有価証券報告書-第15期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/28 16:39
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【項目】
94項目

事業等のリスク

以下において当社グループ事業推進において、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成28年3月31日)現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)競合製品により収益が圧迫される可能性
「eBASE」と一部機能が類似するソフトウェアとしては多数存在し、今後も新たな競合製品がリリースされる可能性が高いと想定しています。当社グループは、これらの競合製品に対し機能面での優位性を保つべく開発を行い、また、ビジネス戦略として「商品情報交換プラットフォームデファクト化」を推進し、これら競合製品との差別化を行うことによって、「eBASE」の優位性の確保を実現する努力を行っております。しかしながら、当社グループの努力にもかかわらず、例えば競合製品が圧倒的資本により開発された場合などには、当社グループソフトウェアの機能面での優位性を確保することが困難となり、あるいは、価格戦略や営業戦略面で当社グループが遅れをとった場合などには当社グループソフトウェアの機能的差別化の実現によってもそれが収益に結びつかないなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)当社グループビジネスモデルの競合出現の可能性
「商品情報交換プラットフォームデファクト化」が、当社グループビジネスモデルの原点になっていますが、このビジネスモデル自体を模倣した競合製品が出現する可能性もあります。デファクトビジネスは、市場の占有率が高まれば、そのビジネス強度は必然的に高まります。占有率を高めるために、当社グループは、業界を特定しながら「eBASE」の普及、デファクト化を推進しています。結果的に、ターゲットから外れた業界での「商品情報交換プラットフォームデファクト化」は未着手となり、競合他社が、当社グループのビジネスモデルと類似サービスを開始することが想定され、当社グループが想定した業界展開に障害が生じる可能性があります。また、デファクトを確保したと思われた業界でも競合製品の出現により逆転現象が生じる可能性もあります。これらのような場合には、当社グループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)インターフェイス開示による競争激化の可能性
当社グループは継続的社会貢献こそが企業の中長期成長を実現できるという経営理念を掲げています。当然の事ながら、当社グループのビジネス戦略である「商品情報交換プラットフォームデファクト化」も社会貢献を実現します。従って、より社会に貢献できる策を見出すことができれば、当社グループの短期的利益の障害となろうとも、社会貢献できるビジネス戦略への転換を図っていきます。現状でも「eBASE」のインターフェイス開示を行っていますが、これによって、商品情報交換プラットフォームは、低価格「eBASE」を採用し、バックエンドの商品情報データベースシステムは他社製品ということが可能です。この開示をしなければ、当社グループ利益モデルである低価格「eBASE」から高価格「eBASE」へのグレードアップがより確実になりますが、それでは、ユーザー企業の選択肢が狭まりますし、自由競争原理もなくなります。単なる独占ビジネスとなってしまえば、社会に容認されることもなく、中長期的には社会から見放されると考えます。しかしながら、このような考え方による「eBASE」のインターフェイス開示は競合他社との競争が激化する要因でもあり、当社グループ事業の成長を阻害する可能性があります。
(4)技術革新による陳腐化の可能性
IT業界においては、日々新しい技術の開発が進められており、この技術革新がIT関連企業のビジネスモデルを崩壊させた例も稀ではありません。当社グループの「商品情報交換プラットフォームデファクト化」戦略においても、「eBASE」の有するプラットフォーム機能自体が、Microsoft/WindowsなどのOS機能として提供される可能性もあります。また、商品情報交換手法もXML化によりプラットフォームインディペンデントになる可能性が高いと予想されます。このような技術革新が現実のものとなる前に、当社グループの戦略であるデファクトを実現することが重要であり、そのためには、米国市場と中国市場でのデファクト確保も必要となりますが、決して容易とはいえず、技術革新によって「eBASE」の有するプラットフォーム機能が陳腐化する場合には、当社グループの事業活動の継続自体が影響を受ける可能性があります。
(5)業界環境が激変する可能性について
マクロ経済の変化に対しては成す術がありません。あえて言えば、マクロ経済の変化に耐えられるだけの高収益モデルを構築するしかないと言えます。マクロ経済の変化には対応できませんが、企業の安定成長を「社会貢献を目的としたデファクト戦略」で推進しようとしています。自由競争社会において、デファクトビジネスは自由競争を阻害した独占ビジネスが可能です。当社グループは、デファクトを確保し、競争社会での優位を確保しながら社会貢献型ビジネスモデルを構築し、経営環境を安定させようと努力しています。
(6)eBASE稼働環境の変化について
「eBASE」の稼動環境は、現在主流として認知されているMicrosoft製品をプラットフォームとしていますが、そのプラットフォーム自体の仕様が変更された場合や新たなプラットフォームが出現した場合などには、これらに対応した「eBASE」ソフトウェアの仕様の変更や新規移植などの開発のために多大な費用と時間を費やさざるを得ず、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。また、そのプラットフォームのライセンスルール、価格などの変更によっても「eBASE」の販売や収益率が影響を受ける可能性があります。
(7)開発費の増大について
当社グループは、これまで最大公約数的市場ニーズに対応したソリューションソフトウェアとして「eBASE」を開発することで投資対効果の高いソフトビジネスを構築してきましたが、今後は「eBASE」の多種市場への浸透や顧客別にカスタマイズしたコンテンツマネジメントソフトの開発環境である「ミドルウェアeBASE」の開発提供を目指しており、その実現のために、「ミドルウェアeBASE」を使った受託開発を行う必要があります。必然的に、多くの受託開発型IT企業のように、大幅に見積以上のコストが発生し、「eBASE」ソフトビジネスの利益率が低下する可能性があります。また、当社グループが正しく市場ニーズを認識できない場合には、先行投下した開発費が収益に結びつかず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)ソフトウェア価格の低下について
当社グループは、商品情報交換用の商品データベースプラットフォームとしてデファクト確保を起爆剤として拡販することをビジネスモデルとしていますが、このデファクト確保の為に「eBASE」の販売価格を一定程度減額する施策を行う可能性があり、このような場合には販売数量の増加にもかかわらず売上および利益率の低減が生じる可能性があります。
(9)ソフトウェアの瑕疵
当社グループは「eBASE」に瑕疵が生じないよう十分留意し、また、ソフトウェアの使用許諾契約において、当社グループソフトウェア「eBASE」の瑕疵を原因とした顧客の損害についての賠償責任がないことを明記しておりますが、万一「eBASE」に瑕疵が発見された場合には、その対応に多大なコストが発生するほか、瑕疵の程度によっては当社グループのビジネスモデル自体の遂行が不可能または著しく困難となるなど、当社グループの業績や事業継続そのものに影響を及ぼす可能性があります。
(10)知的所有権侵害
「eBASE」は、知的所有権の侵害が無きよう、調査を行った上で開発を行っていますが、知的所有権の認識違いや、知的所有権の主張変更、調査の限界等、様々な理由で、第三者の知的所有権を侵害していないという保証はありません。万一、「eBASE」が第三者の知的所有権を侵害している場合には、損害賠償義務やロイヤリティ支払い等が生じ、あるいは当社グループの社会的信用が低下するなどして、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
(11)研究開発について
当社グループは、新しい製品や技術・サービスの開発のために、継続的に研究開発投資を行っております。しかし、市場のニーズに合致し、開発投資に見合った付加価値を生む魅力ある製品を継続的に開発できる保証はありません。その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)情報管理について
当社グループは、業務受託やシステム開発において入手する顧客の機密情報や個人情報の管理を徹底することはもとより、当社グループ自体の保有する内部情報、機密情報やノウハウの社外流出を防止することを経営の重要課題のひとつと位置付けております。そのため、情報管理については管理部を責任部門として、規程を整備し、取扱方法について、全社員に徹底した社内啓発と教育を行い、情報管理意識向上に努めております。しかしながら、不正アクセスその他により、万が一、情報漏洩が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすだけでなく、当社グループの信用失墜につながる可能性があります。
(13)システム障害リスクについて
事業の拡大及び効率化の維持対策を進めた結果、当社グループの事業はコンピューターネットワークシステムに業務の多くを依存しております。そのため、セキュリティの強化、ハードウェアの二重化等多くのトラブル対策を講じております。しかしながら、これらの対策にもかかわらず、人為的過誤、自然災害等によるトラブルが発生した場合には、当社グループが提供するサービスに対する信頼性の低下を招く等、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(14)受託開発案件の不採算リスクについて
当社グループでは、「eBASE」を使ったカスタマイズ開発時には、原則として請負契約を締結しており、請負契約による受託開発の場合、受注時に顧客の諸要件を確認し、作業工程及び外注金額等を検討した後、当社グループより見積金額及び納期等を顧客に提示し契約締結に至ります。受注段階での見積精度の向上に努め、開発段階においてはプロジェクト管理及び品質管理の強化に努めることにより、不採算案件の発生防止に注力しております。しかしながら、受注時に採算性が見込まれるプロジェクトであっても、新技術仕様での開発であるものや開発進行途中で想定外の仕様変更・追加が発生する場合があり、作業工程が当初の見積以上に増加すること等により、最終的に案件が不採算化する可能性があります。
(15)業績の季節変動について
当社グループが行うeBASE事業は、顧客(企業)から見ればシステム導入に伴う投資であり、各顧客(各企業)においてシステム投資は年度予算化されているため、多くの企業では決算が3月及び9月である事から3月末及び9月末に売上が集中する傾向にあります。しかしながら顧客(企業)の検収時期が遅延した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。従いまして現状では当社グループの経営成績を分析するに当たり、このような季節性を考慮する必要があります。
(16)法的規制について
当社グループが行うeBASE-PLUS事業は、常用雇用型のIT開発アウトソーシングビジネスについて、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」という。)による規制を受けております。労働者派遣法をはじめとする関係諸法令は継続的に見直しが行われており、当社グループの事業に対して著しく不利となる改正が行われた場合は、経営成績に影響を与える可能性があります。
(17)人的資源について
当社グループが行うeBASE-PLUS事業の成長と業績は、人材に大きく依存しております。技術者の採用・育成が重要な経営課題となっておりますが、情報サービス産業における人材不足は解消されておりません。人材の採用・育成または既存社員の流出を防止できない場合は、当社グループのeBASE-PLUS事業の成長と業績に大きく影響する可能性があります。