有価証券報告書-第18期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 17:15
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【項目】
95項目

事業内容

当社の企業集団は、当社及び連結子会社4社で構成されており、主に大都市圏の大型施設に設置される駐車場の運営サービスを提供する駐車場管理運営事業、民間駐車場や市街地再開発駐車場(注1)の運営に関する総合提案を実施するコンサルティング事業を、当社は日本国内において、連結子会社4社は中国において当該事業を展開しております。
なお、当社グループは、単一セグメントのため、事業部門別に記載しております。
駐車場管理運営事業は、主に駐車場オーナー(注2)より駐車場を借り上げ、駐車場の運営自体を代行する運営受託と、駐車場オーナーから駐車場施設を賃借せずに、当該駐車場の管理を代行する管理受託によりサービスを提供しております。また、コンサルティング事業は、民間駐車場や市街地再開発駐車場の運営効率の向上を目指した運営計画案や現状調査分析、改善計画案を提供しております。
当社グループでは、駐車場の運営に関するコンサルティング実績が評価され、当該駐車場の管理運営業務を受託するケースがあります。
なお、当社グループの事業概要図は以下のとおりであります。

(注1)当社グループの関わる市街地再開発駐車場とは、秋葉原UDXパーキングなどの都市再開発法に基づく再開発において整備される駐車場をいいます。
(注2)駐車場オーナーとは、当社グループが直接契約を結ぶ顧客を総称したもので、主に開発事業者や施設所有者、施設管理者(プロパティマネジメント会社)等をいいます。
(注3)コンサルティング業務の受託に引き続き、管理運営業務を受託するケースがあります。
(注4)中国での事業展開においては、現地に設立した子会社が国内と同様のスキームで事業を行います。
(1) 駐車場管理運営事業
当社グループの駐車場管理運営事業では、主に大都市圏における大型複合施設駐車場においてサービスの提供を行います。当該施設のオーナーやテナント、駐車場利用者に対し、有人管理による人的サービスを提供することで施設駐車場の管理運営を行っております。
駐車場管理運営事業における特長は、お手玉オペレーション(注1)によりオペレーター(注2)が、車室入出庫の誘導や、車両移動の代行(バレーサービス(注3))を行うことで、駐車場施設の効率的な管理と運用を実現している点にあります。
当社グループが提供しているサービスは、全ての駐車場施設に共通して求められるものと、地域性や利用形態、施設の特性など、駐車場を取り巻く環境に付随して個別に求められるものがあります。当社グループでは、当該駐車場における状況を的確に判断し、駐車場ごとに提供するサービス内容を決定しております。また当社グループでは、管理運営駐車場に関し、毎月の収支状況とその分析のほか、新規提案を含めてレポートを作成し、月次ベースで駐車場オーナーへの報告を実施しております。
当社グループは、駐車場管理運営事業を通じ、駐車場を取り巻く関係者との信頼関係を築くことで、既存駐車場の長期運営と、新規運営駐車場の獲得を図っております。
(注1)お手玉オペレーションとは、車室を特定しないフリーアドレスによる定期契約車両の利用時間傾向の分析と、一般車両の時間貸し受入れを組み合わせることにより、収容台数を超える車両の運用を実現し稼働率の向上を図るオペレーションです。
(注2)オペレーターとは、駐車場内で入出庫時の誘導や車両移動の代行を行う駐車場スタッフをいいます。
(注3)バレーサービスとは、車室への入出庫時の車両移動を当社グループ従業員が代行するサービスです。
①運営受託
運営受託は、駐車場オーナーから施設駐車場全体を借り上げ、駐車場運営を一括して行う当社グループの主要業務であります。運営受託では、当社グループの運営ノウハウを駆使して駐車場収益の最大化を図ることに主眼を置いております。
運営受託においては、駐車場利用者からの利用料を売上に計上し、主にオーナーへ支払う賃借料、オペレーター等の人件費が売上原価に計上されます。また、長期的な契約継続を目的に、固定賃料のほか、予め設定した売上基準値超過部分の一定割合を変動賃料としてオーナーに支払うことで、適正な利益配分を行っております。一方、個々の駐車場に即した時間貸、定期貸の積極的営業活動を行うほか、テナント及び地域団体との提携を推進し、収益向上を図っております。
なお、運営受託の事業構造は以下のとおりであります。

②管理受託
管理受託は、当社グループが駐車場オーナーから駐車場の管理業務を代行することでサービスを提供する受託形態であります。この形態では、固定の業務委託料を売上に計上し、主にオペレーター等の人件費が売上原価として計上されます。また、契約形態によっては、固定の業務受託料の他に、売上連動型のインセンティブを設定するなどし、管理業務にとどまらない営業支援等のサービスを提供し、当社グループの駐車場運営のノウハウを収益向上に活かしております。
なお、管理受託の事業構造は以下のとおりであります。

(2) コンサルティング事業
当社グループのコンサルティング事業は、駐車場管理運営事業の基盤を支えるものであり、既に運営されている駐車場や、駐車場設置の計画段階など、カテゴリーや規模を問わず様々なタイミングにおける収益・運用改善コンサルティングを提供しております。特に再開発プロジェクトにおける駐車場コンサルティングでは、再開発プロジェクト全体を見渡した上で、運営開始時の効率的なオペレーション及び継続性の高い駐車場等経営手法等の提案を行っております。また、開発段階からコンサルティングを行うことで、当駐車場の管理運営自体を獲得するという、当社グループならではのスキームを実現しております。
なお、当社グループコンサルティング事業で提供される主なメニューは、以下のとおりであります。
メニュー
タイミング
理念・方針ソフト面ハード面
計画段階駐車場基本計画
利害関係の調整(注1)
現状分析
収支予測調査
サーキュレーション(注2)設定
設計段階駐車場形態の設定確認
運営会社選定基準仕様策定
駐車場マネジメント計画
運用ソフトの検討
料金体系の検討
入出庫シミュレーション
機械駐車装置の導入検討
最新技術・機器導入検討
サーキュレーション検討
サイン計画(広域・内部)
ライティング計画
完成後駐車場マネジメント見直し
運営水準調査(現況評価)
利用状況分析
運利用ソフトの見直し
スタッフ教育
サイン計画見直し
サーキュレーション見直し

(注1)利害関係の調整とは、関係当事者間の利害が錯綜する再開発プロジェクトにおいて、第三者的中立機関である当社グループが、駐車場の最適運用プランを提供することで、相互の利害調整を行うコンサルティングをいいます。
(注2)サーキュレーションとは、自動車動線および歩行者動線のことをいい、車輌および歩行者の流れを調整することにより、駐車場運営の効率化を図っております。