訂正有価証券報告書-第21期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/29 9:22
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業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における我が国経済は、消費税増税の影響により個人消費に弱さが見られたほか、円安に伴う原材料等の価格上昇により、中小企業の収益が圧迫されるなど、一部において不透明な状況で推移いたしました。その一方で、政府の推し進める継続的な経済・財政政策を背景とした円安や株高の好影響もあり、大企業を中心に業績の回復、雇用環境の改善及び設備投資の増加が見られるなど、総じて回復基調で推移いたしました。
当社グループの事業を取り巻く環境につきましても、個人消費の回復遅れや販売競争の厳しさはあるものの、概ね景気回復の影響を受けて改善傾向にあります。
このような状況の中、当社グループは、「価値創造」の企業理念のもと、積極的に事業拡大と企業価値最大化を目指し、既存顧客の掘り起こし及び新規顧客の開拓など営業活動の強化、顧客ニーズに応える高付加価値サービスの提供など商品力の向上、異業種企業との連携による協業体制の模索、安定的な収益確保を目指したビジネスモデルの探索、経費効率の改善、優秀な人材の確保及び育成、予算進捗管理の徹底、グループ連携等を推進してまいりました。
これらの取り組みにより、売上高、営業損益及び経常損益については、前期を上回る結果となりましたが、当期純損益は、特別損失として連結子会社である株式会社マーケティング・システム・サービスの株式取得時に発生したのれんの減損損失を計上いたしました結果、前期を下回る結果となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,060,187千円(前期比21.6%増)、営業利益は42,407千円(前期比51.3%増)、経常利益は49,211千円(前期比101.1%増)、当期純損失は15,938千円(前期は当期純利益15,724千円)となりました。
なお、当社は平成26年3月31日付で日本データベース開発株式会社(連結子会社)の保有株式全てを売却いたしました。これにより、同社は連結の範囲から外れておりますが、前期につきましては、損益計算書のみを連結しております。また、株式会社ハウスバンクインターナショナルは平成26年1月31日に連結子会社となりましたので、前期の損益計算書につきましては、平成26年2月1日から平成26年3月31日までの2ヶ月間を連結しております。
セグメント別の業績(セグメント間の内部取引消去前)につきましては、次のとおりであります。
(コンサルティング事業)
情報セキュリティコンサルティングを主体としたコンサルティング事業は、平成26年7月に発覚した大規模な情報漏えい事件の影響等を受け、企業間取引における委託先の管理強化ニーズが高まり、プライバシーマークやISO27001の新規認証取得に関する多くの引き合いを受けることができました。加えて、平成28年1月から本格的な運用が開始するマイナンバー制度に対する各企業の不安感が高まってきており、社会保険労務士法人・事務所などの受託事業者から、情報セキュリティ強化の支援依頼やプライバシーマーク取得に関する問い合わせが大幅に増加しております。しかしながら、認証取得事業者の数は安定的に増加しているものの、マーケットとしては中小規模の事業者が中心となってきており、業者間の競争も激化しております。したがって、案件単価の推移に加え、同業他社との差別化状況や新規事業者の参入動向など、市場環境を絶えず注視することが必要となってきております。
このような状況において、自社及び提携先との継続的なセミナー開催、ウェブ戦略の強化、新たなコンサルティングツールによる価格戦略の取り組みを行ったほか、2,000件を超える支援実績に基づく信頼性などが差別化要因となり、受注実績が堅調に推移したことから売上高は前期実績を大幅に上回りました。
以上の結果、当事業の売上高は167,213千円(前期比23.0%増)となりました。
(マーケティング事業)
インターネットリサーチを中心としたマーケティングリサーチ事業は、顧客との直接取引・対話を主体とし、リピート顧客からの高い指名受注率を特徴としております。最近の市場環境としては、ソーシャルリスニングをはじめ、ビッグデータなど大規模データをマーケティングに活用する案件が増大しているほか、簡易かつ安価なリサーチへの需要と付加価値の高いマーケティング支援を必要とする需要とに市場ニーズが二極化している状況にあります。
このような事業環境において、事業テーマである「リサーチ・サポート」のもと、調査企画・設計・分析・レポートまで携わるフルサポートサービスなど顧客のマーケティング戦略上の課題を解決することを目的とした支援内容が、他社との差別化要素ともなっており、新規顧客のリピート顧客化も進んでおります。また、ウェブマーケティングを中心としたインバウンド営業施策が新規顧客の獲得に繋がったこともあり、売上高は前期実績を上回りました。
食品関連の流通事業者(スーパー、食品卸等)、メーカー等を主な顧客とするセールスプロモーション及び広告代理事業においては、消費税増税による流通業界への影響が懸念されましたが、業界全体としては堅調に推移いたしました。このような事業環境において、顧客企業との長期的なリレーション構築を前提としたパートナー戦略のもと、継続的な取引関係にある既存顧客からの定期受注に加えて、ウェブやデジタルサイネージなどのデジタルツールを活用した企画提案が功を奏し、新規顧客からの受注が進みました。一方で、業界全体の価格競争や顧客の広告予算削減の影響等を受けましたが、売上高は前期実績を上回りました。
以上の結果、当事業の売上高は723,591千円(前期比11.7%増)となりました。
(IT事業)
システム提案から設計、開発、運用サポートまでのITソリューションサービスを提供するIT事業は、前期に引き続き、景気回復の影響を受けた国内企業のIT投資意欲の活性化によって、受注環境は堅調に推移いたしました。一方で、業界全体の課題であるエンジニア不足、人件費の高騰及び外注コストの増加が収益性の向上に影響を与えております。しかしながら、引き合い案件に対して顧客ニーズを的確に捉えた提案力で収益性の高い業務委託案件の獲得ができ、さらに生産性の向上に努めたことにより、売上高は前期実績を上回りました。
以上の結果、当事業の売上高は179,091千円(前期比1.8%増)となりました。
(住宅関連事業)
戸建住宅の建築工事請負及びリフォーム工事全般を展開する住宅関連事業は、国や地方の公共事業費は引き続き増加傾向にあるものの、消費税増税による駆け込み需要の影響が想定以上に大きく、平成26年の新設住宅着工戸数が前年比9.0%減と大幅な減少となるなど、厳しい状況で推移しております。しかしながら、長年にわたる営業エリアでの実績及び信頼と、営業人員及び施工管理人員の増員、年間を通して月1回のペースで開催しているリフォームイベント及び大型改装現場を使用した現地内覧会に加え、積極的な広告宣伝やホームページからの集客などにより新規顧客の安定的な開拓ができ、受注件数が堅調に推移したことから期首計画を上回る売上高となりました。
以上の結果、当事業の売上高は1,003,167千円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ90,937千円増加し、413,524千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動の結果、取得した資金は33,257千円となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益6,437千円、資金の支出を伴わない減損損失42,641千円などとなります。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動の結果、獲得した資金は771千円となりました。主な内訳は、無形固定資産の取得による支出5,503千円、貸付金の回収による収入4,200千円、保険積立金の解約による収入6,491千円となります。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動の結果、取得した資金は56,907千円となりました。収入の主な内訳は、社債の発行による収入100,000千円によるものであります。