四半期報告書-第9期第1四半期(平成28年4月1日-平成28年6月30日)

【提出】
2016/08/10 9:17
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29項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1)業績の状況
当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、企業収益や雇用情勢の改善等により、緩やかな回復基調が続きました。しかしながら、先行きについては、中国ならびにアジア新興国等の景気の減速感や英国のEU離脱決定による急激な相場変動等の影響に留意する必要があります。
当社グループの属する情報サービス産業は、日銀短観(平成28年6月調査)におけるソフトウェア投資計画(全産業+金融機関)が前年度比5.3%増となる等、企業のIT投資動向の強まりを反映し、当第1四半期連結累計期間の事業環境については好調に推移しました。
このような状況の中、当社グループは、現在遂行中の第3次中期経営計画(平成27年度~平成29年度)に基づくグループ経営方針のもと、グループの変革を通じたさらなる成長と企業価値の向上に向けた諸施策を推進しています。
当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高89,128百万円(前年同期比4.1%増)、営業利益4,017百万円(同85.1%増)、経常利益4,373百万円(同44.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,757百万円(同40.7%増)となりました。
売上高については、IT投資動向が強まりを見せる分野において顧客ニーズを的確に捉えたこと等が牽引し、前年同期を上回りました。
利益面については、増収効果や収益性向上に向けた取組みの進展等により、前年同期比増益となりました。
セグメント別の状況は以下のとおりです。なお、各セグメントの売上高はセグメント間の売上高を含んでいます。
①ITインフラストラクチャーサービス
当第1四半期連結累計期間の売上高は30,374百万円(前年同期比3.5%増)、営業利益は2,575百万円(同137.0%増)となりました。データセンター事業の安定的な推移、M&A効果を含むBPO事業の拡大に加え、効率化施策の推進によるコスト削減等により、前年同期比増収増益となりました。
②金融ITサービス
当第1四半期連結累計期間の売上高は18,404百万円(前年同期比8.0%増)、営業利益は588百万円(同26.9%増)となりました。クレジットカードを中心とした顧客のIT投資拡大の動きに伴う事業拡大等により、前年同期比増収増益となりました。
③産業ITサービス
当第1四半期連結累計期間の売上高は41,925百万円(前年同期比6.3%増)、営業利益は759百万円(同165.0%増)となりました。電力・ガスシステム改革に伴うエネルギー系顧客の活発なIT投資の継続や公共系大型案件の寄与等による事業拡大に加え、収益性向上に向けた取組みの進展等により、前年同期比増収増益となりました。
④その他
当第1四半期連結累計期間の売上高は2,742百万円(前年同期比31.8%減)、営業利益は230百万円(同49.9%減)となりました。主に、グループ組織再編に伴う影響により、前年同期比減収減益となりました。
前述の通り、当社グループは、前連結会計年度から第3次中期経営計画(平成27年度~平成29年度)を遂行しています。当連結会計年度においては、中期経営計画の基本コンセプトに基づくグループ経営方針を以下の通りと定め、グループの変革を通じたさらなる成長と企業価値の向上に向けた諸施策を推進しています。
第3次中期経営計画
基本コンセプト
平成29年3月期 グループ経営方針
利益重視「利益重視の経営」の徹底
ITブレイン
(付加価値ビジネス拡大)
事業持株会社体制を活かしたグループ全体最適の追求と顧客のデジタル経営に資する付加価値ビジネスの拡大
ポートフォリオ経営事業ポートフォリオ整理とビジネスモデルに適した人材育成と獲得

このような中、当社グループは、グループ全体最適及び事業ポートフォリオ経営の実現を目指すため、平成28年7月1日に、「TISインテックグループ」として新たな一歩を踏み出しました。当社が完全子会社であるTIS株式会社を吸収合併した上で、当社商号を「ITホールディングス株式会社」から「TIS株式会社」に変更するとともに、グループブランドの統一も実施しました。
これにより、これまでの純粋持株会社体制による分権的なガバナンス体制から、中核事業会社の求心力をベースとして「グループ全体最適」を第一とするガバナンス体制への方向転換を図り、外部環境や戦略変更に応じてスピーディーに経営資源の最適配置やグループフォーメーションの見直しが遂行できる体制への変革を進めました。
TISインテックグループは、視点を市場・顧客におき、グループ一丸となり、「顧客のデジタル経営」に資するグループとなることを目標とし、グループ内の現有経営リソースの最大価値を発揮できる体制構築を推進してまいります。特長ある強み・成長エンジンの先鋭化の一環として、これまでにも、グループ内に散在するBPO事業の株式会社アグレックスへの集約を推進していますが、当第1四半期においては、グループ中核会社の間において国保関連事業及び電力・ガス関連事業の再配置による事業集約(平成28年4月)や海外事業の一部集約(平成28年5月)等を実施しました。
今後も、競争優位性のある事業の強みをさらに強く、同業他社に比較優位のある事業(地方やBPO等)の優位性をさらに高め、既存事業と有機的に連携させることにより、グループの事業競争力の最大化を通じたグループ企業価値向上を目指してまいります。
また、当社グループは、Fintech、IoT、AI等の新たな技術の進展や業界の潮流への対応は、顧客のデジタル経営に資するために必須であると認識し、積極的に取り組んでいます。この一環として、従前からEC分野における共同事業の推進を目的として資本提携関係にある株式会社デジタルガレージの株式保有比率を高め(平成28年6月)、IT面における戦略パートナーとしての関係をより一層強固にし、同社、株式会社カカクコム及び株式会社クレディセゾンの3社が設立したオープンイノベーション型の研究開発組織『DG Lab』に技術開発パートナーとして参画しています(平成28年7月)。さらに、AI関連分野の株式会社エルブズへのシードマネーの出資(平成28年3月)、決済関連分野のQUADRAC株式会社との資本・業務提携(平成28年5月)をはじめ、ベンチャー企業との事業シナジーを通じた新たな付加価値の提供を目的とした戦略的投資活動を推進しており、そのスピーディーな実施を可能とするため、コーポレートベンチャーキャピタル制度の創設(平成28年5月)等、推進体制の強化を図りました。
事業領域の拡大に向けて推進中のグローバル事業においては、当社グループの強みである決済ソリューションの海外展開および拡大を目的として、資本・業務提携関係にあるタイの上場企業MFEC Public Company Limitedの子会社であり、主に銀行・保険会社等の金融機関向けモバイルアプリケーションの開発に強みを持つタイのリーディングカンパニー「PromptNow Co., Ltd.」を当社の連結子会社としました(平成28年5月)。
なお、経営環境の変化に柔軟に対応した機動的な資本政策を遂行し、株主利益及び資本効率の向上を図る一環として、当第1四半期において、計834,900株(取得価額の総額2,099百万円)の自己株式の取得を実施しました。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は221百万円となっております。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。