臨時報告書

【提出】
2021/10/11 15:22
【資料】
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提出理由

当社は、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じとします。)第179条第1項に規定する特別支配株主であるHoulihan Lokey, Inc.(以下「Houlihan Lokey」又は「特別支配株主」といいます。)から、同法第179条の3第1項の規定による株式売渡請求(以下「本株式売渡請求」といいます。)の通知を受け、2021年10月11日付で、会社法第370条による決議(取締役会の決議に代わる書面決議)によって、本株式売渡請求を承認する旨の決議をいたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の2の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。

特別支配株主から株式等売渡請求の通知がされた場合又は当該株式等売渡請求を承認するか否かが決定された場合

1.本株式売渡請求の通知に関する事項
(1)当該通知がされた年月日
2021年10月11日
(2)当該特別支配株主の商号、本店の所在地及び代表者の氏名
商号Houlihan Lokey, Inc.
本店の所在地アメリカ合衆国、デラウェア州、ニューキャッスル・カウンティ、ウィルミントン、リトル・フォールス・ドライブ251
(251 Little Falls Drive, Wilmington, New Castle County, Delaware, USA)
(同所は登録上の本店所在地であり、実際の事業運営は、アメリカ合衆国カリフォルニア州にある本社で行っているとのことです。)
代表者の氏名Chief Executive Officer Scott L. Beiser

(3)当該通知の内容
当社は、Houlihan Lokeyより、2021年10月11日付で、当社の特別支配株主として、当社の株主の全員(Houlihan Lokey及び当社を除きます。以下「本売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社の普通株式(以下「当社株式」といい、本売渡株主が所有する当社株式を、以下「本売渡株式」といいます。)の全部をHoulihan Lokeyに売り渡すことを請求する旨の通知を受けました。なお、Houlihan Lokeyによれば、当社は本新株予約権(以下に定義します。)を発行しているものの、Houlihan Lokey以外に本新株予約権を保有する者が存在しないため、本新株予約権を本株式売渡請求の対象としていないとのことです。当該通知の内容は以下のとおりです。
① 特別支配株主完全子法人に対して本株式売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称(会社法第179条の2第1項第1号)
該当事項はありません。
② 本株式売渡請求により本売渡株主に対して本売渡株式の対価として交付する金銭の額及びその割当てに関する事項(会社法第179条の2第1項第2号・第3号)
Houlihan Lokeyは、本売渡株主に対し、本売渡株式の対価(以下「本株式売渡対価」といいます。)として、その有する本売渡株式1株につき1,398円の割合をもって金銭を割当交付いたします。
③ 新株予約権売渡請求に関する事項(会社法第179条の2第1項第4号)
該当事項はありません。
④ 特別支配株主が本売渡株式を取得する日(以下「取得日」といいます。)(会社法第179条の2第1項第5号)
2021年11月5日
⑤ 本株式売渡対価の支払のための資金を確保する方法(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第1号)
Houlihan Lokeyは、本株式売渡対価を、Houlihan Lokeyの現預金を原資として支払うことを予定しております。
⑥ その他の本株式売渡請求に係る取引条件(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第2号)
本株式売渡対価は、取得日以降合理的な期間内に、取得日の前日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された本売渡株主の住所又は本売渡株主が当社に通知した場所において、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付されるものとします。但し、当該方法による交付ができなかった場合には、当社の本店所在地にて当社が指定した方法により(本株式売渡対価の交付についてHoulihan Lokeyが指定したその他の場所及び方法があるときは、当該場所及び方法により)、本売渡株主に対して本株式売渡対価を支払うものとします。
2.本株式売渡請求を承認する旨の決定に関する事項
(1)当該通知がされた年月日
2021年10月11日
(2)当該決定がされた年月日
2021年10月11日
(3)当該決定の内容
Houlihan Lokeyからの通知のとおり、同社による本株式売渡請求を承認いたします。
(4)当該決定の理由及び当該決定に至った過程
Houlihan Lokeyが2021年8月4日から2021年9月27日までを買付け等の期間として実施した当社株式及び本新株予約権(注1)に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)に関して、当社が2021年8月4日に提出した意見表明報告書(2021年9月9日に提出した訂正意見表明報告書による訂正を含みます。以下「本意見表明報告書」といいます。)の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本株式売渡請求は、本公開買付け及び本公開買付けにより取得した本新株予約権の行使により、Houlihan Lokeyが当社の総株主の議決権の数に対する割合(以下「議決権所有割合」といいます。(注2))の90%以上を所有するに至ったことから、Houlihan Lokeyが当社株式及び本新株予約権の全てを取得し、当社をHoulihan Lokeyの完全子会社とすることを目的とする取引(以下「本取引」といいます。)の一環として行われるものであり、本株式売渡対価は、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)と同一の価格に設定されております。
(注1)「本新株予約権」とは、以下の新株予約権を総称していいます。
① 2013年5月1日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第7回新株予約権(以下「第7回新株予約権」といいます。)(行使期間は2014年4月1日から2023年3月31日まで)
② 2013年5月1日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第8回新株予約権(以下「第8回新株予約権」といいます。)(行使期間は2014年4月1日から2023年3月31日まで)
③ 2014年2月20日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第9回新株予約権(以下「第9回新株予約権」といいます。)(行使期間は2015年4月1日から2024年3月31日まで)
④ 2014年2月20日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第10回新株予約権(以下「第10回新株予約権」といいます。)(行使期間は2015年4月1日から2024年3月31日まで)
⑤ 2016年2月23日開催の当社取締役会の決議に基づき発行されたRSU-1新株予約権(以下「RSU-1新株予約権」といいます。)(行使期間は2017年2月23日から2026年3月8日まで)
⑥ 2016年9月23日開催の当社取締役会の決議に基づき発行されたRSU-3新株予約権(以下「RSU-3新株予約権」といいます。)(行使期間は2017年2月23日から2026年3月8日まで)
⑦ 2017年5月12日開催の当社取締役会の決議に基づき発行されたRSU-4新株予約権(以下「RSU-4新株予約権」といいます。)(行使期間は2018年2月23日から2027年3月8日まで)
⑧ 2018年6月18日開催の当社取締役会の決議に基づき発行されたRSU-5新株予約権(以下「RSU-5新株予約権」といいます。)(行使期間は2019年2月23日から2028年3月8日まで)
(注2)「議決権所有割合」は、(i)本臨時報告書提出日現在の当社の発行済株式総数(47,311,559株)から、(ii)2021年9月30日時点の当社が所有する自己株式数(1,259株)を控除した数(47,310,300株)に係る議決権の数(473,103個)に対する割合(小数点第三位以下を切り捨てしております。)をいいます。以下同じとします。
当社は、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、以下の経緯及び理由により、2021年8月3日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主及び本新株予約権の所有者の皆さまが本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。また、2021年9月9日開催の取締役会において、2021年8月3日開催の取締役会において決議した、本公開買付けに賛同する旨の意見、並びに、当社の株主及び本新株予約権の所有者の皆さまに対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見を維持することを決議いたしました。なお、上記各取締役会決議は、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員であるものを含む)全員の承認」に記載の方法により決議されております。
当社は、2021年5月21日にHoulihan Lokeyから、当社の完全子会社化により想定されるシナジー効果を含む初期的な株式価値試算結果、株価推移、完全子会社化後の事業に対する期待等を勘案した価格として、当社株式の全てを1株当たり1,200円で買い取ること、並びにデュー・ディリジェンスの完了及び確定的な契約の締結を目指した60日間の独占交渉期間の設定を予定することを含む法的拘束力のない提案書(以下「本初期的提案」といいます。)を受領し、係る本初期的提案の検討及びHoulihan Lokeyとの協議を進めるにあたり、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「②当社における独立したリーガル・アドバイザーからの助言の取得」に記載のとおり、2021年6月上旬に当社、Houlihan Lokey及び本応募取締役(注3)から独立したリーガル・アドバイザーとしてモリソン・フォースター法律事務所を選任しました。また、当社は、同事務所に助言を受けながら、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③当社における独立した検討体制の構築」に記載の本公開買付けを検討するプロジェクトチームを立ち上げました。加えて、同年6月下旬に、当社、Houlihan Lokey及び本応募取締役から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社(以下「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」といいます。)を、同年7月下旬に、当社、Houlihan Lokey及び本応募取締役から独立した第三者算定機関として株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス」といいます。)を選任し、第三者算定機関である三菱UFJモルガン・スタンレー証券に対し、当社株式にかかる株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(三菱UFJモルガン・スタンレー証券)」といいます。)の提出を依頼するとともに、同じく第三者算定機関であるプルータスに対し、当社株式にかかる株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(プルータス)」といいます。)及び本買付条件等変更(下記で定義します。)前の本取引における当社株式の価格(以下「本取引価格」といいます。)が当社の少数株主にとって財務的見地から不利益なものではなく妥当なものであるかについての意見書(以下「本フェアネス・オピニオン」といいます。)の提出を依頼しました。
(注3) Houlihan Lokeyは、本公開買付けの実施にあたり、2021年8月3日付で、当社株式又は本新株予約権を保有する当社の取締役の一部との間で、それぞれ、当社株式及び本新株予約権の応募に関する契約(以下「本応募契約」といい、本応募契約に基づき応募予定の当社株式及び本新株予約権を「本応募予定株式等」といいます。なお、本応募予定株式等にかかる株式数は、特段の記載がない限り、本新株予約権の目的となる株式数を勘案した潜在株式勘案後の株式数を指すものとします。)を締結しているとのことです。Houlihan Lokeyと当該本応募契約を締結した当社の取締役を「本応募取締役」といい、本応募取締役は、渡辺章博氏(所有株式数:3,853,900 株、所有新株予約権数121,464 個、所有割合(注4):8.05%)、トッド・ジェイ・カーター氏(所有株式数:1,591,489 株、所有新株予約権数:261,189 個、所有割合:3.75%)、ジェフェリー・ディ・バルドウィン氏(所有株式数:377,313 株、所有新株予約権数:271,486 個、所有割合:1.31%)、フィル・アダムス氏(所有株式数:732,660 株、所有新株予約権数:59,982 個、所有割合:1.61%)、サッシャ・ファイファー氏(所有株式数:1,055,661 株、所有新株予約権数:59,983 個、所有割合:2.26%)、アレクサンダー・エム・グルンワルド氏(所有株式数1,178,575 株、所有新株予約権数:59,983 個、所有割合:2.51%)、野々宮律子氏(所有株式数:0株、所有新株予約権数:140,685 個、所有割合:0.42%)、ジョン・エフ・ランブロス氏(所有株式数:85,981 株、所有新株予約権数:167,014 個、所有割合:0.51%)及び井田明一氏(所有株式数:72,500 株、所有新株予約権数:82,500 個、所有割合:0.31%)を個別に又は総称していいます。「本応募予定株式等のうち当社株式を合算した所有割合は18.12%、本新株予約権を合算した所有割合は2.62%であるとのことです。なお、所有株式数、所有新株予約権数及び所有割合は、本公開買付けの公表(2021年8月3日)時点の数値です。本応募契約の詳細につきましては、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「② 本応募契約」をご参照ください。
(注4) 「所有割合」は、(i)当社が2021年8月3日に提出した2021年12月期第2四半期決算短信[IFRS](連結)に記載された同年6月30日時点の当社の発行済株式総数(44,755,153株)に(ii)2021年6月30日時点で残存する全ての本新株予約権(5,373,415個)の目的となる株式数(5,881,703株)を加算した数(50,636,856株)から、(iii)当社が2021年8月3日開催の取締役会において消却を決議した本新株予約権(1,203,609個)の目的となる株式数(1,254,048株)を控除した数(49,382,808株)(以下「当社潜在株式勘案後株式総数」といいます。)に対する割合(小数点第三位以下を四捨五入しております。)をいいます。以下同じとします。なお、2021年6月30日時点で、当社は自己株式を所有しておりません。
当社は、本取引の目的を含む本公開買付けの概要、本取引が当社に与える影響、本取引後の経営方針の内容や当社の足元の株価動向等を踏まえ、三菱UFJモルガン・スタンレー証券から当社株式の価値算定結果に関する報告、Houlihan Lokeyとの交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受けるとともに、モリソン・フォースター法律事務所から本取引における手続の公正性を確保するための対応についてのガイダンスその他の法的助言を受けながら、Houlihan Lokeyとの間で、複数回に渡る協議・検討を重ねた上で、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に検討を行ってまいりました。
具体的には、Houlihan Lokeyと当社は、2021年7月上旬以降の当社の株価の上昇も踏まえ、国内上場企業の完全子会社化を目的とした公開買付け事例のプレミアム水準に比して遜色ない合理的な水準とすること、当社取締役会による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けに対する応募数の見通し、当社の足元の業績が好調であり想定よりも上振れて推移していることを総合的に鑑みて価格を交渉し、2021年7月14日、Houlihan Lokeyは、当社株式1株当たりの提案価格を1,350円に引き上げたとのことです。2021年7月29日に、当社は、当社の業績が継続して好調に推移しており、また連結業績予想は当社が2021年6月2日付の「業績予想の上方修正に関するお知らせ」で公表した水準からさらに修正される可能性があることを説明し、再度提案価格を引き上げることを要請しました。両社は、これを織り込みさらに交渉を重ねて、最終的に、Houlihan Lokeyと当社との間で、当社株式に係る適切な評価額及びプレミアムを反映した1株当たりの本公開買付価格は、1,380円であるとの合意に至りました。なお、Houlihan Lokeyは、本新株予約権についても本公開買付けの応募の対象とすべく、各本新株予約権1個当たりの買付け等の価格(以下「本新株予約権買付価格」といいます。)についても検討し、2021年7月上旬、当社株式1株当たりの本公開買付価格と各本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に各本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額とすることを当社に提案したとのことです。
これらの協議・交渉の結果、Houlihan Lokeyと当社は、上記において説明した理由により、Houlihan Lokeyが当社を完全子会社化することによって、当社の事業をHoulihan Lokeyの事業へと完全に統合することが、Houlihan Lokeyと当社との間のシナジーを創出するために不可欠であり、したがって両社の企業価値の向上に資する最善の方策であるとの考えで一致し、2021年8月1日、本買付条件等変更前の本公開買付価格を1株当たり1,380円とすることで合意に至りました。また、同日、本買付条件等変更前の本新株予約権買付価格を、本買付条件等変更前の本公開買付価格である1,380円と各本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に各本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額とすることについても、合意に至りました。これを受けて、Houlihan Lokeyは、2021年8月1日付取締役会決議に基づき、本公開買付けを実施することを決定したとのことです。
以上の経緯の下で、当社は、2021年8月3日開催の取締役会において、モリソン・フォースター法律事務所から受けた法的助言、三菱UFJモルガン・スタンレー証券から受けた財務的見地からの助言及び8月2日付で提出を受けた本株式価値算定書(三菱UFJモルガン・スタンレー証券)の内容並びにプルータスから8月2日付で提出を受けた本株式価値算定書(プルータス)及び本フェアネス・オピニオンの内容を踏まえつつ、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本買付条件等変更前の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、以下のとおり、当社としても、Houlihan Lokeyの完全子会社となることにより、シナジーの創出を見込むことができ、当社の企業価値の向上に資するとの結論に至りました。
当社の主力事業であるM&Aアドバイザリー事業は、今後日米欧問わずクロスボーダー案件が一層増加することが予想されるなど成長性のある事業ですが、周期性が高く、グローバルに展開する大手投資銀行や各国ローカルのM&Aアドバイザリー・ファームとの競争が厳しい分野でもあります。また、M&A市場は景気動向や金融情勢に大きく左右され、過去において常にブームとその後の反動による市場の縮小といった歴史を繰り返しており、先行きの見通しが難しい事業です。更に、当社は現時点でテクノロジー分野に強みを有しておりますが、当社が更なる成長と企業価値向上を遂げ、世界ナンバー・ワンの独立系M&Aアドバイザリー・ファームになるという当社の目標を達成するためには、得意とする業種や地域に関して当社との補完性が高く、かつ、高度な専門性を有するプロフェッショナルを擁するM&Aアドバイザリー・ファームとのM&Aは有力な手段であり、当社はこれまで様々なM&Aの機会を追求し、検討してきました。Houlihan Lokeyは、世界13ヵ国・23拠点で1,100人以上のプロフェッショナルを擁するグローバル投資銀行であり、米国を中心に幅広い業種の顧客をカバーし、米国、欧州、アジアに加えオーストラリア及び中東にも拠点を有しています。日本及び欧州に強みを持ち、欧米ではテクノロジー業界に注力し高いプレゼンスを有する当社と、米国に強みを持ち、非テクノロジー業界においても広範な顧客カバレッジを有するHoulihan Lokeyとは、相互の補完性が高く、大きなシナジーを生み出せる可能性があると、当社は考えました。
当社が実現可能と考える主なシナジーは、以下のとおりです。
(ア)米国プレゼンス拡大による案件獲得力の強化
Houlihan Lokeyは、米国市場において活発なプレゼンスを有する有力投資銀行です。M&Aの世界最大市場である米国市場でのHoulihan Lokeyのプレゼンスが加わることで、当社の対米国の案件開拓力が大幅に強化されることが期待されると共に、Houlihan Lokeyの実績、顧客や市場からの信用力が加わることで当社における顧客との関係強化、それに伴う案件数の増加が期待できます。
(イ)業界カバレッジ拡大による日本企業向けクロスボーダー案件の増大
製造業、消費財、ヘルスケア、ビジネスサービス、ファイナンシャル・スポンサーといったHoulihan Lokeyの幅広い業界カバレッジが加わることで、当社が強みとする日本の有力企業向けクロスボーダーM&Aに係るビジネス機会が大幅に増加することが期待できます。
(ウ)地域カバレッジ拡大によるクロスボーダー案件の増大
シドニー、香港、ドバイといったHoulihan Lokeyの拠点が加わることで、当社の顧客に対して提案可能な潜在的M&A案件の増加が期待できます。また、売手側案件が大多数を占める当社の欧州事業をはじめとして、買手企業に対する直接的なアクセスがグローバルに拡大することにより、売手側案件の獲得に際して一層競争力が高まることが期待できます。
(エ)ビジネスラインの多様化による安定成長基盤の構築
Houlihan Lokeyは、M&Aアドバイザリー・サービスのほか、資本調達、財務リストラクチャリング、バリュエーションといった多様なサービスの提供に強みを有していますが、特に財務リストラクチャリングにおいては世界でトップクラスの実績を有しており、同社の知見を活用することで、当社のM&Aアドバイザリー事業の拡大に資する可能性があるほか、景気減退局面におけるビジネス機会の増大も期待できます。
また、当社は、以下の点等から、本買付条件等変更前の本公開買付価格である1株当たり1,380円は当社の一般株主の皆さまが享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の一般株主の皆さまに対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
(Ⅰ)当該価格が、当社において、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本買付条件等変更前の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、Houlihan Lokeyとの十分な交渉を重ねた結果合意された価格であること。
(Ⅱ)当該価格が、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「①当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載の本株式価値算定書(三菱UFJモルガン・スタンレー証券)における三菱UFJモルガン・スタンレー証券による当社株式の価値算定結果のうち、市場株価法による算定結果を上回っており、また、類似企業比較法及びディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による算定結果のレンジの範囲内であること。
(Ⅲ)当該価格が、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「①当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載の本株式価値算定書(プルータス)におけるプルータスによる当社株式の価値算定結果のうち、市場株価法及び類似企業比較法による算定結果を上回っており、また、DCF法による算定結果のレンジの範囲内であること。また、本買付条件等変更前の本公開買付価格及びそれと同額の当社をHoulihan Lokeyの完全子会社とする取引における対価に関し、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「②本フェアネス・オピニオンの概要」に記載のとおり、プルータスから、本買付条件等変更前の本取引価格が当社の少数株主にとって財務的見地から不利益なものではなく妥当なものである旨の意見書が発行されていること。
(Ⅳ)当該価格が、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2021年8月2日の東京証券取引所市場第一部における当社株式の終値1,051円に対して31.30%(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、プレミアム率の計算において同じです。)、2021年8月2日から直近1ヶ月間の終値単純平均値1,071円に対して28.85%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値983円に対して40.39%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値896円に対して54.02%のプレミアムが加算されたものであり、完全子会社化を目的とした他の公開買付けの事例におけるプレミアムの水準と照らしても遜色なく、合理的な水準と認められること。
同様に、本買付条件等変更前の本新株予約権買付価格についても、本買付条件等変更前の本公開買付価格と各本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に当該各本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額を基に算定されているものであるため、本公開買付けは、当社の新株予約権の所有者の皆さまに対して合理的な本新株予約権の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
以上より、当社は、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本買付条件等変更前の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2021年8月3日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主及び本新株予約権の所有者の皆さまに対し、本公開買付けに応募することを推奨することを決議いたしました。
その後、当社は、2021年8月26日、当社が、2021年9月9日付で公表した「業績予想の上方修正に関するお知らせ」(以下「2021年9月9日付当社業績予想上方修正プレスリリース」といいます。)のとおり、(ⅰ)M&Aアドバイザリー業界が前例のないほど活況であり(但し、当社はこれが今後も続くとは考えておりません。)、結果としてM&Aアドバイザリー・サービスの価格水準が上昇していること、加えて(ⅱ)2021年8月3日の本公開買付けに関する意見表明時点では当社が成立可能性は低いと考えていた複数の大型案件が契約・成約、又は成功確率が高まったことにより、これらの案件からの収益計上の蓋然性が高まったことを主な理由として、当社の今期の連結業績予想が2021年8月3日付の「業績予想の上方修正に関するお知らせ」で公表した水準からさらに上方修正される可能性を認識しました。当社は、2021年8月1日の合意に至るまでに実施した本買付条件等変更前の本公開買付価格及び本新株予約権買付価格の交渉の前提としていた連結業績予想について、上方修正可能性を踏まえ、2021年9月1日、当該業績予想の上方修正可能性をHoulihan Lokeyに説明するとともに、業績予想の上方修正がなされた場合には、本公開買付けの公表時点で前提としていた2021年8月3日に公表した従来の今期の業績予想からの業績の上振れにより増加する可能性がある当期純利益・手元資金を本公開買付価格に反映すべく、本公開買付価格を引き上げること、及び本新株予約権買付価格をかかる引き上げ後の本公開買付価格と各本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に各本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額に引き上げることを要請しました。その後、当社は、業績予想数値見込みの精査を踏まえ、2021年9月4日、Houlihan Lokeyに対して、本公開買付価格を1,380円から1,398円に引き上げること、及び本新株予約権買付価格をかかる引き上げ後の本公開買付価格(1,398円)と各本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に各本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額に引き上げることを提案し、Houlihan Lokeyと当社は、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格の引き上げにより、当社の株主及び本新株予約権の所有者の皆さまが当事業年度の財務業績による利益の分配に与ることができるとの共通認識に至り、かかる共通認識に基づき、2021年9月9日、Houlihan Lokeyから、これを受諾する旨の回答を受領するとともに、Houlihan Lokeyによれば、Houlihan Lokeyは、2021年9月5日取締役会決議による授権に基づき、2021年9月9日に、本公開買付価格を1,398円に引き上げること、及び、本新株予約権買付価格を引き上げ後の本公開買付価格(1,398円)と各本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に各本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額に引き上げること(以下「本買付条件等変更」といいます。)を決定したとのことです。また、当社は、Houlihan Lokeyとの交渉と並行して、2021年9月2日、当社の第三者算定機関であるプルータスに対して、本買付条件等変更後の本取引価格が当社の少数株主にとって財務的見地から不利益なものではなく妥当なものであるかについて、2021年8月2日付の本フェアネス・オピニオンの維持が可能か否かの検討を依頼し、同年9月8日付で、本買付条件等変更後の本取引価格についても2021年8月2日付の本フェアネス・オピニオンの維持が可能である旨の意見書を取得しております。なお、2021年9月9日付当社業績予想上方修正プレスリリースで公表した業績予想の上方修正に関しては、従前からの業績予想と同様、足元の案件パイプラインの成立確度等の見直しを改めて行うなど、現時点で入手可能な将来に関する前提・見通しに基づいて当社経営陣が判断した予想であり、一定程度のリスクや不確定要素を含んでおります。実際の業績につきましては、M&A案件進捗に伴う収益費用計上のタイミング、グローバル各国拠点における税務上の見積もりや為替レートの変動等、様々な要素により今後変化する可能性があります。
以上の経緯の下で、当社は、2021年9月9日開催の取締役会において、当社のリーガル・アドバイザーであるモリソン・フォースター法律事務所から受けた法的助言、当社のファイナンシャル・アドバイザーである三菱UFJモルガン・スタンレー証券から受けた財務的見地からの助言、当社の第三者算定機関であるプルータスから取得した本買付条件等変更後の本取引価格についても2021年8月2日付の本フェアネス・オピニオンの維持が可能である旨の意見書、並びに、Houlihan Lokeyとの交渉経緯及びHoulihan Lokeyからの回答内容を踏まえつつ、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本買付条件等変更後の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、改めて慎重に協議及び検討を行いました。その結果、当社としても、Houlihan Lokeyの完全子会社となることにより、シナジーの創出を見込むことができ、当社の企業価値の向上に資するとの結論に変わりはないこと、本買付条件等変更後の本公開買付価格は、本買付条件等変更前の本公開買付価格に、本公開買付けの公表時点で前提としていた2021年8月3日に公表した従来の今期の業績予想からの業績の上振れにより見込まれる当期純利益の増加分9億円を本公開買付けの対象となる当社潜在株式勘案後株式総数49,382,808株で除した金額である18円(小数点以下を四捨五入しております。)を反映した合理的な価格であり、当社の株主及び本新株予約権の所有者の皆さまが当事業年度の財務業績による利益の分配に与ることができること、及び当社の来期以降の業績見通しについては、2021年8月3日の本公開買付けに関する意見表明時点からの変更はないこと等から、本買付条件等変更後の本公開買付価格及び本買付条件等変更後の本公開買付価格と各本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に当該各本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額を基に算定されている本買付条件等変更後の本新株予約権買付価格は妥当であり、引き続き当社の株主及び本新株予約権の所有者の皆さまに対して合理的な当社株式及び本新株予約権の売却の機会を提供するものであるとの考えに変わりがないことから、2021年8月3日付本意見表明プレスリリースにて公表した、本公開買付けに賛同する旨の意見、並びに、当社の株主及び本新株予約権の所有者の皆さまに対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見を維持することを決議いたしました。
その後、当社は、2021年9月28日、Houlihan Lokeyより、本公開買付けの結果について、当社株式40,093,154株、並びに、第7回新株予約権867,225個、第8回新株予約権570,000個、第9回新株予約権766,025個、第10回新株予約権560,000個、RSU-1新株予約権3,893個、RSU-3新株予約権490個、RSU-4新株予約権224,317個及びRSU-5新株予約権903,364個の応募があり、買付予定数の下限(32,921,900株)以上となり、本公開買付けが成立したことから、その全てを取得することとなった旨の報告を受けました。本公開買付け及び本公開買付けにより取得した本新株予約権の行使の結果、Houlihan Lokeyは、議決権所有割合90.01%を保有することとなり、当社の特別支配株主に該当することとなりました。
このような経緯を経て、当社は、Houlihan Lokeyより、2021年10月11日、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本取引の一環として、本株式売渡請求をする旨の通知を受けました。そして、当社は、かかる通知を受け、本株式売渡請求を承認するか否かについて、慎重に協議、検討いたしました。
その結果、2021年10月11日、会社法第370条による決議(取締役会の決議に代わる書面決議)によって、(i)本株式売渡請求は、本取引の一環として行われるものであるところ、2021年8月3日及び同年9月9日開催の当社取締役会で決議したとおり、上記の経緯及び理由により、当社が本取引によりHoulihan Lokeyの完全子会社となることが、当社の企業価値の向上に資するものであると判断しており、当該判断を変更すべき事情は特段生じていないこと、(ii)本株式売渡対価は、本公開買付価格と同一価格であるところ、当該価格の決定に際しては、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本取引の公正性を担保するための措置が講じられていること等に鑑みれば、本株式売渡対価は本売渡株主の皆さまにとって合理的な価格であり、本売渡株主の皆さまの利益を害することのないよう十分留意されていると考えられること、(iii)当社、Houlihan Lokey及び本応募取締役から独立した第三者算定機関であるプルータスから、2021年8月2日付で、本公開買付け及び本株式売渡請求を含む本取引における本買付条件等変更前の本取引価格が当社の少数株主にとって財務的見地から不利益なものではなく妥当なものである旨の意見書(本フェアネス・オピニオン)を取得し、さらに2021年9月8日付で、本買付条件等変更後の本取引価格についても2021年8月2日付の本フェアネス・オピニオンの維持が可能である旨の意見書を取得していること、(iv)Houlihan Lokeyは、本株式売渡対価をHoulihan Lokeyの現預金を原資として支払うことを予定しているところ、Houlihan Lokeyから提出された2021年10月6日時点のHoulihan Lokeyの預金残高に係る同日付の残高証明書を確認した結果、Houlihan Lokeyは、同日時点において、本株式売渡対価の支払いのための資金に相当する額を超える額の銀行預金を有しており、また、Houlihan Lokeyによれば、同日以降、本株式売渡対価の支払いに支障を及ぼす事象は発生しておらず、また今後発生する可能性も認識していないこと等から、Houlihan Lokeyによる本株式売渡対価の支払いのための資金の準備状況・確保手段は相当であり、本株式売渡対価の交付の見込みがあると考えられること、(v)本株式売渡対価の交付までの期間及び支払方法について不合理な点は認められず、本株式売渡請求に係る取引条件は相当であると考えられること、(vi)本公開買付けの開始日以降、本株式売渡請求に至るまで当社の企業価値に重大な変更は生じていないこと等を踏まえ、本株式売渡請求は、本売渡株主の利益に配慮したものであり、本株式売渡請求の条件等は適正であると判断し、当社がHoulihan Lokeyの完全子会社となるための本取引を進めるべく、Houlihan Lokeyからの通知のとおり、本株式売渡請求を承認する旨を決議いたしました。
以 上