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。また、当該業界を事業領域とする同業他社は多数存在しており、これら事業者との間で競争が激化した場合、当社グループの業績、財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 特定の取引先への依存について
当社グループは、イオングループと取引があり、その取引依存度は高い水準にあります。イオングループに属する売上高上位3社は、イオンアイビス株式会社、株式会社マルエツ、株式会社ダイエーであり、当連結会計年度における同グループへの売上高比率は51.5%でありました。引き続きイオングループとの関係を一層強化していく方針でありますが、同グループのシステム戦略及びシステム投資動向等によっては、当社グループの業績、財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は、平成25年4月1日を効力発生日として株式会社ヴィクサス(以下、ヴィクサスといいます。)を吸収合併いたしましたが、同社は株式会社ダイエー(以下、ダイエーといいます。)を主要顧客とし、その依存度は高い水準にありました。ヴィクサスとの合併後も、ダイエーとの関係を維持・強化していく方針でありますが、イオン株式会社がダイエーを子会社化したことに伴い、今後のダイエー向け取引が中長期的に減少していくことが見込まれます。当社グループは、イオングループのシェア拡大、海外ビジネスの拡大及びプロダクト事業の拡大等により、その影響を最小限に抑え、更なる事業拡大を目指してまいりますが、想定どおりに計画が進まなかった場合、当社グループの業績、財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 情報セキュリティ管理について
当社グループは、情報関連サービス事業として、お客様の保有する個人情報や機密情報の提供を受けてサービスを実施する場合もあり、それら情報の適切な管理を行うため、アクセス可能者の制限、アクセスログの取得、防犯カメラの設置、入退室管理及びバイオメトリックス認証による不正アクセスの防止等、厳格なセキュリティ対策を講じるほか、プライバシーマークの認証取得及びISO27001(注)の認証取得等、情報セキュリティ管理の信頼性強化にも努めております。
しかしながら、万一、当社グループの過失や第三者による不法行為等によってお客様の個人情報や機密情報等が漏洩等した場合、当社グループに対する損害賠償請求や社会的な信用低下等により、当社グループの業績、財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) プロジェクト管理について
当社グループが実施する請負契約によるシステム開発プロジェクトに関して、当該プロジェクトの性質上、当初の見積もり以上の作業工数が必要となる場合があり、想定以上の費用が発生することにより、当該プロジェクトの採算性が悪化する可能性があります。
また、契約時において開発要件が完全に確定しないプロジェクトもあり、仕様変更等による開発費用の追加発生やプロジェクト自体の遅延等が生じる可能性もあります。当社グループは、このような問題が発生しないようプロジェクト管理を強化していく方針でありますが、万一、想定し得ない事象により見積もり精度が低下したこと等により、問題プロジェクトが発生した場合、当社グループの業績、財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) システムの不具合・トラブル等について
当社グループが行うシステム開発等において、お客様による検収後、システムの不具合が発生する場合があります。このような不具合を発生させないために、開発段階から納品までの品質管理の徹底を図り、不具合発生防止に努めていく方針でありますが、万一、想定し得ない事象により発生した不具合によりお客様に損害を与えた場合には、損害賠償や当社グループの信用の低下等により、当社グループの業績、財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが行うシステム運用・管理サービス及びASPサービス等については、耐震構造等を備えた外部の堅牢なデータセンターにシステム機器を設置する等の対策をとっており、一定の安全性を確保している状況であります。
しかしながら、地震、火災及びその他の自然災害、システム、ハード及び通信の不具合等、当社グループにおいて予測不可能な事態によりシステム障害が発生した場合には、サービスの提供に重大な支障が生じることとなり、当社グループに対する社会的信用の低下等により、当社グループの業績、財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 外注管理について
当社グループは、自社開発を基本としておりますが、開発業務を効率的に遂行するため、開発工程における一部のプログラミング業務及びデータ入力作業等について外注先企業を活用しております。
今後、当社グループが安定的に事業を拡大していく上で、外注先企業の活用と管理体制の強化が必要でありますが、外注先企業のスキルや管理体制の状況によっては、プログラムの不具合等が発生し、当社グループの業績、財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 新製品・新サービスの開発について
当社グループは、多様化するお客様のニーズに合致する新しい製品やサービスをタイムリーに提供していくことが経営戦略上の重要課題の1つであると考えております。
しかしながら、情報サービス業界の技術革新のスピードは速く、その技術革新を予測することは極めて難しいため、当社グループがクラウド化等の先進技術に対応した魅力的な新製品及び新サービスをタイムリーに提供することができるとは限りません。
万一、当社グループの予測の見込み違い、競合他社との競争激化、社内体制の不備等によって技術革新や市場動向に遅れをとった場合、当社グループの業績、財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 海外への事業展開について
当社グループは、中国・アセアン地域を中心にグローバル事業を展開しております。しかしながら、万一、為替変動、各国における政治・経済状況の変化、予期せぬ法制度の変更、商慣習の違い、テロや伝染病の発生及びクーデター等の社会的混乱等により、想定どおりにグローバル展開が進まない場合には、当社グループの業績、財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 人材確保及び育成について
当社グループの事業展開において、グローバルビジネス、顧客ニーズに応じたサービスの提供を行う優秀な技術者の確保と育成は経営戦略上の重要課題の1つであると考えております。
しかしながら、人材採用・育成計画が想定どおり進まず、適時に優秀な技術者の確保や育成を行うことができなかった場合には、当社グループの業績、財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 知的財産権について
当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないよう留意しつつ、事業展開しておりますが、当社グループが事業上用いる技術ノウハウ等について、当社グループが認識しない第三者が既に知的財産権を取得している場合や当該第三者が将来的に関連する知的財産権を取得した場合には、当該第三者より使用の差し止め及び損害賠償等の請求がなされる可能性や当該知的財産権の使用にかかる相当対価の請求がなされる可能性があります。
また、通常、システムに関する分野については、知的財産権の権利の範囲が必ずしも明確であるとはいえず、当社グループが知的財産権を適切に取得している場合であっても、権利が十分に保護されない可能性があり、場合によっては、上記同様、第三者から何らかの請求がなされる可能性があります。
いずれの場合も、当社グループの業績、財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 親会社グループとの関係について
当社グループの親会社は富士ソフト株式会社(以下、親会社といいます。)であり、当社グループは連結子会社として親会社グループに属しております。親会社グループにおいては、「各グループ企業が相互に独立した会社としての尊厳と自主性・主体性を尊重する」旨のグループ会社憲章が定められており、各グループ企業が独自の方針等により事業を展開するとともに、各々の特徴を生かしたアライアンスを推進していくことにより、親会社グループ全体としての成長を実現していくことをグループ戦略としております。
このようなグループ戦略のもとで、親会社グループにおいては、親会社が総合情報サービス企業としてシステム構築全般に関する事業展開を行うほか、その他当社グループを含む親会社グループ企業各社が主として、金融、流通、通信及び医療等の各業界に特化したソフトウエア開発等に関する事業展開を行っております。当社グループにおいては、流通・サービス業、中でも小売業に対する情報サービスの提供をコア事業領域として、独自の事業領域で独自のビジネスモデルの確立を図りながら事業展開を行っております。現時点においては、各グループ企業の得意分野、提供するソリューション、顧客へのアプローチ方法等が異なることから、親会社グループ内における当社グループの事業に重大な影響を与える競合は生じていないものと考えております。
しかしながら、親会社におけるグループ戦略に変更等が生じた場合や、上記のグループ戦略に起因する今後の親会社グループの事業展開等によっては、当社グループの業績、財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループと親会社グループとの関係は以下のとおりであります。
① 資本関係について
親会社は、当連結会計年度末において当社の議決権の68.58%を保有しており、当社に対する大株主としての一定の権利を有しております。このことから、当社株式の議決権行使等により当社の経営等に影響を及ぼし得る立場にあり、同社の利益は他の株主の利益と一致しない可能性があります。
② 役員の兼任について
当連結会計年度末における当社役員12名(うち監査役3名)のうち、親会社の役員(執行役員を含みます。)を兼ねるものは非常勤取締役の2名であります。当該取締役の豊田浩一及び岡嶋秀実は、当社の経営全般に対する監督、チェック機能の強化を図るため当社が招聘したものであります。
なお、取締役豊田浩一は、親会社において取締役専務執行役員生産・受注担当兼受託部門統括イノベーション推進部担当兼エンベデッドプロダクト事業推進部担当兼チャイナビジネス推進室担当兼ASI事業部担当兼営業本部長を兼務しており、取締役岡嶋秀実は、親会社において執行役員エリア事業本部長を兼務しております。
③ 出向者の受入について
親会社グループとの一層の連携強化を図るため、必要に応じて親会社から出向者を受け入れております。当連結会計年度末における当社従業員は1,033名であり、親会社からの当該出向者はありません。
④ 取引関係について
親会社グループとの取引については、当社パッケージソフトウエア製品の販売、システム開発の委託、事務所賃借等の取引が発生しておりますが、個別の案件ごとに協議、相見積り等を実施しており、当社との関連を有しない会社との取引と同様に決定しております。
また、当社は、親会社に対してCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を活用した余剰資金の貸付を行っております。当連結会計年度末における貸付金残高は19億34百万円であり、その貸付金利については市場金利を勘案して合理的に決定しております。
なお、当連結会計年度における親会社との主な取引内容は、下表のとおりであります。
⑤ 親会社からの独立性の確保について
当社グループの経営判断及び事業展開にあたっては、親会社の指示や事前承認に基づいてこれを行うのではなく、一般株主と利益相反が生じるおそれのない独立役員である社外取締役2名を含む取締役会を中心とした当社経営陣の判断のもと、独自に意思決定して実行しております。
種類会社等の名称又は氏名所在地資本金又は出資金
(百万円)
事業の内容又は職業議決権等の所有(被所有)割合
(%)
関連当事者との関係取引の内容取引金額
(千円)
科目期末残高
(千円)
親会社富士ソフト㈱横浜市
中区
26,200情報処理
サービス業
(被所有)
直接68.58
・製品の販売等
・商品の仕入
・業務の外注
・資金の貸付
・役員の兼任
当社パッケージソフトウエア製品の販売等127,174売掛金10,871
商品の仕入
システム開発の委託等
983,111
289,530
買掛金77,722
資金の貸付
資金の回収
821,448
925,149
短期貸付金1,934,789
貸付利息5,975--

(注)ISO27001
情報セキュリティマネジメントシステムのグローバルスタンダードであり、2005年10月に国際規格として標準化されました。マネジメントとして組織自らのリスクアセスメントを行い、必要なセキュリティレベルを決め、PDCAサイクルにてシステムを運用する、国際的に整合性のとれた情報セキュリティマネジメントに対する第三者適合性評価制度をいいます。