有価証券報告書-第18期(平成26年10月1日-平成27年9月30日)

【提出】
2015/12/21 15:32
【資料】
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【項目】
102項目

事業等のリスク

以下において、当社グループの事業展開その他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもリスク要因とは考えていない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。
当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めるものでありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、本文における将来に関する事項は、平成27年9月30日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社グループの事業について
当社グループが主たる事業を展開する、スマートフォン端末向け広告を含むインターネット広告(総称して以下「インターネット広告」という)市場及び当社の現在の主力事業であるリスティング広告を代表とする運用型広告の市場規模は急速に拡大しており、当社業績も拡大傾向にあります。しかし、インターネット広告市場の成長が阻害されるような状況が生じた場合や、アドテクノロジー分野における新たな技術や手法が出現し当社グループの有するノウハウがうまく活用できない状況が生じた場合、また今後の経済環境が悪化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)インターネット広告業界の動向について
①インターネット広告業界の推移について
インターネット広告市場は、インターネットの普及、インターネット利用者の増加、企業の経済活動におけるインターネット利用の増加等により高成長を続けてまいりました。このような傾向は今後も継続していくと考えておりますが、今後の日本におけるインターネット人口の推移、インターネット広告市場の成長を阻害する状況の発生、当社グループが提供するサービスと競合する有力な代替サービスの出現等により、このような状況が将来にわたって継続する保証はありません。また、インターネット広告業界に限らず広告業界は、一般的に景気変動の影響を敏感に受けやすい傾向があり、景況感が悪化した場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
②技術革新について
インターネットは歴史が浅く、またそれを取り巻く技術革新スピードは極めて速いものとなっております。これに対応するため、当社グループでは広告運用の自動化システムの開発や改善、最新技術や海外の動向などの情報収集に積極的に努めておりますが、インターネット関連技術又はアドテクノロジーの革新に当社のノウハウが追随することができなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
またスマートフォン端末向け広告に関して、スマートフォン端末のOS提供事業者のガイドラインの改定等により、当社グループの業績及び今後の事業展開が影響を受ける可能性があります。
③法的規制について
当社グループの事業に関連して、ビジネス継続に著しく重要な影響を及ぼす法規制は現在のところありません。しかし、インターネット上の情報流通や商取引、青少年のインターネット及びスマートフォンの利用等について現在議論がなされており、今後インターネット広告関連分野で新たな法整備や既存の規制の強化等が行われることにより、当社グループの事業及び今後の事業展開が影響を受ける可能性があります。
④競合について
インターネット広告業界では、従前からの競合他社との競争の他、コンサルティング会社など異業種からの参入や新興企業との競合が生じる機会も増えてきており、今後も激しくなるものと予想されます。当社及び当社グループは、サービスの多様化、企画力及び営業提案力の強化に積極的に取り組むことにより競争上の優位性を確保していく所存でありますが、競合との間で顧客獲得のための価格・サービス競争の激化による収益性の低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
⑤媒体社との関係について
インターネット広告事業は、取引形態の性質上、媒体社からの仕入の依存度が高くなっております。当社において、現状では、ヤフー株式会社(以下「ヤフー社」という)の提供するリスティング広告である「Yahoo!プロモーション広告」及びGoogle,Inc.(以下「グーグル社」という)の提供する「Google AdWords」の取次額(仕入金額)が下表のとおり、多くを占めております。当社は、ヤフー社の五つ星保有正規代理店でありグーグル社の正規代理店であるなど、当社グループと媒体社とは長年の継続的な取引関係が成立しており、また当社グループは他の媒体社によるサービスの取り扱いの強化にも努めております。しかし、ヤフー社及びグーグル社が当社に期待する水準の売上高を維持し続けることができずにかかる認定等を維持できない場合、媒体社の事業方針の変更等によりかかる取引が継続されない場合又は取引条件が変更された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
仕入先当連結会計年度
(自 平成26年10月1日
至 平成27年9月30日)
構成比(%)前年同期比(%)
Google,Inc.(千円)24,216,25446.110.4
ヤフー㈱(千円)17,153,17732.6△4.1

(3)博報堂DYグループとの資本・業務提携について
当社グループの主要販売先は、博報堂DYグループ(デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社及び株式会社博報堂DYメディアパートナーズ等)であり、その売上構成比率は当連結会計年度において47.3%であります。デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社は当社の親会社であり、株式会社博報堂DYメディアパートナーズとは資本・業務提携関係にあるため、当社グループとしては今後も博報堂DYグループとの事業の拡大を見込んでおります。しかし、何らかの事情によりかかる資本・業務提携を解消することとなった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4)ネットワーク及びシステムリスクについて
当社グループは、サーバを中心とするコンピュータシステムからインターネットを介して顧客にサービスを提供しております。また、広告運用の自動化システムを活用することにより、効果的かつ効率的な広告運用を行っております。そのため当社グループは、コンピュータシステムに対して適切なセキュリティ手段を講じて、外部からの不正アクセスを回避するよう努めております。しかし、これらのサービスにおいて、機器の不具合、自然災害、事故、コンピュータウィルス、プログラムの瑕疵、アクセス増加による一時的な過負荷又はサイバー攻撃等により、コンピュータシステム、通信ネットワークの障害又は重要データの漏えい等が発生し、サービスの停止を余儀なくされた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)個人情報の管理にかかるリスクについて
当社は、住宅展示場サイトの運営を通じて、資料請求者の個人情報を保有しております。当社はこれらの個人情報の管理について、「個人情報の保護に関する法律」(平成17年4月施行)に則ってセキュリティ方針及び社内規程を整備しており、その遵守に努めております。しかし、コンピュータシステムの瑕疵、外部からの不正な手段による当社システム内への侵入、その他何らかの事故等により個人情報が外部に漏洩した場合、当社に対する損害賠償請求や当社の信用の下落等によって、当社の業績が影響を受ける可能性があります。
(6)新株予約権行使による株式価値希薄化のリスクについて
当社は、役員及び従業員、外部協力者に対して、新株予約権の付与を行っております。当該新株予約権は、旧商法第280条ノ20及び第280条ノ21の規定に基づき平成17年9月29日開催の臨時株主総会で決議されたものであります。今後、これらの新株予約権が行使された場合、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。なお、平成27年9月30日における新株予約権による潜在株式数は275,000株であり、同日時点の発行済株式総数27,770,000株の0.99%に相当いたします。当該新株予約権の権利行使期間は、平成17年9月29日開催の臨時株主総会決議分は平成19年9月30日から平成29年9月20日までであります。
(7)配当政策について
環境変化の激しいインターネット広告業界においては、内部留保の充実が重要であると認識しております。他方当社は、株主への利益還元についても重要な経営課題と認識しており、平成26年9月期に引き続き、平成27年9月期においても期末配当を実施いたします。今後も、経営成績及び財政状態を勘案し、内部留保とのバランスを図りながら、株主に対する利益還元を検討していく方針であります。しかしながら、今後の当社グループの事業が計画どおりに進展しない場合など、当社グループの業績が悪化した場合には、配当の実施を行えない可能性があります。
(8)人材の確保及び育成について
当社グループの更なる成長のためには、優秀な人材の確保と継続的な人材育成が重要と考えております。そのため、当社グループでは優秀な人材の採用及び社内教育活動に力を入れると共に、社員一人一人のモチベーション向上を図り、自主的に成長できる環境の構築に努めております。しかし、人材市場の需給バランスの変化等により、優秀な人材が流出する可能性や人材の確保に支障を来すおそれもあります。かかる事態が生じた場合、当社グループの経営成績や競争力に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)業容の急拡大に伴う内部管理体制の充実について
業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、当社グループでは内部管理体制の一層の充実を図っておりますが、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築又は運用が追いつかないという状況が生じる可能性があります。かかる事態が生じた場合、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)為替変動リスクについて
当社グループは、アジア地域における事業展開を拡大しており、急激な為替レートの変動は、地域間の企業取引及び海外拠点における商品価格やサービスコストに影響し、売上高や損益等の業績に影響を与えます。また、海外における投資資産や負債価値は、連結財務諸表上で日本円に換算されるため、為替レートの変動は、換算差による影響が生じます。為替レートの変動に対する対策は講じておりますが、予想を超えた急激な為替レートの変動は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)海外展開に伴うリスクについて
当社グループでは、中期経営計画においてグローバル事業の基盤整備を注力分野の一つと位置付け、アジア地域における事業展開を拡大しております。対象となる地域・市場では、戦争やテロといった国際政治に関わるリスク、対象国での当社グループ事業活動に対する規制の改定・新設に起因するリスク、為替変動や貿易不均衡といった経済に起因するリスク、文化や商習慣の違いから生ずる労務問題や疾病といった社会的なリスクが、予想をはるかに超える水準で不意に発生する可能性があります。また、商習慣の違いにより、取引先との関係構築においても未知のリスクが潜んでいる可能性があります。こうしたリスクが顕在化した場合、事業の縮小や停止、停滞等を余儀なくされ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)知的財産権にかかるリスクについて
広告業一般と同様、当社グループにおいても、事業活動を行う過程で、当社グループが有する又は使用許諾を受けている以外の知的財産権を侵害してしまうおそれ、また逆に当社グループが有する知的財産権が侵害されてしまうおそれがあり、当社グループがかかる事態を防止し、あるいは適切な回復をすることができない可能性があります。かかる事態が生じた場合、当社グループの財政状態、経営成績及び社会的信用に悪影響を及ぼす可能性があります。