有価証券報告書-第22期(平成26年10月1日-平成27年9月30日)

【提出】
2015/12/25 16:41
【資料】
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【項目】
82項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成27年12月25日)現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積もり
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表作成にあたり当社経営陣は、資産・負債及び収益・費用の報告数値及び開示に影響を与える見積もりを行なっております。当社経営陣は、これらの見積もりについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積もりによる不確実性により、これらの見積もりと実際の結果との間に差異が生じる場合があります。
① 収益の認識
当社の売上高は、月額報酬は役務提供基準、その他は検収基準にて計上されており、売上値引・売上戻し高を控除した純額となっております。
② たな卸資産
たな卸資産の評価は、商品については移動平均法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)、貯蔵品については最終仕入原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)となっております。
③ 貸倒引当金
当社は売上債権等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。将来、顧客の財務状況が悪化して支払に支障があった場合、追加の引当金及び貸倒損失が発生する可能性があります。
④ 賞与引当金
当社は従業員の賞与の支給に備えるため、支給見込額に基づき事業年度に見合う負担額を計上しております。
⑤ 退職給付引当金
当社は従業員の退職給付に備えるため、事業年度末における退職給付債務見込額(自己都合退職による要支給額より年金資産額を控除した額)を計上しております。
(2)財政状態の分析
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は、前事業年度末比で3,727千円減少し、1,021,275千円となりました。こ
れは主に現金及び預金147,334千円の減少、商品114,383千円の増加によるものです。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は、前事業年度末比で20,568千円増加し、524,631千円となりました。これは主にこれは主に工具器具備品の48,767千円の減少、ソフトウェア仮勘定47,624千円の増加によるものです。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は、前事業年度末比で71,667千円減少し、996,032千円となりました。これは主に短期借入金164,500千円の減少、買掛金76,981千円の増加によるものです。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債は、前事業年度末比で39,088千円増加し、108,903千円となりました。これは主に、社債24,000千円の減少、長期借入金66,000千円の増加によるものです。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、前事業年度末比で48,309千円増加し、441,465千円となりました。これは利益剰余金48,264千円の増加によるものです。
(3)キャッシュ・フローの分析
当事業年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが94,206千円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが138,699千円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが108,841千円の支出となり、この結果、当事業年度末における現金及び現金同等物の期末残高は299,534千円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、94,206千円の収入であり、減価償却費の計上及びたな卸資産の増加があった一方で、税引前当期純利益50,836千円の計上により、前事業年度に比べ80,909千円(前事業年度13,297千円の収入)の収入増となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは138,699千円の支出であり、有形固定資産、無形固定資産の取得による支出等により、前事業年度に比べ66,877千円(前事業年度71,822千円の支出)の支出増となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、108,841千円の支出であり、長期借入れによる収入があった一方で、短期借入の返済による支出、社債の償還による支出等があったことにより、前事業年度に比べ198,857千円(前事業年度90,016千円の収入)の支出増となりました。
(4)経営成績の分析
当事業年度における売上高は2,204,200千円、売上原価は1,511,577千円、販売費及び一般管理費は629,532千円、営業利益は63,089千円、経常利益は52,956千円、当期純利益は48,264千円となりました。
売上高に関しましては、大手外食チェーンを中心に、従来からのASPサービスを核とした、トータルソリューションシステムを提供してまいりました。また、期の後半からは、パッケージ型の基幹業務システムである「飲食店経営管理システム(R)」をリリースし、規模に関係なく、外食のあらゆる業態店舗、または中食である仕出し、弁当業及び給食事業者にご利用いただけるサービスを提供いたしました。
その結果、ASPサービス事業は月額サービス料が回復傾向となっており、前事業年度比5.6%増となりました。システム機器事業は従来からのPOSシステム、オーダーエントリーシステム及びテーブルオーダーシステムの新規顧客獲得が順調に推移し、前事業年度比0.1%減となり、全体の売上高は前事業年度比9.7%減となりました。
減収ながら増益という結果が得られたのは、前事業年度の売上構成が、粗利率の低い「テーブルショット」などの商品の売上げが多かったことに対し、当事業年度は、ASPサービスの月額の着実な増加に加え、粗利率が高い「飲食店経営管理システム(R)」の販売が貢献したことによります。
売上構成比は、ASPサービス事業996,759千円(構成比45.2%)、システム機器事業1,069,976千円(構成比48.5%)、周辺サービス事業137,464千円(構成比6.2%)、となりました。
売上原価に関しましては、ASP基幹業務サービス月額料の改善や、粗利率の高い機器販売に注力した結果、1,511,577千円(前事業年度比28.3%減)となりました。その結果、売上総利益は692,622千円(前事業年度比108.4%増)となりました。
販売費及び一般管理費に関しましては、社内研修などの増加により前事業年度比3.9%増となりました。
営業利益に関しましては、売上原価の圧縮が貢献し、63,089千円(前事業年度は営業損失273,684千円)となりました。
経常利益と当期純利益に関しましては、売上原価の圧縮が貢献し、経常利益52,956千円(前事業年度は経常損失286,871千円)、当期純利益48,264千円(前事業年度は当期純損失288,464千円)となりました。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
内部的な要因としては、人材の大量流出による、自社企画商品及びサービスの陳腐化等があげられます。外部的な要因としては、原油価格の高騰、BSE及び鳥インフルエンザ等の発生により、外食産業が情報システム投資を極端に抑制した場合は、POSシステム及びオーダーショットの販売に影響を与える可能性はあります。
(6)現状をふまえた今後の戦略と見通し等
外食産業は、高付加価値や健康志向等の消費者意識の変化や高齢化社会に対応した業態やメニュー開発及び食の安全・安心への取り組み等の対応を行いながら、競合企業や異業種との競争に負けない企業体制を構築する必要があり、これまでの売上拡大路線から「ロスを排除」した低コスト・高収益化への取り組みが必要であると考えられます。外食産業は、小売・流通業またはサービス業に位置づけられておりますが、「形を変え付加価値をつけて商品を提供する」製造業の一面も併せ持っており、人件費(labor cost)管理に加え食材費(food cost)のロス管理(業界内ではF/L管理と呼ばれる)の2点を同時に行う必要があります。精度の高い管理は手作業では困難であり、システム化を行うためには莫大な投資が必要になるため、一部の大手チェーンを除き根本的な対策を講じることが困難でありました。競争が激化する中、このような外食産業独自の管理手法に対応するとともに、初期投資を抑えた導入ができる業界専門のシステムが求められる時代になってきたと考えられます。
①ASPサービス事業
上記の状況を踏まえ、前事業年度に引き続き、直接販売を中心としながら、コンサルタント会社や商社系物流会社等外食業界関連企業とのアライアンスを強化し、普及のスピードを速める予定です。また、あらゆる業種でコスト低減に威力のある、パッケージ型の「飲食店経営管理システム(R)」と、現在提供しているASPサービスの融合を進めPOS、オーダリング端末を絡めたトータルでのシステム提案をさらに強化し、事業を拡大する方針であります。
②システム機器事業
前事業年度に引き続き、当社の成長性確保と規模の追及のため、直販営業に加え代理店による販売推進を行い、積極的にシェアを獲得する方針です。全社的な入れ換えが必要なASPサービス事業と比べ、1店舗単位での導入が可能な商品であるため、商談の増加が可能であり、「オーダーショット」でターゲットとする企業との取引間口開設を行い、その後当社収益の基盤であるASPサービス事業の受注に繋げて行く戦略を展開してまいります。