訂正臨時報告書

【提出】
2020/09/14 9:54
【資料】
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提出理由

当社は、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第179条第1項に規定する特別支配株主であるソニー株式会社(以下「ソニー」といいます。)から、会社法第179条の3第1項の規定による株式売渡請求(以下「本株式売渡請求」といいます。)の通知を受け、2020年7月20日開催の取締役会において、本株式売渡請求を承認することを決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の2に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。

特別支配株主から株式等売渡請求の通知がされた場合又は当該株式等売渡請求を承認するか否かが決定された場合

1.本株式売渡請求の通知に関する事項
(1)当該通知がされた年月日
2020年7月20日
(2)当該特別支配株主の商号、本店の所在地及び代表者の氏名
商号ソニー株式会社
本店の所在地東京都港区港南一丁目7番1号
代表者の氏名代表執行役 吉田 憲一郎

(3)当該通知の内容
当社は、ソニーから、当社の会社法第179条第1項に定める特別支配株主として、当社の株主(ただし、当社及びソニーを除きます。)(以下「本売渡株主」といいます。)の全員に対し、その有する当社の普通株式(以下「当社普通株式」といい、本売渡株主が所有する当社普通株式を、以下「本売渡株式」といいます。)の全部をソニーに売り渡すことの請求に係る通知を2020年7月20日付で受領いたしました。当該通知の内容は以下のとおりです。
①特別支配株主完全子法人に対して本株式売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称(会社法第179条の2第1項第1号)
該当事項はありません。
②本株式売渡請求により本売渡株主に対して本売渡株式の対価として交付する金銭の額及びその割当てに関する事項(会社法第179条の2第1項第2号、第3号)
ソニーは、本売渡対価を、株式会社三井住友銀行との間で2020年7月15日付にて締結した金銭消費貸借契約に基づく借入れを原資として支払うことを予定しております。
③新株予約権売渡請求に関する事項(会社法第179条の2第1項第4号)
該当事項はありません。
④特別支配株主が本売渡株式を取得する日(以下「取得日」といいます。)(会社法第179条の2第1項第5号)
2020年9月2日
⑤本売渡対価の支払のための資金を確保する方法(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第1号)
ソニーは、本売渡対価を、株式会社三井住友銀行との間で2020年7月15日付にて締結した金銭消費貸借契約に基づく借入れを原資として支払うことを予定しております。
⑥その他の本株式売渡請求に係る取引条件(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第2号)
本売渡対価は、取得日後合理的な期間内に、取得日の前日における最終の当社の株主名簿に記載又は記録された本売渡株主の住所又は本売渡株主が当社に通知した場所において、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付されるものとします。
ただし、当該方法による交付ができなかった場合には、本売渡対価の交付について当社の本店所在地にて当社の指定した方法により(本売渡対価の交付についてソニーが指定したその他の場所及び方法があるときは、当該場所及び方法により)、本売渡株主に対する本売渡対価を支払うものとします。
2.本株式売渡請求を承認する旨の決定に関する事項
(1)当該通知がされた年月日
2020年7月20日
(2)当該決定がされた年月日
2020年7月20日
(3)当該決定の内容
ソニーからの通知のとおり、同社による本株式売渡請求を承認いたします。
(4)当該決定の理由及び当該決定に至った過程
ソニーが2020年5月20日から2020年7月13日までを買付け等の期間として実施した当社普通株式並びに2016年7月22日開催の当社取締役会の決議(2017年5月31日開催の当社取締役会決議により一部変更)に基づき発行された新株予約権(以下「第1回新株予約権」といいます。)、2017年7月13日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(以下「第2回新株予約権」といいます。)、2018年7月17日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(以下「第3回新株予約権」といいます。)及び2019年7月18日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(以下「第4回新株予約権」といい、第1回新株予約権、第2回新株予約権、第3回新株予約権及び第4回新株予約権を総称して、以下「本新株予約権」といいます。)に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)に関して当社が2020年5月20日に提出した意見表明報告書(以下「本意見表明報告書」といいます。)の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本株式売渡請求は、本公開買付けの結果、ソニーが当社の総株主の議決権の90%以上を所有するに至ったことから、当社普通株式の全て(ただし、ソニーが所有する当社普通株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得し、当社をソニーの完全子会社とすることを目的とした取引(以下「本取引」といいます。)の一環として行われるものであり、本売渡対価は、本公開買付けにおける当社普通株式1株当たりの買付け等の価格(以下「公開買付価格」といいます。)と同一の価格に設定されております。
当社は、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、以下の過程及び理由により、当社としても、ソニーの完全子会社となることにより、シナジーの創出を見込むことができ、当社の企業価値の向上に資するとの結論に至りました。
当社は、2020年1月下旬、ソニーから、本取引についての初期的な打診を受けました。これを受けて、当社は、同月下旬に当社の財務アドバイザーとして三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社(以下「MUMSS」といいます。)を、同年2月上旬に当社の法務アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を選任いたしました。そして、当社は、当社がソニーの連結子会社であり、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保するため、森・濱田松本法律事務所の助言を踏まえ、直ちに、ソニーから独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の一般株主の皆さまの利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始いたしました。
具体的には、当社は、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「①当社における独立した特別委員会の設置」に記載のとおり、2020年2月上旬から当社の独立社外取締役及び独立社外監査役から構成される特別委員会の設置に向けた準備を進めました。その上で、2020年2月18日付でソニーから本取引に係る提案書を受領した後速やかに開催した同月28日の臨時取締役会における決議により、国谷史朗氏(当社独立社外取締役、弁護士法人大江橋法律事務所代表社員)、伊藤隆敏氏(当社独立社外取締役、コロンビア大学国際関係公共政策大学院教授)、池内省五氏(当社独立社外取締役、株式会社リクルートホールディングス取締役兼顧問)及び牧山嘉道氏(当社独立社外監査役、リップル法律事務所パートナー)の4名から構成される特別委員会(当該特別委員会の設置等の経緯、検討の経緯及び判断内容等については、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「①当社における独立した特別委員会の設置」をご参照ください。)を設置し、特別委員会に対し、①(a)当社の企業価値の向上に資するか否かの観点から、本取引の是非について検討・判断するとともに、(b)当社の一般株主の皆さまの利益を図る観点から、取引条件の妥当性及び手続の公正性について検討・判断した上で、当社取締役会において本取引の承認をするべきか否かについて検討し、当社取締役会に勧告を行うこと(かかる勧告に際しては、本取引の取引形態や法規制等に応じ、適宜適切な表現を用いることができるものとされております。)、並びに、②当社取締役会における本取引についての決定が、当社の少数株主の皆さまにとって不利益なものでないかについて検討し、当社取締役会に意見を述べること(以下、これらを総称して「本委嘱事項」といいます。)を委嘱いたしました。また、当社取締役会は、特別委員会の判断内容を最大限尊重して本取引に関する意思決定を行うこととすること、及び特別委員会が本取引の取引条件が妥当でないと判断した場合には、当社取締役会は当該取引条件による本取引の承認をしないこととすることを決議するとともに、特別委員会に対し、ソニーとの間で取引条件等についての交渉(アドバイザー等を通じた間接的な交渉を含みます。)を行うこと、本委嘱事項について検討するにあたり、必要に応じ、自らの財務のアドバイザー若しくは第三者算定機関及び法務のアドバイザーを選任又は指名すること(この場合の費用は当社が負担するものとされております。)、並びに当社の役職員から本取引に関する検討及び判断に合理的に必要な情報を受領することについて権限を付与することを決議しております(当該取締役会における決議の方法については、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「①当社における独立した特別委員会の設置」をご参照ください。)。なお、特別委員会は、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「①当社における独立した特別委員会の設置」に記載のとおり、上記の権限に基づき、2020年2月28日、独自の法務アドバイザーとして大江橋法律事務所を、独自の財務アドバイザー及び第三者算定機関として株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス」といいます。)を選任する旨を決定しております。
また、当社は、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「①当社における独立した特別委員会の設置」に記載のとおり、特別委員会において、当社の財務アドバイザー及び第三者算定機関であるMUMSS並びに当社の法務アドバイザーである森・濱田松本法律事務所について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けております。
さらに、当社は、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、ソニーから独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を当社の社内に構築するとともに、かかる検討体制に独立性の観点から問題がないことについて特別委員会の承認を受けております。
その上で、当社は、MUMSSから当社普通株式の価値算定結果に関する報告、ソニーとの交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受けるとともに、森・濱田松本法律事務所から本取引における手続の公正性を確保するための対応についてのガイダンスその他の法的助言を受け、これらを踏まえ、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に検討を行ってまいりました。
本取引の取引形態について、当初、当社は、ソニーから、本取引に係る2020年2月18日付提案書において、ソニーの株式を対価とする株式交換とする旨の提案を受けておりました。これを受けて、特別委員会は、本取引の取引形態について、当社の一般株主の皆さまの利益の確保の観点から、ソニーから提案を受けたソニーの株式を対価とする株式交換だけでなく、金銭を対価とする公開買付け及びその後のスクイーズ・アウトによる二段階買収等の他の取引形態についても検討を行った上で、2020年3月6日、ソニーに対し、どのような取引形態であっても、公正な条件である必要があるが、本取引の取引形態としては、対価としての分かりやすさ、確実性、クロージングまでの所要期間、昨今の株式市場のボラティリティ等に鑑み、金銭を対価とする取引形態の方が望ましいと考える旨の書面を送付いたしました。その結果、特別委員会は、同月12日、ソニーから、本取引の取引形態を、金銭を対価とする公開買付け及びその後のスクイーズ・アウトによる二段階買収に変更する旨の書面による回答を受領しております。
また、特別委員会は、2020年4月8日、ソニーから、本公開買付価格を1株当たり2,000円とすることを含む最初の提案を受領して以降、ソニーとの間で、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件について継続的に協議及び交渉を行ってまいりました。具体的には、特別委員会は、ソニーより、同月16日に本公開買付価格を1株当たり2,200円とする旨の提案を、2020年5月7日には本公開買付価格を1株当たり2,400円とする旨の提案を順次受領いたしました。このいずれに対しても、特別委員会においてプルータス及び大江橋法律事務所から受けた助言並びにMUMSS及び森・濱田松本法律事務所から聴取した意見を踏まえて検討を行った上で、特別委員会は、適正な価格に達していないとして、ソニーに対し本公開買付価格の再検討を要請いたしました。その後もソニーとの間で、当社の財務アドバイザーを通じて、継続的に協議及び交渉を行い、その結果、特別委員会は、2020年5月12日、ソニーから、本公開買付価格を1株当たり2,600円とすることを含む提案を受けるに至りました。また、特別委員会は、2020年5月15日に、ソニーから、本新株予約権の買付価格を本公開買付価格と各本新株予約権の当社普通株式1株当たりの行使価額との差額に当該各本新株予約権1個の目的となる当社普通株式数である100を乗じた金額とする旨の提案を受領いたしました。なお、特別委員会は、近時の新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大を契機として、2020年2月下旬以降、当社普通株式の市場株価が乱高下している中、当該事象が当社2020年度の業績に及ぼし得る影響に関して当社が作成した複数のシナリオ前提に基づくシミュレーションを受領しながらも、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件についての協議・交渉に際しては、かかる市場株価の状況には左右されない当社の適正な本源的価値を評価すべきであることを主張して、ソニーとの間で協議・交渉を重ねてまいりました。
以上の検討・交渉過程において、特別委員会は、随時、当社や当社のアドバイザーから報告を受け、適宜、確認・承認を行ってきております。具体的には、まず、ソニーに対して提示され、MUMSS及びプルータスによる当社普通株式の価値算定の基礎ともなる本財務予測(当社)(本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「①当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」の「(ⅱ)当社普通株式に係る算定の概要」において定義する意味を有します。)の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について特別委員会の確認を受け、その承認を受けております。また、当社の財務アドバイザーは、ソニーとの交渉にあたっては、事前に特別委員会において審議の上決定した交渉方針に従って対応を行っており、また、ソニーから本公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、直ちに特別委員会に対して報告を行い、その指示に従って対応を行っております。
そして、当社は、2020年5月19日、特別委員会から、①当社取締役会は、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主及び新株予約権者に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議するべきであると考える旨、並びに②(a)当社取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主及び新株予約権者に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議することは、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考える旨、及び(b)本公開買付けが成立した後におけるソニーによる当社の完全子会社化は、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考える旨の答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けております(本答申書の概要については、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「①当社における独立した特別委員会の設置」をご参照ください。)。なお、当社は、本答申書と併せて、特別委員会から、2020年5月18日付で特別委員会がプルータスから提出を受けた当社普通株式の価値算定結果に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(プルータス)」といいます。)及び本公開買付価格である1株当たり2,600円が当社普通株式の株主(ソニー及びその関係会社を除きます。)にとって財務的見地から公正である旨のフェアネス・オピニオン(以下「本フェアネス・オピニオン(プルータス)」といいます。)の提出も受けております(本株式価値算定書(プルータス)及び本フェアネス・オピニオン(プルータス)の概要については、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「②特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」をご参照ください。)。
以上の経緯の下で、当社は、2020年5月19日開催の当社取締役会において、森・濱田松本法律事務所から受けた法的助言、MUMSSから受けた財務的見地からの助言並びに同月18日付で提出を受けた当社普通株式の価値算定結果に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(MUMSS)」といいます。)及び本公開買付価格である1株当たり2,600円が当社普通株式の株主(ソニー及びその関係会社を除きます。)にとって財務的見地から妥当である旨のフェアネス・オピニオン(以下「本フェアネス・オピニオン(MUMSS)」といいます。)の内容、並びに特別委員会を通じて提出を受けた本株式価値算定書(プルータス)及び本フェアネス・オピニオン(プルータス)の内容を踏まえつつ、本答申書において示された特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、以下のとおり、当社としても、ソニーの完全子会社となることにより、シナジーの創出を見込むことができ、当社の企業価値の向上に資するとの結論に至りました。
まず当社としては、当社グループ(当社及びその連結対象会社13社(2020年3月31日現在)をいいます。以下同じです。)をとりまく事業環境は、加速度的、かつ劇的に変化しつつあると認識しております。具体的には、①少子高齢化やライフスタイルの変化、②経済構造の変化(低金利、低成長の常態化)、③Fintechに象徴されるテクノロジーの金融への直接的な影響とその変化を積極的に支持する行政スタンス(規制の変化、顧客利便性の徹底)、④リスクに対する厚い資本要請と経済価値ベースでの規制基準の充足要請(リーマンショック以来のグローバル観点でのシステミックリスクの回避)などといった環境変化が生じていると考えております。
当社は、このような環境の下、当社グループが持続的な成長を実現していくためには、既存事業のオーガニックな成長に加えて、付加価値の高い新しい金融サービスを創出することが必要と考えており、これまで、ソニーとの連携を強化し、ソニーとの間で情報交換及びナレッジシェアを行うイベント等を通じて、互いの持つ技術や課題の共有を進めるとともに、新たな商品・サービスの開発を進めてまいりました。これまで開発した商品・サービスの実例としては、ソニー損害保険株式会社(以下「ソニー損保」といいます。)におけるPHYD型テレマティクス商品開発における協業(2020年3月18日からソニーグループ(ソニー並びにその子会社1,529社及び関連会社155社(このうち連結子会社(変動持分事業体を含みます。)は1,490社、持分法適用会社は140社とのことです。)(2020年3月31日現在)をいいます。以下同じです。)が保有するAIやセンシング、クラウドコンピューティング等の技術を用いることで実現した新しい自動車保険商品である「GOOD DRIVE」を販売開始)等があります。
このように当社とソニーとの連携は一定の成果が出ておりますが、上場会社としての独立性の観点や少数株主の利益を考慮する必要性から、経営資源・人材の相互活用や機能集約、意思決定のスピードなどにおいて一定の限界が存したと当社は認識しております。そして、今後、当社グループをとりまく事業環境の劇的な変化や多様化する顧客ニーズに対応しながら、当社とソニーとの間で更なるシナジーを創出していくためには、当社とソニーの連携を更に緊密にし、人的資源を含む経営資源やノウハウの相互活用をより迅速に推進していくことが必要になると考えております。
この点、ソニーによる当社の完全子会社化を通じてソニーと当社の一般株主との間の潜在的な利益相反構造を解消し、ソニーと当社の利益を完全に一致させることにより、両社グループ間に跨るサービス開発体制やコーポレート機能の一層の集約・再編等を含む大胆な経営施策を迅速かつ弾力的に実行に移していくことが可能となり、事業環境の変化や多様化する顧客ニーズに対応した金融サービスをスピーディに展開し、社会全体の発展により貢献できるようになると当社は考えております。
具体的には、当社がソニーの完全子会社となることにより、これまで以上にソニーのR&D機能(特にFintech領域における研究開発力)とAI技術、ブランド力等を活用することが可能となり、各事業領域での新商品・新サービスの開発を推進し、加速化させていくことが可能になると考えています。ソニー生命保険株式会社においては、ライフプランニングデータとAI解析技術に基づくコンサルティング支援ツールの開発促進、主要販売チャネルであるライフプランナーの採用における、ソニーのブランド力を一層生かすことによる採用活動の強化・厳選採用による新人の高質化とライフプランナー数全体の増加の達成、ソニー損保においては先進的なPHYD型テレマティクス保険商品(注1)の開発、機械学習技術による顧客属性/行動分析の高度化、マーケティング効率の向上等が挙げられます。また、ソニーグループのスケールメリットや国内外の広範なチャネルを活かすことで、これまで上場会社としての独立性に配慮する必要がある現状の資本関係の中で取り組むには限界のあった新規事業投資を通じた競争力強化、サービスラインアップの拡充が期待できるとともに、ソニーグループとの一部機能の共通化などの方法により、マーケティングコスト、コーポレートコストの削減等も期待できると考えております。
(注1)「PHYD型テレマティクス保険」のPHYDとは、「Pay How You Drive」の略称で、車に搭載したセンサーなどによって速度、加減速、ハンドル操作といった運転行動に関するデータを収集し、その分析結果から事故リスク、及び保険料を算出する仕組みの自動車保険をいいます。
加えて、少子高齢化、経済構造の変化、Fintechに象徴されるテクノロジーが金融業界に大きな影響を与え始めているといった現状において、ソニーグループのグローバルテクノロジー企業としての経験に基づいた、厚い経営管理人材のより柔軟かつ深度ある関与・貢献を期待できることは、当社グループが次のフェーズに移行するに際してメリットがあると考えております。
なお、当社グループは、顧客のライフステージ・イベントに応じた多様な金融サービスを提供し、高い顧客満足度や信頼を長期にわたり維持していること、当社グループの金融事業はソニーグループの主要な3つの事業ポートフォリオの一つである「Direct-to-Consumer(注2)サービス」との親和性が高いことや、ソニーブランドが当社グループの安心や安全のイメージ獲得に寄与していると考えていることから、今後、ソニーと当社が一体となることは、当社グループの顧客、従業員その他のステークホルダーにおいて違和感なく受け入れられると考えております。
(注2)「Direct-to-Consumer」とは、顧客と直接つながるリカーリング型(同一の顧客との継続的な取引を通じて収益を拡大する形態)のビジネスモデルをいうとのことです。
また、当社は、以下の点等から、本公開買付価格である1株当たり2,600円は当社の一般株主の皆さまが享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の一般株主の皆さまに対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社普通株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
(ⅰ)当該価格が、当社において、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正さを担保するための措置が十分に講じられた上で、特別委員会の実質的な関与の下、ソニーとの間で十分な交渉を重ねた結果合意された価格であること。
(ⅱ)当該価格が、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「①当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載の本株式価値算定書(MUMSS)におけるMUMSSによる当社普通株式の価値算定結果のうち、市場株価分析及び類似企業比較分析による算定結果の範囲を上回っており、また、配当割引モデル(Dividend Discount Model)分析による算定結果の範囲内であること。また、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「①当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、MUMSSから、本公開買付価格である1株当たり2,600円が当社普通株式の株主(ソニー及びその関係会社を除きます。)にとって財務的見地から妥当である旨の本フェアネス・オピニオン(MUMSS)が発行されていること。
(ⅲ)当該価格が、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「②特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載の本株式価値算定書(プルータス)におけるプルータスによる当社普通株式の価値算定結果のうち、市場株価法及び類似会社比較法による算定結果の範囲を上回っており、また、配当割引モデル(Dividend Discount Model)法による算定結果の範囲内であること。また、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「②特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、プルータスから、本公開買付価格である1株当たり2,600円が当社普通株式の株主(ソニー及びその関係会社を除きます。)にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオン(プルータス)が発行されていること。
(ⅳ)当該価格が、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2020年5月18日の株式会社東京証券取引所市場第一部における当社普通株式の終値2,064円に対して25.97%(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、プレミアム率の計算において同じです。)、2020年5月18日から直近1ヶ月間の終値単純平均値1,976円(小数点以下を四捨五入しております。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して31.58%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値1,939円に対して34.09%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値2,262円に対して14.94%のプレミアムが加算されたものであり、親会社による上場子会社の完全子会社化を目的とした他の公開買付けの事例におけるプレミアムの水準に照らしても遜色なく、合理的な水準と認められること。
(ⅴ)当該価格は、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「①当社における独立した特別委員会の設置」に記載のとおり、特別委員会から取得した本答申書においても、妥当であると認められると判断されていること。
同様に、本新株予約権の買付価格についても、本公開買付価格と各本新株予約権の当社普通株式1株当たりの行使価額との差額に当該各本新株予約権1個の目的となる当社普通株式数である100を乗じた金額を基に算定されているものであるため、本公開買付けは、当社の新株予約権者の皆さまに対して合理的な本新株予約権の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
以上より、当社は、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2020年5月19日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主及び新株予約権者の皆さまに対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
当該取締役会における決議の方法については、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑦当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
その後、当社は、2020年7月14日、ソニーより、本公開買付けの結果について、当社普通株式123,576,238株並びに第1回新株予約権196個、第2回新株予約権204個、第3回新株予約権198個及び第4回新株予約権191個の応募があり、その全てを取得することとなった旨の報告を受けました。この結果、2020年7月20日(本公開買付けの決済の開始日)付で、ソニーの有する当社普通株式の議決権所有割合(注3)は93.44%となり、ソニーは、当社の特別支配株主に該当することとなりました。
(注3)「議決権所有割合」とは、①当社が2020年6月25日に提出した第16期有価証券報告書(以下「当社有価証券報告書」といいます。)に記載された2020年3月31日現在の発行済株式総数(435,087,405株)から、②当社有価証券報告書に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(37,469株)を控除し、③当社有価証券報告書に記載された同日現在の第1回新株予約権(357個)、第2回新株予約権(340個)、第3回新株予約権(316個)及び第4回新株予約権(288個)の目的となる当社普通株式の数(合計130,100株)を加えた株式数(435,180,036株)に係る議決権数(4,351,800個)に占める割合をいいます(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、他の取扱いを定めない限り同じです。)。
このような経緯を経て、当社は、ソニーより、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本取引の一環として、会社法第179条第1項に基づき本株式売渡請求を行う旨の通知を、2020年7月20日付で受領いたしました。
そして、当社は、かかる通知を受け、本株式売渡請求を承認するか否かについて、慎重に協議、検討いたしました。
その結果、当社は、2020年7月20日開催の当社取締役会において、(ⅰ)本株式売渡請求は本取引の一環として行われるものであるところ、当社は、上記のとおりの過程及び理由により、本取引は当社の企業価値の向上に資すると判断しており、当該判断を変更すべき特段の事情は生じていないこと、(ⅱ)本売渡対価は本公開買付価格と同一の価格に設定されているところ、当該価格は、上記のとおり、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本取引に係る取引条件の公正さを担保するための措置が十分に講じられた上で、特別委員会の実質的な関与の下、ソニーとの間で十分な交渉を重ねた結果合意された価格であり、また、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「①当社における独立した特別委員会の設置」に記載のとおり、特別委員会から取得した本答申書においても、妥当であると認められると判断されている等、本売渡株主の皆さまが享受すべき利益が確保された妥当な価格であると考えられること、(ⅲ)ソニーは、本売渡対価を、株式会社三井住友銀行との間で2020年7月15日付にて締結した金銭消費貸借契約に基づく借入れを原資として支払うことを予定しているとのことであり、当社としても、当該金銭消費貸借契約を確認することによりソニーによる資金確保の方法を確認していること、また、ソニーによれば、本売渡対価の支払いのための資金の確保に支障を及ぼす事象は発生しておらず、今後発生する具体的なおそれも現在認識されていないとのことであること等から、ソニーによる本売渡対価の支払いのための資金の準備状況・確保手段は相当であり、本売渡対価の交付の見込みはあると考えられること、(ⅳ)本売渡対価の交付までの期間及び支払方法について不合理な点は認められないことから、本株式売渡請求に係る取引条件は相当であると考えられること、(ⅴ)本公開買付けの開始以降2020年7月20日に至るまで当社の企業価値に重大な変更は生じていないこと等を踏まえ、本株式売渡請求は、本売渡株主の利益に配慮したものであり、本株式売渡請求の条件等は適正であると判断し、審議及び決議に参加した当社の取締役全員一致で、ソニーからの通知のとおり、本株式売渡請求を承認する決議をいたしました。
上記2020年7月20日開催の当社取締役会においては、当社の取締役10名のうち、十時裕樹氏、神戸司郎氏及び松岡直美氏はソニーの取締役、執行役又は執行役員を兼務していること、坪田博行氏は過去にソニーの従業員としての地位を有していたこと、岡昌志氏はソニーグループに属する当社の代表者としての地位を有することに伴いソニーにおいて上席事業役員と呼称されていることから、取締役会における審議及び決議が本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを排除する観点から、まず、(ⅰ)岡昌志氏、坪田博行氏、十時裕樹氏、神戸司郎氏及び松岡直美氏を除く5名の取締役において審議の上、全員一致により上記の決議を行い、さらに、当社取締役会の定足数を確保する観点から、(ⅱ)岡昌志氏を加えた6名の取締役において改めて全員一致により上記の決議を行うという二段階の手続を経ております。
また、上記の取締役会に出席した監査役(監査役3名中、出席監査役2名(うち社外監査役2名))の全員が上記決議につき異議はない旨の意見を述べております。
なお、当社の取締役のうち、坪田博行氏、十時裕樹氏、神戸司郎氏及び松岡直美氏の4名は、本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを排除する観点から、上記2020年7月20日開催の当社取締役会を含む本取引に係る当社取締役会の審議及び決議には参加しておらず、かつ、当社の立場において、本取引に係る検討並びにソニーとの協議及び交渉に参加しておりません。
また、岡昌志氏は、上記のとおり、2020年7月20日開催の当社取締役会において、定足数を確保する観点から二段階目の決議に参加しており、また、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「①当社における独立した特別委員会の設置」に記載のとおり、当社代表取締役社長 兼 CEOに就任する予定が決定される前である2020年2月28日に開催された臨時取締役会において審議及び決議に参加しており、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑦当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載のとおり、2020年5月19日開催の当社取締役会において、定足数を確保する観点から二段階目の決議に参加しておりますが、これらを除き、当社の立場において、本取引に係る検討並びにソニーとの協議及び交渉に参加しておりません。
また、当社の監査役である是永浩利氏はソニーの従業員を兼務していること及びソニーの執行役員を兼務していることから、上記2020年7月20日開催の当社取締役会を含む本取引に係る当社取締役会の審議には一切参加しておらず、当該取締役会の決議に対して意見を述べることを差し控えております。
以 上