有価証券報告書-第16期(平成26年12月1日-平成27年11月30日)

【提出】
2016/02/26 10:19
【資料】
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【項目】
98項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度のわが国経済は、食品の値上げ等による国内消費の不振と海外需要の減速による輸出の落ち込みにより平成27年4~6月期の国内総生産が3四半期ぶりのマイナス成長になる等、国内景気は一部弱さも見られますが、中期的には概ね持ち直しの動きが続いております。雇用情勢についても、このような緩やかな景気回復を背景に人材不足感が継続しており、厚生労働省が発表した平成27年11月の全国の有効求人倍率は1.25倍と、1倍を超える高水準な状況が1年以上続いております。幅広い業種で求人が増加し、特に最近では医療・福祉、宿泊業・飲食業・小売業等のサービス業において求人数が増加しております。
このような環境の下、当社グループは、当連結会計年度の事業方針である、コアマーケットの深耕・主力事業の再強化と新たな収益の柱の構築の2点に絞って事業を推進してまいりました。主力事業については、企業業績が回復していることもあり、人材派遣サービスを中心に需要が好調に推移し、売上が順調に拡大しました。一方、損益面については、主力事業の業容拡大と新規事業の強化のために積極的に人員を増員したこと、及び平成27年7月より開始したスマートメーター設置業務に係る先行支出があったこと等により、ビジネスソリューション事業において収支が大きく悪化しております。また、平成27年8月に実施した本社移転に係る減損損失等の本社移転費用40,071千円を特別損失に計上しております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は7,267,934千円(前連結会計年度比10.0%増)、営業利益は59,523千円(前連結会計年度比71.3%減)、経常利益は49,551千円(前連結会計年度比74.2%減)、当期純損失は68,663千円(前連結会計年度は165,434千円の当期純利益)と増収ながら営業損益以下減益となり、当期純損失を計上することとなりました。
当連結会計年度のセグメント業績(セグメント間内部取引消去前)は以下のとおりであります。
(ビジネスソリューション事業)
株式会社エスプールロジスティクスにてロジスティクスアウトソーシングのサービスを、株式会社エスプールプラスにて障がい者雇用支援サービス及び付随する農園運営事業を、株式会社エスプールエンジニアリングにてフィールドマーケティングサービスを、株式会社エスプールセールスサポートにてマーチャンダイジング及び販売促進等のサービスを提供しています。
当連結会計年度においては、主力の障がい者雇用支援サービスが順調に拡大しました。新たに3農園の建設が進み、前連結会計年度と比較して、およそ倍の区画の販売がありました。また、グループ内の業務を集約したセールスサポート関連のサービスも順調に拡大しました。一方、前述のスマートメーター設置業務については、平成27年7月の業務開始前の人件費、採用費、研修費、拠点設置費用、備品費等の先行支出に加え、稼働後も業務習得に想定以上の時間がかかり、また、採用難で作業員不足が続き、効率が採算が合う段階まで至らず、大きな損失を計上しております。その結果、当連結会計年度の売上高は3,000,923千円(前連結会計年度比10.9%増)、営業利益は163,696千円(前連結会計年度比41.7%減)となりました。
(人材ソリューション事業)
株式会社エスプールヒューマンソリューションズにおいて、人材派遣、人材紹介等、人材に係わるサービスを提供しています。
当連結会計年度においては、企業の人材不足感が継続しており、主力のコールセンター業務において、特に地方の拠点を中心に需要が好調に推移しました。一方、携帯電話販売業務においては抵触日を迎えた現場の穴埋めを新規現場で賄うことができず、伸び悩みました。損益面においては、業務の長期化に伴って社会保険料負担が増加しておりますが、相対的に利益率が高い人材紹介を積極的に行なったため、前期並みの売上総利益率を確保しました。販売費及び一般管理費については、事業の拡大に伴い人員を中心に組織強化を図ったため増加しておりますが、増収効果によりその増加分を吸収しております。その結果、当連結会計年度の売上高は4,302,293千円(前連結会計年度比8.1%増)、営業利益は360,875千円(前連結会計年度比16.3%増)と増収増益を達成することができました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物は128,243千円減少し、691,045千円となりました。各活動によるキャッシュ・フローの状況と要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度比545,525千円減少の253,546千円の支出(前連結会計年度は291,978千円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益が前連結会計年度と比較して184,754千円減少し6,825千円であったことに加え、売掛金の増加を主要因とする運転資本の増加が246,179千円あったこと、並びに法人税等の支払額が100,034千円生じたことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度比199,315千円増加の388,130千円の支出(前連結会計年度は188,814千円の支出)となりました。これは、主に、株式会社エスプールプラスが運営する農園の増設・開設のための設備投資や本社移転に係る工事費用、什器備品購入等による有形固定資産の取得による支出304,764千円、本社移転等に係る敷金及び保証金の差入による支出69,824千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、513,433千円の収入(前連結会計年度は229,698千円の収入)となりました。主な内訳は、短期借入金の増加による収入160,000千円、長期借入れによる収入500,000千円、長期借入金の返済による支出116,966千円であります。長期金利が非常に低い状況にあるため、長期借入による成長資金の確保を積極的に行っております。