有価証券報告書-第15期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/30 15:30
【資料】
PDFをみる
【項目】
110項目

事業等のリスク

以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項について記載しております。また、当社グループとして必ずしもリスク要因と考えていない事項につきましても、投資者の投資判断に重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避および発生時の対応に努める方針ではありますが、当社グループの株式に関する投資判断は、本項および本項以外の記載内容も併せて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、本書および本項は当社グループの株式への投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありませんのでご留意ください。また、文中における将来に関する事項につきましては、当社グループが本書提出日現在において判断しております。
(1) 事業環境について
① 業界の動向について
当社グループが事業を展開するソーシャルゲームを含むインターネット業界は、新技術および新サービスが、日々開発、投入されており、他業界に比べて変化のスピードが早い業界であります。同業界においては、事業スピードを最大化することが重要であり、いかに多くのチャレンジをし、早期にその成否を見極められるかという仕組化が事業の成長には不可欠であると考えております。
当社グループは、意思決定と実行を早める目的で、事業戦略に応じた子会社の設立をはじめ、開発手法、品質管理はもちろん、採用やマネジメントに至るすべてのプロセスにおいて最適な仕組みを整えてまいります。さらに、コンパクトな組織にすることにより、創業時並みの意思決定スピードで事業戦略を推進してまいります。
しかし、こうした活動にも関わらず、市場の変化への対応が適切に行えなかった場合、競争力が低下し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
② 競合について
インターネット業界は、数多くの競合企業が存在しており、多くのユーザーに選ばれるサービスを提供し続けることは容易ではありません。
インターネットコンテンツ事業においては、業績貢献が期待できるネイティブゲームを複数保有しており、ユーザー満足度を高める運営に注力しております。さらに、経営資源を集中し的を絞った新規開発を行い、ヒットを狙ってまいります。しかし、競合企業も次々と新作をリリースしており、開発当初に想定していたユーザーの獲得ができず、ヒットタイトルに成長しない可能性があります。
また、当社が運営しているファストファッション通販「SHOPLIST.com by CROOZ」において、サービス開始以来順調にユーザー数、ブランド数・商品数を拡大することで急成長を遂げてまいりましたが、競合企業が同類のサービスを展開することで成長に影響を与える可能性があります。
これらの理由などにより、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。
③ 広告出稿について
当社グループが提供するサービスにおいてユーザーが求めるものを提供できなかった場合、多額なプロモーション投資を行っても想定を下回るユーザー獲得数に留まる場合があります。また、競合企業も多額のプロモーション投資を行っており、限りある広告枠の獲得競争により、広告出稿単価の上昇も懸念されます。
その結果、費用対効果が低下する恐れがあり、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。
④ 特定事業者への依存について
当社グループは、Apple,Inc.が展開する「App Store」、Google Inc.が展開する「Google Play」、株式会社ディー・エヌ・エーが展開する「Mobage(モバゲー)」やグリー株式会社が展開する「GREE(グリー)」等のプラットフォームを通じてサービスを提供しております。今後も同様にサービス提供を行っていく予定ですが、何らかの理由により、プラットフォームのサービスに関する事業方針の変更があった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑤ システムトラブルについて
当社グループの事業は、自社のシステムのみならず、通信キャリア、通信インフラ企業およびプラットフォーム企業のシステムにも依存しており、その通信ネットワークやハードウェアの不具合によって、当社グループが提供するサービスに影響が及ぶ可能性があります。当社グループは、安全性・可用性を重視したシステムおよびネットワーク構成を構築して万全を期しておりますが、急激なサーバーへのアクセスの集中により、当社グループのサーバーが動作不能に陥る場合や、火災・地震・停電など予期せぬ事態により、通信キャリア、通信インフラ企業、ソーシャルゲームプラットフォーム企業および当社グループのシステムに影響が及んだ場合には、機会損失が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑥ サイトの安全性、健全性の維持について
当社グループが運営するブログサイト「CROOZblog」等において、利用者が健全にコミュニケーションをとることができ、安心して利用ができるように、ユーザーに対し、サイト内に明示しております利用規約や注意事項において、法律・条例に反するものや、公序良俗に反すると判断されるもの等の利用について禁止をしております。しかし、当社グループがユーザーによるサイト内の行為を完全に把握することは極めて困難であり、注意事項および禁止事項に反したユーザーの行為によるトラブルが生じた場合には、利用規約の内容にかかわらず、当社グループが法的責任を問われる可能性があります。また、ブランドイメージの低下を招き、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2) 法的規制について
① 知的財産保護について
当社グループは、自社で提供しているサービスに第三者が保有する知的財産権を利用する場合には、第三者の使用許諾を得ております。当社グループが運営するサービスにおいては、第三者の知的財産権を侵害しないように監視・管理を行っており、当社が運営するファストファッション通販「SHOPLIST.com by CROOZ」等で販売している商品については、第三者の知的財産権を侵害していないことを取引先より契約書において表明保証して頂いており、現時点では、当社グループは知的財産権を一切侵害していないという認識でありますが、万一、当社グループの認識外で、第三者の知的財産を侵害している場合には、損害賠償請求や使用差止請求を受け、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
② 個人情報保護について
当社グループは事業を運営するにあたり、住所・氏名・メールアドレスといったユーザーの個人情報を取得する場合があります。これら個人情報は高度なセキュリティ体制のもとで管理しております。また、個人情報保護規程を整備し、当社グループで業務に従事するもの全てに対して、定期的に研修を実施し、個人情報保護の意識レベルの維持・向上に努めております。しかし、当社グループ外からの不正侵入や故意または過失により、個人情報が漏洩した場合、ユーザーからの損害賠償請求等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
③ ソーシャルゲームに関する法的規制について
当社グループが属するソーシャルゲーム業界においては、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)や資金決済に関する法律をはじめとする様々な法的規制が存在いたしますが、当社グループはそれぞれの法的規制を遵守し事業を運営しております。
当社グループは各種規制に対し誠実に対応しておりますが、今後、社会情勢の変化により既存の法令等の解釈の変更や新たな法令等の制定等が行われた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3) その他
ストック・オプションの付与について
当社グループは、役員および従業員のモチベーション向上を目的として、ストック・オプションを付与しております。当社グループといたしましては、今後におきましても、優秀な役員および従業員を確保するために、インセンティブとしてのストック・オプションを付与する可能性があります。なお、これらストック・オプションが行使された場合、保有株式の株式価値を希薄化させる可能性があります。